デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE72:挑戦者(チャレンジャー)、ひよりの覚悟!

 

 

 

 望の《ダイハード・リュウセイ》の効果で、シールドの中にあった《クロック》は無惨にも墓地に置かれ、悲しい現実を叩きつけられた咲恋は泣き叫ぶしかなかった。

 

 その光景を()の当たりにしたひよりは、アイドルである望の実力に驚いていた。

 

「つ、強いです……!」

 

「驚いているところ、悪いけど、今度はアナタの番よ?明星ひよりちゃん?」

 

「っ!?」

 

 今度はひよりとの対決。

 マリと咲恋の二人を相手にしたにもかかわらず、星野望は疲れを見せない。

 パフォーマンスを高く求められるアイドル活動の賜物(たまもの)か、中々疲れを見せない望。

 その姿に、ひよりは圧倒され、チーム内で実力の高い2人が敗れた今、ひよりは彼女()を倒せるのか、と、自身に問いかけた。

 

(いいえ!私だって、デュエマ部の……チーム、『ACE(エース) STRIKER(ストライカー)』の一員です!だから……!)

 

「だから、こんなところで諦めるわけにはいきません!《超戦龍覇 モルトNEXT》を召喚っ!マナ武装5で、超次元ゾーンから《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を装備!さらに、《禁断》の封印を1枚、墓地に置きます!」

 

 諦めない一心で、ひよりはカードを操る。

 それを見た望はふっと思った。

 

(この子、将来、有望な決闘者(デュエリスト)になりそうね!ひとつひとつのプレイに無駄がないし、今後に期待ね!)

 

 それは1人の決闘者としての視線、考えであり、望はこの合宿で一番伸びしろがあると感じた。

 

「けど……断念だけど、今は負けてあげない!」

 

「っ!?」

 

 その言葉にひよりはまた圧倒される。

 けれど、引き下がる訳にはいかない。ここまでやった以上、最後までやり切るのみ、と。

 

「《バトガイ刃斗》を装備した《モルトNEXT》はスピードアタッカーを得ます!よって……《モルトNEXT》で攻撃!攻撃する時に、《バトガイ刃斗》の効果で山札の上を見て……2体目の《モルトNEXT》を場に出します!マナ武装5で、今度は《闘将銀河城 ハートバーン》を場に出します!次に《禁断》の封印を墓地に置きます!」

 

 次に!と、言ったところで、ひよりは口籠った。

 理由は《バトガイ刃斗》を《バトガイ銀河》に龍解させるかどうか。

 龍解すれば、さらにドラゴンを呼ぶことができ、ひよりのマナゾーンにドラゴンが5枚以上あるので、《モルトNEXT》の(ドラゴン)マナ武装5で、今、攻撃中の《モルトNEXT》をアンタップさせ、ついでに《ハートバーン》を《ガイNEXT》に龍解できる。

 その《ガイNEXT》の能力で、ひよりのクリーチャーは全てスピードアタッカーを得るため、《バトガイ銀河》で新たに呼び出したドラゴンもすぐに攻撃に加わる。

 

 

 

 ──しかし、ひよりは躊躇(ためら)ってしまった。

 ()しくも、この状況、この状態が全て、以前、ブラックキャットの非公認大会で、勝とデュエマした時と全く同じなのだ。

 

 故にひよりは思う。あの時と同じように、シールド・トリガーで逆転されるではないか、と。

 

(……あの時は無我夢中でプレイしていましたが、今は違います!先輩達とたくさんデュエマをして、私自身、自分の実力が上がっていることを感じています!だから!)

 

「だから……ここは引き下がらず、前に出ます!自分のターン中に、2体目の《モルトNEXT》が出たことで、《バトガイ刃斗》を《バトガイ銀河》に龍解しますっ!」

 

「っ、このタイミングで《バトガイ銀河》……!?」

 

 前に出ることを決意したひよりは《バトガイ刃斗》を《バトガイ銀河》に龍解させる。

 その行動に望は驚く。何故なら、《モルトNEXT》の龍マナ武装5で、アタックの後に《モルトNEXT》をアンタップさせ、3体目のドラゴンを出した後に《バトガイ銀河》に龍解させた方が、盤面で詰めた方が良い。

 シールド・トリガーで除去される、または止められるリスクはあるが、それでも、そうした方が良いと、望は感じた。

 だが、同時に。ひよりがそうしないということは、シールド・トリガーを警戒し、それをケアしつつ、最初から場に出すドラゴンを2体までにして、その2体と《ハートバーン》の裏側、《ガイNEXT》と《モルトNEXT》の2体で詰めていった方が確実に勝利に繋がる。

 

 そう思った望は、自身のシールドにシールド・トリガーがあることを祈りつつ、次に《バトガイ銀河》の攻撃で、ひよりが呼び出すドラゴンに警戒するのだった。

 

「トリガーは……ないわ!」

 

「ヨシっ!アタックの終わりに、《モルトNEXT》の龍マナ武装5で、自身をアンタップ!自分のドラゴンがアンタップしたことで、《ハートバーン》を《ガイNEXT》に龍解ですっ!」

 

 これで、ひよりのクリーチャーは4体起き上がり、まだ龍マナ武装を使っていない《モルトNEXT》が1体と、《バトガイ銀河》で新たに呼び出すドラゴンのことを考えると、事実上、6回の攻撃が可能。

 

 対して、望のシールドは残り3枚。はっきり言って、この盤面で返せる札など、ないに等しい。

 

 

 

 ──だが、望はまだ諦めていなかった。

 

 それどころか、彼女の瞳から闘志が燃えていた。

 まるで、最後まで諦めず、ほんの僅かの可能性に信じて戦う、勝のような姿をしていた。

 

 その光景に、ひよりは一瞬、戸惑うも、すぐに気持ちを切り替え、《バトガイ銀河》に手を置く。

 

「《バトガイ銀河》でシールドを攻撃!攻撃時に、山札からカードを引いて、手札からドラゴンを1体、場に出します!私が場に出すのは《雷龍 ヴァリヴァリウス》です!」

 

(うわっ、何気に面倒なのが出てきた……まぁ、それでも……!)

 

「それでも、ただでは負けてあげないよ!シールド・トリガー!《スローリー・チェーン》と《テック(だん)波壊(はかい)Go(ゴー)》!」

 

「っ!?」

 

 まさかのシールド・トリガーが2枚あったことに、ひよりは驚く。

 そして、望は先程見せた2枚のシールド・トリガーの順番を一瞬考え、すぐに発動させる。

 

「まずは《波壊Go!》から解決するね!選択効果で、今回はコスト5以下のカードをすべて手札に戻すよ!その後に、《スローリー・チェーン》の効果で、ひよりちゃんのクリーチャーはもう私を攻撃できないよ!」

 

「っ、そんな……!ターンエンド、です……」

 

 後一歩及ばず、ひよりはターンエンドを宣言する。

 おまけに封印解放された《伝説(でんせつ)の禁断 ドキンダムX(エックス)》が棒立ち状態である。

 このカードは敗北能力を持ち、一度場を離れると、ひよりは即座に負けるのだ。

 まぁ、パワーは99999もあり、コスト4以下の呪文で選ばれないので、先程の《波壊Go!》のような高コストの呪文が多く入っていなければ、倒せないので、そう簡単に場を離れることはない。

 

 

 

 ──しかし、相手が望でなければ、話は別である。

 

「私のターン!さっきの攻撃で必要なパーツは揃ったわ!まずは呪文、《超次元シャイニー・ホール》で、《ドキンダムX》をタップ!」

 

「っ!?」

 

 早速、《ドキンダムX》の弱点を突いてくる望。

 その無駄のないプレイングにひよりは驚く。

 そして、望は超次元ゾーンから1枚のカードを取り出した。

 

「次に!超次元ゾーンから《勝利のプリンプリン》を場に出すわ!《プリンプリン》の効果で、《バトガイ銀河》を選んで、次の私のターンのはじめまで、ひよりちゃんの《バトガイ銀河》は攻撃とブロックができないわ!」

 

 さらに!と、望は残り6枚のマナをすべてタップさせた。

 

「宇宙より帰ってきた私の切り札!今こそ、共に戦いましょう!《リュウセイ・ジ・アース》を召喚っ!」

 

 ダンッ!と、音を鳴らし、デュエマ台を勢いよく叩き、望は切り札である《リュウセイ・ジ・アース》を場に出す。

 

「《ジ・アース》の効果で、山札の上を見て、そのカードを手札に加えるか、マナに置けるわ!今回は手札に加えるわ!そして──」

 

 望はさらに手札から1枚のカードに手を出す。

 マナはすべて使い切った。にも関わらず、望はさらにカードを使うのだ。

 

 ──そして、彼女が引き抜くカードが、否、そのカードこそ、望の真の切り札である。

 

「さぁ、最終決着(フィナーレ)よ!自分の場に《プリンプリン》と《リュウセイ》がいると、このカードはG(グラビティ)・ゼロで召喚できるわ!」

 

「っ、その効果で呼び出すカードって、まさか……!?」

 

 そこまで言われて、ひよりは1枚のカードを思い出す。

 

 そして、答え合わせをするかのように、望はそのカードを《リュウセイ・ジ・アース》の上に重ねた。

 

「これが私の真の切り札(ACE)!《リュウセイ・ジ・アース》を、《決着のリュウセイ・ジ・エンド》に進化!」

 

 サイキック・クリーチャーではないドラゴンに進化し、上記の通り、特殊なG・ゼロを持った進化クリーチャーで、リュウセイの名を持ったドラゴン、《決着のリュウセイ・ジ・エンド》がバトルゾーンに現れた。

 

「《リュウセイ・ジ・エンド》で、《ドキンダムX》に攻撃!この時、《リュウセイ・ジ・エンド》の効果を発動っ!このクリーチャーが相手クリーチャーとバトルする時、バトルするかわりに、そのクリーチャーを手札に戻して、《リュウセイ・ジ・エンド》をアンタップするわ!」

 

 この効果により、ひよりの《ドキンダムX》は手札に戻され、ひよりは敗北する。

 仮に、この攻撃をブロッカーで防げても、先程の効果で《リュウセイ・ジ・エンド》は場を離れない限り、何度でも《ドキンダムX》を攻撃できる。

 

 

 

 ──よって、ひよりはこの攻撃を防げず、《ドキンダムX》の効果で敗北するのだ。

 

「……《ドキンダムX》の効果で、私はゲームに敗北します」

 

 ひよりはなす術がなく、《ドキンダムX》の効果で敗北し、望は見事、彼女達を相手に3人抜きしたのだ。

 

 

 




リュウセイシリーズって、ボルシャックと同じぐらい、どれもこれもカッコいいですよね?
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