「僕がもう一人……?」
理由がわからない。訳がわからない。口に出しても余計にわからず、理解できない。
ただただ、脳裏に浮かぶのは「わからない」の一点張り。
強いてわかっていることは──彼は僕であって“僕じゃない”。
目の前にいる僕は顔が幼く、背がほんの少し、ほんの少しだけ縮んでいた。何故だかわからないけど。
「……お前は火野勝なのか?」
「……」
不意に、真さんが目の前にいる
すると、幼い僕はふっと、ニヤリと奇妙な笑みを浮かべた。
「そうさ、ボクは君さ。もしも、という可能性の君であり、君はその可能性に行かなかったボクさ」
「え?」
──どういう意味だ?
そう脳裏に浮かんだけど、すぐにその答えがわかった。
「……アナタ、“別世界の
「ピンポーン。大正解!さっすが、電融の王サマ。あ、今は禁断竜王だって?ま、どっちでもいいか!」
別世界の僕?それってつまり、平行世界から来た僕ってこと?
それにしても、さっきからノリが軽い気がするんだけど、気のせい?
「それよりさ、僕。ボクとデュエマしない?君が勝ったら、ここから出してあげるよ!」
「え?デュエマ?別に良いけど……」
「……待て火野勝」
「……真さん?」
突然、ボクは僕にデュエマを申し込み、僕はそれを了承するけど、真さんが僕の肩を掴んで、その申し出を止めた。
「何があるかわからない。ここは俺に任せてもらえないか?」
「……ありがとうございます、真さん。けど、ここは僕に任せてください」
僕のことを心配して真さんは先にカレとデュエマを申し込む提案をするけど、僕はそれを感謝しつつ、拒否した。
「なんとなく、これは自分で解決しなきゃいけない気がするんです。理由はわからないですが、そんな気がするんです……」
「憶測で物事を決めるな。だが、お前の意見は尊重する。故に俺が言えることは一つ……必ず勝て」
「ッ、はい!」
そう言って、僕はデッキを取り出し、いつも間にか、もう一人のボクに振り返り、前に出た。
「作戦会議は終わったー?」
「うん。終わったよ……キミを倒して、僕達は外に出る!!」
そう宣言すると、僕とカレの前に木製のデュエマ台が現れた。
「随分と気合か入ってるけど、最初から飛ばさないことをオススメするよ、僕」
「……肝に銘じておくよ、ボク」
「それじゃあ、始めようか?」
「ああ……」
「「デュエマ・スタートッ!!」」
「《アシスター・コッピ》を召喚!」
「……相変わらず、ボルシャックを使うね」
──こうして始まった僕とショウのデュエマ。
先行は僕からで、2ターン目にアーマードのコストを1軽減してくれる《アシスター・コッピ》を無事に召喚できた。
いつもはあまり引けないけど、今回は初手からあって良かった。
対してショウは僕のマナゾーンを見て、呆れていた。
「ボクのターン……君に見せてあげるよ?アーマードの“もう一つの可能性”を……」
「……え?」
突然、カレはそんなことを言い出し、2枚のマナをタップした。
「……ジェネレート!《
「!?」
カレが場に出したのは──コスト2の火文明のクロスギア、《竜装 ゴウソク・タキオンアーマー》。
それを見た時、僕は驚いた。何故なら、見たことない
「クロスギア!?それに見たことないカードだ!?」
「驚くのはまだ早いよ?このクロスギアが場にいる限り、ボクのクロスギアを出す時、またはクロスする時、そのクロスギアのコストを1軽減できる。さらに、ボクのサムライ・クリーチャーのコストを1軽減できる」
「な!?」
何それ!?効果盛りすぎでしょ!?
頭おかしいんじゃない!?
「ボクはこれでターンエンド。さぁ、君のアーマードを……いや、ボルシャックを見せてくれよ?」
僕が脳裏で突っ込む中、カレは僕に挑発した。
「……わかった。見せてあげるよ!僕のボルシャックを!僕のターン!」
本当はあの《タキオンアーマー》を退かしたいけど、断念ながら《ザーク・
だから、ここは──自分の動きを通す!
「《アシスター・コッピ》の効果で、各ターンに1度、アーマードを使うコストを1軽減!3マナで、《ボルシャック・バラフィオル》を召喚ッ!ターンエンド!」
自分のボルシャックが攻撃する度に、仲間を増やす《ボルシャック・バラフィオル》を召喚した僕は次のターンに備え、ターンを終えた。
手札にはスピードアタッカーを持ったボルシャックが2枚ある。そのうち1枚はコスト4の《ボルシャック・コーヤ・ドラゴン》がある。
次のターン、《アシスター・コッピ》が仮に破壊されても、このカードを使えば、《ボルシャック・バラフィオル》の効果が使える。
つまり、次のターンが来れば、僕の勝利が確定する!
「──何を勝ち誇っているか知らないけど、君に次のターンは来ないよ」
「え?」
何を言ってもいるんだ?
そう思った瞬間、目の前にいるボクは3枚のマナをタップした。
「勝利という名の