一方、その頃。何も知らない咲恋達は……。
「すみません、負けちゃいました……」
「そんなに落ち込まないの、ひよりちゃん」
「そうだよ?相手はアイドル。それでいて、デュエマの腕がとーても強い人なのよ。仕方がないよ……」
「そう……ですが……」
望に負けたひよりは激しく落ち込み、それを励ます咲恋とマリ。
しかし、一向に元気を取り戻さないひより。
その姿を見て、望はひよりの前に立つ。
「……ひよりちゃん、だって?少しお話しても良いかな?」
「?なんでしょうか?」
ひよりが問いかけると、望は「にぃぃー!」と言いながら、両手でひよりの頬を引っ張った。
「ふぇふぇんですか!?」
突然、自分の頬を引っ張る望に、ひよりは「何するんですか!?」と、抗議する。
「よしよし。少しは元気になったみたいね」
「ふぇ?」
望がそう言うと、ひよりは疑問に思い、ひよりの頬を放し、望は少し間を置いて、口を開いた。
「……昔ね、ある人に言われたの。一度失敗したぐらいで凹まない。成功するまで、何度でも挑戦して挑戦して挑戦して、成功した時は思いっきり笑おう!って」
突然、望は語りだし、それを聞いたひよりは失敗した時はどうするのか、疑問に思い、望に問いかけた。
「失敗した時は……?」
「……」
ひよりの質問に、望は少し考え、口を開いた。
「……失敗した時は思いっきり泣こうって言われたの。沢山泣いて、泣いた後は新しいことに挑戦しようって言われたの……私の場合、そんなことはなかったけど、もし、そうなってたら、多分泣いてた」
「……」
望がひよりに何を伝えたいのか、何となく、咲恋とマリは理解した。
彼女が言いたいのは最後まで諦めず、ほんの小さなチャンスを掴もう、と、ひよりにそう言いたいのだと、二人はそう思った。
「……わたし、もう凹みません!例え、何度凹みかけても、諦めず、勝利を掴んでみせます!」
望の想いが伝わったのか、ひよりは元気を取り戻し、それを見た望は満面の笑顔を見せる。
「……うん!その意気よ!ひよりちゃん!」
望の励ましで元気を取り戻したひよりを見て、咲恋とマリは静かに微笑んだ。
──その時だ。
「皆、大変だ!」
「!?どうしたの!?裕也くん!?」
突然、望達の前に裕也が慌てて現れ、彼の慌てぶりに何か異常事態が発生したと思い、望は彼に問いかけた。
──そして、次の瞬間。
裕也の言葉に望を含む、その場にいる女性陣全員が目を開き、驚く。
「──火野が何者かに襲われて、怪我をした!」
『……え?』