デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE81:想い──皆の想い、真の想い。そして──

 

 

 

「勝!アンタ、デュエマをやめるって本気なの!?」

「ざけんじゃねぇぞ!オレはまだテメエに勝ってねえぞ!」

「火野先輩!俺達には貴方が必要です!だから、デュエマをやめないでください!」

 

 僕が真さんとデュエマをしている中、咲恋ちゃん、早峰先輩、眼鏡くんの3人がそれぞれ僕に想いを伝え、説得した

 

 ……悪いけど、それは無理な相談だ。

 

「……真さん、デュエマを続けましょう」

「「「!?」」」

 

 けど、僕は3人の説得を無視し、真さんとのデュエマを続けた。

 それを見た彼女──エリカさんがついにブチギレた。

 

「火野勝!ふざけるのも大概にしなさい!」

「エリカ!?ちょっと落ち着いて!」

「落ち着いてなどいられません!先程から何ですか?突然、デュエマをやめるなど、本気だの言い出して、貴方はそういう人ではないでしょう!下手な嘘を()くぐらいから、もっとマトモな嘘を──」

 

「──うるさいっ!」

 

『!?』

 

 あまりにもエリカさんがやかましいので、僕はついに怒鳴ってしまった。

 

 もう……我慢の限界だ!

 

「さっきからなんだ?人がデュエマをやめるつもりなのに、君たちの勝手な都合で僕に押しつけるな!僕はこの合宿で気付かされたんだ!──自分は……本当はデュエマが嫌いだってことに!」

『!?』

 

 その言葉に皆は驚き、僕ははっとなって、我に返った。

 

 ああ、つい勢いで言ってしまった。けど、こればかりは仕方がない。訂正のしようがない。

 

 暫く沈黙が続いたが、先に僕が口を切り開いた。

 

「……わかっただろ?これが本当の僕だ。だから、僕のことは、もうほっといてくれ……」

「勝様……」

「先輩……」

 

 僕がそう言うと、秋乃さんとひよりちゃんが落ち込んだ。そして、カードになってわからないが、禁断竜王も落ち込んでいる気がした。

 

 

 またしても沈黙。空気が最悪と言った状況だ。

 正直、デュエマなんて、続けられる気がしない。

 

 

 ──しかし、ただ一人、真さんだけが違った。

 

 

「──ほっとけるわけないだろ?この馬鹿者」

 

 突然、真さんは僕に罵倒し、僕は思わず、「……え?」と驚いてしまった。

 

「火野勝。お前は……本当はデュエマが好きだ。誰よりも好きだからこそ、嫌いになる理由がない。あるとすれば、もう一人の(お前)の言葉だ。だが、気にするな……ヤツの言葉を()に受けるな。耳を貸すな……」

「けど、僕は……」

「それだ。その思考こそ、お前の考えを歪ませている原因だ。故に──俺がお前の根性を叩き直してやる!俺のターン!」

 

 勢いよく、カードを引き、真さんは「よし!」と一言言って、手札を1枚、マナに置いた。

 これで真さんのマナは4マナ。ソニック・コマンドの大半が4マナで固められているから、ここいらで動いてくるはず。

 

 

「このカードで、お前の目を覚ましてやる!いくぞ!──《絶速(ぜっそく) ザ・ヒート》を召喚ッ!」

 

 

 それは今まで見てきたソニック・コマンドと違った。

 とても異質で、かなり不気味。けれど、心は燃えていた。

 まさに──灼熱。ヒートの名前に恥じぬクリーチャーだった。

 

 

『オラオラオラァ!魂燃えてるか?真?』

 

「安心しろ。今日の所は最初からヒートアップしている」

 

『そうか?そうだな!そういうことにするぜ!という訳でオマエ達、魂燃えてるかぁ?』

 

『……え?カードの中からクリーチャーが喋った!?』

 

 突然、カードの中から話し声が聞こえることに、僕以外のデュエマ部の皆は驚き、困惑した。

 

 そう言えば、真さんのクリーチャーって、結構話し声が聞こえやすいんだよね……。

 それはそうと。あのザ・ヒート、めっちゃテンション高い気がするんだけど、気のせい?

 

 

「……悪いがヒート。今回は(かつ)を入れたいヤツがいる。力を貸してくれるか?」

 

『お安い御用だぜ、真!テメエからの頼みなら、喜んで受けてやるッ!んで、その相手が目の前にいるヤツか?』

 

「ああ、そうだ」

 

 そう真さんが返事を返すと、ザ・ヒートは僕を見て、観察する。

 

『フムフム、なるほどな。これは相当に、(すみ)やかに!爆速的に!絶速(ぜっそく)的に!喝を入れなければだな!』

 

「いけるか?」

 

『ハッ!誰にものを言っているんだ?そうしなければならない理由があるだろ?だったら任せろ!人生、何事も気合と根性で、大体どうにかなる!』

 

 うわ、すごい脳筋的思考だ。

 いや、それよりも、まず先にやることがある。

 

「そろそろ、デュエマ続けません?」

「おっと、そうだな。ヒート、大人しくしてろよ?」

『あいよ!って、言われても聞かないんだがな!』

 

 ハハハッ!と、カードの中で、ゲラゲラと笑い出すザ・ヒート。

 対して、真さんは気にせず、火のコマンドが出たことで、《禁断》の封印を1枚墓地に置き、そのまま《ザ・ヒート》の効果を解決する。

 

「《ザ・ヒート》が場に出た時、山札の上から3枚を墓地に置く。その後、墓地からクリーチャーを1枚回収する。俺が回収するのは《レッドゾーンF(フォーミュラー)》だ」

「っ……!?」

 

 

 マズイ。確か、あのカード──《レッドゾーンF》──は攻撃した後に、自身だけを墓地に置いて、進化元をアンタップする能力と、攻撃中、こっちのG(ガード)・ストライクが一切使えない効果を(あわ)せ持っている。

 おまけに、真さんの場には《カンゴク》がいるため、このターン、真は合計で、3回の攻撃ができる。

 正直、状況は最悪と言って良いほどに等しい。

 

「耐えきれるのか?この盤面を……?」

「声に出ているぞ?」

「っ……!?」

 

 真さんの指摘で僕は思わず、口を塞いだ。

 

「ミスは誰にでもある。その上で耐えてみせろ。お前なら……お前にしかできないはずだ。この状況を覆せ!」

「……」

 

 そう言われて、僕は自分の胸に手を当てた。

 

 

「──っ!?」

 

 

 ──刹那。周囲が一変した。

 

 

 

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