「勝!アンタ、デュエマをやめるって本気なの!?」
「ざけんじゃねぇぞ!オレはまだテメエに勝ってねえぞ!」
「火野先輩!俺達には貴方が必要です!だから、デュエマをやめないでください!」
僕が真さんとデュエマをしている中、咲恋ちゃん、早峰先輩、眼鏡くんの3人がそれぞれ僕に想いを伝え、説得した
……悪いけど、それは無理な相談だ。
「……真さん、デュエマを続けましょう」
「「「!?」」」
けど、僕は3人の説得を無視し、真さんとのデュエマを続けた。
それを見た彼女──エリカさんがついにブチギレた。
「火野勝!ふざけるのも大概にしなさい!」
「エリカ!?ちょっと落ち着いて!」
「落ち着いてなどいられません!先程から何ですか?突然、デュエマをやめるなど、本気だの言い出して、貴方はそういう人ではないでしょう!下手な嘘を
「──うるさいっ!」
『!?』
あまりにもエリカさんがやかましいので、僕はついに怒鳴ってしまった。
もう……我慢の限界だ!
「さっきからなんだ?人がデュエマをやめるつもりなのに、君たちの勝手な都合で僕に押しつけるな!僕はこの合宿で気付かされたんだ!──自分は……本当はデュエマが嫌いだってことに!」
『!?』
その言葉に皆は驚き、僕ははっとなって、我に返った。
ああ、つい勢いで言ってしまった。けど、こればかりは仕方がない。訂正のしようがない。
暫く沈黙が続いたが、先に僕が口を切り開いた。
「……わかっただろ?これが本当の僕だ。だから、僕のことは、もうほっといてくれ……」
「勝様……」
「先輩……」
僕がそう言うと、秋乃さんとひよりちゃんが落ち込んだ。そして、カードになってわからないが、禁断竜王も落ち込んでいる気がした。
またしても沈黙。空気が最悪と言った状況だ。
正直、デュエマなんて、続けられる気がしない。
──しかし、ただ一人、真さんだけが違った。
「──ほっとけるわけないだろ?この馬鹿者」
突然、真さんは僕に罵倒し、僕は思わず、「……え?」と驚いてしまった。
「火野勝。お前は……本当はデュエマが好きだ。誰よりも好きだからこそ、嫌いになる理由がない。あるとすれば、もう一人の
「けど、僕は……」
「それだ。その思考こそ、お前の考えを歪ませている原因だ。故に──俺がお前の根性を叩き直してやる!俺のターン!」
勢いよく、カードを引き、真さんは「よし!」と一言言って、手札を1枚、マナに置いた。
これで真さんのマナは4マナ。ソニック・コマンドの大半が4マナで固められているから、ここいらで動いてくるはず。
「このカードで、お前の目を覚ましてやる!いくぞ!──《
それは今まで見てきたソニック・コマンドと違った。
とても異質で、かなり不気味。けれど、心は燃えていた。
まさに──灼熱。ヒートの名前に恥じぬクリーチャーだった。
『オラオラオラァ!魂燃えてるか?真?』
「安心しろ。今日の所は最初からヒートアップしている」
『そうか?そうだな!そういうことにするぜ!という訳でオマエ達、魂燃えてるかぁ?』
『……え?カードの中からクリーチャーが喋った!?』
突然、カードの中から話し声が聞こえることに、僕以外のデュエマ部の皆は驚き、困惑した。
そう言えば、真さんのクリーチャーって、結構話し声が聞こえやすいんだよね……。
それはそうと。あのザ・ヒート、めっちゃテンション高い気がするんだけど、気のせい?
「……悪いがヒート。今回は
『お安い御用だぜ、真!テメエからの頼みなら、喜んで受けてやるッ!んで、その相手が目の前にいるヤツか?』
「ああ、そうだ」
そう真さんが返事を返すと、ザ・ヒートは僕を見て、観察する。
『フムフム、なるほどな。これは相当に、
「いけるか?」
『ハッ!誰にものを言っているんだ?そうしなければならない理由があるだろ?だったら任せろ!人生、何事も気合と根性で、大体どうにかなる!』
うわ、すごい脳筋的思考だ。
いや、それよりも、まず先にやることがある。
「そろそろ、デュエマ続けません?」
「おっと、そうだな。ヒート、大人しくしてろよ?」
『あいよ!って、言われても聞かないんだがな!』
ハハハッ!と、カードの中で、ゲラゲラと笑い出すザ・ヒート。
対して、真さんは気にせず、火のコマンドが出たことで、《禁断》の封印を1枚墓地に置き、そのまま《ザ・ヒート》の効果を解決する。
「《ザ・ヒート》が場に出た時、山札の上から3枚を墓地に置く。その後、墓地からクリーチャーを1枚回収する。俺が回収するのは《レッドゾーン
「っ……!?」
マズイ。確か、あのカード──《レッドゾーンF》──は攻撃した後に、自身だけを墓地に置いて、進化元をアンタップする能力と、攻撃中、こっちの
おまけに、真さんの場には《カンゴク》がいるため、このターン、真は合計で、3回の攻撃ができる。
正直、状況は最悪と言って良いほどに等しい。
「耐えきれるのか?この盤面を……?」
「声に出ているぞ?」
「っ……!?」
真さんの指摘で僕は思わず、口を塞いだ。
「ミスは誰にでもある。その上で耐えてみせろ。お前なら……お前にしかできないはずだ。この状況を覆せ!」
「……」
そう言われて、僕は自分の胸に手を当てた。
「──っ!?」
──刹那。周囲が一変した。