デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE82:希望──勝の想い、太陽が降りる時。

 

 

 

 突然、真っ白な空間に変わり、僕は周囲を見渡した。

 

「誰もいない……?」

 

「──いるよ」

 

「!?」

 

 聞き慣れた声。その声に僕は驚き、真っ直ぐ、前を向いた。

 すると、そこから影が現れた。それが徐々に前に近づき、やがて、人の姿となって、その身を(あらわ)にした。

 

 ──そいつは昼間に見た幼い火野勝(ボク)だった。

 

 カレを見て、僕は身構える。

 

「……」

 

「……何を考えているの?」

 

「……僕は本当にデュエマが嫌いなの?」

 

 僕の問いかけにカレは深い溜め息を吐いた。

 

「これを見ても、まだ同じことが言えるの?」

 

「っ!?」

 

 カレの手によって見てられる景色。

 そこには傷だらけで、ボロボロのボルシャックの姿があり、地面に倒れ込むデュエマ部の皆。

 

 

 ──さらに、彼らの前に立ち上がる結衣、キャル、黒江。そして──()の姿があった。

 

 その後ろには、ジャシン帝、ゴルファンタジスタ、オーパーツ──ボルシャック・フォース・ドラゴンの姿があった。

 

 

「これでも君は、自分はデュエマが嫌いじゃないって、言い切れるのか?」

 

「……本当にそうなのかな?」

 

「何……!?」

 

 僕の言葉にカレは驚き、動揺する。

 

 そして、それに合わせるかのように、僕の目の前で見える景色に、1人の少女が立ち上がった。

 

「!?」

 

 その光景に、妄想(イメージ)の中の僕は驚く。

 

 絶望的な状況にもかかわらず、彼女はたった1人で、静かに立ち上がった。

 

「どんなに絶望的でも、最後まで諦めない。それが“火野勝”という人間だろ?だったら──

 

 

 

 ──最後まで諦めず、自分の好きを貫き通す!それが火野勝()だッ!」

 

 

 その瞬間。光が──太陽が降りてきた。

 

 その太陽に共鳴して、イメージに映るボルシャック・フォース・ドラゴンはボルシャック・レイダーに変化した。

 

 そして、空想、妄想と分かりながらも、僕は彼女──秋乃さんに視点を向けた。

 

「……」

 

 目が合った彼女は無言で頷き、一枚のカードを取り出し、掲げた。

 

 

 ──その瞬間。希望の光が輝いた。

 

 

「ッ、そんな、まさか……!?」

 

 カレが驚く中、秋乃さんが握られたカードと太陽、そして、ボルシャック・レイダーが光り出した。

 

 やがて光が消え、目の前に映る光景が(さま)変わりした。

 

 そこにはもう絶望はなく、希望に溢れた世界に変わっていた。

 

 そして、気づけば、僕の横に秋乃さんがいて、後ろには姿を変えたボルシャック・レイダーの姿があった。

 

「……ありがとう、フォース・ドラゴン、秋乃さん。それから、秋乃さん。さっきは酷いこと言って……ごめん」

 

「……」

 

 僕の謝罪に秋乃さんは無言で微笑み、そのまま粒子となって消えた。

 

 うん。わかっているよ。ちゃんと、向こうで秋乃さんに直接謝るよ。

 

「何故だ!?何故捨てない!?何故認めない!?自分の罪に!?自分の行い!?何故だ!?何故、君達は彼についていくんだ!?」

 

「──そんなもの、決まっている」

 

 突然、ボルシャック・NEXが姿を現し、カレにそう言い切った。

 

「キサマは我々を捨てた。だが、こちらの主人は我々を捨てなかった。ただそれだけの話だ」

 

「それに、そもそも、根本的な考え方が違います。アナタと主では全くと言っていいほどに……」

 

「故に拙者達はショウ殿についていくのでござるッ!」

 

 次々に、ボルシャック・カイザー、禁断竜王、モモキングが姿を現し、僕とカレの在り方の違いを説明した。

 

「ふざけるな!そんなの納得できるか!」

 

「今のキサマにはわからぬだろうな」

 

「ッ、ボルシャック・ドギラゴン……!?」

 

 最後にボルシャック・ドギラゴンが姿を現すと、カレは後ずさった。

 

「お前も、ボクを見下すのか!?弱いボクを見下して、強い僕につくのか!?」

 

「力に強さも、弱さも関係ない!ましてや、そこに上下関係など、もってのほかだ!」

 

「黙れ!真っ先にボクを裏切ったお前に言われたくないッ!」

 

「……」

 

 ──ああ、そうか。

 

 カレも結局は僕と何も変わらないのか……。

 だったら、僕が言えることは一つ。

 

「僕は……デュエマを捨てないよ」

 

「!?何故だ!?辛くないのか?怖くないのか?段々、嫌な想いをしたはずだ!それなのに、何故!?」

 

「好きだからだよ……」

 

「!?」

 

 たったの一言。たったの一言で、カレは驚き、黙り込んだ。

 

「デュエマが好きだから、どんなに辛くても、どんなに怖くても、好きな物を捨てたくないんだ。だから……僕はデュエマを捨てない……!」

 

「ふ、ふざけるなッ!」

 

「グオオォォンッ!」

 

 カレの叫び声に、ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」が姿を現し、叫び声を上げ、空間に裂け目を開いた。

 

「もう良い!ボクの思い通りにならないなら、ボクの手で、君を絶望の底に叩き落としてやるッ!」

 

 そう言って、カレはボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」の背中に乗って、どこかへ飛び去った。

 

 それを見て、僕は皆に振り返る。

 いつも間にか、沢山のクリーチャーが並び立っていたが、僕は気にせず彼らに語りかける。

 

「……皆、僕に力を貸してくれる?」

 

「「「「「勿論だ(当たり前だ)(心得た)(任せろ)ッ!」」」」」

 

 そう言って、皆、カードに戻り、僕の周囲に集まり、そのまま光り輝いた──

 

 

 

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