突然、真っ白な空間に変わり、僕は周囲を見渡した。
「誰もいない……?」
「──いるよ」
「!?」
聞き慣れた声。その声に僕は驚き、真っ直ぐ、前を向いた。
すると、そこから影が現れた。それが徐々に前に近づき、やがて、人の姿となって、その身を
──そいつは昼間に見た幼い
カレを見て、僕は身構える。
「……」
「……何を考えているの?」
「……僕は本当にデュエマが嫌いなの?」
僕の問いかけにカレは深い溜め息を吐いた。
「これを見ても、まだ同じことが言えるの?」
「っ!?」
カレの手によって見てられる景色。
そこには傷だらけで、ボロボロのボルシャックの姿があり、地面に倒れ込むデュエマ部の皆。
──さらに、彼らの前に立ち上がる結衣、キャル、黒江。そして──
その後ろには、ジャシン帝、ゴルファンタジスタ、オーパーツ──ボルシャック・フォース・ドラゴンの姿があった。
「これでも君は、自分はデュエマが嫌いじゃないって、言い切れるのか?」
「……本当にそうなのかな?」
「何……!?」
僕の言葉にカレは驚き、動揺する。
そして、それに合わせるかのように、僕の目の前で見える景色に、1人の少女が立ち上がった。
「!?」
その光景に、
絶望的な状況にもかかわらず、彼女はたった1人で、静かに立ち上がった。
「どんなに絶望的でも、最後まで諦めない。それが“火野勝”という人間だろ?だったら──
──最後まで諦めず、自分の好きを貫き通す!それが
その瞬間。光が──太陽が降りてきた。
その太陽に共鳴して、イメージに映るボルシャック・フォース・ドラゴンはボルシャック・レイダーに変化した。
そして、空想、妄想と分かりながらも、僕は彼女──秋乃さんに視点を向けた。
「……」
目が合った彼女は無言で頷き、一枚のカードを取り出し、掲げた。
──その瞬間。希望の光が輝いた。
「ッ、そんな、まさか……!?」
カレが驚く中、秋乃さんが握られたカードと太陽、そして、ボルシャック・レイダーが光り出した。
やがて光が消え、目の前に映る光景が
そこにはもう絶望はなく、希望に溢れた世界に変わっていた。
そして、気づけば、僕の横に秋乃さんがいて、後ろには姿を変えたボルシャック・レイダーの姿があった。
「……ありがとう、フォース・ドラゴン、秋乃さん。それから、秋乃さん。さっきは酷いこと言って……ごめん」
「……」
僕の謝罪に秋乃さんは無言で微笑み、そのまま粒子となって消えた。
うん。わかっているよ。ちゃんと、向こうで秋乃さんに直接謝るよ。
「何故だ!?何故捨てない!?何故認めない!?自分の罪に!?自分の行い!?何故だ!?何故、君達は彼についていくんだ!?」
「──そんなもの、決まっている」
突然、ボルシャック・NEXが姿を現し、カレにそう言い切った。
「キサマは我々を捨てた。だが、こちらの主人は我々を捨てなかった。ただそれだけの話だ」
「それに、そもそも、根本的な考え方が違います。アナタと主では全くと言っていいほどに……」
「故に拙者達はショウ殿についていくのでござるッ!」
次々に、ボルシャック・カイザー、禁断竜王、モモキングが姿を現し、僕とカレの在り方の違いを説明した。
「ふざけるな!そんなの納得できるか!」
「今のキサマにはわからぬだろうな」
「ッ、ボルシャック・ドギラゴン……!?」
最後にボルシャック・ドギラゴンが姿を現すと、カレは後ずさった。
「お前も、ボクを見下すのか!?弱いボクを見下して、強い僕につくのか!?」
「力に強さも、弱さも関係ない!ましてや、そこに上下関係など、もってのほかだ!」
「黙れ!真っ先にボクを裏切ったお前に言われたくないッ!」
「……」
──ああ、そうか。
カレも結局は僕と何も変わらないのか……。
だったら、僕が言えることは一つ。
「僕は……デュエマを捨てないよ」
「!?何故だ!?辛くないのか?怖くないのか?段々、嫌な想いをしたはずだ!それなのに、何故!?」
「好きだからだよ……」
「!?」
たったの一言。たったの一言で、カレは驚き、黙り込んだ。
「デュエマが好きだから、どんなに辛くても、どんなに怖くても、好きな物を捨てたくないんだ。だから……僕はデュエマを捨てない……!」
「ふ、ふざけるなッ!」
「グオオォォンッ!」
カレの叫び声に、ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」が姿を現し、叫び声を上げ、空間に裂け目を開いた。
「もう良い!ボクの思い通りにならないなら、ボクの手で、君を絶望の底に叩き落としてやるッ!」
そう言って、カレはボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」の背中に乗って、どこかへ飛び去った。
それを見て、僕は皆に振り返る。
いつも間にか、沢山のクリーチャーが並び立っていたが、僕は気にせず彼らに語りかける。
「……皆、僕に力を貸してくれる?」
「「「「「勿論だ(当たり前だ)(心得た)(任せろ)ッ!」」」」」
そう言って、皆、カードに戻り、僕の周囲に集まり、そのまま光り輝いた──