デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE83:禁断の轟速──炸裂!ブラックゾーンラッシュッ!!

 

 

 

「──ッ!?ここは……?」

 

 

 僕は一体何をしていた?

 

 

 そう思った時、僕は直前の記憶を思い出し、自分はまだ真さんとデュエマをしていることに気づいた。

 

「どうやら、何か掴めたみたいだな……」

「ええ、お陰様で……自分の本当の気持ちに気づきました」

 

 それを聞いた真さんは「そうか……」と、小さく呟き、満面の笑みを浮かべた。

 

「これで遠慮なく、お前を全力で叩きのめすことができる!」

「……っ!?」

 

 その一言で、真さんの目が一瞬で変わった。

 

「いくぞ!《ザ・ヒート》で攻撃!この時、手札にある《覇帝(はて)なき侵略 レッドゾーンF》の侵略を発動ッ!」

 

 本気を出してきた真さんを相手に、僕は僕の今ある全力で、真さんとのデュエマに集中した。

 

「火のコマンドが出たことで、《禁断》の封印を1枚墓地へ!そして、《レッドゾーンF》でW(ダブル)・ブレイクッ!」

 

『オラァッ!W・ブレイカー、一丁お上がり!』

 

 ブレイクされる2枚のシールド。その中にはシールド・トリガーがあり、僕はすかさず、それを使った。

 

「ッ、シールド・トリガー!呪文、《大和(やまと)ザンゲキ(けん)》!自分の場にドラゴンがいるので、パワー12000以下のクリーチャーを1体破壊できる!《カンゴク入道》を破壊!」

 

「ッ、《レッドゾーンF》を破壊にしないのか!?」

 

『オイオイオイ!焦って、プレミかよ!ダッセェな!!」

 

「……」

 

 ザ・ヒートに煽られながらも、僕は手札を見て冷静に思考を(めぐ)らせた。

 

(いや、あの顔。ミスではないな?誘っているのか?だとしたら、どうする?)

 

 一方の真は先程の勝のプレイングに何か裏があると感じ、少し考え込む。

 

(手札には《レッドゾーンZ(ゼット)》がある。故に、このターンで決めることは可能だが、裏目を考える必要があるな。ならば……!)

 

 考えが纏まった真は次の一手(いって)に出る。

 

「《レッドゾーンF》の効果で、自身を墓地に置き、《ザ・ヒート》を叩き起こす!そして、《ザ・ヒート》で攻撃!──この時、侵略、発動ッ!」

 

 手札から1枚、墓地から2枚のカードを使用し、宣言する。

 

「手札から《(あつ)き侵略 レッドゾーンZ》と、墓地から《禁断の轟速 レッドゾーンX(エックス)》と《禁断の轟速 ブラックゾーン》の3枚を《ザ・ヒート》に重ねて侵略進化ッ!」

 

『レッドゾォォンッ!ゼェェトッ!!……からの、レッドゾォォンッ!エェェクスッ!!……そして、ブラックッ、ゾォォォンッ!!!』

 

 一番下から《レッドゾーンZ》、《レッドゾーンX》──そして、一番上に、《ブラックゾーン》に重ねて、《ザ・ヒート》を進化させる真さん。

 同時に、ザ・ヒートは叫び、火のコマンドが3体出たことで、真さんは《禁断》の封印をすべて、墓地に置いた。

 

 

 よって──

 

 

「──禁ッ、断ッ!!……解ッ、放ッ!!《伝説の禁断 ドキンダムX》ッ!!!」

 

 

 ──最強の禁断のレジェンドカード、《ドキンダムX》が解放された。

 

 

 幸い、僕の《ボルシャック・フォース・ドラゴン》はまだタマシード状態のため、《ドキンダムX》の効果で、封印される心配はない。

 

 ただ、一番の問題は、真さんが最初に《ザ・ヒート》に重ねたカード、《レッドゾーンZ》の効果だ。

 

 

『くらいやがれッ!ゼット、ブラック、ゾォォン、ラァァシュッ!!』

 

 

 炸裂するブラックゾーンの拳が僕の最後のシールドを叩き割った。

 しかも、墓地に置かれたのが、《スーパー・スパーク》だった。

 

 

 最悪だ。よりによって、今、一番墓地に置かれたくないカードが墓地に置かれた……。

 

 

「これで終わりだッ!《ブラックゾーン》で、ダイレクトアタックッ!!」

 

『あばよ!ブラック、ゾォォン、パンチッ!!』

 

 

 真さんの《ブラックゾーン》のダイレクトアタックが決まれば、僕は敗北する。

 正直、このまま負けるつもりでいた。

 

 

 ──けど、そうもいかなかった。

 

 

「先輩!負けないでください!!」

「勝様!最後まで諦めないでください!!」

 

 

「──ッ!?」

 

 

 ひよりちゃんと秋乃さんの叫びに僕は驚き、2人に振り向く。

 

 

「例え、デュエマをやめても、このデュエマだけは負けないでくださいっ!!」

「そうですわよ!わたくしの知っている勝様はこんなところで諦めたりしませんわ!!」

 

 

 それは励まし、応援──エールの言葉だった。

 それを聞いた僕は2人を見て、ふっと、小さく笑ってしまった。

 

「良いの?ここで勝ったら、僕、デュエマをやめちゃうよ?」

「そうだぜ!ここは……えっと誰だって?まぁ、良いや!先輩に勝ってもらうのが筋だろ?」

 

 うわ、早峰先輩。さりげなく、真さんの名前忘れてる。

 

「……本当にそう思いますの?皆さん?」

「あ?そう思うも何も、そうだろ?なぁ、斎条?」

「……そうね。私も秋乃さんと同じよ」

「ほらよぉ!って、ええええええええええ!?なんでぇぇ!?」

 

 咲恋ちゃんの意外な発言に、早峰先輩は困惑し、今度は眼鏡くんに同意を求める。

 

「メガネ!お前も、オレと同じ意見だよな!?」

「……すみません。俺も先輩達と同じ気持ちです」

「何でだ!?」

 

 ついに、頼みの綱であった眼鏡くんの返事に、早峰先輩は声を荒げた。

 

「何でって、決まっています!」

「彼とデュエマをした者ならわかるはずです。彼がこんなところで終わるような人間ではありません!」

「だから、わたくし、信じています!このデュエマで勝っても、勝様はデュエマを続けてくれることを……!!」

「秋乃さん……」

 

 秋乃さんのその言葉を聞いた時、僕は少し前のことを思い出す。

 秋乃さんとひよりちゃんに酷いことを言ったことを。

 

 

 後でちゃんと、2人に謝ろう……。

 

 

 そう決心した僕は真さんに視点を向ける。

 

「全く、勝手なことばかり言ってくれるね。けど、良いよ。真さん、このデュエマ、勝たせてもらいます!」

「ハッ!面白い!やれるものならやってみろッ!」

 

 

 ──ええ、やってやりますよ!!

 

 

 脳裏でそう宣言した僕は手札から1枚のカードを抜き取った。

 

 

「──革命0トリガー、発動っ!!《ボルシャック・ドギラゴン》っ!!」

 

 

 


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