「──ッ!?ここは……?」
僕は一体何をしていた?
そう思った時、僕は直前の記憶を思い出し、自分はまだ真さんとデュエマをしていることに気づいた。
「どうやら、何か掴めたみたいだな……」
「ええ、お陰様で……自分の本当の気持ちに気づきました」
それを聞いた真さんは「そうか……」と、小さく呟き、満面の笑みを浮かべた。
「これで遠慮なく、お前を全力で叩きのめすことができる!」
「……っ!?」
その一言で、真さんの目が一瞬で変わった。
「いくぞ!《ザ・ヒート》で攻撃!この時、手札にある《
本気を出してきた真さんを相手に、僕は僕の今ある全力で、真さんとのデュエマに集中した。
「火のコマンドが出たことで、《禁断》の封印を1枚墓地へ!そして、《レッドゾーンF》で
『オラァッ!W・ブレイカー、一丁お上がり!』
ブレイクされる2枚のシールド。その中にはシールド・トリガーがあり、僕はすかさず、それを使った。
「ッ、シールド・トリガー!呪文、《
「ッ、《レッドゾーンF》を破壊にしないのか!?」
『オイオイオイ!焦って、プレミかよ!ダッセェな!!」
「……」
ザ・ヒートに煽られながらも、僕は手札を見て冷静に思考を
(いや、あの顔。ミスではないな?誘っているのか?だとしたら、どうする?)
一方の真は先程の勝のプレイングに何か裏があると感じ、少し考え込む。
(手札には《レッドゾーン
考えが纏まった真は次の
「《レッドゾーンF》の効果で、自身を墓地に置き、《ザ・ヒート》を叩き起こす!そして、《ザ・ヒート》で攻撃!──この時、侵略、発動ッ!」
手札から1枚、墓地から2枚のカードを使用し、宣言する。
「手札から《
『レッドゾォォンッ!ゼェェトッ!!……からの、レッドゾォォンッ!エェェクスッ!!……そして、ブラックッ、ゾォォォンッ!!!』
一番下から《レッドゾーンZ》、《レッドゾーンX》──そして、一番上に、《ブラックゾーン》に重ねて、《ザ・ヒート》を進化させる真さん。
同時に、ザ・ヒートは叫び、火のコマンドが3体出たことで、真さんは《禁断》の封印をすべて、墓地に置いた。
よって──
「──禁ッ、断ッ!!……解ッ、放ッ!!《伝説の禁断 ドキンダムX》ッ!!!」
──最強の禁断のレジェンドカード、《ドキンダムX》が解放された。
幸い、僕の《ボルシャック・フォース・ドラゴン》はまだタマシード状態のため、《ドキンダムX》の効果で、封印される心配はない。
ただ、一番の問題は、真さんが最初に《ザ・ヒート》に重ねたカード、《レッドゾーンZ》の効果だ。
『くらいやがれッ!ゼット、ブラック、ゾォォン、ラァァシュッ!!』
炸裂するブラックゾーンの拳が僕の最後のシールドを叩き割った。
しかも、墓地に置かれたのが、《スーパー・スパーク》だった。
最悪だ。よりによって、今、一番墓地に置かれたくないカードが墓地に置かれた……。
「これで終わりだッ!《ブラックゾーン》で、ダイレクトアタックッ!!」
『あばよ!ブラック、ゾォォン、パンチッ!!』
真さんの《ブラックゾーン》のダイレクトアタックが決まれば、僕は敗北する。
正直、このまま負けるつもりでいた。
──けど、そうもいかなかった。
「先輩!負けないでください!!」
「勝様!最後まで諦めないでください!!」
「──ッ!?」
ひよりちゃんと秋乃さんの叫びに僕は驚き、2人に振り向く。
「例え、デュエマをやめても、このデュエマだけは負けないでくださいっ!!」
「そうですわよ!わたくしの知っている勝様はこんなところで諦めたりしませんわ!!」
それは励まし、応援──エールの言葉だった。
それを聞いた僕は2人を見て、ふっと、小さく笑ってしまった。
「良いの?ここで勝ったら、僕、デュエマをやめちゃうよ?」
「そうだぜ!ここは……えっと誰だって?まぁ、良いや!先輩に勝ってもらうのが筋だろ?」
うわ、早峰先輩。さりげなく、真さんの名前忘れてる。
「……本当にそう思いますの?皆さん?」
「あ?そう思うも何も、そうだろ?なぁ、斎条?」
「……そうね。私も秋乃さんと同じよ」
「ほらよぉ!って、ええええええええええ!?なんでぇぇ!?」
咲恋ちゃんの意外な発言に、早峰先輩は困惑し、今度は眼鏡くんに同意を求める。
「メガネ!お前も、オレと同じ意見だよな!?」
「……すみません。俺も先輩達と同じ気持ちです」
「何でだ!?」
ついに、頼みの綱であった眼鏡くんの返事に、早峰先輩は声を荒げた。
「何でって、決まっています!」
「彼とデュエマをした者ならわかるはずです。彼がこんなところで終わるような人間ではありません!」
「だから、わたくし、信じています!このデュエマで勝っても、勝様はデュエマを続けてくれることを……!!」
「秋乃さん……」
秋乃さんのその言葉を聞いた時、僕は少し前のことを思い出す。
秋乃さんとひよりちゃんに酷いことを言ったことを。
後でちゃんと、2人に謝ろう……。
そう決心した僕は真さんに視点を向ける。
「全く、勝手なことばかり言ってくれるね。けど、良いよ。真さん、このデュエマ、勝たせてもらいます!」
「ハッ!面白い!やれるものならやってみろッ!」
──ええ、やってやりますよ!!
脳裏でそう宣言した僕は手札から1枚のカードを抜き取った。
「──革命0トリガー、発動っ!!《ボルシャック・ドギラゴン》っ!!」