デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE85:僕はデュエマをやめない。

 

 

 

「勝先輩が勝った……!」

「流石ですわ!勝様!」

「全く、ヒヤヒヤさせるんじゃないわよ……」

 

 

 ()が真さんに勝ったことに、ひよりちゃんと秋乃さんは心の底から喜び、咲恋ちゃんはやや呆れ気味にそう言うが、ほんの少し、顔が(ゆる)んでいた。

 

 

「けど、これでアイツはデュエマをやめるのか……」

「「あ……」」

 

 

 けど、早峰先輩の一言に、喜んでいたひよりちゃんと秋乃さんは一気に落ち込んだ。

 

 

 全く、余計なことを言わないでほしいな……。

 まぁ、最初にやめるって言い出したのは僕だし、仕方がないか……。

 

 

「……火野」

「わかっています。真さん……」

 

 

 真さんに押されて、僕は部活仲間の皆に視点を向ける。

 

 

「……」

 

 

 一度、深呼吸をし、皆に「僕はデュエマをやめないよ」と、伝えた。

 

 

 そしたら……。

 

 

『やったー!』

 

 

 と、何故か、エリカさん以外の女性陣が喜んでいた。

 

 ……何で?

 

 

 

 

 

 ──それから、あっという間に時間が経過した。

 

 皆で晩御飯を食べ、風呂に入り、寝る時間になると、ふっと、僕はデッキを眺め、ベッドから起き上がり、カードを並べた。

 

 普段ならマリちゃんに「部屋が()らかるので、夜にカードを触るの、やめてください!」って、怒られるけど、今は別室だし、たまには良いよね?

 

 なんて、考えているうちに、いつも間にか、カードを並べ終え、僕は自分のデッキを睨んだ。

 

 

「……」

 

 

 ──そして、僕は思った。

 

 今のままじゃ、もう一人のボクには勝てない。

 デッキの相性もあるけど、純粋に、デッキの練度が違いすぎる。

 赤緑ボルシャックなら、まだ勝ち目はある。けど、それを使うのは、何か違う気がする。

 

 

「……《ボルメテウス・武者・ドラゴン「武偉」》、《ヴァルキリアス・武者・ムサシ「弐天」》、《竜牙 リュウジン・ドスファング》……」

 

 

 ふっと、僕はもう一人のボクが使っていたカードを思い出した。

 理由は口に出した方が、頭が回るから。

 

 

 ……というのは建前で、本当は少し嬉しかったりしている。

 ん?なんでかって?実はこう見えて、僕はボルシャック以外に、《ボルメテウス・武者・ドラゴン》や、サムライを持つ種族が好きだったりする。

 

 

 ──だから、かな?

 

 

 今、こうして、(くや)しい気持ちより、嬉しい気持ちがいっぱいなのは?

 

 いや、だからと言って、負けて悔しいのは変わらないけど。

 

 

「かと言って、今から新しいデッキを組むのは少し骨が折れるな……」

 

 

 さて、どうしたものか?

 

 デッキの性質的に、タマシード軸のライオネルや、メタクリを並べて攻めるラッカ鬼羅.Starに似ている。

 似ている?いや、違うな。初動の動きはライオネルで、クリーチャーを並べる鬼羅.Starを合わせた感じかな?

 もっと言えば、相手は最速で、3キルができる赤単我我我にも似ている所がある。

 

 まるで、僕の苦手なデッキを、まとめて相手をしている気分だ……。

 

 

「ん?苦手なデッキ……?」

 

 

 ふっと、そこまで考えた僕はあることに気づいた。

 

 

 あー、そうか。そういうことか……。

 これなら、まだ戦えるな。

 

 問題は……。

 

 

「手持ちのカードに、そういうの、持ってないんだよなー」

 

 

 だからといって、秋乃さんに頼るわけにはいかないし……。

 

 

「あ、そうだ!咲恋ちゃんに連絡してみるか!」

 

 

 そう思った僕は咲恋ちゃんに連絡し、急ぎ、彼女の部屋に向かった。

 

 

 

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