デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE86:やっぱり、デュエマは楽しい。

 

 

 

 ──翌日。

 

 

「ふあー、眠い……」

「それはこっちの台詞よ!全く、朝までデッキ作りに付き合わせるんじゃないわよ!」

 

 

 あの後、僕は咲恋ちゃんの部屋で、咲恋ちゃんのカードを何枚か借りて、一緒に徹夜して、デッキを組んでいた。

 その結果。僕と咲恋ちゃんは二人揃って、寝不足で、目の下にクマができていた。

 

 

 まぁ、結果的に良いデッキができたし、ヨシとしますか!

 

 

「何一人だけ満足そうな顔をしてるのよ!腹立つから、私とデュエマしなさい!」

「良いよ!新しいデッキの試運転といこうか!」

 

 

「「デュエマ・スタートッ!!」」

 

 

 

 

 

「──《チャラ・ルピア》を召喚っ!ターンエンド!」

 

「出たわね!インチキクリーチャー!こっちは《赤い稲妻(サバイバル・スター) テスタ・ロッサ》を召喚よ!ターンエンド!」

 

 

 ドラゴンの召喚コストを2軽減する《チャラ・ルピア》に対して、咲恋ちゃんは革命チェンジを封じる《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》 を召喚した。

 

 

 ってか、インチキクリーチャーって、何?

 確かに、コスト2で、ドラゴンの召喚コストを2軽減するのは少し壊れだけど、個人的には、墓地とマナ、手札の3つのゾーンを触れる《デドダム》が一番インチキで、壊れだと思う。

 

 

 そう思いながらも、僕はカードを引き、手札を1枚、マナに置いて、少し考えた後、1枚のカードを切った。

 

 

「呪文、《決闘者(デュエリスト)・チャージャー》!山札の上から3枚見て、その中にある《ボルシャック》と名のつくカードを、すべて手札に加える!《ボルシャック・フォース・ドラゴン》と《ボルシャック・アークゼオス》を手札に加えるよ!」

 

 

 名前に《ボルシャック》を持たない、《閃光(せんこう)の守護者 ホーリー》は山札の一番下に置かれ、唱え終わった《決闘者・チャージャー》を、僕はマナに置いた。

 

 

「そして、《チャラ・ルピア》のコスト軽減で、1マナで、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を召喚!登場時効果で、《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を破壊!」

 

「相変わらず好きね、そのカード……」

 

 

 増やしたマナを使って、僕は《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を場に出し、革命チェンジを阻害(そがい)する《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を破壊した。

 対して、咲恋ちゃんは僕が出した《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を見て、呆れていた。

 

 

 いや、だって、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》は秋乃さんから貰った最初のカードだから、そりゃあ、好きだよ?

 最近、出番が少ない気がするけど……今でも、このカードはボルシャックの中で、一番好きだよ。

 

 

「……僕はこれでターンエンド」

 

「私のターン!呪文、《T()T(トリプル)T(スリー)》!山札から3枚引いて、ターンエンド!」

 

「そっちも大概じゃん」

 

「手札増やして、マナ増やして、クリーチャー除去してる方が何言ってるの?」

 

「……それもそうか!」

 

 

 (なか)ば、開き直りながら、僕は山札からカードを引き、手札を1枚、マナに置いた。

 

 

 ──そして、考えた。

 

 

 このターン、何をすべきか、何が最善なのか、を、考えた。

 

 

 ……まぁ、やっぱり、最初はこれだよね?

 

 

「《チャラ・ルピア》のコスト軽減で、《ボルシャック・アークゼオス》を召喚!登場時効果で、アーマード・メクレイド5を発動っ!」

 

 

 山札の上を3枚見る。

 その中には、《ボルシャック・バラフィオル》、《アシスター・コッピ》、《凰翔竜機 バルキリー・ルピア》の3枚があった。

 僕はその中から、《ボルシャック・バラフィオル》を選択した。

 

 

「《ボルシャック・バラフィオル》を召喚!これで火のクリーチャーが4枚以上あるから、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》と《ボルシャック・バラフィオル》はタマシード状態からクリーチャーになる!」

 

「ッ、一気に展開してきたわね……」

 

「驚くのはまだ早いよ。残りのマナで、《ミクセル》を召喚!」

 

「!?《ミクセル》!?このタイミングで……!?」

 

 

 僕が出した光のクリーチャー、《奇石(きせき) ミクセル》に、咲恋ちゃんは驚く。

 

 このクリーチャー──《ミクセル》は、相手のマナゾーンにあるカードの枚数より大きいクリーチャーを出した時、そのクリーチャーを山札の一番下に置く効果を持つ。

 故に、咲恋ちゃんの切り札、《〈鬼羅.Star〉》の早出しするのに必要な《エヴォ・ルピア》の効果を、僕は封じたのだ。

 

 

 これで、次のターン、《エヴォ・ルピア》が出ても、《〈鬼羅.Star〉》は場に残せない。

 そして、何より、シールド・トリガーを持つ《スロットンの心絵(メモリー)》から《〈鬼羅.Star〉》によるカウンターも封じた。

 

 これで心置きなく、シールドに攻撃できる……はず。

 

 

「《クロック》だけが不安だけど、これ以上は割り切るしかない!《ボルシャック・フォース・ドラゴン》で攻撃!自分の《ボルシャック》が攻撃する時、《ボルシャック・バラフィオル》の効果で、山札の一番上を見て、コスト6以下の火のクリーチャーか、火のタマシードならバトルゾーンに出せる!」

 

 

 捲られたのは《ホーリー》。コスト6以下でもなく、火のクリーチャーでもない、光のクリーチャーである。

 

 

 ハズレか。まぁ、仕方がない。

 今回は光のカードも入ってるから、《ボルシャック・バラフィオル》でハズレを捲れる確率はかなり高い。

 

 

「《ボルシャック・バラフィオル》の効果は失敗したけど、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》の効果で、自分の他のクリーチャーすべてに、『パワーアタッカー+6000』と『スピードアタッカー』と『パワード・ブレイカー』を与える!そして……《ボルシャック・フォース・ドラゴン》で、W・ブレイクっ!」

 

「ッ、トリガーはないわ……!」

 

「次は《ボルシャック・バラフィオル》で攻撃っ!攻撃時に、山札の上を捲って……《単騎連射(ショートショット) マグナム》を場に出すよっ!」

 

「このタイミングで《単騎》!?うそでしょ!?」

 

 

 ──これで《クロック》は封じた!

 

 

「パワーアップした《ボルシャック・バラフィオル》で、シールドをT・ブレイクっ!」

 

「あー、もう!《単騎》がいなければ、《クロック》で耐えれたのにぃー!」

 

「ハハ、間一髪か……《ボルシャック・アークゼオス》で、ダイレクトアタックっ!」

 

 

 

 

 

「やっぱり、デュエマは楽しいね。咲恋ちゃん」

「?何当たり前のことを言っているのよ?」

「……そうだね」

 

 

 咲恋ちゃんとのデュエマを終えた後、僕は改めて、デュエマが楽しいことを実感した。

 

 そう咲恋ちゃんと話していると、突然、扉が開き、真さんが僕達の前に現れた。

 

 

「朝からやかましいと思ったら、お前ら、デュエマをしていたのか?」

「あ、真さん。おはようございます」

「おはようございます」

「ああ、おはよう……体の調子はどうだ?火野?」

「ハハ、寝不足なので、あまり良くないですね」

「徹夜でデッキを組むからよ」

 

 

 そういう咲恋ちゃんも、目の下にクマができてるよ?

 

 ……まぁ、原因を作ったのは僕だけど。それに付き合ってくれる咲恋ちゃんには、本当に感謝してるよ。

 

 

「そうか……それなら2時間ほど、部屋で寝ていろ。起きたら、すぐに食事をとれ……」

「……わかりました」

 

 

 そう言って、僕は自分の部屋に戻って、ベッドの中に入って寝た。

 

 

 

「?あの、出かける用事でもあるんですか?」

 

「あー、ちょっとな。と言うか、昨日、火野がああなった原因を作った張本人に、少し会いに行くからな」

 

 

 

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