──翌日。
「ふあー、眠い……」
「それはこっちの台詞よ!全く、朝までデッキ作りに付き合わせるんじゃないわよ!」
あの後、僕は咲恋ちゃんの部屋で、咲恋ちゃんのカードを何枚か借りて、一緒に徹夜して、デッキを組んでいた。
その結果。僕と咲恋ちゃんは二人揃って、寝不足で、目の下にクマができていた。
まぁ、結果的に良いデッキができたし、ヨシとしますか!
「何一人だけ満足そうな顔をしてるのよ!腹立つから、私とデュエマしなさい!」
「良いよ!新しいデッキの試運転といこうか!」
「「デュエマ・スタートッ!!」」
「──《チャラ・ルピア》を召喚っ!ターンエンド!」
「出たわね!インチキクリーチャー!こっちは《
ドラゴンの召喚コストを2軽減する《チャラ・ルピア》に対して、咲恋ちゃんは革命チェンジを封じる《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》 を召喚した。
ってか、インチキクリーチャーって、何?
確かに、コスト2で、ドラゴンの召喚コストを2軽減するのは少し壊れだけど、個人的には、墓地とマナ、手札の3つのゾーンを触れる《デドダム》が一番インチキで、壊れだと思う。
そう思いながらも、僕はカードを引き、手札を1枚、マナに置いて、少し考えた後、1枚のカードを切った。
「呪文、《
名前に《ボルシャック》を持たない、《
「そして、《チャラ・ルピア》のコスト軽減で、1マナで、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を召喚!登場時効果で、《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を破壊!」
「相変わらず好きね、そのカード……」
増やしたマナを使って、僕は《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を場に出し、革命チェンジを
対して、咲恋ちゃんは僕が出した《ボルシャック・フォース・ドラゴン》を見て、呆れていた。
いや、だって、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》は秋乃さんから貰った最初のカードだから、そりゃあ、好きだよ?
最近、出番が少ない気がするけど……今でも、このカードはボルシャックの中で、一番好きだよ。
「……僕はこれでターンエンド」
「私のターン!呪文、《
「そっちも大概じゃん」
「手札増やして、マナ増やして、クリーチャー除去してる方が何言ってるの?」
「……それもそうか!」
──そして、考えた。
このターン、何をすべきか、何が最善なのか、を、考えた。
……まぁ、やっぱり、最初はこれだよね?
「《チャラ・ルピア》のコスト軽減で、《ボルシャック・アークゼオス》を召喚!登場時効果で、アーマード・メクレイド5を発動っ!」
山札の上を3枚見る。
その中には、《ボルシャック・バラフィオル》、《アシスター・コッピ》、《凰翔竜機 バルキリー・ルピア》の3枚があった。
僕はその中から、《ボルシャック・バラフィオル》を選択した。
「《ボルシャック・バラフィオル》を召喚!これで火のクリーチャーが4枚以上あるから、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》と《ボルシャック・バラフィオル》はタマシード状態からクリーチャーになる!」
「ッ、一気に展開してきたわね……」
「驚くのはまだ早いよ。残りのマナで、《ミクセル》を召喚!」
「!?《ミクセル》!?このタイミングで……!?」
僕が出した光のクリーチャー、《
このクリーチャー──《ミクセル》は、相手のマナゾーンにあるカードの枚数より大きいクリーチャーを出した時、そのクリーチャーを山札の一番下に置く効果を持つ。
故に、咲恋ちゃんの切り札、《〈鬼羅.Star〉》の早出しするのに必要な《エヴォ・ルピア》の効果を、僕は封じたのだ。
これで、次のターン、《エヴォ・ルピア》が出ても、《〈鬼羅.Star〉》は場に残せない。
そして、何より、シールド・トリガーを持つ《スロットンの
これで心置きなく、シールドに攻撃できる……はず。
「《クロック》だけが不安だけど、これ以上は割り切るしかない!《ボルシャック・フォース・ドラゴン》で攻撃!自分の《ボルシャック》が攻撃する時、《ボルシャック・バラフィオル》の効果で、山札の一番上を見て、コスト6以下の火のクリーチャーか、火のタマシードならバトルゾーンに出せる!」
捲られたのは《ホーリー》。コスト6以下でもなく、火のクリーチャーでもない、光のクリーチャーである。
ハズレか。まぁ、仕方がない。
今回は光のカードも入ってるから、《ボルシャック・バラフィオル》でハズレを捲れる確率はかなり高い。
「《ボルシャック・バラフィオル》の効果は失敗したけど、《ボルシャック・フォース・ドラゴン》の効果で、自分の他のクリーチャーすべてに、『パワーアタッカー+6000』と『スピードアタッカー』と『パワード・ブレイカー』を与える!そして……《ボルシャック・フォース・ドラゴン》で、W・ブレイクっ!」
「ッ、トリガーはないわ……!」
「次は《ボルシャック・バラフィオル》で攻撃っ!攻撃時に、山札の上を捲って……《
「このタイミングで《単騎》!?うそでしょ!?」
──これで《クロック》は封じた!
「パワーアップした《ボルシャック・バラフィオル》で、シールドをT・ブレイクっ!」
「あー、もう!《単騎》がいなければ、《クロック》で耐えれたのにぃー!」
「ハハ、間一髪か……《ボルシャック・アークゼオス》で、ダイレクトアタックっ!」
「やっぱり、デュエマは楽しいね。咲恋ちゃん」
「?何当たり前のことを言っているのよ?」
「……そうだね」
咲恋ちゃんとのデュエマを終えた後、僕は改めて、デュエマが楽しいことを実感した。
そう咲恋ちゃんと話していると、突然、扉が開き、真さんが僕達の前に現れた。
「朝からやかましいと思ったら、お前ら、デュエマをしていたのか?」
「あ、真さん。おはようございます」
「おはようございます」
「ああ、おはよう……体の調子はどうだ?火野?」
「ハハ、寝不足なので、あまり良くないですね」
「徹夜でデッキを組むからよ」
そういう咲恋ちゃんも、目の下にクマができてるよ?
……まぁ、原因を作ったのは僕だけど。それに付き合ってくれる咲恋ちゃんには、本当に感謝してるよ。
「そうか……それなら2時間ほど、部屋で寝ていろ。起きたら、すぐに食事をとれ……」
「……わかりました」
そう言って、僕は自分の部屋に戻って、ベッドの中に入って寝た。
「?あの、出かける用事でもあるんですか?」
「あー、ちょっとな。と言うか、昨日、火野がああなった原因を作った張本人に、少し会いに行くからな」