デュエル・マスターズACE   作:リュウ・セイ

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ACE99:英雄(ヒーロー)お嬢様(ヒロイン)のデート──服屋で良い服を選ぼう。

 

 

 

 ──ピピッ!

 

 

「……ん?」

 

 

 突然、スマホの着信音が鳴った。

 

 こんな時間に誰だろう?と、時計の針を見て、疑問に思いながら、火野勝()はスマホを取り出し、相手を見た。

 

 

「?秋乃さん……?」

 

 

 意外な人物に僕は驚きつつ、すぐにメールの内容を(のぞ)いた。

 

 

『今度の日曜日、デートしましょう』

 

 

「……デート、か」

 

 

 デートという単語を聞いて、僕は溜め息を吐いた。

 

 正直、あまり気乗りしない。けど、ここのところ、まともに彼氏彼女の関係を(きず)いていない。

 

 そう思った僕は『良いよ、予定を空けておく』と、一文を送った。

 

 

 

 

 

 ──数日後。日曜日。デート当日。

 

 場所はどこにでもある遊園地──の入り口前。

 

 

 先に着いた僕は秋乃さんが来るまで、デッキメーカーを使って、新しいデッキを組んでいた。

 

 ──デッキメーカー。

 それは、デュエマと、もう一つのTCGのカードの画像(データ)が入っており、デッキを組むのに必要なカードを詮索して、自分が組みたいデッキを組める機能である。

 

 

 ──まぁ、こんなことをしても勝手にデッキができるわけじゃないけど……。

 

 

 そう思った矢先。「勝様ー!」と、聞き慣れた声が響いた。

 

 それを聞いた僕は声の方に振り向き、空いている手を振って、その人物に名前で呼びかける。

 

 

「秋乃さ──」

 

 

 その人物──もとい、秋乃さんの名前を言いかけた時、僕は言葉を詰まらせた。

 

 何故なら、彼女の服装がほんのり薄く、下着が見えそうで、見えない……それぐらい薄い服を着ていた。また、ここに来るまで、時間がかかったのか、汗をかいており、その所為(せい)か、やや見えかけている。

 そして、日焼け対策で、頭に被っている麦わら帽子。

 

 それらの服装が男子高校生には刺激が強く、思わず、面食らってしまった。

 

 

「お待たせしました、勝様!」

「……」

「?どうしました?勝様?」

「秋乃さん。先に服屋に行こう」

「え……?」

 

 

 あまりにも無防備すぎる秋乃さんの服装に、僕は堪え兼ね、秋乃さんに理由を説明せず、真っ先に服屋に行くことを進め、彼女の手を掴み、近くに服屋がないか、スマホで詮索し、服屋を探した。

 

 

 いや、それよりも!これでGOサインを出した暁月さんは何を考えているんだ!?

 

 

 秋乃さんのメイド──エリカに対して、僕は脳裏で叫びながら、秋乃さんの手を掴んで、服屋を探し歩いた。

 

 

 

 

 

「流石にアレはアウトでしたか……」

「アウトに決まってるでしょ!!何を考えているんですか!?エリカさん!!初々(ういうい)しい、お二人を(けが)さないでください!!」

「……何を言っているのですか?マリ?」

 

 

 そんな二人を、こそこそ隠れて見守る二人の女子高生──暁月エリカと月野マリ。

 

 エリカは自分が選んだ服を秋乃に着させ、その際に、少しアウトと理解しつつ、大丈夫だろうと安易に考え、そのままGOサインしたが、勝の賢明な判断で、呆気なく、それは打ち破られた。

 

 対してマリは、年上であるエリカに、何を考えているのか、何故、それでOKを出したのか、疑問に思い、思わず、声を荒げ、初々しい二人を汚さないでほしいと、必死に叫ぶ。

 

 それを聞いたエリカはいつもは冷静で落ち着いているマリの反応に一瞬、思考が停止するも、すぐに頭を働かせ、何を言っているのか、と、思わず、疑問を投げかけた。

 

 

「はぁー、それよりも、二人を追いかけなくて良いの?」

「はっ!そうでした!二人を追いかけましょう!エリカさん!」

「はいはい。そんなに慌てなくても、私達の足で、あの二人が逃げられるわけないでしょう?」

 

 

 溜め息を吐いた後、エリカがマリに二人を追いかけなくて良いのか?と、問いかけた。

 

 それを聞いて、マリは思い出したかのように、エリカに二人を追いかけよう、と、提案した。

 

 その提案にエリカは呆れ気味に承諾し、二人は勝と秋乃の後を追いかけた。

 

 

 

 

 

「いらっしゃいまってー」

 

「「あ……」」

 

「げっ……」

 

 

 勝と秋乃が服屋に入ると、近くにいた店員さん──花宮黒江と目があった。

 

 彼女は天災(ディザスター)学園に通う女子生徒で、赤羽結衣の仲間である。

 

 そんな彼女が何故、服屋で働いているのか、勝は気になり、彼女に問いかけた。

 

 

「……なんで黒江がここで働いているの?」

「ウチがどこで働こうが、ウチの勝手だろ?それよりも、そっちは……デートか?」

「「!?」」

 

 

 勝と秋乃の手が繋いでいるのを見て、彼女は真っ先に、デートか、と、そう思い、二人に問いかける。

 それを聞いた二人は一瞬で、顔を真っ赤にし、勝は気合で気持ちを切り替え、ここに来た目的を果たそうと、黒江にオススメの服がないか、問いかけた。

 

 

「そ、そんなことよりも!黒江さん!秋乃さんに合うオススメの服はない?できれば、肌が見えなくて、涼しい服が良いんだけど、そういうのない?」

「……?」

 

 

 何故?そのようなことを言うのか?と、黒江は疑問に思い、秋乃の方に視点を向ける。

 

 見ると、彼女の服装は薄着で、下着が見えそうで見えない服を着ており、その上、頭に麦わら帽子を被っている。

 

 それを見た黒江は「あー」と、声を漏らし、納得した表情で、勝に問いかける。

 

 

「……勝的にはなしなん?」

「なしだよ。普通に考えて……」

「ふーん……まぁ、ウチには関係ないし、どうでもいいけど……」

 

 

 どうでもいい、等と、主張するが、黒江は店内をぐるっと見渡した。

 

 

「……アレなんか、良いんじゃないか?」

「ん?どれ?」

 

 

 数秒。周囲を見渡した後、黒江は勝の注文に答えられる服を見つけ、指を指した。

 黒江が指を指した方に、勝は視点を向けるも、沢山ある服の中から、彼女が指差した服がわからないでいた。

 

 それを見た黒江は「少し待ってろ」と言って、二人から離れ、服を取りに行った。

 

 数分もしないうちに、黒江は二人の元に戻り、持ってきた服を二人に見せた。

 

 それは胸部分が隠れており、代わりに肩が少し見えるタイプの服だった。さらに、その下には、夏用に作られた明るくて、赤色のロングスカートがある。

 

 

「コレだよ。肩は少し見えるが、中の下着はこれで隠れるだろ?」

「確かに、これなら問題ないけど……秋乃さんはどうかな?」

「わたくしは構いませんが……今のわたくしの服装に、勝様はご不満ですの?」

「ッ、それは、その……」

 

 

 突然、勝に詰め寄る秋乃の行動と言葉に、勝は困惑し、なんと答えるべきか、口籠(くちごも)る。

 

 それを見た黒江は勝が少し可哀想と思い、二人の間に入った。

 

 

「ハイハーイ。イチャイチャするのはそれぐらいにして、この服とロングスカートに着替えて、会計を済ませてくれ」

「ちょっと!?まだ話は終わってな──」

「良いから良いから。勝はその辺で、適当に待っといてくれ」

「……うん。わかった」

 

 

 無理矢理、黒江が秋乃を連れていき、勝はその辺で並んでいる服を見ながら、二人が帰ってくるのを待った。

 

 

 

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