紅き龍   作:テリーヌ

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5話

 

 

 

百敲の刑

 

「更生」の概念を取り入れ、犯罪者がもう一度社会に戻れるように配慮した刑罰

それが「敲(たたき)」の刑罰だという。

もちいるのは棒ではなく、竹片2本を革などで包み、その上を紙縒で巻いたムチである

もっとも軽いときに50敲、やや重いときに100敲

痛みで気絶しようものなら気付け薬を飲ませ刑を続けたという

 

 

 

 

「せ、千、、回、、………ぜぇぜぇ」

 

「うぁーん、ごめんなさーい」

 

「「「…………………」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石抱

 

三角柱にした木を数本並べた上にすわらせ、膝の上に一枚一二貫目(四五キログラム)ほどの切石を乗せていく拷問である

最初の1枚から3枚までは苦痛のためにしきりに歯ぎしりし、髪を振り乱して苦悶し、よだれ、鼻水を垂らしながら泣き叫ぶという

 

 

「………なあ、これで何枚目だ?」

 

「………じゅ、10枚目だ」

 

「払う気はあったんですよー!」

 

「「「「……………………」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

釣責

 

最も過酷な刑であったという

両手を後ろ手に縛り天井から吊して宙吊りにし自分の体重の負荷によって次第に縄が食い込んでいき数時間もすると足先から血が吹くというものであった

 

「…………ご、5時間経過……」

 

「Zzzz…………スピー」

 

「「「「「…………………」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんなのだ貴様は!!!

何故平然としていられるのだ!!!」

 

「え、えーと、き、鍛えておりますので……」

 

「鍛えてどうこうなる次元を超えておる!!!!!!!!!!」

 

「………ええー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何日経ったでしょうか。

うぅ、まさか江戸に到着1日目で捕まりこうして牢屋に放り込まれまずい飯を食べ続けてしまうとは

無銭飲食なので軽い刑罰で終わると思っておりましたがまさかこんなにも長続きするとは…………オスシタベタイナー

 

おや、牢屋が開く音、今日も刑罰の続きですか……今日こそ許してもらえ……………!!!!

 

 

首を斬られた

 

 

思わず首に手を添えるとどこも斬られておらず無傷の首があるだけであった。

唖然としているとひとりの男が美鈴の前に歩み寄ってくる

服装から武士だろうか、赤髪の長髪に左目は眼帯に包まれており異様な雰囲気を醸し出す

 

………今、確かに斬られていました……まさか殺気だけでこんな………やばいですね。この人相当強い……

 

「こ、こんにちはー。

いつもの人と違いますね。貴方のような人がどうしてここに?」

 

するといつも美鈴に刑罰を行っていたお奉行が得意げそうにこちらに近づき言い放ってくる

 

「今日までさまざまな更生の余地を与えてやったが貴様は一向に反省の余地が全く表れなかった!!」

 

「いえいえ、とても反省しております!」

 

「痛みに泣き叫び許しを乞うてこそ更生というものだ!!」

 

「ええ。……横暴すぎませんか?」

 

「黙れ黙れ。よって更生の余地なしとし貴様を斬首の刑とする!!」

 

………斬首………首を斬る…………死刑!!!!!!!!!!

無銭飲食で死刑!?

 

「ちょ、ちょっと」

 

「今日はわざわざ打ち首執行人の中でも達人である山田浅エ門衛善殿にお越しいただいたのだ!!

 

衛善殿よろしくお願いします!!!」

 

「…………え、衛善さん?……冗談ですよね……?」

 

「………まあ、そういうことだ。抵抗しても良いぞ?せいぜい息足掻いてみよ」

 

衛善から解き放たれる殺気を感じた美鈴は自分にかけられている手錠をすぐさま力ずくで破壊し構えをとる

 

「ヒッ」

 

身動きを封じるための手錠を易々と破壊され怖気付くお奉行を無視し衛善の剣戟が走る

美鈴の首を捉えた一線であったが当たる直前に身をかがめ回避し衛善の懐に掌打を打ち込み吹き飛ばす

 

「え、衛善殿!?」

 

お奉行が心配そうに衛善に駆け寄るが当の本人は何もなかったように立ち上がり美鈴と対立する

 

 

…………打ち込む寸前に刀の柄でガードしましたか……

はぁー、強者と思っていましたがここまでとは

 

 

一瞬の、一回の攻防で衛善の実力を察知し美鈴が攻めあぐねていると衛善が刀を下に下げ構え直す

嫌でも理解してしまう。何かくる

 

「これはどうする?」

 

 

 

 

試一刀流奥義…………篠突く雨!!

 

 

衛善から繰り出された素早い剣撃が多重に美鈴を切り刻むこうとせまる。

凄まじい剣速に目が追いつかないことを理解した美鈴は刀を見ることを諦め、そして、気を見つめる

 

お師さまとの決闘で身につけた気の動きを見つめそして、衛善の攻撃を先読みし篠突く雨を躱し続ける

 

 

よ、よし。なんとか気を読み回避できている。このまま避け続けて………あ、あれ、………だんだん剣速が速く?……や、やばい!!!

 

衛善の放った篠突く雨がだんだんと美鈴の先読みに近づいていき、美鈴が危機感を抱くがそれよりも速く先読みと剣撃が一致した

 

「がはっ!!」

 

一閃

 

美鈴の防御が追いつかず腹部を切り付けられ横に吹き飛んでしまう

 

「おおっ!!流石でございますぞ!」

 

決着したとお奉行が嬉しそうに衛善に駆け寄ろうとするが衛善はそれを静止するかのように手で指示し美鈴の吹き飛んだ方向に歩き始める

 

「…………頑丈な罪人と聞いていたがこれほどまでとはな

確かに斬ったつもりだったのだが」

 

そう声かけると吹き飛んだ瓦礫から美鈴が起きあがり埃を払いながら立ち上がる

 

確かに美鈴は腹部に出血はあるものの皮一枚を斬ったのみであり致命傷には到底至っていなかった

 

 

………あ、危なかったです。気での防御が追いついていなければ確かに斬られていました。

おそらく次は本気で斬るつもりでしょうし防げるとは思わないほうがいいでしょうね。

しかし、……

 

「凄まじい技ですね。多重に繰り出される剣撃、しかし、真の脅威はそこではなく……その加速度

 

剣撃を繰り出されるほどに剣速が速まり最後の一刀は最高速度に達するようですね」

 

「……ほう、一回でこの技を理解するか………だが、それがどうした」

 

そして再び衛善は刀を下段に構え、奥義を繰り出そうとする

確かに最高速度に達した剣速を美鈴に避ける術はない

 

試一刀流奥義…………篠突く雨!!

 

 

だが!!

 

「同じ技とは芸がないですね!!!!!!!!!!」

 

ならば最高速度に達しない初撃は一番遅い!!

 

衛善の初撃を見切り横一閃の刀を膝と膝で挟み掴み止めた

 

「…………!!」

 

くっ、止めたはいいものの凄まじい力だ

少しでも気を抜けば斬られてしまう

しかし、ここで決めなければ………

 

「………貴様、これほどの実力がありながら何故捕まった?

町奉行など振り解いて逃げることもできたであろう?」

 

「………私は旅をしに日本に来ました

旅をして早々お尋ね者になるのは勘弁被りますかね

潔く罰を受け入れようと思っただけですよ

 

次は私から質問です」

 

「……………なんだ?」

 

「貴方、私を殺す気ないでしょう?

隙も作っていないのに大技を放ち、ましてや貴方ほどのひとが同じ技を繰り返し連続で放つ…………なによりも!

 

 

ハリボテの殺気がバレバレですよ」

 

美鈴は知っている。本気で殺そうとする殺気を

 

「………………ふっ。」

 

吹きこぼれるような笑いをかわきりに先程までの殺気が嘘のように霧散していく

敵意がないことが確認できた美鈴は刀を離すと納刀した

 

「実力は十分か。…………貴様、無罪放免になりたいか?」

 

「え?……それはもちろん」

 

すると衛善は懐から巻物を取り出すと美鈴に見せてくる

 

「ここに、幕府発給の公儀御免状………いかなる罪も無罪放免にし、更には将軍の御加護が約束される書状がある

 

だが、これを渡すにはある条件を飲んでもらう」

 

 

………あ、怪しすぎる

特にいかなる罪もってところが………

 

「………俺は気が短くてな。答えないのであればこの話は無しに……」

 

「あー!あー!や、やります!!」

 

「ふん、ならば行くぞ」

 

「ご、強引ですね。どこに行くのですか?」

 

「あの世だ」

 

「…………………は?」

 

もう、全てにおいて理解が追いつかず本当にここは自分が知っている江戸時代なのか疑ってしまうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 





地獄楽のSS増えないかなーと思う今日この頃
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