紅き龍   作:テリーヌ

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6話

 

 

えー、みなさんこんにちは。紅美鈴でございます

わたくし拷問されたあげく死刑にまで発展したところでなんと救世主?である衛善さんにある条件を約束することで無罪放免にしていただけるという甘い提案によりすがり了承したのですが、返事をするとあれやこれやと手足、両目、全身を瞬時に拘束されそして

 

「よくぞ集まった!!罪人諸君!」

 

なんだかよくわからないところに放り出されてしまいました

 

衛善さんからはあの世に行ってもらうというわけもわからないことを言われてから全く説明もなしに連れてこれたせいで状況がよくわかりません!

 

移動中に問いただしてもあの方何も話されないのですよ。全て無視!寡黙にも程があるでしょう!

 

 

うう、……………はぁー。………よしあきらめましょう。

どうにでもなーれ

 

 

「ここに御座すは第十一代征夷大将軍徳川斉慶公! 本来は諸君らがお目通り叶わぬお方である!」

 

「んだと!?」

 

「えらそーにしやがって!!」

 

どうやら私以外にも結構な人数がいるみたいで幾人ものぼやき声が聞こえてくる

 

って、え!生の徳川将軍!?めっちゃみてみたいです

 

「あ〜〜、あつい……息苦しい……

生徳川見たい」

 

「あ、そこの人、わかります!私もみてみたいです」

 

む?後ろから何やら呆れたような気を感じますね

 

「ーーーーー」

 

…………何やら説明が始まりましたが、………長いですね

もう校長先生の話なみに長いですね

あ、やばいです、大事な話なのに眠くなってきました

 

「面紙を取れ罪人共」

 

やっとかと喜ぶ美鈴であったが、目隠しを外し飛び込んできた景色に眠気などなくなり絶句する

そこにいたのは同じ人間だったとは到底思えないひどく歪んだ何かが鎮座していた

眼からは花が飛び出し身体全体から植物のようなツタが生えその人だったものに巻き付かれていた

そして何よりの恐怖を抱いたものが笑顔だった。

その男はとても、とても満足そうに、幸せそうに笑っているのだ

 

それからも侍たちは説明を続けが美鈴はどこか上の空になる

 

いやでも理解してしまう。この世は、……いや、私が知らないだけで昔はこのようなものがあったのかもしれない

科学では証明しようがない、理解出来ないものに美鈴は………

 

 

 

 

わくわくした

 

 

 

 

 

もちろん恐怖はある

だが、怖いもの見たさというものだろうか。自分の知らない世界があることが判明に高揚感に満ち溢れていた

 

ああ、………お師さま。旅というものはいいものですね

 

 

 

「あー、すまんがもう一つ………上陸する前に人数を絞って欲しい

なにせ船の定員も………浅ェ門も限られている

 

なので今から人数を絞ってもらう」

 

 

 

 

…………………………………え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

阿鼻叫喚の地獄とはこのことだろうと打首執行人ーーー山田浅ェ門 佐切はそう思えて仕方なかった

 

死刑が確定した極悪人を集め無罪放免をちらつかせ、その権利を有するのは数人などといわれれば話し合いなどせず殺し合いに発展するなど目に見えた結果である

 

そんな中、佐切は自分が連れてきたがらんの画眉丸を見やる

返り血を浴び全身血濡れたその姿はまさに極悪人に相応しいだろう

だが、どうしても佐切には彼が極悪人だとは決めつけられずにいた

 

妻にもう一度会いたく罪を償おうとしてから?

極力争いを避けているから?

わからない

 

だからこそ私はこの探索で見極めたかった

彼が果たして斬首すべき人間なのかを

 

 

 

 

 

………そしてもう一人、………なんというか、この場に似つかわしくない人物が目に入ってしまう

 

 

「うわあぁぁぁぁ!?こないでください!!」

 

あまりに弱気な悲鳴をあげる女性がそこにはいた

見慣れない服装をしている彼女は赤い髪をなびかせながら逃げ惑う姿がなんというか、場違いであった

 

「あの弱そうな女を狙え!!」

 

「しねぇーー!!!」

 

「いやー!!なんで私ばっかり狙うんですか!?」

 

確かに周りの屈強そうな囚人たちに比べて彼女は小さく華奢な見た目といえよう

そんな彼女を殺そうと周りの囚人が寄ってたかって襲いにかかる

 

だが、一番に気になるのは逃げ惑う姿ではなかった

彼女は全ての攻撃を一切受けていないのだ

悲鳴をあげながら彼女は周りから襲いかかる囚人たちの攻撃を受けるどころか全て回避しそしてまた逃亡。そのうち襲いかかった方が疲れ果て倒れる始末である

 

「……彼女は……」

 

「奴が気になるか?」

 

突然の問いかけに驚き振り返るとそこには次期当主である衛善が立っていた

 

「衛善殿…………はい。

なんというか、………彼女は本当に極悪人なのでしょうか?」

 

「………奴の罪は軽いものだ。処刑には程遠い」

 

「………え?」

 

「奴を担当したお奉行が問題でな。軽い罪だろうと関係なく拷問し、その囚人の苦痛に満ちた顔を見て愉悦に浸る外道であった」

 

「……な………それは!!」

 

「安心しろ。そのお奉行はすでに然るべき処罰を与えている

おそらくもう外には出てこれないだろう」

 

「いや、……それも……ですが、

では彼女がこの場にいるのは間違いなのでは!?」

 

「………ああ、そうだな。」

 

「では、今すぐに彼女の釈放しなくては!?」

 

「……………だが、人は殺しているだろう」

 

「!?」

 

「それも一人や二人ではない。おそらく何十人と殺しているだろう」

 

佐切はその言葉に戸惑いもう一度彼女を見やる。

いまだに逃げ続けている彼女の容姿からは殺しなど想像もつかなかった

 

「………証拠があるのですか?」

 

「ない。………勘だ」

 

衛善の言葉に佐切はそうですか。とは頷けずにいた

 

「佐切、お前はいつも斬首の際囚人の嘆きに感化されその刃を曇らせている。

泣き叫ぶ姿を見てお前はそいつが本当に罪人なのかわからなくっているのではないか?

 

もし、お前がこの御様御用を続けるのであればその罪人の本性を見ろ。

外見、殺しの理由、そんなものはいくらでも誤魔化せる

本当に斬首をすべき罪人なのか見極めるのだな」

 

佐切は何も言い返せずただただ頷くことしかできなかった。

確かに私は彼女の姿を見て人畜無害なただの民だと思ってしまった

だが、衛善殿の言った通り本当に人を殺しているのかわからなかった

途端に不安になる。私は本当に罪人を見極めそして迷いを振り解くことがができるのか

 

 

画眉丸………あなたはどっちなのですか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ罪人共!

貴様らを上陸組とする!!

 

 

"賊王"亜左弔兵衛

 

"剣龍"民谷巌鉄斎

 

"百本狩り"いがみの慶雲

 

"山の民"ヌルガイ

 

"殺し念仏"法流坊

 

抜け忍"がらんの画眉丸"

 

"人喰い花魁"あか絹

 

くの一"傾主の杠"

 

ころび伴天連 茂籠牧耶

 

"備前の大巨人"陸郞太

 

"食い逃げ犯"紅美鈴

 

以上11名!!!」

 

 

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