神秘を得た代わりに○ん○を失ってしまったゲマトリアのクソガキ構成員が『先生大好き勢』になる話   作:プラハ

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いつもありがとうございます!

誰か『キヴォトスの気高き碧い猛獣』って言うタイトルでガイ先生を主人公にしたSS書いてくれないかなと思っているので誰か書いてください……


エルナとデート(?)

 ゲーム開発部から部活動に付き合って欲しいという連絡があったが、具体的な内容については聞くことが出来ないまま部室に訪れると私はモモイと格闘ゲームをすることになっていた。この格闘ゲームをするのは初めてだけど、モモイには焦るとレバガチャをする癖があるのでその隙をついて何とか勝つことが出来た。しかし、負けたことに納得がいかないのかモモイは私に再戦を要求するが、その言葉はもう8回目だ。

 

 「え!? もうそんなにやってたの!?」

 

 「そうだよお姉ちゃん。その辺にしておかないと先生も困っちゃうでしょ?」

 

 「で、でも負けたまま終わるのは……」

 

 ゲーマーとしてのプライドが許さないとモモイが言ったけど、ミドリは先生が負けた場合はどうなるのかと正論を言うとモモイが言葉を詰まらせた。別に私は負けたままでも大丈夫だと言うと、ミドリがあまりモモイのことを甘やかすのは良くないと言うと、モモイに今日の部活の目的は覚えてるかと聞いてきた。

 

「あ! そうだった……!」

 

「そうだった……?」

 

 ミドリが怒った表情でモモイに詰め寄る。そのタイミングでゲーム開発部のドアが開くと音がして、エルナが姿を現した。が、凄まじく疲れた顔をしている。肉体的に疲れたと言うよりは精神的に疲れていると言った感じに見える。エルナは私と目が合うとすぐに目を逸らした。

 

「エルナが株で有り金全部溶かした人みたいな顔になってる!?」

 

「何言ってるのお姉ちゃん、そんなわけ……ぶふっ!」

 

「おーっす……。今日は息抜きに付き合おうかと思ったけど、次回作の会議っぽいし帰るわー」

 

 エルナは止める間もなく帰って行った。何かあったのかもしれない。追いかけるべきだろうか……。でも、私はエルナにそんなに好かれていない。追いかけて来られても迷惑に思われそうだ。なんてことを考えていると。

 

「先生、エルナのことが気になるんでしょ? だったら追いかけたほうがいいよ! こういうあからさまな好感度上昇イベントを逃したらハッピーエンドは迎えられないよ!」

 

「アイデア出しは後でも出来るので、大丈夫です。それにさっきからずっと心配そうな表情だし……」

 

「ありがとう、エルナを追いかけて来るよ」

 

 ゲーム開発部から外に出るが、エルナの姿が見えない。だけど帰ると言ったので多分こっちに向かえば会えるはずだ。下足箱のある方へと向かうと声が聞こえてきた。

 

「ちょっとエルナ大丈夫なの!? すごい顔してるわよ!」

 

「事情は後で分かると思うんでその時に察してください……」

 

 下足箱付近までつくと、エルナを心配して話しかけているユウカの姿とその周りに何人かのミレニアム生がエルナを心配そうに見つめながらスマホで何やら文字を打ち込んでいた。ユウカは私と目が合うと少し驚いた表情になって、こっちに来てくださいと言ったので小走りでユウカの所まで向かうと、エルナが心配なので一緒に帰ってあげて欲しいと頼まれた。

 

「えぇ~、この人と一緒に帰るの~? めちゃくちゃ嫌なんだけど……」

 

 エルナはとても嫌そうにしている。それにこれまでエルナは一度も私のことを『先生』と呼んだことは一度もない。私を『先生』以外の呼び方で呼ぶ生徒は何人かいるが、親しみを込めたものだったり、その子らしい呼び方だったりと様々だ。恐らく私はまだエルナに認められていないんだと思う。だけど、それは諦める理由にならない。だからここは『アレ』で行こう。

 

 捨てられた子犬みたいな目……!

 

「いい年した大人が何やってんの……?」

 

「ちょっとそんな言い方は……! うわ……じゃなくて、こういう時の好意は素直に受け取っておくものよ」

 

 全く通用しなかった……。エルナは大きくため息をつくと、分かった。一緒に帰ればいいんでしょと言ったので、ガッツポーズをすると、ユウカが微妙そうな表情で私を見ていた。それに周りにいたミレニアム生も少しざわついている。何か誤解を生んだような気がするが、エルナが行ってしまうので少し走って追いかけた。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

 エルナの家へと向かう途中、微妙な空気のまま無言が続く。そう言えば前にモモイがエルナはふわふわした甘いのが好きだと言っていた。確かこの辺に最近話題のパンケーキの店があったはずだ。誘ったら来てくれるだろうか……?

 

「エルナ」

 

「何……?」

 

「実はこの辺に最近話題のパンケーキのお店があるらしいんだけど……」

 

「パンケーキ!? それってふわふわしてるやつだよね!?」

 

 めっちゃ食いついた!? さっきまでのむすっとした表情から一転して、キラキラとした表情に変わった。

 

「うぅ……パンケーキ食べたい……でもこの人と……行くなんて……」

 

「でも、期間限定だから今日までみたいだよ?」

 

「えっ!? そ、そんな……。う、うぅぅぅぅ……行く……」

 

「え?」

 

「だから一緒に行くって言ったんだって! あ、その前にちょっと待って……」

 

 エルナはそう言うと私の体を触り始めた。何をするのかと聞くとエルナは少し大人しくしてと言って続けていく。そして私の服についていた小さな機械らしきものを取ると、それをぐしゃっと踏みつぶした。恐る恐るそれは何かと聞くとエルナは盗聴器だと言った。い、いつの間にそんなものが……。あらかた外し終わったのかエルナは私の袖をちょいちょいと引っ張ると早く行こうと促した。

 

 「ん~♪ やっぱり甘いものはいいね♪」

 

 巨大なパンケーキをエルナは1人で平らげていく。思ったよりパンケーキの値段が高かったので、少し財布が寂しくなってしまったが、これくらいは必要経費だ。それに今なら聞き出せるかもしれない。私は今日どうしてあんな表情をしていたのか聞くと、エルナは眉間にしわを寄せて考え始めた。

 

「う~ん、話す? でも奢ってもらったわけだし話したほうがいい? ん~まあ盗聴器は外したし、たとえ拷問されたとしても絶対に漏らさないくらいには口が堅そうだし大丈夫か……」

 

 途中少し物騒な言葉が聞こえたが私は聞かなかったことにした。どうやらエルナの中で結論は出たらしい。ただここで話すことじゃないので外に出ようと提案される。あれほど大きかったパンケーキはあっという間になくなっていた。エルナは自分で食べた分くらい自分で払うと言ったが、実はすでに清算が済んでいると言うと、エルナは少し驚いていた。まあ、この前の意趣返しみたいなものだ。

 

「昨日から家に居候が住んでるんだけど、そいつがあまりにもわがままでさ……。カロリーバーを渡したらこんなものは食べたくないから今すぐ買ってこいとか、買いに行こうとしたら和食がいいとか、体を洗えとか、部屋の温度が低いからヒーターを出せとかとかとかとか! 小姑みたいなことをぐちぐちぐちぐちと……」

 

「た、大変だったね……」

 

「はぁ……よし! 折角だからストレス発散に付き合ってくれない? ……って何で泣いてんだよ……」

 

 まさか向こうから誘ってくれるとは思わなかったので嬉しくて涙が出てきた。エルナはそんな私を呆れたと言わんばかりの視線のまま、別に家に帰りたくないからであって、あんたと遊びたいわけじゃないから勘違いするなよと言った。何というか言動がツンデレっぽいんだよなぁと思ったが私は口に出さなかった。

 

「ストレス発散と言えばこれでしょ!」

 

 エルナに連れて来られたのはゲームセンターだった。そう言えば初めて会った時も配送中のゲーム機が爆破されたからという理由で便利屋68の子たちを追いかけて来たくらいなので、相当ゲームが好きなんだろう。ただこの場所には初めて来たみたいで辺りをキョロキョロと珍しそうに見渡していたかと思うと目当てのものを見つけたのか、私の手を引っ張って歩き始めたかと思うとパンチングマシーンの前までやって来た。

 

 「これ一度やってみたかったんだよね~」

 

 エルナはパンチングマシーンのグローブをつけながらそう言って、機械にスマホをタッチすると、軽快な音楽が流れだした。難易度はEASYからEXTREMEまであるが、EASYの段階で3回パンチして合計1000キロ出さないとクリアできないらしく、最高難易度であるEXTREMEに至ってはその10倍だ。エルナは迷いなくEXTREMEを選んで拳を構えて一呼吸すると、一気に拳を振りぬいた。

 

 凄まじい音ともにパンチングマシーンが一瞬ぐらついた。数値はグングン上昇して最終的に9450kgと表示されると、周囲が少しざわついた。当の本人は納得がいっていないのか少し不満そうな表情で画面を見つめていた。何でもカンストである9999を出したかったらしい。その後は大体のコツを掴んだのか残り2回はしっかりと9999kgを叩き出していた。

 

 「はい、次はアンタの番」

 

 そう言うとエルナは私にグローブを差し出してきたので、グローブを装着して機会にスマホをタッチした後、私は一番低い難易度を選択して、思いっきり殴りつけた。しかし画面に表示されたのは80kgという数字だった。ま、まさかここまで差があるとは……。私が少し落ち込んでいるとエルナが後ろから手を回してきた。

 

「腕の力だけでやったからあれっぽっちしか出ないんだよ。パンチするときは体を回転させるようにしないと」

 

「わ、分かった。やってみるよ」

 

 エルナが後ろから私の体を触ってこうすればいいと教えてくれたので、その通りにやってみると今度は115kgとさっきよりも数値が上がっていた。パンチする場所に嫌いな奴を思い浮かべながらやってみてと言ったが、嫌いな人なんて……、1人だけ思い浮かんだ顔があったので、そいつの顔がそこにあると思ってパンチすると170kgと表示された。エルナは後ろで手を叩いて祝福してくれた。

 

「まあ君たちには遠く及ばないけどね」

 

「キヴォトスの外の人間なら平均より上くらいのパンチ力だと思うけどね」

 

 そんな話をしながら歩いているとエルナがふいに立ち止まったので、どうしたのかとエルナの方を見るとペロロ様の方に視線を向けていた。確かヒフミの話では最近流行っているとのことらしいが、エルナも好きなんだろうか? 欲しいのかと聞くとエルナは首を横に振った。

 

「ち、違う! なぜか目が離せなくなるだけで別に欲しいってわけじゃ……」

 

「つまり欲しいってことなんじゃ……」

 

「欲しくないって言ってるでしょ! ……って何してんだよ!?」

 

 私がクレーンゲームにスマホをタッチする。このクレーンゲームは三本爪なので恐らくは確率機だろう。設定した金額にならないと取ることができないタイプのやつだ。でも私は学生時代クレーンゲームの王と呼ばれたことがあるくらいにはクレーンゲームが得意なのだ。500円分入れて私は手馴れた動きでレバーを操作した後、私はボタンを押した。

 

「……………………」

 

「…………ダメじゃん……というか掴めてすらなかったし」

 

 エルナがジト目で私を見つめて、クレーンゲームの王じゃなかったのかと聞いてきたので、私は最近のクレーンゲームは色々対策されてきたのかもと苦しい言い訳をした。エルナはジト目のままため息をつくと自分もやってみていいかと言うのでやらせてあげることにした。

 

「ふふふ……この位置なら完璧……!」

 

「そのぬいぐるみ……落ちるよ」

 

「そんなわけないじゃん! よっし一発ゲットーってえぇぇぇぇっ!? な、何で!? 掴んだ場所は完璧だったのに!?」

 

 途中まではいい感じだったが途中でアームの力が弱くなってしまい、ペロロ様は無慈悲にも途中で落ちてしまった。私は困惑しているエルナにこの手の機械の仕様について教えると詐欺じゃん! と憤慨したかと思うと急に不敵な笑みを浮かべた。

 

「そっちがその気ならこっちにも考えがある……!」

 

 そう言ってエルナは再びクレーンゲームの操作を始めると、さっきと同じように操作をするとアームはペロロ様をがっちりと掴んで、そのままアームの力が弱まることなくペロロ様は景品獲得口へと落ちていった。

 

「ふっ……造作もない。あ、残りの回数はどうする?」

 

「エルナがやっていいよ」

 

「いいの? よーし、後3つ取ろうかな~」

 

 エルナは宣言通り、3回中3回ペロロ様をゲットすることに成功した。

 

「もしかしてハッキングした……?」

 

「ハッキング()してないよ。それともあんたは俺様が何かしたのを見たか?」

 

 エルナはニヤリと笑ってそう言った。確かに私が見る限りではエルナが何かをしたようには見えなかった。だが、機械の仕様上、景品を取るためには天井を超えるか、タグにアームを差し込んだり、バウンドさせたりなどしない限り、景品を取ることはほぼ不可能だ。一体どうやってアームの力を強いままにしたのか……なんてことを考えていると顔に2つの柔らかいものが押し付けられた。

 

 「これはあんたにやるよ。1つあれば十分だし」

 

 「ありがとう!」

 

 「……元々はあんたの金だろ? お礼とか別にいらないし……」

 

 エルナはそう言って私から顔を逸らした。流石にずっと2つ持っていると邪魔になるので私は景品を入れる袋にペロロ様を入れた。エルナの目に入ったのは画面に流れて来る矢印と同じものを足元にある矢印パネルを踏む音ゲーだ。懐かしい……。エルナは折角だから対戦しようと私に持ち掛けきたので承諾する。もちろん難易度は最高難度の曲をお互いに選択する。そして音楽が流れ始めた。エルナは着実にステップを踏んでコンボを重ねていく。最初は少しずれていたが、10秒ほどで慣れてしまったのかそこからはずっとパーフェクトが続いている。曲も終盤に差し掛かったところでエルナは私のほうに視線を向けた。

 

 「あはははっ! 何その動き……面白すぎっ……あっ……!」

 

 エルナは私のプレイスタイルを見て笑った。確かに見た目は少しあれだというのは私でも分かっているが、スコアの方が大事なのだ……! エルナは集中が途切れてしまったのか、コンボが途切れてしまった。その結果最終的に私のほうがわずかにスコアで勝った。エルナはとても悔しそうな表情でリザルト画面を見つめていた。エルナは再戦を要求してきたが、少し疲れたので休ませて欲しいと言うとエルナは少し不満そうな表情をしたが、じゃあ別のゲームをやりに行こうと言った。

 

 それから私とエルナは座って出来るタイプのシューティングゲームをしたり、エアホッケーをしたりなどした。因みにその対決はどっちもエルナの圧勝で、エルナはとても嬉しそうにしていた。そして時間はあっという間に過ぎて折角だから最後にプリクラを撮ろうと提案すると、エルナはプリクラの機械を証明写真を撮る機械だと勘違いしていたらしく、その様子が面白くて少し笑ってしまった。ゲームセンターの外に出ると日は沈みかけているのか空はオレンジ色に染まっていた。

 

 「今日は楽しかった?」

 

 「た……楽しかった……」

 

 エルナの家まで歩いている途中、そう聞くとエルナは少し恥ずかしそうにしながらも楽しかったと言ってくれたので、本当に良かった。表情も今日最初に見た時と打って変わってとても安らいだ表情をしている。エルナの家に着くまで特に会話はなかったが、気まずさはなかった。

 

「え、えっと……今日は……ありがとう……。ストレス発散に付き合ってくれて……」

 

「ううん、こっちこそエルナと一緒に居られて楽しかったよ」

 

「い、言いたいことはそれだけ! じゃあね!」

 

 エルナはそう言って家の中へと向かおうとするので、私はその背中に向かって「またね」と言うと、エルナは立ち止まると、こちらにゆっくりと振り返ると「またね」と返した後、家の中へと入っていった。今日のことで私は少しでもエルナが信じられる『大人』になれたのだろうか? 私はいつか必ずエルナを心から支えてあげられる『大人』になると誓ってシャーレまで戻った。ちなみにモモイたちと交わした約束は次の日に行われたが、その時はエルナと何をしたのか根掘り葉掘り聞かれることになった。

バッドエンドIFって書いたほうがいいですか?

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