神秘を得た代わりに○ん○を失ってしまったゲマトリアのクソガキ構成員が『先生大好き勢』になる話   作:プラハ

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そしてFに辿り着く

 それは朝の出来事だった。ユウカから突然電話が来た。何でもミレニアムの郊外に大量の奇妙なロボットが出現して暴れているとのことらしくその対処を手伝って欲しいとのことだった。

 

 「仕事の時間だぞー」

 

 体を揺するが全く起きない。ヒマリはよだれを垂らして少し寝苦しそうにしている。頬をペチペチ叩く。起きない。こうしている時間が勿体ない。ここまでしても起きないならしょうがない。頬に手を添える。えいっ!

 

「わひゃあっ! な、なにごとですか!?」

 

「寝坊助……、目は覚めたか?」

 

 ヒマリは少し不満そうな表情を浮かべて俺を見た。さっさと起きないのが悪い……。俺はユウカから聞いたことをヒマリに説明すると真面目な表情になってここから情報支援を行うと言った。さて、急いでいかなければいけないが、ここから現場まで全力で走って行っても10分くらいかかる。DEUSがあれば数秒でたどり着けるがそれを取りに行っている時間もないし、ヒマリに研究所の場所や最悪の場合『プロジェクトU』のことがバレる恐れがある以上取りに行くことはできないだろう。

 

 「走っていくしかないか……」

 

 俺はヒマリにどんなルートでもいいので最短ルートで現場までの道案内をして欲しいとお願いして、脚部にはジェットが搭載されているローラースケートを装着して家から出発すると、ポーンという音ともに道案内が開始されたので、ヒマリの指示通りに進んでいく。大きな壁を乗り越えて、川を横断して、そしてそれから5分くらいで俺は目的地にたどり着いたので、ユウカに連絡する。

 

「ユウカ先輩! 目的地に着いたぞ!」

 

『は、速いわね……。っとそんなこと言ってる場合じゃない。今いる地点から廃墟のほうに進んだところにロボットがいるはずよ。エルナにはその対処をお願いするわ』

 

「了解! 何かあったら連絡する」

 

 俺はユウカとの電話を切って廃墟のある方へと向かうがそれらしきものは見当たらない。それどころから戦闘音も聞こえない。戦闘があった痕跡もない。ゾクリと背筋に寒気が走る。とても嫌な予感がする。俺がさっきまで話していたユウカは本当にユウカだったのだろうか……?

 

「ヒマリ先輩、ユウカのスマホをハッキングして! 今すぐに!」

 

『どういうことですか?』

 

「何もないんだ。ロボットも戦いがあった痕跡すらも……」

 

『まさか……! 分かりました。すぐにやって見せましょう……』

 

 物の数秒でヒマリはユウカのスマホへのハッキングを終えたのかヒマリから答えが返ってきた。

 

 ユウカのスマホをハッキングして周囲の音を聞いた結果、ユウカは今会議中で、ロボットが出現して暴れているという情報は全く出ていないということだった。そしてユウカのスマホに誰かがハッキングをした形跡があったということ。でも、誰が何の目的で……。

 

「こんなことしてる場合じゃない……。速く戻らな……」

 

 ガシャンと音がした。廃墟の方からクラゲのようなロボット、4足のクモのようなロボット、6足のトカゲのようなロボットが群れを成してこちらに向かってきている。

 

 あれは……。

 

 ここに来てようやく全ての点が繋がった。

 

 2回目に大量のロボットが俺を足止めした意味。その目的は俺の足止めしG.Bilbleの中に『鍵』が潜り込むのを邪魔しないため。そしてここで現れた『無名の守護者』……俺を足止めしている間にアリスに接触するつもりなのだろう。だが、ここで『無名の守護者』を放置すれば、間違いなくミレニアムの方へと向かうつもりだろう。

 

「ヒマリ先輩! アリスの居場所は!?」

 

『分かりましたすぐに……。これは……! 外部からのネットワークが切断されているようですね』

 

 是が非でもアリスに接触を行うつもりらしい。もっと早く気づいていれば……! 今はそんなことを考えている場合じゃない。一刻も早くこいつらをどうにかしないと……。ビームを放つが、装甲に当たった瞬間、ビームが霧散した。どうやら光学兵器への対策はばっちりらしい。装甲の表面に何か加工がしてあるようだ。通信機にノイズが入って使い物にならなくなる。スマホも圏外になった。無名の守護者たちが俺の方に一斉に向かってくる。

 

「この程度で俺様がどうにかできるとでも?」

 

 どうやら『切り札』を切る必要がありそうだ。『ディーオデード』を重ね合わせ高速回転させる。無名の守護者から放たれたビームが次々と体に命中する。服がボロボロになり、体には火傷が出来る。だが、それで倒れるほど俺は甘くない。高速回転する『ディーオデード』から電流が迸り、無名の守護者たちは生じた強力な電磁場によって吸い寄せられる。

 

天地焦がす雷霆の槍(ネメシス)!」

 

 スラスターを最大出力で吹かせ、一気にで50メートルほど上空に飛んだ俺はうじゃうじゃと集まっている無名の守護者たちに向かって『ディーオデード』を投擲する。凄まじい速度で地面に到達した『ディーオデード』は空気の壁を突破し落下地点にいる無名の守護者を貫いて地面に突き刺さると、ため込んだ電気が解放され、周囲一帯は光に包まれる。

 

 光が消えると無名の守護者たちは跡形もなく消え去っていた。あるのは電気の熱によって融解したアスファルトと中心に刺さっている『ディーオデード』だけだった。ドッと体に疲れが押し寄せるが休んでいる暇はない。速く……行かないと……。

 

 『ふふっ、超絶天才美少女ハッカーの私の手にかかれば電波障害なんて……あら……?』

 

 「今はそんなこと言ってる場合じゃない、ミレニアムまで道案内を」

 

 『あ、あれだけいた無名の守護者たちは……?』

 

 「全部倒した」

 

 ヒマリが絶句するが、すぐに立ち直って道案内を開始してくれた。速くしないと手遅れになる。スラスターを吹かせさらに速度を上昇させる。時速はおよそ500、あまりのスピードにローラースケートが悲鳴を上げているが、ミレニアムまではなんとか持つだろう。

 

 ――*――

 

 それはある日のこと私はヴェリタスに呼び出された。何でも『世紀の大発見』とかで、キヴォトス史に残るかもしれない歴史的大発見だから、時間があるときに来て欲しいと言っていた。まあハレとコタマは大げさだとか、ただのガラクタの可能性が高いだとか言っていた。まあ歴史的な発見というのは本当に珍しいことだ。しかし、それにはロマンがある……! ロマン……素敵な響きだ……。

 

 私がヴェリタスの部室へ向かう途中私はゲーム開発部のメンバーと遭遇したので、そっちもヴェリタスに呼ばれたのかと聞くと新しいゲーム開発のヒントになるかもしれないと言っていた。ヴェリタスの部室のドアをノックするとやや元気のない声でマキが返事をしたので、部室に入ると少しだけげっそりした表情のヴェリタスのメンバーがいた。

 

「何があったの?」

 

「聞いてよ先生~……。実はミレニアム全域で通信障害が起きてるんだけど、その原因が電波塔に誰かがハッキングして壊したらしいんだけど、私たちがやったんじゃないかってユウカに朝から尋問されてさ~」

 

「それは大変だったね……」

 

 スマホを取り出すと圏外になっていた。これだと緊急の連絡が取れないかもしれないと不安に思っていると、ハレからもうすぐ復旧するみたいだからあと少しの辛抱だと言っていたので、安心だ。何でも戦闘による流れ弾などで電波塔が破壊されたり、今回みたいに誰かがハッキングを仕掛けて電波を使えなくするということはキヴォトスではよくあることらしく、それに備えてキヴォトスでは電波塔が多く設置されているらしい。だが、今回のように一部地域ならともかく自治区全域で電波障害が起きることは滅多にないとミドリは言っていた。

 

 「ハレ先輩、例のブツって?」

 

 「ああ、それなら……これ」

 

 ハレが見せてくれたロボットはとても奇妙な形をしたロボットだった。それが部室のあちこちに置かれていて、合計で5体あるみたいだ。どこで拾ったのか聞くとこれは全てミレニアム学区の郊外で発見されたものだとコタマは言う。しかもここにあるもので全部じゃなく、少なくとも20体以上はあったんだとか……。

 

 「コメディー映画だと思って見てたら急にホラーになったみたいな……! なにこれ!!」

 

 「これって、本当にミレニアムで作られたロボット……なのかな?」

 

 アリスの方に視線を向けるとアリスは奇妙なロボットに近づいていく。ミドリがこのロボットは起動できないかと聞くと、一通り調べてみたが何も見つけられなかったらしく、電源ポートはおろか接続ポートすら見つからず、表面に継ぎ目すらない。そのため開けることが出来ず、起動しない理由がハードなのかソフトなのか、そもそも故障しているかどうかさえ分からないらしい。

 

 私を呼んだ理由はこれがもしも危険物だった場合、シャーレに協力して欲しいらしい。しかし見ても何1つとして分からない。オカルトっぽいので部長に聞けば何か分かるかもしれないとマキは言ったが、そもそも全然来ていないらしい。ヴェリタスの部長か……一体どんな生徒なんだろうか……? なんてことを考えていると。

 

「あ……」

 

「どしたの……?」

 

「アリス……見たことがあります……これ、は……」

 

 アリスが奇妙なロボットの方へ近づいていく。カチッという音がしてロボットが起動した。モモイのゲーム機から音がして、勝手に起動した。何かがおかしい……。ユズがアリスの様子がおかしいと言うのでアリスの方に視線を向けるとアリスは目を瞑っていて、私の呼びかけにも答えない。ヴェリタスの部室の外から慌ただしい足音が聞こえてくる。

 

 「……起動開始」

 

 アリスがそう言うと部室に転がっていたロボットが動き始める。何かしたのかと聞くが何もしていないとコタマは答えた。一体これは……。アリスの目が赤く光を放つ。それと同時に部室のドアがけ破られる勢いで開かれた。

 

「くそっ! 間に合わなかったか!」

 

 入ってきたのは全身ボロボロになったエルナだった。

 

 ――*――

 

 あれから10分ほどでミレニアムの校舎へとたどり着いた。だが、嫌な予感は消えるどころか強くなっていく。どうか間に合ってくれと祈りながら階段を一気に駆け上がる。しかし肝心のアリスの居場所が分からない。丁度視線の先にユウカがいたので聞くことにしよう。

 

「ユウカ先輩!」

 

「どうしたのよその傷!? 早く保健室に……」

 

「そんなことしてる場合じゃない! アリスの居場所は!? それか変なものは見なかった?」

 

「そんなことしてる場合じゃないって、全身ボロボロじゃないの!」

 

「そんなこと今はどうでもいいから早く答えて!」

 

「アリスちゃんの居場所は知らないけど、変というか奇妙なロボットみたいなものは見たわね」

 

 何でも電波障害の原因がヴェリタスなんじゃないかと聴取しに行ったところ、ユウカは妙な形をしたロボットを見たらしい。それはこんな見た目をしていたかとスマホで撮った無名の守護者たちの写真を見せると、ユウカはそうだと言ったので、それを聞いた俺はヴェリタスの部室まで向かう。恐らくアリスはそこに居る可能性が高い。そして俺はヴェリタスの部室のドアを勢いよく開けた。

 

 目に映るのは目が赤く染まったアリスの姿だった。どうやら俺は間に合わなかったらしい。アリスの周りには無名の守護者たちが傅くように集まってきている。

 

「プロトコル『ATRAHASIS』を実行します」

 

 アリスはそう言うとモモイに向かって『光の剣』を向けて発射体制に入っている。今から超電磁バリアを展開しても間に合わない。それに弾道の軌道を変えても誰かに当たってしまう。もう迷っている時間はない。アリス……いや鍵と目が合った。ここで俺はようやく鍵の本当の目的が分かった。

 

「エルナ!?」

 

 モモイが驚いた表情で俺を見る。何故なら俺はアリスとモモイの間に立っているからだ。それはつまり俺が『光の剣』を受ける立場にあるということ。鍵の狙いは最初から俺だったのだ。アリスを排除できる力を持つ俺を排除することそれが本当の目的だ。『光の剣』から音速を超える銃弾が放たれ、それは俺の体に命中する。俺はそれが俺の体を貫いて後ろにいるモモイへと当たらないように体の中で超電磁バリアを展開する。

 

 つまり、体の中で止められた銃弾が持っているエネルギーは俺の体内で炸裂することになる。

 

「危険分子の排除完了」

 

 鍵はそんな俺の様子をどこまでも冷酷にそう告げた。

 

 

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