神秘を得た代わりに○ん○を失ってしまったゲマトリアのクソガキ構成員が『先生大好き勢』になる話   作:プラハ

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小説って書くの難しい......。キャラを掴むのって凄い難しいですね......。



VS 才羽ミドリ

 昼休みが訪れた。俺の前に1人の少女が座って昼食を食べている。少女の名前は『才羽ミドリ』、モモイの妹だ。今この場には俺とミドリの『2人』しかいない。肝心の『モモイ』は購買にパンを買いに行ってしまったせいで、ここに居ない。お互い無言のまま食事を進めていく。

 

 「………………」

 

 「………………」

 

 お互いに無言だ。二人の間に会話はない。でも、別に気まずさのようなものは感じない。ふと、ミドリと目が合う。俺は無言で『キャラメルチョコチップホイップ&カスタードクリームサンドメロンパンデニッシュ』を少し千切ってミドリに渡すと、ミドリは俺に無言で頭を下げて、それを口に運んだ。その直後、ミドリの目がキラキラと輝いて、ほおが緩んだ。『キャラメルチョコチップホイップ&カスタードクリームサンドメロンパンデニッシュ』は偶然見かけて、名前長すぎるだろと思って買ったものだ。ちなみにお値段は『1500円』と、一般的なパンと比較するとかなり割高だ。でも、その金額に見合うだけの美味しさがある。

 

「………………」

 

「………………」

 

 俺が舌鼓を打っていると、肩の辺りをちょいちょいとミドリにつつかれたので、振り向くとミドリがこちらにBLTサンドを差し出していた。しかも1つ分丸々だ。俺はいいのか? と視線を向けるとミドリはコクリと頷いた。さっきまでとても甘いものを食べていたので、ベーコンの塩加減がとても心地がいい。

 

 黙々と食べ進めていたところで俺は口を開く。

 

「そう言えば、ミドリってモモイと双子なんだよな?」

 

「そうだよ」

 

「でも、モモイが『姉』でミドリが『妹』なんだよな?」

 

「うん」

 

 才羽姉妹と話していて俺は1つ思ったことがある。そして1つの懸念点についても聞いておかなければならないと俺は思ったので、聞いてみることにした。チラリと誰かさんの『ヘイロー』が見えている扉の隙間を横目で見る。どうやらミドリも気がついたらしく、頷いていた。

 

「2人の姉妹関係って逆じゃね?」

 

「…………! た、確かに……!」

 

「あぁ、それで俺様は思ったんだよ……。モモイは本当は『妹』なのに『姉』を名乗るやべーやつなんじゃねぇかって思ってさ……」

 

「って、そんなわけないじゃんっ! 私がミドリのお姉ちゃんなんだから!」

 

教室のドアがスパーンと開けられて、モモイがドタドタと走ってくる。俺はニヤリと微笑んだあと真面目な表情になる。

 

「本当にそうだって言い切れるのか……? 別に生まれた瞬間を見たことがある訳じゃねぇんだろ? だったら実はミドリが『お姉ちゃん』だったって可能性が否定できないんじゃねぇの?」

 

「エルナちゃんの言う通り、つまり今日から私が『お姉ちゃん』だから」

 

 

「え〜!? そんな〜っ!?」

 

 コロコロと表情が変わるモモイの表情がおかしくて俺は思わず笑ってしまう。ミドリも笑った。モモイはぷんぷんと怒った表情を浮かべている。

 

「まあそうだな。モモイにはこの言葉を送ってやろう『体隠してヘイロー隠さず』ってな」

 

「えっ!? み、見えてたの!?」

 

「あぁ、がっつり見えてたな」

 

 ついでにこれはモモイには言わないが、最初にミドリと2人きりにさせるために、『購買』へ向かったフリをしたことも俺は分かっていた。まず、2人で登校してたのに片方しか昼ごはんを持ってないのは、状況的に少しおかしい。

 そして次に「あ、あ〜、わ、私今日のお昼ご飯買ってなかったー。というわけで『購買』にご飯行ってくるねー」なんて目を逸らしながら言って来たので、最早バレバレだった。

 

 で、最後が『購買』で買ってきてるなら、何か持ってるはずなのに何も持ってないこと、そもそもカバンを置いて手ぶらで向かっていったことと、なんというか気が付かない方がおかしいと言ってもいいくらいだ。

 

 さすがにこれを言ってしまうとモモイが恥ずかしさのあまりキャパシティオーバーを迎えてしまいそうだったので、俺は言わないことにした。でも、いつか必ず言うつもりではあるが……。

 

「それにしても良かった〜! 2人が仲良くなれて~!」

 

「別に仲良くなんか……」

 

 俺がそこまで言うと、ミドリが少ししゅーんとした表情をしていた。モモイはジトーっとした視線を俺に送る。

 

 「あるけど……。でも、仲がいいってどこから仲がいいって『定義』すればいいんだ? 俺様とミドリがしたのは、パンとサンドイッチを交換したのと、軽く雑談した程度だし……」

 

 「私はエルナちゃんのこと、ちゃんと『友だち』だって思ってるよ」

 

 「そ、そうか……。お、俺様もそう思ってる」

 

 「ちゃんと『言葉』にしないと伝わらないよ?」

 

 ミドリがジッと俺の目を見ながら、両手を握った。俺はミドリから目を逸らすと、モモイがニヤニヤと笑っているのが見えた。

 

 「う、うぅ……、お、俺様もミドリとモモイのこと『友だち』だって思ってる……」

 

 「…………」

 

 「…………」

 

 「な、何だよ……?」

 

 俺がそう言うと、急に黙り込んでしまったモモイとミドリがじりじりとにじり寄ってくる。表情は俯いていてよく見えない。も、もしかして何か不快になるようなことを言ってしまったのか……? そ、それとも『友だち』と思ってる俺だけだったとか……。

 

 「か」

 

 「か?」

 

 「可愛い~っ!」

 

 「う、うわっ!? お、お前ら、何をする!? や、やめろ! こ、このっ! 離せっ!離しやがれっ! はーなーしーてーっ!」

 

 モモイとミドリが俺に抱き着いてくる。ミドリは控えめに優しく頭を撫でるという感じだが、モモイに至っては配慮が全く感じられない。力は強いし、頭はわしゃわしゃと撫でられて、おまけに頬ずりまでしている。抜け出そうと思えば、いつでも抜け出せるが、抜け出そうとは思わなかった。

 

 だって、ケガとかさせるかもしれないし……。

 

 「あー! もう可愛いっ! 可愛い! 可愛い~っ! あ! そうだエルナちゃん私のこと『お姉ちゃん』って呼んでよ!」

 

 「な、何言ってんだよ!? モモイはミドリの『お姉ちゃん』だろっ!?」

 

 「大丈夫、エルナちゃんは末っ子だから。だから私のことも『お姉ちゃん』って呼んで?」

 

 ミドリが俺の耳元でひそひとと呟くと、背中にゾクゾクとしたものが走る。ナニコレ!? こんなの知らない! 俺の知識にない! 『恐怖』とは違う『何か』を感じる。何というかこの「何か」を知ってしまえば、後戻りできなくなるような気がする。

 

 「ほら、私のこと『お姉ちゃん』って呼んでみて」

 

 「お、おおおおお……。モ、モモイうるさい!」

 

 「な、何でわたっもがっ!」

 

 モモイの口の中に『キャラメルチョコチップホイップ&カスタードクリームサンドメロンパンデニッシュ』の最後の一口を放り込む。そしてその一瞬の隙をついて、2人の拘束から抜け出した。まだ、心臓がバクバクと脈打っている。顔は熱くて、今にも湯気が出てしまいそうだ。ミドリのほうを見ると残念そうな表情でこちらを見ていた。

 

 モモイがいて助かった……! 居なかったら俺はどうなってたか……。

 

 「うまぁ……、なにこれめっちゃ美味しい……」

 

「実はもう一個あるって言ったらどうする?」

 

「ほ、ほんと!? た、食べたい……!」

 

「いいけど、その代わりモモイが『購買』で買ってきたものと『交換』だからな? 俺様ここの『購買』で何が売ってるのか気になってんだよなぁ……」

 

「え゛っ!?」

 

 俺がそう言うとモモイは分かりやすく動揺した。何故なら『モモイ』は最初から『購買』になんて行ってないのだ。当然、『購買』で買ったものなんてあるはずがない。

 

「あ、あー。実はもう全部売り切れてたんだー。あははー」

 

 目を泳がせて明後日の方向を見ながら言うモモイは、視線で必死にミドリに助けを訴えかけていた。だが、ミドリは笑顔を浮かべるだけで何もしなかった。なんというか俺はこの姉妹の力関係を見たような気がした……。

 

「そんな顔しなくてもあげるっつーの! 『購買』で買えなかったってことは、『昼抜き』なんだろ?」

 

「う、うん! そ、そーなんだよー! このままじゃ放課後まで何も食べられないからどうしようっておもってたんだよね!」

 

 俺はモモイに『キャラメルチョコチップホイップ&カスタードクリームサンドメロンパンデニッシュ』を渡すと、モモイは早速袋を開けて、食べようとしたところで、モモイが動きを止めてミドリの方を見た。

 

 ミドリがジトーっと見ていることに気が付いたのか、しょうがないなぁと言う表情で、『キャラメルチョコチップホイップ&カスタードクリームサンドメロンパンデニッシュ』を完全に袋から出して手をかけた。

 

「ま、待てモモイ! そんな風にしたら!」

 

「えっ?」

 

 モモイが『キャラメルチョコチップホイップ&カスタードクリームサンドメロンパンデニッシュ』を裂こうとする。

 

「クリームが……って遅かったか……」

 

 隙間からにゅーっと大量のクリームが零れて、モモイの手とスカートがクリームまみれになった。モモイは泣きそうな表情で俺を見ている。いや、これどうすればいいんだ……?

 

「ど、どうしようエルナちゃん! ミドリ!」

 

「いや、俺様に聞かれてもなぁ……」

 

「うーん、舐めたらいいんじゃない?」

 

「は、はぁ!? 舐めるっておまっ……! そんなことできるわけないだろ! どう考えてもマズイだろっ!?」

 

 100歩譲って、手を舐めるのはまだいい。だが、スカートに着いたクリームを舐めるのは……。『絵面』が最悪すぎるだろ……。 何も知らないやつが見たら勘違いすること間違い無しだ。

 

「すまねぇ……モモイっ……! 俺様にはどうする事も……出来ないっ……!」

 

「そんなに深刻になることなのっ!? 普通に拭いてくれたらいいだけだよ!?」

 

「馬鹿っ! そんなこと出来るわけないだろっ! へ、変なところとか触っちまうかもしんねぇだろっ!」

 

ミドリに助けて欲しいと視線を向けると、ミドリは裂かれたそれをモモイの手についたクリームをつけて食べていた。

 

「はぁ……やっぱり美味しい……」

 

「ミドリ!? そんなことしてる場合じゃねえって!」

 

「私も食べたいな~っ! エルナちゃん食べさせてっ!」

 

 モモイが口を開けさせて催促してくる。もしかして俺がおかしいのか……? ってもう手にクリームほとんど着いてないじゃん!? ま、まさかここ(スカート)でつけないといけないってことか!? ことなのか!? だけど、モモイがそうして欲しいって言ってるし……。

 

 こうなったらやるしかないってのか!? どうやら『覚悟』を決めなければいけないらしい。

 

「モモイ、スカートをピンと張ってくれ」

 

「え?」

 

「頼む……!」

 

「わ、分かった……」

 

 俺は一口大にちぎったそれをモモイのスカートに近づけていく。ここからは慎重な作業に入る。ほんの僅かなズレも許されない。そして、一切触れることなくクリームを付着出来た。

 

「はぁ……、はぁ……! 出来たぞモモイ……!」

 

「あ、ありがとう……」

 

 モモイが困惑した表情で俺を見る。俺が1番困惑してるんだよ! 意味分かんねぇよ! 何で俺がこんなことをしないといけねぇんだよ! おかしいだろっ! 何で俺は服にクリームが着いてしまった時に対応出来るものを『開発』してなかったんだ……! だって、俺クリーム絶対零さねぇし! くっ……! 俺の『才能』が……憎い……!

 

「モモイ……口を開けてくれ……」

 

「あーん。すっごく美味しい!」

 

「そうか良かったな……」

 

「まだ残ってるよ?」

 

 ミドリ……。そんなことは言わなくても分かってる……。ミドリに変わって欲しいという視線を送るがミドリはニッコリと微笑んで首を横に振った。モモイ相変わらず口を開けて待機している。それから俺は気持ち大きめにちぎったパンをモモイの口の中に放り込んでいった。

 

「や、やっと……終わった……」

 

 とてもつかれた。モモイのスカートに着いていたクリームの山は消えて、平原のように平坦に広がっている。

 

「コレ落ちるかなぁ……」

 

「うーん、どうだろ……? とりあえずトイレで洗うしかないんじゃない?」

 

「俺は少し……休ませてくれ……」

 

 まだ俺は『女子トイレ』に入るための『勇気』がない。それに今はあまり動きたくない……。というか普通に考えたら、拭けば良かったのでは……? と今更ながらに思った。

 

 そりゃモモイも困惑するわ……。スカートのクリーム着ける必要はどう考えてもなかっただろ……! 普通に食べさせたら良かったじゃねぇか!

 

 何であの時は考えつかなかったんだ……!

 

 頭を抱えているとミドリが俺の方に近寄って、顔を耳元に近づけてきた。さっきのことを思い出して思わず体が硬直する。

 

「エルナちゃんって、結構……Hなんだね」

 

 ミドリは俺の耳元でそう囁くと、教室から去っていた。ミドリの言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡っていく。そして俺はついに机に顔を突っ伏した。もう……勘弁して……。

 

 そして放課後、俺はとある部屋の前に来ていた。

 

「じゃーん! ここが私たちの『部室』だよ!」

 

『ゲーム開発部』と張り紙がされてあるこの場所が、自分にとって『大切な場所』になるなんてこの時はまだ思ってもいなかった。






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