神「オマエ転生さしてやるからちょっと頑張ってこい、ちなみにチートはナシじゃ」 俺「は?」   作:ND内

12 / 25
 3000文字ぐらい行ったところで下書きが2回消えて萎えて寝てました。つまり投稿が遅れました。すまんな、許せ。


第十話 動画収録のイレギュラーはアドリブをするっていつも相場は決まってる。前編

 ーひるすぎ

 

 今朝方に宿を出た俺たち一行は、この地方にもチェーン展開されていたディスカウントストア『デリバードポーチ(ド○キ)』で食料や道具などの必要物を買い揃え、ノエルとイチャイチャしたいと思えばイーブイ(駄犬)に股間を噛みつかれ、店を出た時に機嫌直しにと思って露店で売ってた綺麗な石のブレスレットをプレゼントした。奴は非常にご機嫌になったが、ノエルが哀しげに俯き、俺の腕に胸を押し付けて貰えたので、ラブカス型のネックレスをプレゼントした。

 

 ー そして、通り抜けて終わりだったはずの町、イセガタウンをようやく後にした。長かった…。

 

 「んじゃ、この辺で始めるとするか、ピッピ先生。」

 

 俺は『ここで働かせてくださいガール(ノエル)』に収録の開始を告げる。

 

 一行が揃って首を傾げる。エビワラーやバチュル、イーブイやラルちゃんはまだ仕方ないとして、ピッピデザインのパリピ風グラサンを付けてるお嬢(ノエル)さん、貴方自身が決めたニックネームですよね?

 

 「…はっ!私でした!マサオさんすみません!」

 

 「カビゴンおじさんね、初めてだから無理はないけど、こっちの名前が出たところは映像として使えなくなるからなるべく気をつけてね。」

 

 パーソナルデータは守らねばね。

 

 「わ、わかりましたカビゴンおじさん!」

 

 …自分でカビゴンのお面を付けて名前を決めておきながら、このニックネームをノエルに言われるのはメンタルがキツイなぁ〜。

 

 …今はまだしょっぱくねぇからな!

 

 ちなみにエビワラーは乗り気じゃないのでカメラ担当。ラルちゃんは先日の話し合いにより映さない。

 

 「おい、イーブイ。俺のカビゴンのお面、剥がすなよ。」

 

 「っぶい!?」

 

 どうして!?じゃねえんだよ。言葉で懐柔してやる。

 

 「あー、もし俺の顔が動画越しに人気が出たら一体どれだけの女の子を愛することができるだろうかなぁ。」

 

 「っ!…っぶい!」

 

 「おい、痛いぞ。」

 

 股間を噛むな股間を。まぁ、お面がそのままで確定したのでそこは安心だな。

 

 動画テーマはポケモンとのコミュニケーションを兼ねた野外クッキング動画だ。

 

 …と言っても昼食は終わっているので、今日はお菓子を作る。

 

 色々知識とかが増えれば某地方のポロックやポフィンのようなポケモンに効果のあるお役立ち動画とかを出したい所だが、今出来ないことは考えても仕方ない。というわけで

 

 「ピッピ先生!今日はきのみを使ったパンケーキを作っちゃうよ!」

 

 「パンケーキ!なんて美味しそうな響きなんでしょう!」

 

 …そう、その世界にはケーキはあってもパンケーキ文化はないのだ。

 だから作る!

 

 そう言って俺は手際よくカメラを意識しながら手順を整えながらパンケーキを作っていく。

 

 「はい!完成です!」

 

 パンケーキ、できました。

 

 …後で材料や諸々のレシピの画像を作らなきゃ…。

 

 そして皆で一旦パンケーキを食べ終え、一段落ついた所だった。

 

 「カビゴンおじさん!ヘラクロスが予備のパンケーキをペロペロしてます!」

 

 …一段落ついた所だったのに…。

 

 俺はカメラ担当のエビワラーに『残業』と目で伝えると、エビワラーは仕方なさそうに瞬きを一回。『まぁ、そうなるっすよね…。』と、言わんばかりの。すまんてエビワラー。後で缶コーヒー買ってやるから。

 

 エビワラーは『まぁ、そうなるっすよね。』って感じのアイコンタクトを返して来た。流石伝わるもんだなぁ。

 

 俺はパンケーキにしゃぶりついてるヘラクロスを確認した。状態異常にはかかってないが、疲労が見えるな…。大丈夫かこいつ?

 

 「ヘラクロス、その調子の悪さは何があったんだ?」

 

 ヘラクロスは俺の声に一瞬警戒するも、俺に敵意がないことがわかると、また一心不乱にパンケーキを貪り始めた。

 

 「ちょっとヘラクロスさん!?カビゴンおじさんが貴方のことを想って質問してるのに、何もないんですか!?」

 

 「ぶい!!ぶいぶい!!」

 

 ノエルとイーブイが珍しく争わずにヘラクロスに凄い勢いで迫る。…お、女って怖いときはマジで怖いよね…。ほら、ヘラクロスも萎縮してるじゃん…気持ち縮こまってるじゃん。

 

 「ピッピ先生、イーブイ、大丈夫だから。ヘラクロス、構わないから今はゆっくり食べな。」

 

 「ヘィッ、ヘィラクロッ…。」

 

 俺がそう言うと、ヘラクロスはようやく落ち着きを見せ、ちびちびとパンケーキを齧るように食べ直し始めた。

 

 …こいつは気を許すと鳴き声の『ヘ』の後にちっちゃい『ィ』が混ざるのか?

 

 ノエルとイーブイも今回は察してくれたのか、それ以上突っ込むことはせず、ノエルは蜂蜜を小皿に少量注ぎ、ヘラクロスに水分代わりかそっと置いた。

 …ノエルは根っからの恩情気質だからやってるけど、まぁイーブイにはメリット無さそうだしやらんよな…

 

 っ!?

 

 …あいつが、あの、イーブイ(駄犬)が、そこの木に生えてたオレンの実を落としてヘラクロスの近くに置いているだと…!?

 

 あ、あのイーブイが…成長したのか………!!

 

 …感極まって鼻からしょっぱくなったじゃねえか。

 

 Side-???

 

 ーちなみにこれはマサオが知ることはない真実だが、これはイーブイが成長したのではなく、ノエルがヘラクロスに施したのを見ていたマサオの顔が好みの笑顔だったので、自身の特性『きけんよち』を駆使し、ノエルに対抗しただけの話である。

 

 ちなみにエビワラーとバチュルは普通に気付いてる。気付いてないのはマサオだけである。エビワラーはマサオが気付いてないけどそこに対してそもそも興味を抱いていない。

 …バチュルはマサオがイーブイの思考に気づいている上で敢えて上からイーブイの糸を引いていると思っている。ただのマサオ(主人)熱狂的ファン(限界オタク)ならではの勘違いムーブである。

 さて…このすれ違いが交わる時は訪れるのだろうか。

 

 …そもそもがイーブイ(彼女)マサオ(主人)の気を引く為だけに自身の特性を盛大に無駄遣いしている話であることに変わりはない。

 

 とんでもなく勘違いが連鎖しているが、結果的にマサオの気を引けていることは事実である。良かったねイーブイ。破滅(バッドエンド)へのフラグ建設は防がれた。

 

 Side-マサオ

 

 珍しく献身的に見えるイーブイが俺の前に戻ってきて、甘ったるい声を出してくる。

 …こいつへの気のある無いは置いといて、取り敢えず今日ぐらいは甘やかしても良いだろう。

 

 「頑張ったなイーブイ、世話ができるのは偉いぞ。」

 

 俺はそう言ってイーブイの頭を撫でた。

 

 「っぶい〜♪」

 

 イーブイが例のごとくアヘ成分を撒き散らしながら胴体をガクガク言わせる。毎回ドン引きだが、今回ばかりは見逃してやろう。

 

 「よしよし、偉い偉い。」

 

 「ぶいっ!ぶいーーんっ♡」

 

 なんかこいつ更にアヘった気がするけど、今回は特別だ。俺の首に回ってきてるけど許そう。なんか首の裏痛いけど許そう。ノエルの目がこっちを凝視しているのはきっと気の所為だ。俺は何も知らない。何もやってない。

 

 …暫くそうしていると、ヘラクロスが食べ終わったのか、俺たちに感謝の気持ちかなにか知らないけど、ご自慢のツノを脚に擦り付けて来てくれた。

 

 俺とノエルは受け入れたが、イーブイは…

 

 「っぶいっ!!」

 

 …足蹴にした。もう成長ボーナス終了ですか、さいですか。

 

 「ヘッ!?ヘラクロッ!!」

 

 ほら、ヘラクロスめちゃくちゃ驚いてるじゃん。何なら土下座までしてるじゃん、ちょっとイーブイツンツンしてあげるなよ。

 

 「ごめんなヘラクロス。こいつはいつもこんな調子なんだ。それで、何か困ってるなら俺たちにわかるように説明できないか?」

 

 俺がそう問いかけると、ヘラクロスは身振り手振りで何かを説明している。

 

 …しかしこいつ、あれだ。ジェスチャーが下手だ。

 ノエルもわかっていない。

 

 …これは苦肉の策だが致し方ないだろう。

 

 「おい腹黒端末。お前通訳しろ。」

 

 …え?スマホロトム(腹黒端末)はカメラ担当じゃないの?って?

 …勿論カメラ担当するか俺は聞いたよ?

 『性悪なマスターの情報をオイラの体の中に1ミリも搭載されてほしくないのでお断りでやがるロトねぇww』

 

 まあ例のごとく煽りで返されたからな。仕方なくその意を呑んでカメラは新調したんだ。新調してよかったぜ。

 

 「…や、やだナ〜オイラ通訳なんて出来ないでロトよ〜。」

 

 …ふっ。

 

 「お前、俺がお前の機能を知らないとでも思っていたのか?お前が通訳可能な事なんてとっくの昔に提供者(色黒)から確認済みだ。」

 

 俺は多分物凄い悪い人が出すような圧を腹黒端末にかけながら、昨日の深夜に色黒に吐かせたホットな情報でヤツの震えた心臓(SIMカード)を精神的に握る。

 

 「な、何故!?いつ知ったロト!?吐け!吐くロト!」

 

 珍しく焦ってるねぇ腹黒さんよぉ〜。

 

 「おいおい、どうしてそんなに『知ったロト!?』と、お前が焦る?お前は通訳なんて出来ないって自己申告したはずなのに。」

 

 昨日のしょっぱさの恨み!ここで返してくれる!フハハハハハ!!

 

 「ッ!!チィッ!!嵌めやがったロトッ!!どう考えても昨日の深夜しかないロトッ!!」

 

 「そーうだよくわかったなぁ、昨日お前ら全員が寝てから民宿を抜け出し、深夜のポケモンセンターに土下座しながら色黒への連絡を要請したのさ!」

 

 そう!色黒との連絡にこいつを使えばこいつはそれを知ることが出来るし、こいつから連絡してしまえば、色黒が口を割らない可能性がある!残念ながらこいつは標的にしているヤツが同じ個体の人間(色黒博士)だからな。

 

 だが色黒、お前には貸しが腐るほどあるんだ。皮肉相手とはいえ、この後はこいつとしっかり共謀してやるから、安心して高い枕でおねんねしてな!

 

 「…なるほどロト、やっぱりマスターは鬼畜で性悪ロトね。…仕方ないロト。オイラがやらないと滞りそうだし、今回はオイラが嵌められてるロトからね。」

 

 「あぁ、腹黒端末、お前が何故今まで隠してたか、ある程度理由はわかる。だから苦肉の策だったんだ。ぶっちゃけ本当にすまん。」

 

 俺は純粋に頭を下げる。

 

 「マスターが謝るなんて珍しいロトね。」

 

 「いや、今回のことと言うより、今後の事がもうそれはそれは末恐ろしくてな。ほら、今お前を遠くから獲物を見つけた目で射抜いている噛みつきプリンセスがいるだろ…。」

 

 俺は後悔の目で腹黒の斜め後ろで身構えている駄犬を見る。

 

 「あぁ、やっぱりマスターもわかってたロトね。だったら双方デメリットだロトよ。この貸しは色黒にツケといて良いロトね?」

 

 「あぁ、それはモチ。」

 

 当たり前だろう。ゆくゆくはあいつのあらゆる物を今貯蓄している数多くの貸しをツケにしてふんだくる予定なんだから。

 

 「…やっぱりマスターは人が悪いロトよ。」

 

 腹黒端末が何か言ってるが知らん、はよ通訳してくれ。

 

 

 

 ー

 

 「どうやらヘラクロス達の住処が突然現れたカイロス達の群れに急襲されて、なくなってきた食料の中、隠れている仲間達が飢えない為に一人逃げてきたそうだロト。」

 

 …また縄張りの問題か。

 

 「まぁそんな所だろうとは思ってたけど、ヘラクロス、お前、一人でよく頑張ったな。もう大丈夫だ。」

 

 俺は一言そう告げ、スマホロトム(腹黒端末)に話しかける。

 

 「おい、スマホロトム、カイロスの習性は闘って強い者が正義だったよな?」

 

 「大体合ってるロト。」

 

 …よし、決めた。こうなりゃとことんだ。

 

 なんかエビワラーが珍しくワクワクしているような気がするが、今カメラ回してるのはそのエビワラーだし、今回はスルーしよう。

 

 「ヘラクロス!俺がカイロス達と闘って勝ってやる!任せろ!」

 

 俺がカイロスに力を示せば良い。

 誰かが食いっぱぐれるような世界は俺が気に入らん!

 

 「………ヘッ?」

 

 ヘラクロスがらしくない鳴き声で返した。

 

 「………へっ?ちょ、マ…カビゴンおじさん!?」

 

 ノエルも同じ反応だ。なんなら一瞬出てるぞ。ピッピ先生。

 

 「っぶいっ!?」

 

 …お前もかイーブイ。

 

 …そしてエビワラー、肩を落とすな。…カメラがブレる。





 ヘラクロス ♂

 普段はマイペースだが強気に出られると気が弱くなる個体。一言で済ませるとお調子者。ヘトヘトになっていたところに食料を恵んでくれたマサオ一行を完全に信頼している上、イーブイには惚れているチョロイン属性保持者。足蹴にされてはいたが、まだまだ諦めてはいない模様。どうか変な道には目覚めない方向性でお願いしたい。
 …まぁしかし肝心のイーブイがアレなのでどっちみちヘラクロスくんは一生報われることはないと思います。アーメン。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。