神「オマエ転生さしてやるからちょっと頑張ってこい、ちなみにチートはナシじゃ」 俺「は?」   作:ND内

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第二十一話 スポーツバトル二回戦! 元どっかの軍人?知らんが警戒はするよ!?怖いもん!

 

 一回戦を無事に突破したオイラ! さて、二回戦は突破…

 

 「おい、坊主、舐めてる様だから徹底的に潰してやろう。」

 

 できるかは置いといて凄く圧!圧力!!

 

 

 

 ――――――

 

 「ダルシムさん、対戦ありがとうございました。」

 

 俺はシミュレーション部門のときとは打って変わり、敬意を持って握手する。

 

 「あ、アリガトゴザイマシタ…。」

 

 「ダルシムさん、大会後に時間あるなら、食事にでも行きませんか?」

 

 「アリガタイノデスガ、ワタシには…」

 

 「ダルシムさんが何を抱えてるのかは知らないけど、他者のために大会に出ていたのは、目を見たらわかった。」

 

 「・・・!?」

 

 ダルシムさん驚いてるなぁ。 んな表情に出てたら丸見えだぞ…? 詳細は知らんが。

 

 「もしかしたら手伝えることがあるかもしれないんだ。 良かったらその時にでも詳しく聞かせてくれ。」

 

 「ワ、ワカリマシタ。」

 

 

 ダルシムさんは神妙な顔つきで舞台裏から離れた。 観客席にでも行くのだろう。

 

 「おい坊主。」

 

 「ん? はじめまして。」

 

 『坊主』か、そんな乱雑な呼ばれ方したのは前世ぶりだな。

 

 振り返ると、そこには壮年を思わせる白髪とストレスが多そうなシワを持ったムキムキマッチョメンの男が仁王立ちで立っていた。

 

 「ほう? 元とは言え鬼将軍と呼ばれた俺の威圧に臆す事なく言葉を返すとは、坊主は井の中のガマガルの様だな。」

 

 …まぁ、異世界から来ましたって意味合いでは、俺にとってこの世界は全部が新しいけど。

 

 「田舎者ですから、何分外のことを余り知らずじまいで、誠にすみません。」

 

 詭弁でしかないが、波風は不要なので、下手に出る。

 

 「ハッハッ。 クソガキめ、挨拶だ。」

 

 彼はそう言って左拳を放ってきた。

 

 ・・・言ってから放ってくれるとはお優しい。

 

 「宜しくお願いします。いい勝負にしましょう!」

 

  しっかり右腕の外側を前に出してガードする。

 

 「〜〜〜っ!! ファック!!ガッデム!!」

 

 口ばっかり出るようで

 

 ・・・俺は手出してないからな!無罪だからな!!

 

 

 んでなんかあっちからヒソヒソ聞こえるぞ。しかもお前ら見えてるぞ、ヒビナ、ナツキ、キョウヤ。

 

 「とっとはなんで怒られてるの?」

 

 「ヒビナさん、あれについての解説は?」

 

 「マサオは昔からこの体質で苦しみ続けてるわ。」

 

 なんだよその体質って。

 

 「体質?」

 

 「ええ、マサオは前世からおかしいほどに『とにかく理不尽にぶち当てられる体質。』だったのよ。」

 

 俺も納得はできてしまうけどそれは初耳だぞ、ヒビナ。

 

 「りふじん?」

 

 キョウヤは知らなくて良い言葉だ!

 

 「えっとねぇ、何も悪いことしてないのに突然嫌なことをされることかなぁ。」

 

 教育に悪いことを教えないで!? キョウヤがわかってないからギリギリセーフだけど! あいつ後で覚えとけよ…。

 

 「今までどんな理不尽が?」

 

 そうだよ! てかヒビナは俺のことをどこまで調べ上げてるんだ…?

 

 「わかりやすいやつで言うと、マサオの非力エピソード(笑)も、何もしてないマサオからすれば、ただの理不尽だからね。」

 

 「あれもそうなんだ…。」

 

 それはそうだな。

 

 「後は父親に幼稚園の時に九九をマスターさせられた次の日に二桁の掛け算を熱湯風呂で覚えさせられたり、遊び半分で回し蹴りや巴投げをされてボコされてたりしてたらしいし、母親は父親の被害を被らない為にマサオを生贄にして逃げてたから。」

 

 そんなこともあったな。 まあ空手道場を破門にされたことを俺に自慢するような父親だったし、今更感がある。

 

 「ひ、ひどい。」

 

 「ついでに言うと、その逃げてた母親もそれらとは別件のストレスでマサオに当たってたらしいよ。幼児退行赤ちゃんプレイを強制して、マサオに面倒見てもらってたらし…」

 

 「ヒビナァ!それだけは言うなぁ!それ以上言うなぁ!欠片も思い出したくねえんだよぉ!!」

 

 ついに俺は叫んだ。 そうだよ! 俺が5歳の時だ! 急に床にへたり込んできたおかんが『らみたんにたい!』ってちょきの手で二をアピールしてきたんだよ! 俺からしたらそれだけでも耐え難い苦痛だったってのに。 肝心のヤツは俺のことを…!

 

 「ちなみに自分の母親に当時5歳のマサオは『マオねーたん』って言われてたんだっけ?」

 

 うわぁぁぁぁ!!!

 

 「マジでお前どこでそれを…。」

 

 「今は秘密〜。」

 

 もうひと思いにしてくれよ…。 リアルにゲロりそう。

 

 『トーナメント二回戦 第一試合のカビゴンおじさん選手とナパダン選手は選手控室で待機をお願いします。』

 

 …二回戦だよ。その前から胃痛だよ。

 

 

 

 ――――――

 

 

 てなわけで二回戦なんだが、始まる前から既にさっきのファックガッデムからナパダン?って名前のおっさんは怒り心頭である。なんで。どうして。

 

 「カビゴンおじさん選手 対 鬼将軍ナパダン選手! モンスターボールを構えて構えて…  レディロック!」

 

 てか選手名に鬼将軍って自分でつけてるのかよ。

 

 「ゆけ!エビワラー!」

 

 「ワラワラァ!」

 

 エビワラーは初の公式戦で、やる気が滾っている。

 

 「ゆけ!パルシェン!」

 

 「パンラパラララン!」

 

 愛称ナパ○ム弾の砲台じゃねーか!!

 

 「パルシェン!『てっぺき』!」

 

 ナパダンはパルシェンの隣で仁王立ちし、パルシェンに『てっぺき』を安全に積ませようとしている。 なるほど、大抵の相手になら殴り対応で勝てそうな体格のナパダンならではのコンビネーションだ。

 

 「エビワラー!『ほのおのパンチ』!」

 

 だったら狙うは状態異常! どのみちパルシェンが有効打を作るには殻を破る必要がある。 殻を破られても平気な火力にまで落とさないと!!

 

 「坊主、足元がお留守だ。」

 

 「ちっ!!」

 

 さっきまで仁王立ちしてた癖に! 俺がエビワラーに指示を出した僅かな隙のタイミングを見計らって仕掛けてきやがった!

 

 ナパダンの足払いは俺の右脚に当たる。

 

 「甘く見るなよ、坊主。パルシェン!『つららばり』で閉じ込めてしまえ!!」

 

 仕掛けてくる脚に意識を取られていた俺は、ナパダンが身体の捻りで出していた、左肘の顔面攻撃の対応にワンテンポ遅れてしまう!

 

 「あ、面が。」

 

 俺の顔バレ防止が!!

 

 「まだまだ甘ちゃんなんだよ、クソガキは帰ってママのオッパイでも吸ってな!」

 

 「っ!!」

 

 ああそうだ、いつも言ってる通り俺はまだまだだよ。

 

 まだまだだから前に向かって突き進む。進むたびに楽しくなる。

 

 …しかしこれは顔バレしそうな…うん。客席ざわついてるなぁ…何言われてるんだろ、ブサイクかな、イキリ顔かな。それとも…

 

 …まあ、そんな思考も今はいいか。

 

 …はぁ。

 

 ――ステゴロは楽しいなぁ!

 

 「っ!?」

 

 俺はそこから細かい演算思考を脳内から切り離した。

 

 「・・・わくわくするねぇ。おっさん。」

 

 「クソガキっ!? …いや、お前、何者だ?」

 

 うん?ちょっとエンジンかけたらすぐこれか?やっぱ大したことねえな。

 

 「アンタがさっきから言ってたクソガキだよ。噛ませ。」

 

 俺の言葉をパフォーマンスと捉えた観客側はどおっと湧き上がる。

 

 深く考えたわけじゃないが、ナパダンの足払いしてきた左脚は体勢を低くして前進姿勢で脇で掴んだ。

 

 このスポーツバトル。 敗因は俺をステゴロに"また"目覚めさせたてめえだ噛ませ軍人!

 

 そして俺は、俺が使い慣れた武器を使う。

 

 「ガッ!!」

 

 「ッ!?!?」

 

 あーあー、痛そうだねぇナパダンの(ボディ)。足払いを仕掛けに来ただけなのに、脇に脚を捉えられた挙げ句に

 

 「思いっきり窮鼠にカウンター刺されて、あらら?痛そうだなぁ?」

 

 「が、ガッデム!!」

 

 めちゃくちゃ焦った声だな? そう言う演技かもしれないよな?

 

 「というわけで、戦闘不能コースな?」

 

 「ひっ、ひいっ!!」

 

 パルシェンは何故か動かない。待機指示でも出てるのか?知らんが俺は警戒は怠らないぞ。

 

 「エビワラー、念の為だ。 『こうそくいどう』でも繰り返しながら『グロウパンチ』でデンプシーロール。」

 

 「わらっ。」

 

 「さあやろうぜ。 ステゴロ? ラフファイト? 上等だよ。 愉しみだなぁ!」

 

 「くっ! パルシェン!『からをやぶる』! そして『ロックブラスト』でコイツも巻「オ゛ラ゛ァ゛!!」ガハッ!!」

 

 「パンラパラララン!?」

 

 かっ、楽しいねぇ!

 

 「はっ!」

 

 「指示出し中は注意が疎かになる。 教えてくれてありがとな。 ふん!」

 

 ははっ!顎にショートアッパーが刺さるこの感じ。良いねぇ!美味だねぇ!

 

 「あがはっっ!?」

 

 「大丈夫だ。どこも折れてねえよ。」

 

 「な、なぜそんなことを…?」

 

 「あ?決まってんだろ。」

 

 「な、なに…?」

 

 「あのパルシェンの『ロックブラスト』のツケ、お前自身に払ってもらうから。ヨロシク。」

 

 そう言って俺は脳が揺れて足が竦み、動けないナパダン(軍人)を引き上げて『ロックブラスト』の盾になるように首根っこを掴んだ。

 

 「さぁパルシェン、てめぇに委ねられたぞ。」

 

 「…ぱ、パラ?」

 

 「お前は俺を狙おうとしている。 しかし俺によってお前のトレーナーが盾になってくれている。ありがたいねぇ。感謝感謝! さあ二択! お前は『ロックブラスト』を打つのか?打たずに堪えて降参するのか?さぁ選べ!」

 

 「や、やめろ坊主!私が悪かった!!」

 

 「うるせえ。今更遅えんだって。仕掛けたのはそっちだろ?なぁ!みんな!」

 

 俺は観客側にパフォーマンスの一種として共感を問う発信を起こす。

 

 観客席からは『そうだそうだ!』や『ざまあねえな!やっちまえ!』や『これは勝負なんだよ!』『諦めろ軍人レイヤー!ついでにこの前の居酒屋の件、訴えてやるからな!』など

 

 客もコイツもまあまあ治安終わってんな。治安が良いとは、教えてくださいgoogle先生。

 

 「ぱ、パラ…。」

 

 「おうおう迷ってるみたいだな。そんな迷えるポケモン君に、僕からアドバイスをさせてもらおうか。」

 

 「パラ…?」

 

 「君がそれを打つと、君のトレーナーはそれの餌食になり、俺が勝つ。 ついでにトレーナーは多分怪我をする。」

 

 「…くっ。」

 

 「パラ!?」

 

 「まあまあ落ち着け。 俺の話はまだ続いている。 …しかしパルシェン、君がそれを打たずに詰まったパワーをこちら以外に発散した場合、トレーナーは無傷で済むし、君だって無傷済むだろう。勝率は下がるが、確定で負けるわけではない。」

 

 「パラ…。」

 

 「さあ二秒やるから。選べ!」

 

 「パンラァ!」

 

 パルシェンは『ロックブラスト』をはずした!

 

 「おう、ええ選択や。 おいトレーナー!こいつのこと今以上にもっと大事にせえよ!! エビワラー!『こうそくいどう』で脚が温まっているだろう!パルシェンになるべく負担をかけずに脱出しろ!」

 

 「わらわらっ!」

 

 「パルシェン 及び、ナパダン選手、戦意喪失! よって勝者、カビゴンおじさん選手!」

 

 勝った。

 

 「ワラぁ…。」

 

 「はぁ、勝てたけども」

 

 「ワラぁ。」

 

 「なんか締まらん闘いだったなぁ。」

 

 疲れたし。

 

 「っぶい!」ガタガタ

 

 駄犬は後でな。




 マサオくんいっかつ〜い! と思った方々へ。

 マサオくんは元来が薄汚い環境の人間です。 んでもって別に正義の味方などではありません。 しかしマサオくんにも怖いものはありますよ。あれでも人間ですから。 そんな彼でもルールは守るし無益な暴力は振りませぬし、身内には(多分)ゲロ甘なのでご容赦してやってくだせぇ…。(かみさま筆)
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