神「オマエ転生さしてやるからちょっと頑張ってこい、ちなみにチートはナシじゃ」 俺「は?」   作:ND内

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第四話 吊り橋効果で既成事実まで行くやつほど将来的に後悔する

 

 チュン チュン

 

 …朝だな、朝なんだけどな。ヒロインらしき存在が居ないのに朝チュン演出はちょっと何かを疑うんだが

 

 俺はすぐさま左右を確認する。ないとは思うがエビワラーと間違いを犯すことなんて多分お互い死んでも嫌だからな!

 

 「…誰もいない、な!ヨシ!」

 

 左右に誰もいないことを確認した俺は寝袋を脱ごうとジッパーに手を掛ける。

 

 ーモゾモゾ

 

 おかしいな、寝袋の中、俺の股間辺りで何かがモゾモゾしている。俺は一体ナニと間違いを犯したって言うんだ。

 

 「落ち着け、落ち着くんだ。思い出せ、昨日はー」

 

 ダメだ、どう考えても俺の寝袋に説明がつかない。俺も何があったか覚えてない。おかしい、酒飲んでないのに。

 

 混乱した俺はゆっくりと、それはもうゆっくりと寝袋を開けていく。

 

 「こ、これはッ!!!」

 

 

 

 俺の股間を枕にしてうつ伏せで寝ているイーブイでした…。

 

 「イーブイ。」

 

 「っぶい!」

 

 めちゃめちゃ起きてるし。

 

 「絵面的にやめとけ。」

 

 これ以上はナニも言わない。

 

 ナニもなかった!ナニも!

 

 

 

 ー朝から獣と朝チュン未遂は流石に疲れた…。

 

 「ワラワラァ…。」

 

 そんな目をするなエビワラー、察するな。今だけは何も察するな。俺にそっちの趣味はない。

 

 「エビワラー、今日の記憶はここからが始まりだ。今起きたんだ、今!おはようエビワラー!」

 

 ナニもなかったんだから、この記憶ごとなかったことにするぞ。察しろエビワラー。

 

 「ワラワラァ!(そっすね!)」

 

 …お前のノリ、助かるよ。

 

 「っぶい!」

 

 ……お前は…

 

 「っていつの間に起きてきやがったてめえ!」

 

 「ぶ〜い♪」

 

 さっきまで人の寝床で既成事実を疑われそうな場所で安眠してやがった癖に!もう起きやがった!昨日はあんなにぐっすりだったのによぉ!

 

 「ぶいぶい♪」

 

 イーブイは特有の愛らしさに猫なで声で俺の脚に頬を擦り付けてくる。新手のキャッチか!!

 

 「すみません、間に合ってます。」

 

 「っぶいッ!?」

 

 前世で使いまくってた雑な断り文句を息を吸うように使ったらイーブイが明らかにショックを受けた。

 

 う〜ん、これは困った。

 

 ゲームじゃない以上は乱獲したくない。世話を見きれん。後乱獲できない環境下でブイズは育てたくない。

 

 しかしこいつは多分離れない。盲目ってやつだな。相手が俺とは可哀想に。

 

 「イーブイ。」

 

 はっきり言ってやろう。俺とはここまでだと。

 

 「っぶい!」

 

 「お前は俺のことが気に入ってるのかもしらんが、この旅はとてもとても危険なものだ。更に俺には帰る家もない。強くなれないポケモンは一緒に連れていけない。」

 

 「ワラッ!?」

 

 エビワラー安心しろ。危険とか嘘だ。

 

 「っぶい!」

 

 何その大丈夫!みたいな秒でキマった覚悟!?そういうの一番求めてないよ!?

 

 「連れていけない以上はここでお別れだ。イーブイ。」

 

 情がズブズブになる前にきっちりと別れの線引きをしておく。こういうのは後になればなるほどこびりつくんだよ。

 

 「ッブイ!?!?」

 

 イーブイはショックを受けている。許せイーブイ。これで最後だ。

 

 そんな生温かい目でイーブイにサヨナラしようとしてたら、イーブイが近くの木にもたれかかって腹をさすり始めた。

 

 「ぶ〜い…ぶ〜い…。」

 

 おいどこで覚えたそんなやり方!デレはデレでもやっちゃイケないデレ方ってもんがあるでしょうよぉ!!

 

 「ワラワラァ…。」

 

 おいエビワラー、俺に軽蔑の目線を向けるな。ヤってもなければデキてもない。…デキてないよな!?

 

 「ぶぶい♡」

 

 「おい、誰が『アナタ♡』だこの駄犬。既成事実でっち上げんなこのビ○チ!」

 

 「チッ」

 

 舌打ちした!?今舌打ちしたよねこの駄犬!

 

 「ぶぃ〜!ぶぃ〜!」

 

 「やだね!タッちゃんじゃないから南を甲子園に連れて行く必要もなければお前を旅に連れて行く道理もない!!」

 

 「ぶい。」

 

 あれ…?さっきまでそこにいたのになんで俺の股間弄ってやがる!!

 

 「ぶい♡」

 

 「『はむ♡』じゃねぇんだよこのビ○チ!エロゲの世界じゃあるまいしだな!!ちょ!お前離せ!噛むな!そこだけは噛むなお前待て!痛っ!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!」

 

 

 

 ー1時間後

 

 「すまんエビワラー。俺にも出来ることと出来ないことがある。」

 

 「ワラワラァ…。」

 

 俺もエビワラーも完全なる諦めムードである。もう疲れた。ただ一匹の駄犬にひたすら振り回された。

 

 「っぶい♪」

 

 そんな駄犬は俺の肩に捕まってひたすら頬を舐めてくる。過剰ですよアナタ。

 

 「とりあえずもう、なるようにな〜れ☆だ。エビワラー、お近くに街があるから、そこから行程立てるぞ。」

 

 「ワラァ。」

 

 「ジムでもなんでも攻略してやる。やることやってのんびり暮らしてやる。」

 

 「ワラワラァ。」

 

 「少しばかり怠い道のりだけど、やるぞエビワラー。」

 

 「ワラァ。ワラワラァ!」

 

 「おい、イーブイ。付いてきたからには徹底的に育ててやるから覚悟しろ。」

 

 「っぶい!!」

 

 俺にはこの子がわからん。わからんのです!!

 

 脚は飾りじゃないけど、偉い人でもないけどわからんのですよ!!

 

 惰眠貪りたい俺とエビワラー、そして夜這いしてくるイーブイ。

 

 こいつらってポケモンなのかなぁ…。

 

 先行きが不安しかない…。

 

 「っぶい!」

 

 「お前だよ!」




 イーブイ ♀

 特性 きけんよち 性格 あざとい

 珍しいきけんよちの特性を持ったイーブイ。しかしそれ以上に性格が色んな意味で珍しい。

 ピンチの時に颯爽と現れる王子様を求めて流浪していたちょっとネジがぶっ飛んだ残念なメス。

 つまり初登場時傷だらけだったのは、あそこまでになるつもりはなかったが概ねわざとである。

 そして即時に治療したマサオに一目惚れ。種族の違いなんのそので寝袋に潜り込んで朝チュン未遂をかける。

 マサオからはその異端性から危険視され「ビ○チ」や「駄犬」呼ばわりされている。本人はわかっていないが何か罵倒されてる気がするからその呼ばれ方は気に入ってない。
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