神「オマエ転生さしてやるからちょっと頑張ってこい、ちなみにチートはナシじゃ」 俺「は?」   作:ND内

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第五話 イーブイ、お前のために俺は貞操を徹底的に守らなければならない。哀しいぞイーブイ。

 

 ーイセガタウン

 

 とりあえずスマホロトムのマップ機能を使って町に着いた。神社が有名な観光地のこの町にジムはないらしい。つまり突っ切ってオッケーってことだな。

 

 俺は身寄り無しのマサオ、こいつは同士のエビワラー。

 

 「ワラワラァ…。」

 

 何が同士かって?こいつと俺は怠けることが大好きだ。頑張って生きることには興味がない。のらりくらりとだらけていたいだけなのである。

 

 しかし俺たちはなんとか頑張ってジムをめぐり、リーグで優勝しなければならない。

 

 調べたが四天王やチャンピオンとは雲の上の実力者らしく、挑戦するにもリーグを優勝しなければならない。アニポケ準拠ってところだ。

 

 俺たちがなぜそこまでして頑張らなければならないのか。その原因は俺の肩に乗っているこいつだ。

 

 「ぶいぶい♪」

 

 こいつはイーブイ。隠れ特性のきけんよちを持ってる癖に全然危険を避けない。俺に惚れてるのかなんなのか全くわからんが、毎晩こいつに夜這いされている。おかげさまでナニもないのにゲッソリだ。いざサヨナラしようとすれば「お腹の子が〜」とか「息子はむはむ」とか一体どこで覚えてきたのか全くわからんがマジでヤバい危険動物である。お前のお腹の中には誰もいません!!いたら俺はどうすればいい!!

 

 …まぁこいつが居たらまともにダラダラすることも叶わない。だからこそ俺は仕方なく頑張ってリーグ優勝してそれなりの生活を送れるように頑張ることにした。

 

 そんなことを考えながらポケモンセンターのカフェで一服していたよ。一息ついたら次の街に行こうぐらいのノリだったよ。

 

 「誰が助けてくれぇ!神社のお社にバチュルの大群がぁ!!」

 

 ーなんなんだろうね、フラグかな?

 

 「神社ってどっちにありますか?」

 

 すまんなお前ら。目の前の困ってる人からは目を背けられない性分なんだ。

 

 「あ、あんだは?」

 

 「通りすがろうとしてたポケモントレーナーだ、そんなことはどうでもいい。神社はどっちだ?」

 

 「き、北だぁ!あっちだべあっち!あんなバチュルの大群、見たことねえよぉ!」

 

 「そうか、わかった。」

 

 さて、場所もわかったしさっさと行くか。

 

 「すまん、仕事だエビワラー。行くぞ。」

 

 「ワラワラァ…。」

 

 まぁ、しゃあないっすねって感じだな、また今度ブラックコーヒー買ってやるから許せ。

 

 「イーブイ、仕方ないから付いてこい。」

 

 「っぶい!」

 

 いつもよりしがみつきが強くなって俺の肩が痛いです。爪の型付けないで!?

 

 

 

 ーイセガ神社

 

 神社なだけあってえげつない階段だった。前世の初詣を思い出したよ。エビワラーはそれなりに大丈夫そうだな。

 

 「…エビワラー、ペース配分覚えた?」

 

 「ワラワラァ。」

 

 やっぱ俺が思った以上にこいつ頭いいわ。

 

 境内には大量の黒いバチュルが集まっていた。

 

 「あれってまさか!?」

 

 期待した俺はすかさずスマホロトムで確認する

 

 バチュル《オステアのすがた》

 

 ほのお むし

 

 

 「リージョンフォームだと!?それは良いな!」

 

 良いぞ、熱いぞ。新種は心躍るぞ。

 

 「ってそんな場合じゃなかったな。あれだけの数だったら…イーブイ!やるぞ!」

 

 「っぶい!」

 

 野営中は安心できなかったが、このイーブイ、無茶苦茶な活かし方が俺にはある。

 

 「かーえーるーのーうーたーがー、はいっ!」

 

 「ぶーぶーぶーいーぶーぶーいー!」

 

 イーブイの りんしょう!

 

 りんしょうって技は特殊な技でな、他のポケモンのりんしょうの後に打つと威力が倍になる!

 

 …俺のカエルの歌がりんしょう扱いになるとは思いたくなかったけどな!

 

 大勢のバチュルが混乱したあとに倒れる。悪いことしたな。謝らないけどすまんとは思っとく。

 

 賽銭箱の奥から親玉みたいなデカいのが出てくる。燃えてる。

 

 エンチュラ

 

 ほのお むし

 

 エンチュラ、ねぇ、さしずめオステアのバチュルの進化系ってところか。

 

 「ヂュララァ!!!」

 

 エンチュラは凄みのある剣幕でこちらを睨みつける。

 

 「一体どうしたよ。」

 

 「ヂュララァ!!!」

 

 会話は通じないようだ。

 

 ただ図鑑の写真と少し違って体に変な輪っかが付いてるんだよなぁ。取ってやると変わるかな。

 

 「イーブイ、エビワラー、こいつは俺がやる。エビワラーは安全の確保頼むな。」

 

 「ワラワラァ。」

 

 こいつ、まだ同行して日が短いのにまぁそうなるっすよねって、わかってんなぁ…。

 

 んじゃ、とりあえずやりますか。

 

 イーブイのりんしょう戦法を見出したのは理由がある。

 

 俺は前世でソロで音楽活動をしていた。そんな爽やかなもんじゃない。俺の得意分野はー

 

 「YERRRRRRRRRRRR!!!」

 

 ハイトーンシャウトだ

 

 マサオのハイパーボイス!

 

 「俺はポケモンじゃねぇ!!」

 

 マサオのばくおんぱ!

 

 どうして…。前世ではマイクしか壊さなかったのに…。まあエンチュラが気絶したからヨシ!

 

 「イーブイ、お前の爪でこいつの輪っかをカリカリ削って切ってやれ。」

 

 「っぶい♪」

 

 全くよくわからんがイーブイがめちゃめちゃご機嫌だ。全くよくわからんがな!!

 

 「エビワラー、中に人がいないか探してくる。引き続き頼む。」

 

 「ワラワラァ…。」

 

 「これ終わったら飯休み。」

 

 「ワラワラァ!」

 

 気持ちは凄くわかるけどめちゃめちゃ釣りやすい。それでいいのかエビワラー。

 

 

 「誰かいませんかー!!」

 

 色んなところで掛け声をして、巫女さん二人と事務職のおじさん一人を助けてついにここが最後の部屋。慣れた勢いでふすまを開ける。

 

 「チュル…?」

 

 そこにはオステアバチュルが一匹だけいた。

 

 「お、おう…。」

 

 何故だろう。こいつから一切の敵意を感じない。

 

 バチュルは俺の顔を確認したら、すぐに目の前の作業?のような蜘蛛の糸に向き直った。

 

 「何やってんだこいつ…って、これはっ!?」

 

 見れぱわかる。さっき助けた巫女さんの一人の顔をまあ綺麗に蜘蛛の糸で描写してる。

 

 「おい、バチュル、お前、俺と芸術の見識を深めたくはないか?」

 

 気づいたら旅に誘っていた。

 

 

 

 ーその後ポケモンセンターに戻り、訛のあるおじさんと神社勤めの方々に御礼を言われ、一応色黒博士にレポートがてら輪っかの残骸を転送し、やることを終えた俺は、この近くの街の《アザハシティ》に向かうことにする。ジムもあるらしい。

 

 「…さて!バチュル!俺の記憶を頼りに描いたこのブラッ○マジ○ャンガ○ル!お前の芸術の糸で人形にしてみないか?」

 

 「チュルチュル!」

 

 俺はバチュルと共に煩悩に塗れていた。

 

 1/10サイズのシルク100%のブ○マ○ガ○ルのフィギュア!俺はバチュルとならどこまででも行ける!

 

 「っぶいっ!」

 

 「っ痛え!おまっそこは噛むなって何度言ったらわかる!」

 

 煩悩に塗れるとイーブイが俺の股間を噛みます。どうして。

 

 「っまぁしゃあない!さっさとアザハシティ行くぞ!」

 

 俺たちはイセガタウンの門を出た、こうなったら早く自宅兼アトリエを建てるためにリーグ優勝してやる!!

 

 「すみません…。」

 

 脇から声聞こえたけど!?

 

 恐る恐る首を動かす。シスター服の女性がぶっ倒れてる。アブナイ人かな。シスター服はマジ性癖だけどアブナイ人はちょっとなぁ…。

 

 「ど、どうされました?」

 

 関わりたくはないけどなんか辛そうなのはもっと嫌じゃん!?

 

 「み、水、水を…。」

 

 あれー?いつからここは世紀末になった〜??

 

 致し方ないので近くの木に背をもたれさせてから手持ちの水筒を一つ渡す。

 

 「まあ、これ飲んで落ち着いてください。」

 

 「ありがとう、ございます、か、み、さ、ま。」

 

 落ち着いたのかシスター服の女性は眠りこけた。

 

 …っておおぉぉぉぉぉぉい!!!




 バチュル 《オステアのすがた》 ♂

 タイプ ほのお むし  特性 ふくがん

 技 いとをはく かえんほうしゃ きゅうけつ かなしばり

 TIPS リージョンフォームのバチュル。本来の生態は集団を好み、群れをなして獲物を捉える。そう、漏れ無くこいつも変わり者である。

 生来から狩りに興味がなく、糸遊びが過ぎて芸術を求めていた。過去スランプだったときに糸の処理がめんどくさくてかえんほうしゃを習得した。
 ちなみにきゅうけつは食事を効率よく済ませられるから会得して、糸作品の固定にかなしばりを使っている。技の無駄遣いである。

 群れの長のエンチュラが急に群れを率いて神社を攻め入った時も、それらに興味がなく、面倒だったので離れた個室で創作していた。

 マサオとは主従というよりオタク仲間のノリである。巫女の模写で新たな世界を掴み始めたバチュルは、マサオのブ○マ○ガ○ルへの愛をマサオの描画技術により目の当たりにし、こいつとなら(芸術の)テッペン取れる。という謎の確信のもと、同行することに。

 マサオのことは畏敬の念を抱いている。芸術の先達者として、一挙一動をその複眼に収めている。最早マサオのオタクである。
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