神「オマエ転生さしてやるからちょっと頑張ってこい、ちなみにチートはナシじゃ」 俺「は?」   作:ND内

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閑話 レポート解読その1

 

 

 「…はぁ…。」

 

 研究所でほぼ私物化しているチェストプレスマシンから立ち上がり、溜め息と共に仕事用のパソコンを確認する。

 

 「今日もきっちり来てるなぁ…。」

 

 転送されてきたレポートに深い溜め息をつく。

 認可が下りて研究所を設立するようになったまでは良いものの、テーマがテーマだったからほぼ手探りの研究だし、効率の悪さから経費削減筆頭に挙げられるし、色々八方塞がりだったんだよなぁ。

 

 『今日のレポート(マサオ 著)』

 

 そんな中自由に動ける人員ってことで、ダイキさんから紹介されたのが、今レポートを送ってきた彼なんだけど。

 

 

 (マサオ 著 とかコピー防止プロテクトとか、彼徹底し過ぎでしょ!逆に何処でそんな技術知ったんだよ!?)

 

 彼のレポートは毎度見ている。内容がしっかりしすぎていて怖いが、必要なときに写真や動画も添付されるから虚偽の報告ではない。それを踏まえた上で今日のレポートを開く。

 

 『今日起きたら、昨日助けたイーブイが俺の寝袋の股間辺りでキン○マ○ラしてました。(添付画像1)そうです。夜這いです。寝ている隙にアーッ♂されかけました。エビワラーに蔑みの目を向けられましたが、俺は悪くないのでとりあえず追いやりました。』

 

 「ブフーーーッ!!」

 

 今日のレポートは昨日のモノより破壊力が高すぎてコーヒーを吹いてしまった。なんだよイーブイから夜這いされるって!一部の変態様から睨みつけられて嫉妬の炎を向けられるぞ!?

 

 『野営地を片付け、近くの街に向けて出発しようとしたら、件の夜這いイーブイが連れていけと言わんばかりに甘ったるい猫なで声で頬を擦り付けてきやがりました。断ったらどこで学んだのか存在しないお腹の子アピール(添付画像2)したり挙句の果てにこいつ自身が枕にしてた俺の勲章に噛み付いて離れませんでした。マジ痛かったです。(添付動画1)』

 

 …マジでナニしてんの?

 

 『致し方ないのでこの夜這イーブイを残念なことに連れて行くことにしました。ポケモンの成長ってテーマにはうってつけかなぁと思います。ちなみにエビワラーの方はなんと!缶コーヒーを滑り落とさずに飲むことが出来ました!!あの哀愁は天下一ですな。(添付画像3 )そんなわけで今日の晩も暇ならレポート送ります。またな色黒』

 

 …トチ狂ってるよなぁ…。ぶっちゃけこのレポートだけで研究成果としては出てるから、経費削減はなくなったし、なんならこのレポートで増額まであるなぁ…。彼は口は悪いけど給料は出してやろう。

 

 …てかもう動画とか出したら良いのに。んで収益のおこぼれに預かりたい。

 

 思い立ったら行動していたよね。

 

 「もしもしマサオくん?僕だよ僕!ゴンド!」

 

 『ん?あ!?博士?ちょっと待て!今取り込み中だ!折り返すから待ってろ!』

 

 そう言って電話が切られた。音からして何かしらに巻き込まれてるなぁ。『クソッ!色黒!』とか聞こえたから後でその辺ほじくり回してやろう。

 

 …さて、バルキーとベンチプレスしに行こ。

 

 

 

 夕方になり、再び電話がかかってきた。

 

 『もしもし、博士の電話で合ってますか?間違いなら即切りますね失礼しました。』

 「ちょっと待てぇぇ!合ってる!合ってるから切るな!」

 

 度々思うんだが、彼はダイキさんより人を振り回すように感じる。ダイキさんが人間バイクなら、彼は人間ダンプブルドーザーだよ。

 

 『チッ、んで色黒さん、用件は?』

 

 少しでも皮が剥がれると口が悪くなる。彼と話していれば嫌でも慣れる。慣れないと全臓器が悲鳴を上げる。

 

 「あー、そうだった。まず、君のレポートの評価が思ったより凄くて、このまま上手く行けばボーナス出るよ。」

 

 『そうですか。』

 

 あんまり興味無いんだろうなぁ…。リアクションうーっすいし。

 

 『本題はまだです?それとも無い?それなら切りま』

 

 「待て待て待て待て!次が本題だから!次!な!」

 

 彼の辞書には遠慮の二文字は存在しないのだろうか。絶対存在しないと思う。凄くそう思う。

 

 「いや、マサオ君の周りのポケモンたちって個性強いから、動画配信すれば儲かるんじゃないかなぁ…と思って。」

 

 僕はすぐに本題を話した。彼も若いんだからこういうのはやりたいと思うだろう。売れたら恩を感じて収益を分けてくれたらそれでいいよ!

 

 しかし、彼の言葉は僕の予想とはかけ離れていた。

 

 『丁重にお断りします。』

 

 「理由を、聞いても?」

 

 みんなが憧れるであろう動画配信を、彼はなんの迷いもなく断った。

 

 『俺は仕方ないとしても、ポケモン達の同意もないのに好奇の目には晒せません。』

 

 普段倫理の欠片も無いような彼が、その瞬間だけ凄みのある真面目さで倫理を説いた。

 

 「そうか、わかったよ…。僕としてはそれで稼いでも良いんじゃないかと思ったんだけどね…。」

 

 これ以上この話題は掘り出せない。諦めよう。

 

 『うーん、博士がどうしてもって言うなら、考えますけど?』

 

 彼が一歩引いてきた!?幻想か!?幻想なのか!?

 幻想でもこのチャンスは逃せない!!

 

 「やってくれ!こちらで手伝えることなら手伝うから!収益ちょっと分けてくれたらそれでいいから!」

 

 『あー、とりあえずポケモンたちと相談します。それじゃ。』

 

 「ああ!頼んだよ!」

 

 これは新たな金の流れだ!!儲かればまたトレーニング器具を置ける!研究所兼トレーニングジムを楽しくできる!ひゃっほぅ!

 これから僕の人生は薔薇色だぁ!

 

 

 僕は薔薇色の未来に心を踊らせて、狂喜しながら業務へ駆けた。

 

 

 

 …今なら思うよ、あれは詰まされた上で嵌められたんだって。

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