⬛︎の象徴   作:迷える黒狗

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3話 退院

 

 

 

 

 ――病室内・夜

 

 

 

 ポケットで振動しているスマホを手に取る。

 

「もしもし」

「もしもし、いま大丈夫か」

「小声で良ければ大丈夫ですよ、ホークスさん」

「いまはどこにいるんだ?」

「病院ですね、2人がまだ姉の近くに居たいって言っていて、今日はここで夜を越す予定です」

「そうか、……ニュースでも見ただろうが、星野アイを刺した犯人は病院で死亡が確認された、事件性の無い自殺だそうだ」

「ええ、見ました、……ただはっきりいってそんな事はどうでもいい、俺が気になっているのはその奥にいる奴らの事です、これ以上アイやアクア、ルビーに危害を加えるなら俺は絶対に許さない、いやもう既に許すつもりは更々ないですが」

「首を突っ込むのは結構だが無茶だけはするなよ」

「ヒーローが暇を持て余す世界を作るんでしょ、俺だって一応公安の一員です、心配される程愚かでも無いし弱くも無い、心配無用です」

「そうか、……君らしいっちゃお前らしい言葉だな」

「でしょう?」

「今日は、ここで切るけど、しっかり休めよ」

「勿論です、あ、」

「どうした、流星?」

「すみません、できたらでいいので1つお願いしてもいいですか?」

「…内容次第だが、何をしたらいい?」

「この後場所の地図を送ります、その病院の周辺を捜索を警察にお願いしたい」

「一応は上に掛け合って見るが何かあったのか?」

「いえ、四年前の子供たちの出産予定日に姉の担当医が音信不通になったんです、当時は特に気にしていなかったんですが、こんかいの事で殺害されている可能性が出てきました、絶対とは言えませんが何かしらに巻き込まれている可能性があります」

 「……なるほど、分かった、任せてくれ」

 「助かります」

 「これで以上かい?」

 「ええ、以上です」

 「そうか、何度も言うがちゃんと休めよ、じゃおやすみ」

 「おやすみなさい、ホークスさん」

 

 

 

 

 月宮が電話を終わらせ、スマホをポケットに戻すと、自身の右側の肩に寄りかかって休んでいたアクアがモゾモゾ動きながら、目を開ける。

 

 

 

「……ん、おはよ……お兄ちゃん」

「あ、起こしちゃったか?」

「ううん、大丈夫、……お母さんとルビーは?」

「ルビーは僕の膝枕の餌食に、お母さんは前に居るよ、まだ起きていないけど」

「……お母さん死なない?」

「あったりまえだろう、お兄ちゃんがお母さんの事は見ているから、アクアは何も気にせず次の日に備えて休んでおきな、起きられなくなっちゃうよ」

「うん、おやすみなさい」

「はい、おやすみ」

 

 そう言うとアクアは再び眠りにつく。

 

 それにしても、本当になんでこんな事になったかなぁ、あの住所を知る人間は、俺とアイ1家以外は社長夫妻だけ、奥さんの方はアクアとルビーの二人とすごく仲が良さそうだし、なんだかんだ優しい人だからどこかに漏らすとも思えない。社長の方もほぼ確実に無いだろう、あそこまでドームが決まって発狂しながら喜んでいたし、これからって所の自社看板を危険に晒すとは思い難い、同僚ルートからは住所を教えるほどの親しい友人は姉にはいそうになかった、そのために流失しようもないだろう、……ならば残すは消去法でアクア達の父親のみであろう。

 

 ……どこにいようが、全部使って必ず見つけてとっ捕まえる、ただそれだけ、容赦をするつもりはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう考える月宮の瞳は既にあった黒い星の輝が増したように見えた。

 

 

 

 

『α、調べられるか?』

『既にγを使って調べ始めています』

『ハッ、相変わらず仕事が早いなお前は、できればアイの口から父親の名前は聞きたくない』

『お褒めに預かり光栄です、……ですが明らかに不自然な箇所が多数あります、アイさんの交友関係から見て芸能界関係者かと思い今も調べていますが、これといった人間が見つかりません、これ以上はDNA検査などが必要になるかと、許可をいただければ、検査しますが』

『怪しい人間にある程度の目処はついているのか?』

『現状絞り込んでいるのは20名、βの改修修理と同時進行で行うためある程度の時間が必要になります』

『……分かった、じゃあβの修理優先で進めてくれ、できれば俺が雄英高校に入学する前に』

『了解しました』

 

『なあ、それとさ』

『はい』

『ウルトラマンってワープを使えると思う?』

『使えると思いますよ、本来ウルトラマンとは、宇宙警備隊ですから惑星間の移動手段が必要でしょう、なぜそのような事をお聞きに?宇宙にでも行きたいのですか』

『いや〜シンプルに使いたいなぁと思って、今の飛行スキルも便利だけどさ、急いでる時はどうにも不便じゃん、その分ワープなら簡単に移動できるかなと思って』

『申し訳ありませんが、私のデータにはワープに関しての情報が入っていません、そのためアドバイスできることはないかと』

『そっかー、了解』

 

 移動を楽にしたい気持ちと、ロマンを持って、使えるのではないかとワクワクしながらαの話を聞いてショボーンとなる、まだ諦めるつもりはないらしいが。

 

『毎日ワープしろっとか念じてたら、いつかできたりしないかな』

『可能性はあるかもしれませんが、個性と同じようにワープに関してもある程度の才能が必要でしょう、現状使える気が微塵もないので可能性は低いはずです、別に止めはしませんが』

『おしっ!帰ったらやってみる!』

『ご勝手に、それと、携帯への未既読のメールが溜まっています、早急に変身するべきかと』

『あー、忘れてた、何も言わずに飛び出ちゃったし、出久や勝己からもメール来てる?』

『yes、特に相澤、オールマイト、緑谷、爆豪の四名が、飛び抜けて多いいです』

『かぁ〜、了解、それじゃあ夜のうちに全部返信しようかな』

 

 

 

 

 

 ――病室内・朝

 

「アイ!」

 

 勢いよくスライドドアが開けられ社長夫妻が入ってくる。

 

「しー、ここ病院ですし、みんな寝てます」

 

 少しうるさかった為、思わず注意する。

 

「あ、そうだなすまない、そ、それでアイはどうなんだ、死なないよな」

「メールで何度も送りましたがお医者さんが言うに、命に別状はないです、今はまだ眠っていますがそろそろ起きるだろうって、多分今日」

「そ、そうか、そうだったな、よかったぁ」

『ほんとはもう少し早く来る予定だったんだけど、昨日はドームの予定だったから説明に手間取っちゃたの、アイさんが無事なのも、よかったのだけど、アクアさんとルビーさんは大丈夫ですか」

「それも、何度もメールで言いましたけど大丈夫ですから、気になるならソファーに今寝かせているので見に行ったください、俺は少し外に出ます」

「ああ、わかった気をつけてな」

「それじゃあ」

 

 そう言い残し見送られながら、姉の居る個室病室を出てまず、正面玄関に向かう、着いたら扉を通り外に出て病院から少し離れた所にある公園へと向かう。

 公園に入り、なかにあるベンチに座って少しすると、横に人が座る。

 

「おはようございます、ホークスさん」

「おはよう、流星、お姉さんはどうだい?」

「今は、まだ寝ていますが、命には別状がないそうです、ほんと昨日は来てくれてありがとうございました、俺一だけだったらもっと病院に連れていくのが遅れていたのは明らかです、本当に感謝しています」

「Haha、照れるねー、ただ感謝はなしだ結局俺たちは敵を拘束できずに逃してしまったからな」

「申し訳ないです、俺が目を逸してしまったから、逃がすことに…………」

「気にするな、ミスは誰にでもあるさッ」

「どうも、……それで、なんのようです?昨日あんだけ仕事は忘れて休んでろって言っていたのに」

「いや〜それに関しては本当に申し訳ない、ただどうしても、君の頭に入れておいてほしい情報があってね」

「はぁ」

「昨日出てきた、黒霧って男と脳無ってやつがいただろう、そいつらがOFAとかかわっている可能性があるらしい」

「っ!……なるほど、それはいよいよ昨日のは怨念の線が濃厚ですか」

「実行犯との関係性を調べているが、今はまだ確かなものとは言い難い、この情報はオールマイトさんも知らないものだからくれぐれも扱いには注意してくれ」

 

 ホークスからもらった情報からは月宮が、できればもう二度と耳にしたくなかった敵の名が告げられる。

 

「これはまた大波乱が巻き起こりそうで、左腕がうずきますね」

「……左腕の調子はどうなんだい」

「全くもって問題無いっすよ、お手製の義手は使い勝手が良くてですね、めっちゃ調子がいいです」

「それなら何よりだ」

「早く暇な時間を持て余すことができるといいんですけどね」

「もーっちょと頑張らないとだね、……けれど俺達の働きできっと社会はいい方へ行くそれだけは確かだ、この街に笑顔があるのががその証拠、俺達はそれを守り抜く……辛気臭い話になったね、何か別の話にしようか、学校はどうだい」

「、まだ始まってないです」

「あー、いつからだっけ」

「春からですね」

「おお、そろそろかな」

「あと四ヶ月ちょいさいです、すごい楽しみですよ」

 

 そんなこんなで、話題を変えホークスと色々お話していたら、胸ポケットに入っていたスマホが振動する。

 手に取ると、画面には社長と書いてあり急いで手に取る。

 

「もしもし」

「もしもし、今どこにいる、早く病室に戻ってこい、アイが目を覚ましたぞ!」

「了解っ、すぐ戻ります」

「ホークスさん、姉が目覚めたらしいので、病院戻ります」

「おぉ、良かった、早く言っといで」

「それじゃあまた」

「バイバイ」

 

 社長からの電話によって姉の意識が戻ったことを聞いた月宮はホークスとの話を切り上げ、急いで病院に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 扉を開けて病室の中に入る。 

 

「姉さん」 

「あ、おはよ、流星」

「……おはよ、……起きてくれて何よりだよ」

「えっへへ、私はこんなんじゃ死なないよ」 

「そうかよ……」

 

 やばい、目うるうるしてきた、安心しきって泣きそう、ただ皆見ているここでは泣きたくない、アクアとルビーも起きてるし、泣き虫兄貴みたいな名前では呼ばれたくない。だからここは気丈に。

 

「……いぎででよがっだぁ゛ぁ゛〜」

「よしよし、どうしたどうした、流星がそんなに泣くなんて珍しいねぇ」

「う゛、るぜぇ、大人しく泣かさせでくれ、ほんの゛ずごじ心配だっただけだ」

 

 結局抑えきれずに姉に泣きついた俺は、姉によしよしされ、他のみんなからは珍しいものを見たという顔をされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「退院したら、3人で俺の家に引っ越すぞ、家に居ないこともあるけど、それでもそこら辺の家よりはセキュリティーが硬い、家には居なくても遠出はしない、だからすぐ駆けつけられる、今回みたいなことにはさせない」

「俺もそのほうがいいと思うぞ、どの道こんなことがあった後だひとまず活動の休止は避けられない、なら安全な場所で静かに過ごすのがいいだろう」

「私もそれがいいと思います、詳し事もわからずじまいでまた危険に晒されるかもしれません、近くに守れる人がいいかと」

「……四人とも、1回流星と二人で話したいから少し外で待っててくれない?」

「……分かった!」

 

 これからを決めるために、アイは流星と二人で話したいと皆に告げ、部屋から退出してもらう。

 

 「何を、姉さんは迷っているの?アイドル休止が嫌なの?」

 「ううん、嫌じゃないと言ったら嘘になるかもしれないけど、それでも流星が私達を思って言ってくれたのが分かるから、それには何も言わないし私は言えない……ただ、今回の事件の犯人、あの家の新居の住所を知ったのは私の所為なんでしょ」

「別にお姉ちゃんのせいじゃない、悪いのは犯人側、それ以上でもそれ以下でもない」

「それでも、私のせいで子供たちが傷を負ったのは事実……私はいつも間違えちゃう、……だから私の事は死んだことにして、二人を守ってほしい、

「別に間違ったからなんだって言うんだ、怒られるのは気負わなきゃいけないのは同じミスを何度も何度も繰り返す、それか誰かが死んでしまったレベル、取り返しのつかない事になったときだけ、反省するならまだしも、二人を置いて逃げ出すのは、俺が許さない、もうちょっと二人の母と言う自覚と責任を持ったほうが良いと思う、簡単に死んだことにしてくれなんて、二人から離れようとするなんてだめだ、……二人から聞いたぞアイは二人を愛しているんだろ、俺も手伝う、だから一人で背負うな、無理しようとしないでくれ、俺がだめでも社長夫妻が居るお姉ちゃんの周りには助けてくれる人が居る」

「……うん、そうだよねもう大丈夫、ちゃんと決まった、流星の家に居させてもらう」

「…そうそう、それでいい…………あとアクアとルビー、社長夫妻、俺含めて皆お姉ちゃんを愛しているよ」

「――へぇー」

 

 俺の、言葉に最初はキョトンとしていたアイだったが、次第にニコニコし始め、ありがとうと言って、私も同じだよと付け足す。

 

 ……なんだろうな別に特別な意味はないのになんか、少し照れるし嬉しいものだね、言葉に出し出されるものは。

 

「……ニコニコすんな、皆のこと呼んでくるから少し待ってろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はいとうちゃーく」

 

 あの日からまた少し月日が流れアイが退院した日、そのままバス、新幹線、タクシーを使い俺の自宅に到着する。

 

 「おーっきな一軒家!」

 

 家の大きさに驚いたのか思わずルビーが声を漏らす。

 それと一緒にアクアがよってきて耳元まで運びつぶやく。

 

 「お兄さん、一体何をしてこんな家に住めるほどお金を稼いでるんですか。まだ高校生にすらなってないですよね」

 

 まあ、勿論当然の疑問を抱かれる訳だが、こんな小さな子に詳しく話す気にはなれないので姉の前のしてみる。

 

 ……手をグーにし頭に持っていき、目は片目閉じてウインク、次に舌をペロッと可愛く出し、最後に一言。

 

 「えっ、っへっへ、内緒」

「「………………」」

 

 はい失敗、皆の視線が冷たいね。

 ヒジョーに冷たい視線を向けられた流星がしくしく泣き真似をしていると、アクアが口を開く。

 

「違います」

「ん?どうしたアクア」

「まーったく!違います、拳の置き方も舌の出し方もすべてが違う、いいや、まず第一にそれをして。「そっかー、なら仕方ない」にさせることができるのは、究極完璧美少女アイドルである、わが母、星野アイだけなのです!「あ、あのアクアくん」良いですかーーーーーーーー(以下省略)

 

「……ひとまず家に入ろうか」

「すみません、取り乱しました」

「はは、気にしなさんなの精神よ」

 

 玄関前でのお話を終えた一行(主に二人)は鍵を開け家の扉を開き中に入っていった流星に続き続々と部屋に入っていく。

 

 「なかもひろーい」

 「最近この家に帰って居なかったから、少し散らかっているかもだけど、ようこそ我が家へ、一生居てくれても構わないよ」

「おっ邪魔しっまーす」

「「お邪魔します」

「はい、いらっしゃ~い、……あ、そうだ後玄関の説明をしなきゃだね、玄関の鍵は基本指紋認証、三人共の分はもう既に登録しているから、いつでもドアの鍵を開けられます」

「もし、鍵を使わないで入ったらどうなるの?」

「鍵がなかったらうちにはほぼ侵入不可だけど、それでも侵入した時は防衛システムが作動してすごいことになる、勿論玄関以外の所から入ってきてもね、あとこれ、中々使うことはないだろうけど、家の鍵無くさないように気をつけてねお姉ちゃん」

「ふっふっん、勿論大丈夫ですとも」

「基本はこの家にあるものは、厨房、風呂場、洗面所、寝室などなど、好きに使ってくれて構わない、それとこの家には地下室があってそこなら防音だしいろんなことができるよお姉ちゃんは踊りや演技の練習、アクアとルビーの二人も、これから先の為に好きに使ってくれて大丈夫、ただ覚えて置いてほしいのが俺の部屋には入らないで色々危ないものとかが置いてあるから」

「「はーい」」

 

 話が終わって1つの家族が生活を始める、アイ、アクア、ルビーの3人は風呂、ベットなどがデカ過ぎることにメチャクチャ驚いていたとか、それとこの日から流星が居る日は四人一緒に寝ているらしい。




人口知能しょうかーい

‪α‬(アルファ) 月宮が持っている人口知能で、1番すごくて偉いやつ、何で出来る。

β(ベータ) ‪α‬が作った人口知能、戦闘特化型タイプ、アイが負傷した為に、ショボーンしてる。

γ(ガンマ) ‪α‬が作った人口知能、機材の修理改修、または情報収集、ULTRAMANSUITはγが点検している



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