Romansing saga ms~In the Fate~ 作:藍鷹
てにをは、間違えてる箇所があったので、修復しました。
ある日の朝早く。
村人は驚いた。
見慣れない船が海岸線に漂着していたのだ。
大分暖かくなって来ていたとはいえ、南極に程近いこのバルハラントでは海水温は氷点下になる事は頻繁にある。
更に朝方の冷え込みは未だに健在だから。
つまり、それが意味するものは。
村人総出で海岸線へ向かう事になった。
※
おい、しっかりしろ!
目を開けて!
時折声が響く。
人が行き交う。
物資と思わしき残骸は散乱していて、なかなか歩きにくい。
私も他の人のように時折生きている人がいないか探して見る。
けれど。
沢山の、人の成れの果ては殆どが軽装だった。
水夫や客は南国へ向かうつもりだったのか。
……この薄着でバルハラントに流れ着いたのならば、心臓麻痺や低体温症が直接の死因になったのかもしれない。
立派な薬師になったヤアと共に見て回っていた。
朝日が昇りその惨状が明らかになるにつれて、ヤアの顔色が悪くなる。
もう、助かる人はいない。
それを、如実に表していた。
「酷いものだね……」
私は一人ごちる。
何か大事なものを抱えていたらしい男の手には中身が消えた布。
死後硬直していて手を胸に組ませてやれないが、見開いた眼を閉じてやる。
客死した者は丁重に葬る。
これは、バルハラントの掟のひとつだ。
やがては大地に還り新たな糧になる素になる。
埋めればその分早くなる。
そして、流れ着いた物資は有効的に使わせてもらう。
これも、バルハラントの掟になる。
使えるはずの武器が錆び付き瓦礫になるのは、環境的によろしくないからだ。
勿論、難破船の廃材も木材として有効活用される。
今日、何人目かのお弔いの作業をしていた、まさにその時だった。
落ち着いた装飾の施された細剣を拾った私は、その側に足跡かあるのを見つけた。
幼い子供を抱いた母親の眼を閉じてやっていたヤアが寄って来る。
「どうしたの、その剣。……あ、足跡!」
「……バルハル族のモノじゃないね」
二人で足跡を辿る。
距離にして、三十歩程だった。
※
割れ砕けた木箱の陰、白い白い雪の上。
紫色の翼を広げた、金の鳥がいた。
思わず駆け寄り確認する。
まだ幼い表情が残る青少年だった。
微かに肺が上下しているのがわかる。
しかし、かなり弱い。
「生きてる……! しっかりして!」
軽く揺さぶれば、うっすら開く瞼。
震えてなにかを呟いた唇は青く、髪の毛はかなり凍りついていた。
「急いで村に行こう、ツウ。まだ間に合う!」
ヤアに促され、着ていた毛皮のマントで青少年を包み込む。
お姫様抱っこの要領で背中と膝に手を入れて持ち上げる。
かなり重いが、村まではなんとか保つだろう。
モンスターが出ない事を祈りつつ、私達は村へと歩を進めた。
行く先は悩んだ。
、我が家は二階にベッドがあるし、私が討伐でしょっちゅういなくなるからよろしくない。
結局、無難な
集会場も兼ねている屋敷は暖かいし、治療もしやすい筈だ。
ヤアの見立てによれば、すっかり冷え込んだ青少年は重篤な肺炎に掛かっていたが、二、三日もしたなら目を覚ますだろう、との事だ。
「その少年はなんだ」
「あの難破船の唯一の生存者です。何があったのか、目が覚めたら聞こうと思います」
村長は何かを思案しているようにも見えた。
あまり外部の存在に嫌悪感を抱く人間ではなかったと記憶しているが、どうしたのだろうか。
「そういえば、またモンスターが洞窟に沸いて来ているようだ」
「あれから一週間か……早いですね。わかりました。ヤア、後は頼むね」
長老の
討伐隊もそろそろ成人の儀を迎えた若い戦士を加える時期に差し掛かっている。
何人か連れていこう、そう考えながら、未だ眠りに付く青少年を見やる。
二、三日もしたなら、目も覚ますはずならば、それまでには戻りたいものだ。
そう考えながら、着慣れたマントを肩に掛けた。
アルベルト彷徨、モンスター掃討に当たるところです。
なかなかいい技閃かなくてリセットしまくりなのも思い出です。