男女逆転世界で生まれた狐神が最近会った人間に勝てないのでわからせたい模様   作:イソン

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のじゃロリ狐の携帯カラーは赤い色。


第九話

 空気が張り詰めていた。

 例えるならば、朝の一番に人気のない神社や古い建物に入った時の空気。肌で感じるのではなく、体の内側から感じる独特な感覚。そんな限定的な状況でしか感じることのできない空気がとある一室に満たされていた。

 場所は食卓。普段ならば一日の始まりを告げる朝のニュースを見ながらMIONのスーパーで買った5枚入りの食パンにスライスチーズを乗せて牛乳と合わせて朝食にするのだが、いかんせん今日はこちらが何かしようとする度に鋭い眼光がこちらを戒めるように動くので、何とも言えない雰囲気の中、恵はどうしたものかと首をかしげながら向かいに座る少女を見た。

 

 「……ふんっ」

 

 見られたことに気が付いたのか、巫女装束を着た少女――狐神である神様は不機嫌ですと言わんばかりにふくれっ面のままそっぽを向いた。

 

(えぇ……、何かしたかな)

 

 彼女の様子に、身に覚えのない恵は助けを求めるように神様の隣で黙々とお茶碗によそった白米を漬物と一緒に食していた祖母の方を見る。恵の視線に気づいたのか、祖母は箸を置くとこちらもわからないと顔を左右に振った。

 これはまいった、打つ手なしか。

 

 『今日の最下位は残念ながら……山羊座のあなた! やることなす事が裏目に出てしまう一日になるかもしれませんっ。特に神運には注意した方がいいかもしれませんね、理不尽な争いごとに巻き込まれる可能性大です! ラッキーアイテムは赤いハンカチ、持っていると不幸にあった時の対策になるかもしれませ~ん』

 

 テレビから流れる朝占いの情報が流れる。なんという正確さだ。占いは基本的に信じない恵ではあるが、これからはここの情報番組で流れる朝占いは必ずチェックするようにしておこうと頭の中にあるメモ帳にしっかりと記載しておく。

 自身の行動を顧み、神様が不機嫌になる原因を探してみたはいいが一向に見つからないため、お手上げだとばかりに恵は直接聞くことにした。

 

 「神様、朝から機嫌が悪いようですがどうかされましたか?」

 

 その言葉に、神様は怒り心頭の様子で両耳をピンと立て目を丸くした。

 

 「なっ、お主……まさか隠し通せると思うておったのか!?」

 

 「……ええと?」

 

 「し、信じられぬ。わしは神様じゃぞ!? 人間が神に嘘をつこうなど百年早いわ!」

 

 「いや、だからあの……」

 

 「いいじゃろういいじゃろう……。あくまで白を切るつもりじゃな? わしをいつまでも子供だと思うなよ……すまんほでわしは学んでおる。人間という存在は嘘を吐く時にまずはしらばっくれるということをな、掲示板に住む奴らから聞いたのじゃからな!」

 

 「すまんほ……」

 

 「……え、ええいうるさいうるさい! お主、わしに黙って会っておったじゃろ――」

 

 ドンと、椅子の上に立ち腕組をして神様がこちらを見下ろした。なんという威厳だろうか。気のせいかもしれないが、ほのかに後光がさしているようにも見える。切れかけた豆電球ぐらいの明るさで。先ほどのすまんほと言い、目の前でふんぞり返っている彼女の姿は本当に見た目相応の存在感だ。なお、瞬時に隣で朝食を取っていた祖母が食事中に椅子の上に載ってはいけませんと神様の膝小僧を叩いたことにより、なんともなさけない悲鳴を上げて涙を浮かべながらいそいそと着席した。ピンと立っていたはずの両耳は祖母の笑顔を見た瞬間にアイロンをかけたようにぺたんと頭の上に寝そべってしまっている。

 その光景を微笑ましく見ながら、恵は彼女の口から続きの言葉が出るのを待った。

 

 恵を見て、祖母を見て。ほんの少しびくびくしながらも、彼女は許せぬとばかりに次の一撃を放つ。

 

 「お主、わし以外の神様と勝手にあったじゃろう!」

 

 「あぁ、そういえばお店でお会いしましたね。それがどうかされました?」

 

 確かに、昨日の出勤中に外から来られたフィーネという女性の神様にお会いした。白い翼――天使の羽を生やした碧眼の少女に。

 彼女はこちらの答えを聞いてどこか満足したような顔をしていた。その後、少し話をして彼女がお忍びで来ていることやそのせいで日本の通貨を両替することができず、何日も食わずでお腹が減っていたらしい。決してご飯をごちそうに来たわけじゃないですと顔を真っ赤にしながら答えていたが、しっかりと炊飯器で炊いたお米は彼女の胃の中に消えていた。話を聞いた恵が不憫に思い、おかわりはいかがですかと言った十数分後の早業である。あの華奢な身体に、十個ほどのおにぎりが天に召されてしまったのだ。

 神様おそるべしと思った出来事の一つである。

 そして、無一文ではあれだと思った恵は彼女の手に強制的に自身の財布から取り出したお札を渡した。その際、顔だけではなく耳まで真っ赤にしながら狼狽えていたが恵は気にせず彼女にしっかりと食事を取ってくださいと力説した記憶がある。

 

 「なっ、な……ななななっ」

 

 昨日であった彼女の事を思い返していたら、目の前で神様があんぐりと口を開けていた。信じられぬとばかりに恵を指さす。

 

 「お、お主っ。何をさも当然のように言っておるのじゃ! お主はわしの信者じゃろうが!」

 

 その言葉に、恵ははてと首を傾げた。確かこの間は契約とやらで何かしようとしていなかっただろうか。恵は知らなかったが、人間が神様の物を勝手に使用したりするのはご法度らしい。あれ以降、さすがに掲示板の神様方からお叱りを受けたのか神様は携帯を恵に見せることはなくなった。ただ、先ほどの発言と言いちょくちょく質問をしているようではある。どなたかは存じませぬが、目の前にいる少女の質問に答えるのはさぞ大変だろうと心の中で合掌する。

 

 神様によるお説教が始まる。

 彼女の話を聞きながら、恵は皿の上に置いてあったトーストを持ち上げて噛り付いた。トースターでサクサクに焼き上げたトーストの触感と上に乗せたチーズの味が久しぶりの洋食もいいものだと感じさせる。個人的には、トーストには目玉焼きを乗せるのも中々に捨てがたい。恵は黄身が完全に焼けきっているタイプの方が好きではあるが、祖母は半熟の方が好きなため大体そちらの方で出されるが。普段は和食メインなので、たまにはこんな日があってもいいと思う。

 

 「聞いておるか、恵よ!」

 

 「はい、ちゃんと聞いていますよ」

 

 まったくもって聞いていなかった。とりあえず、適当に言葉を合わせる。

 

 「ならば何故そんなに落ち着いておるのじゃ! もっと慌てるとか反省の色が見えぬぞ!?」

 

 「いやまぁ、神様ですし……」

 

 「なんじゃその反応は!? お主……ふんっ、もうよい! お主に期待したわしが馬鹿じゃったわ。反省として今日はお主が皿洗いじゃ!」

 

 そういうと、神様は食べ終えた後の食器類を重ねると台所の方へ持っていき、専用の踏み台に乗って洗い場に置いた。ドタドタと素足で木の床を大げさに歩きながら外に通じる扉へと向かってゆく。

 そして最後にこちらを一瞥し、

 

 「……この浮気者っ!」

 

 「ごほっ!」

 

 他人が聞けば完全に誤解されるような言葉を吐いて、神様はその場を後にした。残されたのは予想だにしていなかった単語に驚いて飲んでいた牛乳を気管に詰まらせた恵と、動じずに笑みを浮かべたままの祖母。気まずい空気が流れ、無言で祖母が渡したティッシュを受け取って鼻と口周りを拭く。

 そして、恵が落ち着いたのを確認したところで祖母が口を開いた。

 

 「話を聞かせてもらっていいかしら?」

 

 「……とりあえず、誤解です」

 

 話の流れを整理しましょうと告げる祖母の前で、恵はあんなよろしくない単語を教えたのは絶対に掲示板の神様達だろうなと苦笑いしながら説明を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【狐神】清楚な神様しかいないスレ[豊穣の神★](3560)

 

 

 

 

 

345:名無しの神

そこでわたくしこう言ってさしあげましたの。カップルでSNSにペアショットを上げて自慢する不届き者には低評価がたくさんつく呪いをかけてあげますわと!

 

346:名無しの神

まぁ、なんて慎ましい言葉なのかしら。尊敬しますわ。

 

347:名無しの神

リア充は滅べるべきですわ~。

 

348:名無しの神

神聖なる場で愚かな行動をする人間達を見ると嘆かわしいですわ……。

 

349:名無しの神

よう言った! それでこそ清楚な狐神の一族や。

 

350:名無しの神

>>349お口が汚いですわ。ちゃんと自覚を持ってくださいまし。

 

351:名無しの神

>>349清楚とは一体?

 

352:新米のキツネ神

何をしておるのじゃ貴様らは。

 

353:名無しの神

>>350あらいやだ。つい……。

 

354:名無しの神

あっ。

 

355:名無しの神

塩まけ塩!

 

356:名無しの神

>>352どうかお願いやから帰ってクレメンス。

 

357:名無しの神

げぇええええ!やべえやつがまた来たぞおおおおお!

 

358:名無しの神

【緊急速報】スレの古参メンバーをたった一スレで壊滅させた破壊神再降臨【帰って】

 

359:名無しの神

あらいやだ。新米がいらっしゃるなんていつぶりかしら?

 

360:新米のキツネ神

>>359よろしくなのじゃ!

 

361:名無しの神

>>359馬鹿野郎!何普通に話しかけとるんじゃい!

 

362:名無しの神

恐ろしく早い返事……ワイじゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

363:名無しの神

? 皆様口がワルワルですわよ。淑女としての嗜みはいかがなさったのかしら。

 

364:名無しの神

>>363お前あんときおらんかったんかい。

 

365:名無しの神

はぇ~、無知シチュですか。いいですねぇ。

 

366:名無しの神

>>365馬鹿な事いっとる場合か。

>>363詳しい説明はこのスレを見てこい つ【狐神】新しく生まれた神だけど、最近会った人間に勝てないのでわからせたい[豊穣の神★](3546) https://www--

 

367:新米のキツネ神

わし知っておるぞ。こういうのをつんでれというのじゃろ。前にここの者が教えてくれたのじゃ。

 

368:名無しの神

違います。

 

369:名無しの神

やべぇよやべぇよ……この新米無敵すぎる。

 

370:名無しの神

誰だよ、この新米に変な単語教えた奴は!

 

371:名無しの神

>>370へへっ、すいませんわいです。教えたやつ何でも信じてくれるからつい……。

 

372:名無しの神

>>371極刑。

 

373:名無しの神

>>371お前なんてことしでかしてくれてんだ。

 

374:名無しの神

ほう無知シチュですか…たいしたものですね。のじゃロリ狐の無知シチュはエネルギーの効率がきわめて高いらしくレース直前に愛読するマラソンランナーもいるくらいです。

 

375:名無しの神

>>374だからお前はさっきから何者なんだよ。

 

376:名無しの神

スレ見てきましたわ。やっべえ新人が降臨するなんて長生きしてみるものですわね。

 

377:名無しの神

まだ続けるんかその言葉遣い……。

 

378:名無しの神

あーもう、さっきまで平和だったのにめちゃくちゃだよ。

 

379:名無しの神

というか何しに来たんや。お前さん本部の者が来るまでは大人しくしとけって散々言われとるやろがい。

 

380:名無しの神

確かに。あれ以降、定期的にここを覗きに来てるんなら位置なんかとっくに判明しとってもおかしくないやろ。

 

381:名無しの神

本部の者はどうしたんだよ本部の者は!

 

382:新米のキツネ神

ようわからんが緑色の四角い奴に赤い数字が増えておる。

 

383:名無しの神

草。

 

384:名無しの神

草。留守番電話がたまっとるんかい。

 

385:名無しの神

本部からの呼び出しを無視とか……ワイなら恐ろしくて絶対無理やね。

 

386:名無しの神

掲示板機能を使えるんなら電話ぐらいでたれよw

 

387:新米のキツネ神

そんなこと言われてもようわからんのじゃ。この掲示板とやらだってあやつに教えてもらって以降はアシスト機能とやらを使っとる。

 

388:名無しの神

ふぁっ!? ほとんど使ってる人がいないと噂の脳波思考制御による自分の発言をダイレクトにチャット内容に反映させることが出来る機能か。

 

389:名無しの神

>>388そんな神機能がこの携帯にあったんか……。どうなっとるんや本部の技術部は。

 

390:名無しの神

つまり……どういことだってばよ?

 

391:名無しの神

アシスト機能を起動させる(なお、本人の思考レベルに合わせて自動的に起動するかどうか判断される)→調べたい内容や行きたい掲示板を思い浮かべる→アシスト機能が脳波を受け取って対象の調べものや指定先のURL先に飛んでくれる→発言したい内容を頭で思い浮かべるか、口に出すことで書き込みから送信・返信まで自動でやってくれる神機能や。一部の者ではあるが、携帯を使いこなせない狐神に愛用されとる……まぁいわゆる介護システムやな。

 

392:名無しの神

>>391ようわからんけど、とりあえず神機能ってことやな!

 

393:名無しの神

>>392あのさぁ……。

 

394:名無しの神

新米と同レベルの奴がおるなぁ。

 

395:新米のキツネ神

ようわからんが、音がうるさいから出てないのじゃ。

 

396:名無しの神

本部の人可哀そう。

 

397:名無しの神

なんて奴だ。つまり本部の人達は携帯の発信源を頼りにこの新米を探してるんか。

 

398:名無しの神

白様と黒様はお忙しいだろうし、代わりとなると誰やろなぁ。

 

399:名無しの神

場所によるやろな。北の方だったら北海道の雪様とか。

 

400:名無しの神

ワイ、南の神社におるけど一花嬢が挨拶しにきてたやで。

 

401:名無しの神

ふぁっ!? あのニートが自分の部屋から出とるとかうっそだぁw

 

402:名無しの神

あの娘がそんな仕事するようには見えんけどなぁ。

 

403:名無しの神

一花お姉さまですの!? これはいけませんわ。ぜひわたくしの所に来ていただかないと!

 

404:名無しの神

ファンガもいます……と。

 

405:名無しの神

クソデカ問題を起こしたあの娘も慕う後輩が出来るぐらい成長したんやなって。お姉さん嬉しいわ。

 

406:名無しの神

巫女さんに挨拶とか全部任して、お供え物に置いてあった饅頭を食べようとして怒られとったわ。

 

407:名無しの神

>>406なんも成長しとらんやんけ!

 

408:名無しの神

>>406相変わらずで草。巫女ちゃんがおらんと何もでけへんやん。

 

409:名無しの神

>>406ワイの所に昔あいさつに来た時も怒られとったぞ。

 

410:名無しの神

昔から何も変わらんなぁ。相変わらず末っ子ムーブをやっとんね。まぁ、それがあの娘のいい所なんやけどさ。

 

411:名無しの神

憎めないからねぇ。なんだかんだネット関係とかについて教えてくれるから勉強になるし。

 

412:名無しの神

ネット界の神様アイドル一花。しかしその実態は……!

 

413:名無しの神

まぁあのニートが本部から出向されてるんなら、時間かかるのは納得やね。どうせ道草食っとるんやろ。

 

414:名無しの神

>>413さっきから一花ちゃんに辛辣やけどなんかあったんかいな。お姉さんが聞いてあげるで。

 

415:名無しの神

>>414お姉さんという歳か?

 

416:名無しの神

>>414ワイの神社にお参りに来てくれる数少ない男の子がニートのファンボだった。

 

417:名無しの神

>>415○すぞ。

>>416あぁ、なる……。

 

418:名無しの神

同じ狐神やけど、男性が違う神様の話しとるのは……まぁどんまいやな。

 

419:名無しの神

人気がある狐神はええのう。わいも両手に男の子を侍らせたいわ。

 

420:名無しの神

>>419そんな邪な考えで近づくから逃げられるんだぞ。

 

421:新米のキツネ神

そうじゃ!その件でお主らに聞きたいことがあったのじゃ!

 

422:名無しの神

ひえっ。

 

423:名無しの神

誰か聞いてやれよ。ワイは嫌だぞ。

 

424:名無しの神

(ワイも嫌どす)

 

425:名無しの神

お前さん、あの時の一件があるのによう質問しようと思ったな……。

 

426:名無しの神

皆様、あまりにも大人げないですわよ。>>421わたくしが聞いて差し上げますわ。

 

427:名無しの神

あっ、馬鹿お前。

 

428:名無しの神

馬鹿なのか勇者なのかわからんがとんでもないやつがおるなぁ。

 

429:新米のキツネ神

>>426いい奴もおるのじゃな!

 

430:名無しの神

こいつ……。

 

431:名無しの神

天上天下唯我独尊という言葉が似あう。

 

432:新米のキツネ神

聞いてくれなのじゃ! あやつがわしの断りなしに違う神と会うておったのじゃ!

 

433:名無しの神

>>432えぇと?つまりどういうことかしら。

 

434:名無しの神

主語がなさすぎる主語が。

 

435:名無しの神

ふっ、無様だねワトソンくぅん!この現代に生きるシャーロックホームズと呼ばれたワイが当てて見せようじゃあないか!

 

436:名無しの神

>>435また変な奴が湧いてる……どうなっとるんやこのスレは。

 

437:名無しの神

うーん、分母が多いってのも考えものやな。定期的にイレギュラーが発生する気がするわ。この新米しかり。

 

438:名無しの神

簡単な推理だよ明智くぅん!この依頼者には男がいるんだろう。くっそ羨ましくて尻尾の毛が抜けそうぐらいだけど、どうせその男が違う神様と会って嫉妬しているに違いないのさ!

 

439:名無しの神

>>438キャラがブレブレやぞ。

 

440:名無しの神

あ~なるほどな。そういやこの新米、贅沢なことにクッソいい男が甲斐甲斐しく世話をしてくれとるんやったな。漫画でしか見たことないわそんな話。

 

441:名無しの神

相変わらず何度聞いても羨ましすぎる……。それで、その男が他の神様に会うのになんか問題でもあるんか? 自分の信者ならわからんでもないけど、前のスレで話してたのを見た限りじゃそうでもないんやろ。

 

442:名無しの神

せやな。どっちかというと近くによられて鬱陶しいからなんとかしたいんじゃなかったっけ。

 

443:名無しの神

なんて贅沢な話なんだ……!ワイと変わってくれ。

 

444:名無しの神

気でも変わったんか? 今ならわいが引き受けるで。

 

445:名無しの神

>>444カップルに呪いをかける神様はNG。

 

446:新米のキツネ神

どうすればよい?

 

447:名無しの神

どうすればもなにも、それはお前さんのわがままだぞ。お前さんがいかに今の時代に疎くても、このご時世で男に宗派を強要したり束縛するのはNGや。

 

448:名無しの神

当初の予定通り、その男を突き放したいんなら別に他の神様と会うなんて別にええやろ。我関せずが正解やぞ。今の時代、神様なんて腐るほどおるんやから。

 

449:名無しの神

まぁ、言葉が強いのもおるけど……言ってることは概ねあっとるな。まずお前さんがその男に対しどう思ってるのか、結局そこをはっきりせな相談も何もできへんぞ。

 

450:新米のキツネ神

……時折悲しい顔をするんじゃ。

 

451:名無しの神

ん?

 

452:名無しの神

ほう。

 

453:名無しの神

ふんむ?

 

454:新米のキツネ神

出会った頃からそうなのじゃ。 あやつが初めて祠にお参りしに来た時よくわからぬが泣きそうな顔をしておった。

 

455:名無しの神

(これはもしや……?)

 

456:名無しの神

(しっ! お黙り)

 

457:新米のキツネ神

そのくせ、わしが姿を見せるようになってからはそれを隠すのじゃ。自分の事をほっといて、わしのことばっかり。

 

458:新米のキツネ神

腹が立つのじゃ。人間のくせに、わしの事ばかり気にかけて。

悔しいのじゃ。神様のくせに、あいつになんもできん。

 

459:新米のキツネ神

だから、あやつが近くにおると胸がもやもやするのじゃ。

こんな事になるぐらいなら、あやつを遠くに遠ざけるしかないと。

 

460:名無しの神

……。

 

461:名無しの神

なるほどなぁ。

 

462:名無しの神

>>459これが答えになるかはわかりませんけど、あなたに今できることは決まっておりますわよ。

 

463:名無しの神

あがん、ティッシュがだりないぃ……。

 

464:名無しの神

>>463涙もろすぎやろ、ワイは袖が鼻水でガビガビや。

 

465:名無しの神

青春だねぇ。

 

466:名無しの神

背中がぞわぞわしとる。なんやこれは。

 

467:名無しの神

染まりきったわいらでは体験することのできない新米だけのもんや。

 

468:新米のキツネ神

>>462どうすればいいのじゃ?

 

469:名無しの神

>>468その殿方の事をもっと知りなさいな。あちらだけがあなたを知ろうとするのではなく、あなたから歩むのよ。

その人の名前は?その人の好きな物は?その人がやりたい事は?あなたは知ってらっしゃる?

 

470:名無しの神

せやな。わいもそう思う。

 

471:名無しの神

お嬢様ネキは一体どこの狐神なんや……?

 

472:新米のキツネ神

プ、プロフェッサー……!

 

473:新米のキツネ神

でも、そんなことをしたらもっと苦しくなるじゃろ。

 

474:名無しの神

>>473あなたの中にあるその思いは、悪い物じゃなくてよ。

それが苦しいものだとしても、捨てちゃいけないもの。

 

475:新米のキツネ神

……名前は知っとる。あやつの親が言っておった。

他は……知らぬ。

 

476:名無しの神

男性の名前、私気になります!

 

477:名無しの神

わたしも!

 

478:名無しの神

ワイも!

 

479:名無しの神

ぼくも!

 

480:名無しの神

今大事なお話をしてるので黙ってもらってもよろしいかしら?

 

481:名無しの神

すんません……。

 

482:名無しの神

ひえっ。

 

483:名無しの神

ああああぁぁ!携帯の液晶画面がいきなり割れたんやが!

 

484:名無しの神

あばばば。

 

485:名無しの神

お邪魔は置いといて……。

>>475なら、まずはそこから始めたらいかがかしら?

486:新米のキツネ神

き、聞けるわけがなかろう!

 

487:名無しの神

何故?

 

488:新米のキツネ神

……今さら聞くのはなんか……恥ずかしいのじゃ。

 

489:名無しの神

(やめてくれ、それはワイに効く)

 

490:名無しの神

(あっあっ、背中が……背中がむずむずするぅぅ)

 

491:名無しの神

>>488今さら何を言ってらっしゃいますの!?その殿方が違う神様の元へいってもいいのかしら!?

 

492:新米のキツネ神

そ、それは嫌じゃ!

 

493:名無しの神

>>492なら、わたくしがこれから秘策を教えて差し上げますわ!まずはお姉さまと呼んでくださるかしら?

 

494:名無しの神

(ん?)

 

495:名無しの神

なんか話の流れがおかしくない?

 

496:名無しの神

こいつにまかせてええんか……?

 

497:名無しの神

本性現したわね。

 

498:名無しの神

おだまりっ!

 

499:名無しの神

ふぁっ!?神社の近くにある木に雷落ちたんだが?

 

500:名無しの神

あああああああぁぁ、ワイの二代目の携帯がああああ。

 

501:名無しの神

お嬢様ネキやばすぎやろ。何もんなんやまじで。

 

502:新米のキツネ神

えぇと、宜しくお願いしますなのじゃ。お姉様?

 

503:名無しの神

おほほほほほほほ。

 

504:名無しの神

ひえっ。

 

505:名無しの神

(やべぇよやべぇよ……)

 

506:名無しの神

怖すぎやろ。やっぱニートのファンにはろくなやつおらんわ。

 

507:名無しの神

>>506お前さんはいいかげん機嫌直せ。さすがに一花嬢が可哀そうや。

 

508:お嬢様狐神

いい機会ですわ!他の方々も参考にして宜しくってよ?

 

509:名無しの神

えぇ……。

 

510:名無しの神

今さらわいらに必要だとは思えんのだが。

 

511:名無しの神

せや。どちらかというと教えてあげる側やろ。

 

512:名無しの神

>>508先生!男を堕とすにはどうすればいいですか?

 

513:名無しの神

>>512お前さんさぁ……。

 

514:名無しの神

あーもう滅茶苦茶だよ。

 

 

 

 

以降、お嬢様口調の狐神よりレクチャーが続くのであった。

 

 

 




ゼルダが終わったので更新再開です。
いつも誤字脱字報告をしてくださる方々、本当にありがとうございます。
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