とりあえず今はゆっくり書くことにはしています。
凝光には後悔が残った。
その日はもう解散となり、それぞれが複雑な心境で帰っていく中で凝光は何もシュウに声をかけることが出来なかった事に心の底から後悔していた。
その日だけではない。
二日後に二人で外食したときもそうだ。
シュウからの告白に対して何かしらのアクションを、凝光は取れずにいた。
凝光には『彼に何を話すべきなのか』という答えを見つけられなかったのだ。
(私は彼に何度も命を救ってもらったというのに…何も声をかけることが出来なかった…。彼はきっと…苦しんでいるだろうというのに…。)
そんな凝光はとりあえず
『いずれ行われる天権と往生堂の客卿との会談とは別の機会で、凝光は鍾離の力を借りる』
という結論を出したのであった。
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時を同じくして稲妻。
鳴神大社を司る大巫女である『八重神子』はすぐさま自分の日程の調整に入っていた。
彼女はシュウの告白をちょっとした術で聞いていた。
彼女もまた、シュウからGEARであることを明かされていた人物の一人であった。
しかし、彼女は…彼の産まれた村の話についてまでは聞かされていなかった。
(あの影ですら家族を…眞を一度失った時に絶望に染まっておった…。そんな影を、眞を生き返らせ…絶望から引きずり出したのはお主じゃった。だというのに、元々人間であった男が故郷にいた自分以外の全ての者を失ったのじゃぞ…!なにが『お前ら姉妹は絶望している顔より笑顔で笑ってる方が良いんだよ』じゃ!お主はこれっぽっちも救われておらぬではないか!お主の心は傷だらけだったというのに!…絶対にお主を一人にさせるわけにはいかぬ。せめて少しでもお主の側に…)
そんなことを考えながら八重神子は影や眞に聞いた話を伝えに行こうとしていた。
それを聞いた姉妹と3人で璃月に行くことになるのだが。
まだそのことを知る者は居ない。
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夜蘭は図らずか、シュウの殺意の理由にある意味納得にも似た結論を出していた。
(彼はきっと恐れている…大切なもの、大切な人、大切な世界を壊されることを。だからそれらに害をなそうとする者にあれ程の殺意を向けることが出来ていた…。思い返してみれば研ぎ澄まされた殺意の中に微かな悲しみを感じることがあった。…彼は警戒すべき人物では無さそうね。…鍾離という人物にシュウのことを訪ねて見るのも一つの策…ね…。)
彼女はまだ知らない。
鍾離という人物が岩王帝君その人で間違いないということを。
彼女がそのことを鍾離から聞かされて〘人生驚きランキング〙を更新する日は、そう遠くない。
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鍾離は周りに気付かれない様に姿を周りから認識されないようにしながらシュウの話を聞いていた。
かつて、彼から同じ話を聞かされたあの日と…あの一度絶望を味わったかのような顔と同じような顔で過去を語るシュウを見て鍾離は何も言わずに帰路につこうとしていた。
(……シュウ……お前は…まだ…背負っているのか…。)
鍾離はかつての彼を思い出しながら歩く。
(…どんなに笑っていたとしても…それは本心ではないのか…。いつかアイツにも、心の底から笑顔になれる時が…。)
鍾離は歩く。彼の幸せを心の底から願いながら。
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余談だが、あんなにも誰にも言いふらすことをしないと誓っていたニィロウがスメールに帰り着いた後に一瞬でアルハイゼンとナヒーダにバラしていたのはもはや【流石】の一言に尽きる。
少し短いですが、お許しください。