今、俺には璃月七星の天権と元岩王帝君が楽しそうに雑談をしている光景が見えている。
「最近、七聖召喚を堂主殿とやることが多くてな。実は今度スメールで行われる七聖召喚の大会に参加することになっているんだ。七聖召喚は最近始めたばかりなのだが…なかなかこれが面白いものなんだが…」
「そういえば、稲妻にある団子牛乳をご存知ですか?なんでもあの将軍もイチオシの一品だとかで今かなり流行りが来ているらしく、ここ璃月にも団子牛乳の屋台を用意してみるという案が出ておりまして…」
「前の海灯祭では望舒旅館にゴマ油のお使いを頼まれてな。彼処ではよく料理を食べに行くものなのだが杏仁豆腐が類を見ないほどの逸品でな。なんでも、魈の好物が杏仁豆腐であることが関係しているようで…」
いや、マジで親しい友人みたいに話するじゃん。
仮にも元岩王帝君だよ?
確かに敬語ではあるけど態度からすごく気を楽にして話しているのがわかる。
もう少し緊張とかしない?
横に居る甘雨見てみろよ。
膝ガックガクで産まれたての子鹿みたいになりながら「あっ…うっ…凝光様…その言い方は…いやっ…そのっ…えーっと…」ってブツブツ言ってんじゃねぇか。
そんな光景をずっと見ていた俺は、思わず我慢できなくて俺は二人に向かって叫んでしまう。
「一体何時まで俺ん家で雑談してるつもりだよ!!!お前ら見てみろよ!!あんなにあったはずの菓子がもう半分くらいなくなってるじゃねぇか!!」
「ふむ…しかし中々美味くてな…」
「『中々美味くてな…』じゃねぇよ!!!すっごいペースで食ってましたよね君!!!俺の楽しみにしていた煎餅、ぜーんぶ食べちゃいましたもんねぇ!!!!」
「でも仕方ないじゃない。美味かったのよ。強いて言うならこんなに美味いお菓子が良くないのではないかしら」
「凝光!!!俺は確かにお前に『時には自分に正直になることが大切だ』ということを教えたかもしれないがこれは自分に正直になるどころか図々しくなってるじゃねぇか!!!甘雨!!!お前もなんか言ってやれ!!!」
「えーっと…お菓子も食べる量を考えないと体型維持が大変ですよ…?」
「そ う い う こ と 言 え って 言 っ て る わ け じ ゃ ね ぇ !!!」
違う!俺はこんなやり取りがしたくてここに居るわけじゃない!!
さっきから調子を狂わされてばかりだ。
叫びすぎて喉を枯らしてしまったらどうしてくれるのだ。
そんなやり取りをしてると凝光は思い出したかのように突然、俺に話しかけ始める。
「そういえばだけど、稲妻から雷電将軍とそのお供の計三人が璃月に来るらしいの」
「そういえばって…そんなこと俺に言ってなんの意味があるんだ…」
「貴方に会いに来るらしいわ」
「………なんだって?」
「だから、雷電将軍がお供を連れて貴方に会いに来るって言ってるのよ」
「…鍾離…すまんが翻訳を頼めるか…。俺には理解出来ない話を凝光からされているんだが」
「『稲妻の 雷電 来る。お前に 用 ある。だから お前 準備する』そんなところだろう。」
「鍾離君?カタコトで言わなくてもわかるんだが?君は俺のことを馬鹿にしているのかな?もしかして…今俺…喧嘩を売られたのかな?」
「馬鹿にして居るわけではない。お前に説明する時はこれくらいの話し方でいいと、魈に教わってな」
「魈アイツ本当に何やってんだよ!!!!」
雷電達が俺に会いに来る?
俺が何をやったっていうんだ。
やっぱりアレか。
アイツの一太刀を止めたのがマズかったか。
もしかして俺のことを真っ二つにでもしに来るのか。
やめよう、これ以上深く考えないようにしよう。
ま、まぁ?来ると言っても?
流石に?一週間以上先の話でしょうし?
まだ慌てる必要は?ないでしょうし?
なんとかなるでしょうし!!??
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同日の早朝、稲妻にて。
そこではとある三人が璃月に向けて船を出すところであった北斗の船、死兆星号に乗り込むところであった。
「では、よろしくお願いします。急なお願いで迷惑をかけます。将軍としての権限を使っていないとはいえ、断りづらかったでしょうに」
「まぁ、そう言わないで欲しいところだな!こっちもこうやって砕けた口調で喋る条件を出したんだ!しっかり璃月まで送り届けるさ!」
「ふっ…影はああ言っておるが、船に乗り璃月を訪れる事をずいぶん楽しみにしておったのじゃぞ?」
「でも、その気持ちわかるわ。訪れる理由はともかく、私もかなり楽しみにしていたもの。影ほどじゃないけど」
「神子?眞?二人は泳いで行きますか?」
「「いやー楽しみ(じゃの!)(ですね!)」」
「……まぁ、仲が良いことは悪いことじゃないからな。よーし、お前ら!最終確認を済ませろ!それが終われば出港だ!!!」
「「「「「了解だ、姉御!!!」」」」」
「…今回の船旅は賑やかになりそうでござるな」
まさに今、雷電御一行が出港するところであることをシュウは知らない。
「あら?貴方は確かあの時将軍の一太刀を受け止めた楓原家の…良ければ今度私と試合形式で剣を交えてほしいのですが」
「拙者には荷が重いでござるが…機会があればということで」
ちなみにこの話を聞いた影は一ヶ月後にその機会を将軍の権力を使い無理やり作るのだが。
万葉がこの発言をしたことを後悔するのはそう遠くないとだけ記しておく。
新キャラが出るたびに命をかけることに定評のある私です