というかあれが本編なのかと聞かれたらあやしいのですが…。
本編的な奴を書けって話なのですがちょっとこれを書きたくて…。
本編のほうも【こうしようかな】っていうのはあるんです…。
でも、我慢できなくて…許してください。
この話はある日…鍾離と二人で璃月港をぶらついていたら突如遭遇した一人の男から始まった話である。
二人で璃月港を雑談をしながら歩いていた。
その時である。
「今の璃月には岩王帝君が居ない…!我々には新たな導く神が…第二の岩王帝君が必要だ!!新しい神導きを!!!」
大事件であった。
本気でマズイと思った。
いや、横に居るんですよ…その居なくなっちゃった岩王帝君とやらが。
第一お前、その言葉を璃月港で語ることの意味がわかってんのか?
命が惜しくねぇのか?
そう…とりあえず、その話を今すぐ止めるんだ。
お前的には、ただ新しい団体的に勧誘しているだけなんだろうが、こっちにとってはもう大事件なんだわ。
少なくとも璃月港でやってはいけないことランキングトップ3に入ってそうなことをするんじゃない。
本当に止めよう。な?頼むよホント。
お金か?
お金が欲しいんか?
やるやる!いーくらでもやるよ!
だから本当にそれだけは止めよう。な?
「ほう……。新しい神…か…」
ほーれ、みたことか。
この元七神最年長の男が反応しちゃったじゃないか。
今から起きること、俺ぜーんぶ止めなきゃいけないんだよ?
わかってんの?そこの宗教勧誘してるお前。
「ま、まぁ待て鍾離。ああいうのに首を突っ込まないというのは璃月の民の中ではマナーのようなものなんだ。しかもよりによって元岩神であるお前が反応なんてするんじゃない。お前が関わってしまうと七星の奴らだけでなく、魈や胡桃達が色々対処しなきゃいけなくなるだろ?」
「…それもそうか。非常に興味深い話だったのでな、つい…」
「いや、良いんだ。わかる、わかるよその気持ち。俺も思わず何かを叫びたくなるのを必死に耐えていたからな」
「お前もだったのか。俺も…後少しで叫んでいたかもしれない」
「…色々あるけどお互い頑張ろうぜ?な?」
「…そうだな」
よっしゃァ!!見たかお前ら!!これが長年なんやかんやでコイツと一緒に過ごしてきた俺の実力ってやつだ!!思い知ったか!!
いやー、今回は強敵でしたねーシュウさん。
もうちょっと対応が遅れてたら二人揃って叫んでしまっていましたよ!ハッハッハッ!!!
脳内でそんなインタビューを繰り広げてなんとか自分を落ち着かせる。
大丈夫だ、落ち着け。
お前は今の何気ない人生で十本の指に入るピンチを乗り切ったんだ!
誇っていいぞ、俺!
そんな風にギリギリだったがなんとか耐えきった…そんな時だった。
最後の追い打ちとも呼べる一言が聞こえてきたのは。
「さぁ!みなさんも受けましょう!塵の魔神の祝福を!」
「「オイッ!!!ちょっとまてェッ!!!!!!!」」
いや、無理だって。叫ぶって。こんなん無理だって。無理だってェ!!!
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帰終はたしかに俺が助けた。
そりゃもう助けるでしょ?
あんなに可愛い魔神死なせてたまるかって話ですよ。
鍾離にも色々恩を売っておきたいという気持ちもありましたけどね?
いやでも、塵の魔神の祝福は無いでしょうよ。
あのあと急いで千岩軍のお兄さんたちに来てもらって対処してもらいましたよ、ええ。
しかし、千岩軍に捕まったわけでもなく…ただ話をしているだけだった。
その光景を不思議に思いつつも俺たち二人は一切の暇もなく群玉閣に招待されていた。
眼の前に居る刻晴と凝光は複雑そうな表情をしている。
当たり前だ、俺だったらこんな話を元岩王帝君現自称凡人であるご本人様と話したくなどない。
横に居る甘雨など見てみろ。
(あわわわわわわ…!)
みたいな顔しながらこっちをチラチラ見てんじゃねぇか。
とりあえず俺から話したほうが良いと思い会話をスタートすることにする。
「…とりあえずなんだ…その…たぶん…鍾離は怒ってないと思うぞ。な?鍾離」
「もちろんだ。岩王帝君という存在が居なくなって起きることというのはある程度想像がつくものだ。今回のような事例も…………起こるとは思っていたからな…」
鍾離は随分と会話をするのに溜めていた。
鍾離の考えていることを想像するのならば
『怒ってないよ?怒ってないけど…あの勧誘どうしようか?』
といった具合であろうか。
頑張って声を振り絞ったかのように凝光が話し始める。
「……我々七星としてもあのような輩を許すわけにはいかないと思い、詐欺などを目的とした勧誘についての罰則を強化しました」
「…たしかに少し前にはかなりの数、ああいった奴らは居たが。今回みたいに完全に居なくなったってわけじゃないってところか?」
「そうなの…でも…」
「…でも?」
「そこから先は、実際に調査した私が話すわ」
刻晴も喋らないわけにはいかないという風に凝光から受け継いで話を続けた。
「鍾離さん、結論から言うと……彼らを罰する事はできません」
「……それはどうしてなのだろうか」
「たしかに悪徳な手法で、しかも岩王帝君や塵の魔神という名前まで使っていたとしたらそれは重罪。璃月の民が絶対に犯してはならない罪でしょう。しかし…彼らは塵の魔神を本気で崇拝しているだけの集団なのです」
「「なんだって…?」」
「彼らは勧誘した者から金銭や立場を騙し取ったり悪質な犯罪に手を染めさせるようなことは一切していませんでした。それどころか岩王帝君が居なくなったことを本気で悲しみにくれている者たちに手を差し伸べ助けようと…新たな心の支えとも言える存在として自分たちが崇拝している塵の魔神の信仰を広めようとしているのです。あくまでも善意で」
「「…………。」」
正直な感想は『信じられない』であった。
まさかあの帰終にそんな信徒が居たとは。
いや、帰終だよ?
留雲借風真君と何度も発明品の勝負をして鍾離に勝敗を決めてもらっていたあの帰終が。
この前お土産で持っていったモンドの名物を一人ですべて食べて「美味しかった!」と一言告げてきたあの帰終が。
俺が寝ていた時に筆で顔に落書きをして、若い頃のピンばあやこと歌塵浪市真君を大爆笑させたあの帰終が。
そんな熱烈な信徒を持っているのか!?
鍾離は、それはもう言いたいことが沢山あるけど頑張って耐えているかのような表情をしながら声を出した。
「……わかった。帰終に熱烈な信徒が居るということは理解した。…では、その信徒達が行っている教えにはどんなものがあるのかはわかるだろうか」
「…甘雨。用意してある報告書に書いてある内容を伝えて」
「はい、刻晴様…順番に上げていきますね。
『一つ。困っている者が居たら迷わず助ける者に我らが神からの祝福あり。我らが神のように善行を積むことこそ真の美徳なり』
『一つ。無理に信徒を増やすことを禁ずるものとする。我らが神を困らせてはならぬ』
『一つ。たとえ我らの信仰がいかなる時に否定されようと、これに反論してはならぬ。価値観は人によって違うものである』
『一つ。璃月は我らが神が敬っていたかの岩王帝君が築き上げた国なり。我らの命をかけて守り抜くことこそ我らが生きる使命なり』
えーと次は…」
「いや、甘雨…大丈夫だ。もういい」
「どうでしょうか、鍾離さん」
「…刻晴殿……私は今長年生きてきた中で最も難しい難題に直面しているのかもしれない…」
鍾離の言っていることを要約しよう。
『何を言っているのか俺にはさっぱり理解できないし帰終はそんな奴ではないし対処のしようがない。というか対処法がさっぱりわからない』
ということだ。
その後、そこそこの時間をかけて現段階のその団体の状況や処遇を話し合った俺たちだが…結局は結論を得ないままとなってしまっていた。
そこで、とりあえず俺は『とりあえず帰終に確認を取ってみるのはどうだろうか』と提案し即刻、帰終に会いに行き状況を説明した。
『帰終のことだからどうせ知らないんだろ』と思っていたら案の定知らなかったらしく驚いていた。
そんな崇拝すべき我らが神こと帰終様からのありがたき言葉を記してこの話を終えようと思う。
「全然いいよ!なんか偉くなった気がして気分がいいし!私はその団体の善行を支持します!」
なぁ、名も知らぬ信徒達よ。
本当に良いのか?
こんな奴を信仰して。