原神の作品…もっと…もっと増えろ…!
『ごめんなさい、ここまでしてくれたのに』
『でも私…嬉しかった…』
『貴方と出会えて本当に良かった』
『私のことを忘れてほしいと言いたいけど…私は貴方と出会ってからワガママになったみたいなの』
『だから、私の分までちゃんと生きてね』
『貴方の人生は、貴方のものだから…』
その男はきっと
同じ夢を見続けるのだろう
救えなかった者の夢
救えたはずの者達の夢
『すべてを助けられるなどと思い上がらないことだ』
『……わかってますよ。でも…それでも…希望が無いなんて…そんなの悲しすぎるでしょう…?』
『…その優しさは、お前自身をいつか苦しめることになるぞ。それでもか?』
『ええ…それでも僕は…』
平和に近い今を楽しむ心と救えなかった者達に対する後悔
その2つの思いを抱えながら今日も仮面を被っていつも通りを装う。
その仮面に、ヒビが入っていることにも気付かずに。
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突然ですが!皆さんに問題です!
あんなことが璃月で起きましたね!?
当然色々な被害が出ますよね!?
そして、その被害…わたくしシュウにも出てしまったわけなんですよ!!
さて!それは何でしょうか!!
…正解はー?
「いやー…このままシュウさんが往生堂に住んでくれたら助かるんだけどなー?どう?往生堂に住む気はない?仕事をすれば給料も出るよ!?」
「胡桃ちゃんナイスアイデア!私も賛成します!鍾離もそう思うわよね?ね?ね!?」
「ふむ…俺は構わない。わからないことがあれば俺が教えれば良い。なに、シュウは物覚えが悪いというわけでない。すぐに仕事も覚えられるだろう。それだけでなく…」
「あぁ。私の監視も出来るというわけだ。もっとも、私に誰かを害する感情は無いわけだが。保険はいくつあっても安心とも言うわけだ」
「そう!ジャスティスさんの監視だって出来る!どうかな~?往生堂、入る?」
「断る」
「え〜〜?でもシュウさんさぁ……」
「なんだそのツラは…」
「家、壊れちゃったじゃん」
「………。」
はい!そうです!!そうなんですよ!!!
この前の騒動の時にですよ?
家、壊れちゃいました!
跡形もなく!
なんでも、璃月中に出現して暴れまわったギアにやられたらしい。
凝光が申し訳無さそうに
『貴方の家、もう無いの』
って言ってきた時の俺の顔はさぞお笑いだっただろう。
なんなら実際、他人事のように留雲は笑っていた。
テメェこの舐めてんのかこよふっざけやがってこのぶっt(略
とにかく、俺は今宿無しだ。
胡桃達の好意により一時的に往生堂に身を置かせてもらってはいるものの、さっさと家を見つける必要があった。
もっとも、その家を見つけることが出来ずに一ヶ月も経つことになるわけだが。
「確かに家は壊れた。だが、凝光のやつがわざわざ俺に良い家を見繕ってくれている。その行為を無駄にするわけにもいかねぇだろ?」
「えー?私は気にしないけどなぁ」
「残念ながら俺が気にする」
「鍾離さんも気にならないよね?」
「鍾離に助けを求めるな」
「ジャスティスさんは?」
「ジャスティスならいいってわけじゃねぇぞ」
「私は興味がない」
「答える必要はねぇぞジャスティス。こいつが何か発言しているときは『私はヤバい女です』って言ってると思え。それで大体間違ってねぇ」
「宿はもう見つかったってことで良いのかな?」
「胡桃、それは卑怯だ。だが、いつまでもここに済ませてもらうだけってのも失礼かもな」
「でしょう!?だから失礼とか、気を使わなくても良いようにこのまま往生堂に住み続けるってことにすれば!」
「それとこれとは話が違う」
「違わない!!!!!ねぇ~!す〜!も〜!う〜!よ〜!」
「済まないが住まない」
「済まないだけに?」
「殴り飛ばされたいのならばそう言え」
「お、女の子殴るなんて!いけないんだ〜!!!」
「…ふふふ」
「…帰終?」
「いやね?周りが楽しそうだと、私達も楽しくなるじゃない?こんな日常を送りたいって思ってたから…でしょ?モラクス」
「ふっ……そうだな。ハーゲントゥス」
楽しそうにこちらを見て笑っている鍾離と帰終がチラッと見えた。
…あいつらも留雲と同類か。
そんなことを思っていると、胡桃が何かを思い出したのかこちらに聞いてくる。
「あ、そういえばシュウさん。実は冒険者協会からちょっとした依頼が来ててね。なんでもシュウさんに名指しでお願いしたい依頼らしいんだ」
「俺に?一体どんな依頼なんだ?」
「それが、依頼主が直接会って依頼について話をしたいらしくて…」
「直接会って…?訳ありか?」
「うーん…正直なんとも言えないかな。でもかなり依頼主は立場ある人だって言ってたよ?」
「……受けても良いが。まぁ、話は聞いておかないとな」
よっぽどな依頼じゃない限りは、基本的に俺はなんでも受けるタイプだ。
人探しに無くしもの探し、魔物や賊狩り、荷物や商人の護衛に…果てには軽い運送まで。
わりと何でも屋に近い。
この前なんて試されていたとはいえ剣も作った。
然るべき報酬さえあれば何でもする。
そういうスタンスを取っている。
だから、こういう形の依頼が来ることも珍しいことではなかった。
今回も依頼を受けるつもりでいた。
「で?そいつは何処に居る?面倒な依頼なら報酬は弾んでもらわねぇとな」
名指しで依頼をしてきた依頼主を
「ほう?それはつまり」
確認するまでは。
「このまま話が進めば私達の依頼を受けてもらえる…ということでよろしいのかな?元ファデュイ執行官 特別番外位、スカーローズ」
「…チッ」
思わず舌打ちをしながら振り返る。
…いつから居やがった…コイツ。
出来れば会いたくなかったが…。
「いや、今はシュウ殿…とお呼びすれば良いのかな?」
「呼び方は好きに呼べ。だが、あまり俺を煽ってくれるな。そのムカつくツラを殴り飛ばしたくなるだろうが」
「あらあら、口が悪いのね?あいも変わらず野蛮な言葉遣いしか喋れないのかしら?」
「お前の性格の悪さには負けるがな、性悪女」
「さて、自己紹介がまだだったね。といっても…する必要はほぼないわけだが」
「私はファデュイの執行官第4位、召使 アルレッキーノ」
「同じくファデュイ執行官第8位、淑女 シニョーラ」
「今回そちらの御仁に指名依頼をさせていただいた依頼主、というやつだ」
「よろしくお願いするわ。大丈夫、お望み通り報酬も弾んであげるから」
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「私は…どうして生きているのでしょうか」
「いや、『生きているのか』という表現は正しくないのでしょう」
「今の状況を表すならどちらかというと」
「『どうして生き返ってしまったのか』と表現すべきなのでしょうか」