元帝君の友人になった男の話   作:じーじー

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ふと思うんです。
この作品はタイトル詐欺なのではないかなと。
何か良いタイトル案や意見等があれば是非感想までお願い致します。
正直自分では全く良いタイトルが思いつかなくて…。


安心しろ、バカンスみてぇなもんだ。ソルとのデンジャラス行脚に比べたらな

 

 

 

 

自分の立場と名前を名乗る2人を前に、最初に口を開いたのは鍾離だった。

 

 

 

「初めましてと返しておこうか、召使殿。それと…、淑女殿は送仙儀式の時以来だったな。息災だったようで何よりだ」

 

 

「ええ、これはこれはどうも。流石往生堂の客卿であらせられる鍾離さんは礼儀が出来ているようね。それに比べて…」 

 

 

 

シニョーラはこちらを馬鹿にするような表情をする。

 

 

 

「誰かさんは挨拶を返さないのかしら?鍾離さんを見習ったらどうなのかしらね」

 

 

「俺の礼儀は気に入らねぇやつの口を喋れねぇようにするっていうもんだけだ。そんなに欲しけりゃくれてやろうか?」

 

 

「ハァ……二人共、そこらで辞めてもらおうか。我々はいがみ合うために来たわけでは無い。君に協力してもらうために来たのだ。とある事件を解決するために」

 

 

「…とある事件?」

 

 

「それを説明したいところではあるが…往生堂の堂主殿、少しお時間をもらうがよろしいだろうか」

 

 

「もちろんいいよ〜。でも私達も聞いてても良い話なのかな?」

 

 

「ああ、問題ない」

 

 

 

アルレッキーノは胡桃から許可をもらい事の次第をその場に居る者達に説明し始める。

 

 

 

「事の発端はフォンテーヌで起こったある事件だ」

 

 

「…事件?」

 

 

「フォンテーヌにて…死んだ者たちが生き返るという事件か起きた」

 

 

 

それを聞いた鍾離は目つきを変え、帰終は笑みを消し、胡桃は雰囲気が変わる。俺も思わず少し目つきが鋭くなる。

 

 

 

「それは…お前の力による副産物か?それとも…」

 

 

「シュウ、私の事情を知っている君はともかく他の者にもわかるように説明するが。私には神の目の力とは別に、ちょっとした力がある。詳しい話は省略するが…その力を行使して命を奪えば、奪った命の断片が…まるで幽霊かのごとく姿を表すことがある。シュウが言っているのはそういうことだろう」

 

 

「だが、違った。私にはまるで関係のない者からファデュイの者まで。フォンテーヌで様々な者たちが生き返っているという話が出ている」

 

 

「…冗談だろう?」

 

 

「いや、残念ながら…だ。そして、生き返った者たちは特徴がある」

 

 

「特徴?」

 

 

「…足が無いの。正確には足が透けている…といったほうが正しいのかしら」

 

 

「…それではまるで幽霊だ」

 

 

「ええ、でも幽霊とは違う。彼ら彼女らは生きている人間と会話が出来る。それどころか普通にそこに生きているのと何ら変わりない様子でいる」

 

 

「…あり得るのか?そんなことが…」

 

 

「そして、もう一つ特徴がある…」

 

 

「もう一つ…」

 

 

「生き返った者たちは全員…感情が希薄なの」

 

 

「感情が…希薄…?」

 

 

「ええ。と言っても、実際に見てもらった方がわかりやすいのだけれどもね」

 

 

「我々はヌヴィレット殿から依頼を受けてな。『この件に関する情報を集め、事件の解決を目指してほしい』と。おそらく我々だけでなく、他の者にも声をかけているのだろうが。そうして我々は事件の情報収集に乗り出した。しかし、いくら調べようとも全く事の解決に至る情報は得られなかった。我々の調査でわかったことは『生き返りは原素力によるものではない』ということだけであったわけだ。そこで我々は原素力以外の力を持つ者達に協力を求めることにした」

 

 

「…そこで今回の俺への依頼につながるというわけか」

 

 

「ああ、君の扱う力は特別だからな。君以外にもモンドより錬金術の専門としてアルベド殿やスメールよりアルハイゼン殿、稲妻からは八重宮司殿といった様々な分野の者達に何らかの形で協力要請を出させてもらった。全員、好意的な反応だったよ」

 

 

「……フォンテーヌまではどうやって行くつもりだ?」

 

 

「こちらで用意してある船がある。4日程度でフォンテーヌにつくようには手配してある」

 

 

「俺がファデュイの船に乗ると言ってるように聞こえるが」

 

 

「何か問題があるのかい?君は番外とはいえ元執行官だ。ファデュイの船に乗ってもある程度は大丈夫だと思っているのだがね。それに、女皇陛下は君がファデュイに戻って来ることを強く望んでいるらしい。我ら、召使や淑女を含めて色々な執行官に君とできるだけ関わりを持つように言われていてね」

 

 

「これはその一環というわけか?」

 

 

「まぁ、そういうことになるわね。でも、協力してほしいというのは本当なのよ?フォンテーヌの最高審判官も『彼になら任せても良い』と言っていたから」

 

 

「ヌヴィレットが…か。」

 

 

 

放っておける内容ではないか…。

俺は少し考えてから鍾離達の方を向き自分の意見を伝えることにする。

 

 

 

「俺の住む場所の件についてはまた今度だ。胡桃…俺は長期間、璃月を留守にする。誰かが俺について聞いてきたらフォンテーヌに仕事で出たと伝えておいてくれ」

 

 

「りょーかい!いってらっしゃーい!」

 

 

「依頼を受けてもらえると受け取って良いんだな?」

 

 

「…流石に放っておける事でも無いからな。今すぐ行けんのか?」

 

 

「ああ、すぐに出発するか?」

 

 

「そうか。ならすぐにでも…いや、やっぱり条件がある」

 

 

「条件…?」

 

 

「フォンテーヌに行くのは俺と…」

 

 

 

その瞬間、往生堂の扉が勢いよく【ドンッ!】と音をたてながら開く。

そして…

 

 

 

「シュウ!ここに居るって聞いたけどいるか!?遊びに来たぜ!!」

 

 

 

そんなことを言いながら入ってくる金髪の元気そうな青年を見ながら俺は言った。

 

 

 

「そいつも追加だ」

 

 

「え?」

 

 

「把握した。その条件を飲もう」

 

 

「あー…えっと?」

 

 

「行くか」

 

 

 

会話について行けずにシンは困惑している。

往生堂から出ようとしつつ、そんなシンに対して俺は急かすように言う。

 

 

 

「おい、ボサッとしてないでとっとと行くぞ。安心しろ、バカンスみてぇなもんだ。ソルとのデンジャラス行脚に比べたらな」

 

 

「なっ!バカンスか!?行くぜ!!行く行く!!」

 

 

 

これで、シンという便利な駒を手に入れたな。

そう思いながら往生堂から出る俺達だった。

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

「いやーまさかシュウさんが執行官だったとはね〜。鍾離さんは知っていたの?」

 

 

「知らなかったわけでは無いが、言われてはいないな」

 

 

「…私も知ってたけどね。でも、私はハーゲストゥスとして彼に命を救ってもらってる身。そんな私が彼を疑うわけにはいかない」

 

 

「……私はそろそろ喋っても大丈夫そうだな」

 

 

「うん、ごめんねージャスティスさん。あの人たちの会話を聞いてて、ジャスティスさんについて聞かれると色々と面倒だと思ってさー」

 

 

「構いはしない。だが、他人事だとは思えない話だな。死んだ者が生き返っているとは」

 

 

「……堂主、帰終を任せてもいいだろうか」

 

 

「…やっぱり、鍾離さんも行くんだね。わかった、行ってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………シュウさんが…元執行官…?」

 

 

 

何処からか、そんな呟きが聞こえてきた。

その呟きは誰の言葉だったのだろうか。

今はまだ明かされることはない。

 

 

 

 

 

 

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