元帝君の友人になった男の話   作:じーじー

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……まるで犬の餌付けだな

 

 

 

 

 

船で璃月を出てから四日目の朝、フォンテーヌのルミドゥースハーバーに到着した。

 

 

「船の上の生活も終わりか…!おーい!コックのおっさん!!美味い飯ありがとうなー!!!!」

 

 

船で降りた後に横で船に叫ぶシンを

(コイツ飯のことしか頭にねぇのか……)

と思いながら残念なやつを見る目で見ていると、先に降りていたアルレッキーノが申し訳無さそうに話しかけてくる。

 

 

「すまない、急遽対応しなければならない事が発生してしまってね。私は行動を共に出来なくなった」

 

「いや、別に気にしなくていい。で?とりあえずフォンテーヌ廷に向かいパレメルモニアに居るヌヴィレットに会いに行けばいいのか?」

 

「ああ、君の連れと一緒に行くと良い。ヌヴィレット殿も執務室で君を待っているらしいからね。では、急がなければならないからこちらはもう失礼するよ」

 

 

本当に急いでいるのだろう。

手短に説明を済ませ、どこかへ向かおうと歩き出していくアルレッキーノとそれに付き添うシニョーラ。

さて、パレメルモニアに向かうかとシンに声を掛けようとした時、思い出したかのようにアルレッキーノが足を止めてこちらに振り返る。

 

 

「言い忘れていたが、君たちのためにパレメルモニアまでのガイドが用意されているらしい」

 

「…ガイド?そんなもんが必要あるのか?」

 

「必要だとおもうけど?『フォンテーヌを離れてる間に道が変わっててフォンテーヌ廷までの行き方がわかりませんでした』なんてことになったら笑い話にもならないでしょ?」

 

「…ッ!?」

 

 

…叫ばなかった自分を褒めてやりたいくらいだ。

ゆっくりと声のした方向を向くと、そこには俺の知っている女性がこちらを見ていた。

 

 

「……ナヴィア」

 

「うん、久しぶり。今回ガイドを務めさせてもらうことになったわ。よろしくね?」

 

 

 

 

 

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「……ガイドってのが…まさか、お前のことだったとはな」

 

 

俺は、動揺していた自分の心を必死に押さえつけながら絞り出すようにそう返した。

 

 

「そうよ。それとも、なに?私なんかがガイドじゃ不満だなんて言わないでしょうね」

 

「…いや、そういうわけじゃない」

 

「そう、ならいいのよ」

 

 

そう言いながらナヴィアは俺に微笑みながら会話をしている。

まるで俺と話すのが楽しいことであるかのように。

すると、ナヴィアに気付いたシンが聞いてくる。

 

 

「知り合い?」

 

「まぁな…」

 

「そっか。俺はシン!えっと…」

 

「ナヴィアで良いわよ。貴方達をフォンテーヌ廷まで送り届けるように仕事を依頼されてね?あ、あとこれ…はい、どうぞ」

 

「ん?なんだこれ…お菓子か…?」

 

「マカロンって言うの。美味しいのよ?お近づきの印にあげるわ」

 

「本当か!?ありがとうな!……!!!」

 

「……美味しい?」

 

「…おう!コイツはアルティメット美味いぜ!!」

 

「それは良かった。実はそれ私が作ったのよ?」

 

「本当か!?スッゲェな!!こんな美味いもん作れるなんて!!」

 

「ふふふ…ありがとう。お褒めに預かり光栄だわ」

 

「……まるで犬の餌付けだな」

 

 

そうして俺たちはナヴィアのガイドの下、フォンテーヌ廷に向かうことになったのだった。

 

 

 

 

 

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それは、シュウ達が船でフォンテーヌに向かっている最中の事だった。

鍾離は璃月からフォンテーヌへと高速で移動していた。

鍾離はかつて、シュウに言われた言葉を思い出しながら、フォンテーヌに向かっていた。

 

 

「鍾離、僕は確かに人間じゃない。人間からギアになった存在だ。今の僕はバケモノだ。

そして、今の僕は君たち魔神と同じぐらいの年月を生きることになる。

だが、僕の体は化け物でも間違いなく心は人間のままだ。

君たち魔神のように心が頑丈というわけじゃない。

摩耗が僕を蝕んでいくのは間違いなく、君よりも早いだろう」

 

「摩耗は、ただ時が過ぎるだけで起きることじゃない。

辛いこと、悲しいこと、苦しいこと。

色々な出来事が心をより酷く、より深く蝕んでいく。

だから…だから僕は、それらの出来事を記憶として覚えることが無くなるようにした。

すべての出来事を自分の記憶として残すのではなく、始まりの書に仮の保存場所を作って、そこにそれらの出来事を記録していく。

そうやって摩耗の進行を遅らせていく。

でもそれは問題の先延ばしでしかない。

いつかそのツケを払う時が来る」

 

「これから先、僕は色々な体験をするはずだ。

そこには必ず悲しみが生まれる。

その悲しみは、きっといずれ僕を蝕んでいく。

いつの日か、摩耗によって僕は自我を保てなくなるはずだ。

悲しみを無視し続ければ、摩耗の影響をほとんど受けずに済むだろう。

でも、その悲しみの中にはきっと【自分の罪】とも言えるものもあるはずた。

僕には、それをどうしても無視することが出来ない。

いずれそれらの罪を全て清算するつもりだ。

その先に待っているものが自我の喪失であり、僕がこの世界に害をなす存在に成り下がった時。

鍾離、お前には僕を______」

 

「君にしか、こんなこと頼めないんだ」

 

 

鍾離には、それが耐えられなかった。

初めて自分を魔神としてではなく、一つの命として見てくれた彼を…。

彼の家族とも言える人達を奪ったとも言える自分を友と呼んでくれた彼を…。

それだけは彼に出来ないことであった。

 

 

(そんな未来、認めるわけには…)

 

 

故に、鍾離は彼が味わう悲しみを、少しでも和らげる為に動いていた。

そのために鍾離はフォンテーヌに向かいとある人物に会いに行く。

たとえ自分が元岩神という立場であったとしても。

彼を救うために鍾離は、覚悟を決めていた。

彼は会おうとしているのだ。

水龍と。

 

 

 

 

 

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ルミドゥースハーバーを出てからおよそ2日。

俺達はナヴィアのガイドにより、ほぼ最短ルートでフォンテーヌ廷に着いた。

さて、俺は今からヌヴィレットと仕事の話をしなければならない。

仕事をするにあたってシンを同行させても良かったが、それではシンがフォンテーヌで観光を楽しむことが出来ないというナヴィアからの提案により、シンはナヴィアと共に行動することになった。

…いざという時はシンにも仕事を手伝わせる俺の考えは無かったことになったわけだが。

 

 

「シン、俺はもう行く。そいつの言うことをしっかりと聞けよ?」

 

「もちろんだ!」

 

「いい子にしてたら、またマカロンを作ってあげるわ」

 

「なっ!?本当か!?」

 

「…完全に飼い慣らされてやがる。まぁいい。じゃあ、シン頼む」

 

「ええ」

 

 

そう言って俺はパレメルモニアに向う。

(……まさか本当に犬の餌付けだったとは)

そう思いつつもフォンテーヌ廷の町並みを見ながら足を進める。

俺の知るかつてのフォンテーヌ廷と今あるフォンテーヌ廷は、さほど変わっていなかった。

正確にはフォンテーヌ廷の雰囲気が変わっていないだけだ。

確かに建物は俺のいた頃より増えている。

だが、この雰囲気だけはあの頃のままだ。

 

……フォンテーヌで起こったあの騒動。

あれは本来、旅人がフォンテーヌに来るタイミングで起こるはずの出来事だった。

だが、俺がフォンテーヌの人々を救いたいというエゴを押し付けたばかりにフォンテーヌの一連の騒動が起こるタイミングが早まってしまった。

フォンテーヌを窮地に追いやったのはある意味、俺みたいなものなのだ。

そんな中、歩いている最中に横から声をかけられた。

 

 

「もしや貴方は…シュウさんですか…?」

 

 

そう言われ足を止めそちらを見ると一人の女性が出店の屋台のような場所からこちらを見ていた。

 

 

「確かに俺はシュウって名前だが、アンタは?」

 

「……!!やはり、あの時の…!申し遅れました。私はかつてポワソン町にて貴方に命を救ってもらったことがあるんです。逃げ遅れてしまった私を貴方に助けて頂きました。覚えていらっしゃいませんか…?」

 

「…っ!……そうか、君はあの時の」

 

「はい!まさかフォンテーヌに戻ってきていらっしゃるとは思いませんでした…!あの時はろくに礼も出来ずにすみませんでした…!」

 

「いや、いいんだ。俺が好きにやったことだ。…それにアンタを助けたのは…俺というより……」

 

「…ええ……ですが、貴方にも助けられたのは事実です」

 

「…まぁ、元気そうで何よりだ。もっと話してたいところだが、俺は急ぎの用がある。悪いが、もう行くぞ」

 

「はい…!もし、食事に困った際は是非お寄りください!その時はサービスしますので!」

 

「………ああ」

 

 

まただ。

ナヴィアと同じだ。

この人も俺と笑顔で話している。

 

 

(……チッ)

 

 

思わず舌打ちが漏れてしまう。

イラついているのか、虚しさをおぼえているのか…。

俺には自分が今、何を考えているのか…それがわからなくなっていた。

 

 

 

 

 

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「コレは…どういうことだ?」

 

 

アルレッキーノは目の前の光景に思わずそう呟くことしか出来なかった。

消えた者達が幽霊のように蘇るという事件。

そこで蘇った者が完全に肉体をもって蘇ったという話だった。

アルレッキーノの視線の先には報告されていた蘇った青年がいた。

その青年は明るい表情で周りにいる人たちと会話をしていた。

報告では、蘇った彼らには感情の起伏が薄いという話だったがはずだが…アルレッキーノには目の前の青年の感情が薄いなどというふうには見えなかった。

そしてもう1つ、報告であったはずの薄く透けた足。

蘇った者達が幽霊のようだと言われる原因とも言えた透けていたはずの足は、今ではなんら普通の人と変わらないように見える。

そう、青年の足は透けてなどいなかった。

 

 

「一体、このフォンテーヌで…何が起こっている…?」

 

 

アルレッキーノは目の前の青年を見ながら頭を抱えていた。

……そう。

赤い瞳の青年を見ながら。

 

 

 

 

 

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俺はパレメルモニアの建物内の執務室前にまでやってきた。

するとそこにいたメリュジーヌにストップをかけられる。

 

 

「待ちなさい。この先は最高審判官であるヌヴィレット様の執務室よ」

 

「ああ、大丈夫だ。俺はその最高審判官様に呼ばれて来たからな」

 

「あっ!ちょっと待___」

 

 

メリュジーヌを無視して執務室のドアにノックを3回する。

すると…

 

 

「入れ」

 

 

そう一言だけ告げられる。

 

 

「じゃあ悪いな、そういうことだ」

 

 

どこか納得のいっていないメリュジーヌにそう言いながら俺は執務室のドアを開け進んでいく。

その先には相変わらず無愛想な顔をした最高裁判官様が書類を片手にこちらを見ていた。

 

 

「久しぶりだな、ヌヴィレット…相変わらず無愛想なツラしやがって。まぁだが、元気そうでなによりだ」

 

「相変わらずというのは君のほうだと私は思うが…」

 

「さて、じゃあ話して貰おうか。仕事の話とやらを」

 

 

 

 

 

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同時刻、フォンテーヌ廷のスチームバード新聞社前にて。

そこには一人の男が一人の女性に写真を撮られている光景があった。

 

 

「別の国からではなく別の世界から来た!?これは大スクープになるわ!!」

 

 

そう言いながら写真を撮るシャルロットと、

 

 

「俺の今一番のスクープは、君に出会えたことだがなレディ」

 

 

そう言いながら写真を撮られるジョニーの姿だった。

 

 

「しかし、別の世界に行けると聞いた時は本当の事かと疑ったもんだが…まさか本当に別世界に行けるとはな。もっとも、別世界に来た意味はあったわけだが。君のような美人と会えたわけだからな」

 

「ふふふ…お世辞が上手いねジョニーさんは」

 

「お世辞?まさかそんな。俺はいつだって女性に嘘はつかないのさ」

 

 

そんな光景を、シンとナヴィアは遠くから眺めていた。

 

 

「あれ…?ジョニーのおっさんだ」

 

「知り合い?」

 

「ああ、何度か飯を奢ってもらったりしたな。オヤジが『どうしても困ったことがあったらアイツを頼れば大概手を貸してくれる。女癖以外は完璧なヤツだからな』って言ってたっけか」

 

「女癖は完璧じゃないんだ…」

 

 

そう話しているとジョニーがこちらに気付いたのかこちらに近付いてくる。

横にいたシャルロットも目をキラキラさせながらこっちに来る。

 

(ああ、面倒くさいのに捕まったな)

 

ナヴィアを近付いてくる二人を見て何処か遠い目をせざるを得なかった。

 

 

 

 

 

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「___というのが報告された一連の騒動の詳細だ」

 

「透けていたはずの足が元に戻った……?」

 

「正直私もお手上げのようなものでな。君を頼らざるを得なかった。どうか力を貸してほしい」

 

「いや、それについては別に良い。俺も仕事で来たからな」

 

「そうか」

 

(しかし、報告に上がってたという赤い瞳…まさかな…)

 

「…とりあえず俺は実際に蘇ったとかいう奴らのことを見に行くことにする。色々と調べたいことができたからな」

 

「了解した。何かあったらまたここに来るといい」

 

 

そう言って執務室から出ようとする途中、俺は足を止めて思い出したかのように振り返らずにヌヴィレットに質問を投げかける。

 

 

「ヌヴィレット、ナヴィアにガイドを頼んだのはお前だと聞いた。本当か?」

 

「ああ、彼女ならば任せても良いと思ったのでな」

 

「…次からはガイドは必要無いとだけ伝えておく」

 

「そうか」

 

 

言うことは言った。

そう思い執務室のドアに歩き始めようとした時、

 

 

「それはナヴィア殿と顔を合わせるのが嫌だからか?」

 

 

そう言いながら執務室に入ってきた第三者に俺は立ち止まらざるを得なかった。

 

 

「鍾離…?何故ここに…?」

 

「………。」

 

 

鍾離はその質問には何も答えずにこちらを見つめていた。

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

 

俺がそれ以上声を出せないでいると後ろからヌヴィレットが立ち上がりこちらに歩いてくる。

そして、

 

 

「私が呼んだ」

 

 

そう告げた。

思わず振り返りヌヴィレットに問いかける。

 

 

「一体、なんのために?」

 

「………。」

 

 

ヌヴィレットも何も言わない。

俺は仕方なく、先程の鍾離の質問の答えを返した。

 

 

「…わかった、降参する。そうだ。俺はナヴィアさんを避けようとしてる。俺のもう一人の同行者をナヴィアに任せたのも、アイツと離れる口実が欲しかったからだ」

 

「何故、そんなことを?」

 

「ヌヴィレット、お前は理由は言わなくてもなんとなくわかるはずだ」

 

 

俺は執務室内のソファーに腰をおろしながら周りに確認を取る。

 

 

「今から少し…長話になる。それでも良いって言うのなら…」

 

「続けろ」

 

「問題ない」

 

 

そう返されたので話を始めることにする。

 

 

「この国が、原始胎海の水の脅威に侵されていたとき…フォンテーヌの人達は自分がいつ原始胎海の水の餌食になるかと恐怖していた。

なんの罪もない人達が、なんの抵抗も出来ずに原始胎海の水によって消滅する。

俺にはそれがどうしても許せなかった。

だから俺は、フォンテーヌ中を駆け回りいろんな人たちを助けようとした」

 

「その時に俺をサポートしてくれていたのがナヴィアさん達、棘薔薇の会だった。ポワソン町に宿を用意してくれたり、物資の調達を手伝ってくれたり…棘薔薇の会は、オレを手厚くサポートしてくれたよ」

 

「でも、俺の行動をあざ笑うかのようにいたずらに被害が増えていく。救えなかった人だって大勢いた」

 

「そんな俺を励ましてくれたのは、シルヴァさんとマルシラックさんだった。2人は、やるせなくなっていた俺の支えになってくれていた。3人が居たからあの時の俺はギリギリで耐えていた」

 

「だが、そんな状況もある日突然壊れてしまった」

 

「ポワソン町も原始胎海の水の餌食になった」

 

「ポワソン町に居た人たちを逃がす中シルヴァさんとマルシラックさんは自分よりも周りを優先して避難させていた。そんな2人に原始胎海の水が大きな波となって飲み込もうとした時に、俺は咄嗟に法力で障壁を作り2人をギリギリながらも助けた。だが、俺は2人に気を取られてもう一人逃げ遅れている少女が原始胎海の水に飲み込まれそうになっている事に気付くのに遅れてしまった。だが、シルヴァさんとマルシラックさんはそれにいち早く気付き、その少女を助けにいった。」

 

「結果としてシルヴァさんとマルシラックさんがその少女を助けたことで俺が障壁を用意する時間を稼ぐことが出来た。だが、その少女を助ける代わりに二人は……。

その後、生存者を確認し終えたナヴィアさんは2人を失ったという事実を聞いても『今は悲しんでいる場合じゃない』と周りのサポートに徹していた」

 

「だが、俺は…僕は見てしまったんだ。一段落したあとに自分の父親の墓の前で泣き崩れるナヴィアさんの姿を。シルヴァとマルシラックの名を叫びながら悲しみに暮れる彼女の姿を。当然だ、彼女が父親を失ってから…家族同然のように一緒に居た2人を失ったのだから」

 

「騒動が落ち着いた後、僕はフォンテーヌから璃月に帰らなくてはならなくなった。璃月に帰ってから、その後一度もフォンテーヌに行くことは無かった。その方がナヴィアさんも、辛い事をお思い出さずに済むと思ったからだ。でも、フォンテーヌで騒動が起きたことを知らされた時…僕は気付いたらフォンテーヌに行く決意をしていた。そして、フォンテーヌに来て…ナヴィアさんと再会した。僕はナヴィアさんにどんな事をされても良いと思っていた。2人を救えなかった僕には彼女の怒りや悲しみを受ける義務があると。

だが、ナヴィアさんは僕にそんなことをぶつけることもなく…再会を懐かしむように笑顔で接してきた」

 

「僕があの時、シルヴァさんとマルシラックさんだけでなく…あの少女にまで手をまわせていたのなら二人が居なくなることは無かった。彼女が悲しむことは無かったはずなんだ!なのにどうして彼女は僕に何も言わない!!何も言わずに僕に優しくしてくれる!?」

 

「…教えてくれ、俺はどうしたらいい…?どうやって彼女に償えばいい…?どうしたら彼女は悲しみから開放される…?」

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

 

 

フォンテーヌ廷、パレメルモニア内執務室。

そこにはいざという時に誰かを匿うための隠し部屋が作られていた。

ヌヴィレットへのお願いによりその隠し部屋にて話を聞いていたいという彼女の申し出によって彼女はシュウの話をその部屋から聞いていた。

 

 

『…教えてくれ、俺はどうしたらいい…?どうやって彼女に償えばいい…?どうしたら彼女は悲しみから開放される…?』

 

 

「……シュウ」

 

 

吐き出されるように出てくる彼の言葉を八重神子は瞳を濡らしながら聞いていた。

 

 

 

 

 

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