それは雑談をしながら昼食をとっていた時にいきなり相談されたことから始まった。
「甘雨や璃月七星の連中に正体がバレそうになってると?」
「うむ、どうやら俺のことを色々と探っているらしい。といっても」
この現在進行系で正体がバレそうなイケメンは鍾離という。往生堂にお世話になっているモラ無し帝君だ。
あ、ちなみに俺はシュウというものだ。コイツの友人をしている。
「そういうわけだ。シュウ、妾達だけではどうもな…。なんとか帝君の力になってはくれぬだろうか」
「まぁ、元はと言えばお前が海灯祭のとき甘雨に「帝君がかつて鍾離と名乗っていた」とか言わなければこんなことにはならなかったんじゃないかと思わないわけじゃないがな留雲真君…」
んで、今話しかけてきた一人称が妾のヤツが留雲借風真君。見た目はめっちゃ鶴って感じだ。ちなみに人間の姿はめっちゃ美人でもある。しかし、人の黒歴史を雑談のネタとして暴露してくるというとんでも仙人だ。もう黒歴史暴露真君とかに改名したほうがいいとずっと思っている。
「つーか七星に怪しまれてるって甘雨からの情報を聞いて少し怪しんでるだけだろ?甘雨のやつはなんで今まで気付かなかったんだよ…。こんなThe godって感じのオーラしてるやつが怪しくないわけないんだっつーの…」
「フッ…お前は手厳しいな。俺としてはこれでも凡人を目指して日々精進しているのだが…なかなか難しいものだ」
「いやお前凡人を目指して精進って…というか明らかにお前は凡人って感じじゃねぇだろ…。神秘的というか偉そうな感じというか…。同じ神でもモンドにいるバルバトスことウェンティを見てみろ。すっげぇお調子者の酒好き吟遊詩人だぞ。めちゃくちゃ馴染んでるぞ。いやでもお前もお前で、帝君の話を聞きながらお茶してたな。流石に初めて見たときは笑い死ぬかと思ったわ。いったい七神はどうなってんだよ、まったく…」
「…相変わらずお前は本当に帝君に何でも言うのだな。妾にはとてもできそうにないぞ。最近ではもはやお前に尊敬すら覚え始めて来たところだ」
そんな雑談を話しながら山奥の隠れ家にて昼食を取っている俺たち3人。はぁ…正体がバレそう…ねぇ…?まぁ、少しだけ協力してやるとしますかね。一応友達なわけだし。つっても出来ることなんて限られているわけだが。
「…とりあえず七星の連中が俺を訪ねるかもしれないってことだろ?つまり俺に『鍾離は帝君ではない』と思わせるようにしてほしいってことか?」
「ああ、頼めるか?」
「別に良いんだけどよ」
「どうした?」
「…前から気になってたんだけどよ」
とはいえ少し引っかかるところがないわけではないため念のために伝えておくとする。
「お前さ…甘雨とは璃月を守るみたいな契約をしてたんじゃなかったか?それで帝君だったお前が死を偽装して神を辞めましたーってのを甘雨に伝えずにいるってのも、それはそれでどうなんだ?」
「ふむ…」
そう、甘雨は長い間璃月をいろんな形で守ってきた一人だ。『同じく長年璃月を守ってきた魈には伝えておいて甘雨に伝えていないというのはどうなんだろうか』とずっと思っていたのだ。
「七星が怪しんでるならアレだが、甘雨が怪しんでるってんなら甘雨に状況を伝えてこっちの味方をしてもらうってのも手だろ?そのついでに正体もバラしちまえば良いわけだし」
「一理あるか…。では、早速今度甘雨に今の状況を伝えておくとしよう。」
「言っといて何だが、そんな簡単に決めていいのか?」
「問題ない。他でもないお前からの提案だ。迷う必要はないだろう?」
「……ったく。」
なんでこいつはそういうことを平然と言うもんかね。
とまぁ、そんなこんなで甘雨には夢で伝えることが決定し同時に協力もお願いする方針が決定したことで今日はお開きになった。
甘雨的に夢に帝君が出てくるってどうなんだろうなって話は気になったが聞かないことにした。
《翌日》
「シ、シシシシシシ…シュウさん!シュウさんはいらっしゃいますか!!!!」
翌日の早朝、とんでもない速度と威力で町外れにある我が家のドアを叩く音と聞き覚えのある声が聞こえてきた。いや、ほんとに。何時だと思ってんだ。朝まだ5時なってねぇんだぞ。
とりあえず返事をして、寝ぼけた顔をなんとか水で洗いながらドアを開けると。
「シ、シュウさん!大変です!帝君が!帝君が生きてました!」
凄い迫力というか圧というか…なんかオーラを放っている甘雨が居た。
「あぁ、知ってる。じゃあ、おやすみ」
「待ってください!!!!帝君が…って知ってた!?知ってたんですか!?いやっ!ちょっと!ドアを閉めようとしないでください!!!!」
なんだよこのココナッツヒツジは。まったくうるさい奴だ。
「はぁ…で?それでどうしたって?」
「どうしたって?じゃないですよ!もう!真面目に聞いてください!今から確かめに行きたいんです!!連れてって貰えますね!!??」
「…今からぁ?」
いやまぁ、多分鍾離なら5時とかでも起きてっけど。
有無を言わさないという感じの甘雨に強制的に案内を任せられ朝5時から鍾離が朝散歩しているであろう場所に二人で行く。
歩いていこうとしたら「もう!急いでください!!!」と怒られてしまった。「えー?めんどくせぇなぁー」なんて返したところ無言で弓を向けられてしまいしょうがなく案内することになった。
甘雨、お前立派になりやがって(遠い目)
そんなこんなで鍾離のもとにやってきた俺たち。いつもの散歩の休憩出来る場所に居るであろう鍾離を見つけて話しかけに行く。
「よう、相変わらず朝が早いもんだな」
「シュウか、それを言うならお前の方は珍しく朝早いな。それと…甘雨か。ということは例の件…甘雨?どうかしたのか?なんだか表情が固いようだが…」
「て、てててててて…帝君!き、きききき今日もおおおおおひお日柄もよくくくくく」
「おい鍾離…見てみろ。生まれたての小鹿がドン引きするレベルにガッチガチに甘雨が緊張してんぞ。お前一体どんな伝え方をしたんだ…」
「どんなと言われても普通に正体を伝えて、その後に『今から話すことはは最重要項目だ、絶対に破ってはならない契約だと思え』と、一言伝えてから今の俺の状況を伝えて協力を仰いだが」
「テメェこんのポンコツモラ無し帝君!伝え方ってもんがあんだろうが!!!」
「む、なにか良くなかっただろうか」
「もうちょい相手を思って発言しろよ!緊張すんのが目に見えんだろうがこの!」
「て、帝君を悪く言うのは許しません!!!」
「お前はお前で緊張しててもそういうことは言うのかよ!!!」
自分で言っといて何だが本当に大丈夫だったんだろうかと不安になる元帝君の友人であった。
ここまでguilty gear要素なし!