スナイパーが異世界に転生したようです   作:名取

5 / 6
今回はいつもに増して文章力が皆無な気がします.....
ゆるちて...忙しいんです...



第四話  任務当日 1

 

「そういや今日護衛任務だよな」

 

翌日の朝、平民街の朝市を物色しながら、なんとなくヘレナに尋ねる。

 

「そうよ、ちゃんと銃は整備してあるの?」

 

「おう、銃身がすり減るまで磨いたぜ」

 

「嘘でしょ、アホくさ」

 

ヘレナ....昔はあんな可愛かったのに....!

まぁ今も可愛いんですけど。

 

「ははっ、ヘレナは冗談も通じないんだね」

 

俺らの横で軽快に笑うレオ。何がははっ、や。どこが面白いんじゃワレェ...と言いたくなるのを堪えてポーカーフェイスを維持。

 

「もうちょっと笑え、ヘレナ」

 

「いやあれで笑えって言われる方がキツいんですけど....?」

 

.....ま、まぁそうっすよね。サーセン。

 

「うっす、黙りマッスル」

 

「......」

 

「ユリウスさんついに無視されてますね妹に」

 

「地味に傷ついた」

 

「おっさんかよ...お兄ちゃんまだ20代のくせに」

 

二十代だけどさぁー?中身は50超えてるんよなぁ....前世で死んだのは20代後半だったっけか。

いやはやしかし、二度目の人生ってのは楽でいいねぇ。いくら異世界とはいえ人間として生きて行く上で基本的なことは変わらないし。あとこの世界は戦争はしょっちゅう起きるから、前世の職場(戦場)で鍛えられた処世術(しぶとく生き残る方法)が色々使えて楽だぜ。

 

なんてことを考えながら市の食材を物色する。この朝市はなかなか栄えていて、毎朝人だかりができて活気があるのだ。今日も例外じゃない。人の束をかき分け目当てのフルーツ売り場へなんとかたどり着く。

 

「おー」

 

「今日も色々ありますね」

 

今日の目当ては高級な果実類。護衛任務で護衛する方に貢ぐものを今選んでいる。朝市は新鮮な品が多く、まだ多く売れていないので、高級品を探すならこの時間帯が一番いいだろう。

 

「おおそこのお兄ちゃんたち!よってらっしゃい!」

 

屋台の奥から店の経営者らしきおばさんに声をかけられる。

 

「あぁ、じっくり見ていくよ」

 

「ふむ....にしても品揃えがいいわね...」

と、ヘレナ。

 

「お兄ちゃん、これとかどう?」

 

そう言って彼女が差し出してきたのは海外から輸入されてきたであろう、この国では滅多に見かけない代物であった。

名をピタヤ...ではなく、ドラゴンフルーツという、南の国からきたらしいフルーツだ。前世では何回か食ったことがあるが、なかなか美味しい。素朴な風味をしていて、いちじくより少し滑らかな食感がある。前世だとそこまで高いわけじゃなかったが...この世界では輸入品は高いのだろう。ヘレナが取ってきた元の木箱には「一つ金貨一枚」と書かれていた。

 

「おー、ドラゴンフルーツか。貴族への貢物ならまぁまぁだろうが、大事なのは誠意だからな。よし、値段も払えないわけじゃないからそれにしよう」

 

「わかった、会計してくるね。おばさんこれひとつくださーい!」

 

「あいよー。一つ金貨一枚ね」

 

 

「ふふ、ヘレナさんも見る目がありますね、ユリウスさん?」

 

「お?あぁ、まぁそうだな」

 

店の奥の方で会計をしている妹に目をやる。あいつも成長したな......っていかんいかん、じじくさいことを考えては本当におじさんになってしまいかねん。心だけはまだ若くいたいものである。

 

 

♢♢♢♢♢

 

 

 

「本日よりアーデルハイト様の護衛を務めさせていただくパーティー、『追い風』の団長、エルマ・ファルケンハインと申します」

 

マーヴィンの城門を出てすぐの平原にて。俺らと合流し、今エルマは普段使わないような口調で喋りながら跪いていた。

 

「こちらが副団長のセシリア。何かあれば私どもに何なりと申し付けくださいませ、領主様」

 

護衛任務の当日の朝、俺らはとある貴族用馬車の前で片足をつき跪いていた。エルマがパーティーの代表として挨拶を行ってくれている。いやー俺はこういうまともな挨拶は苦手だから助かるわ。神。

 

「エルマあざぁっす....!」

 

(シッ!静かに)

 

エルマが視線でそう語りかけてくる。

あっ口に出てた?出てたか......

 

「セシリア・バーレイにあります。パーティーで副団長を務めております。アーデルハイト様、以後お見知り置きを。以下3名はパーティーのメンバーでございます。右から順にレオナルド、ヘレナ、ユリウスと言います」

 

セシリアがエルマの紹介に続くよう挨拶をする。彼女も丁寧な口調でいる。みんな若いのに礼儀正しくておじさん感動しちゃったよ....あやべ。オッサン化してしまう。気をつけねば....

 

「僕がレオナルドです。失礼の無いよう努めますが...平民出身故に粗粗をするかも知れません。精一杯護衛に努めますのでよろしくお願いします」

 

と、レオナルド。いやこいつなかなか喋れてんな20代のくせに....俺が新社会人の時なんて「チッス!!大尉おはよっす!!」なんて言いながら訓練学校の教室に入ってったからな....あのあとぶん殴られたけどなんでだろ?.....うん、無礼すぎた俺が悪いね、そうだね。

 

「ヘレナです。よ、よろしくお願いしましゅ....ぁ....」

 

噛んだ!可愛い!天使!

あ、次俺の番じゃんアゼルバイジャン。

 

「えー、ユリウスです。以後よろしくお願いします」

 

(真面目にやりなさい.....!)

今度は副団長ことセシリアに目線で怒られる。サーセン...硬いの苦手っぴ....

 

「コホン、メンバーの無礼を詫びます。それとアーデルハイト様にこれをお持ちしました。つまらないものですが....」

 

と、エルマは俺とレオとヘレナが買ってきたドラゴンフルーツを差し出す。頭はまだ下げたままである。もちろん俺らも。

 

「あら、それはご苦労ね。ありがたく受け取っておくわ。リリー、フルーツを受け取って馬車の荷台に積んでおきなさい、丁重にね」

 

「はい、アル様」

 

リリーと呼ばれたメイドはエルマから貢物を受け取り、分厚い布で包み、馬車の荷台へ置いた。そのタイミングを見計らったかのように、アーデルハイト様とやらは深く息を吐き、話し始めた。

 

「ふぅ.....あぁー貴族らしい振る舞いは疲れるわー。エルマと言ったっけ?わざわざ買ってきてくれてありがとねぇ....あとで美味しくいただくよ。その時は貴方達も一緒に食べましょ。あ、あと顔をあげていいわよ」

 

言葉通りに顔を上げると、視界に入ったのは肩より少し長く伸ばした濃い紫色の髪を揺らしながらにこやかに笑う、やたらフランクな口調の若い女性だった。彼女は、この街が属するウィンザー地方を収める領主、アーデルハイト・フォン・ブルグント。この国でヴァイカウンテス、つまり子爵の地位を持つ、領主貴族である。

 

「あっアル様!お言葉ですが....たかが一介の冒険者にそのような馴れ馴れしい口調は....」

 

「私がいいと言ったらいいのよ。それに私だって堅苦しい口調は嫌いだもの」

 

「それは貴族としてどうかと....」

 

「しょうがないじゃない、もうどうせ貴族としても危うい立場なんだから」

 

「アル様!」

 

アーデルハイト子爵の呟きにメイドが金切声を上げる。

 

「アル様は確かに侯爵の地位から子爵位に転落なさいました。しかしまだ資産と人材はあります。対魔戦線で戦果を上げれば王侯からの信頼もーーー」

 

「もういいのよ、リリー」

 

「....」

 

お?なんか急にシリアス入り始めたぞ...?

 

「コホン、それはそうと、『追い風』と言ったかしら。今日から数週間よろしく。長い海旅になると思うわ」

 

と思ったけどすぐ切り上げられちゃった。

てか数週間か!長い長い。え?海旅?あーそれはね、アレなんすよ。俺が属するパーティー『追い風』ってのは海上戦闘が得意なパーティーなの。戦士職が一人しかいない(しかも軽戦士)のもそのため。エルマやセシリアや俺、あとヘレナもだが、みんな遠距離戦闘を得意としている。それもそのはず、エルマとセシリアは海軍属の上位魔術師であったから。そんな彼女達が作ったパーティーなんだから入るメンバーも遠距離戦が得意なものばかり。まぁレオナルドは陸上の万が一に備えて加入してもらった戦士だが。まぁ、うちのパーティーがいれば海戦なんて速攻で勝利できてしまう。エルマの水魔法による『氷柱』による突上げ攻撃や、光魔法による『崩壊光線』、セシリアの火魔法『ヒートレーザー』や風魔法の『疾風』などなど、どれも海戦においては超有効な魔術である。しかもどれも上級魔法ときた。海上護衛に彼女らがいれば敵なしだろう。

 

「よ、よろしくお願いします....しかしなぜわざわざ経費のかかる海路なのでしょう?いえ、領主様に意見したいわけではありませんが、純粋にそう思ってしまって...」

 

と、エルマ。まぁそうよな。王都は港湾都市だが陸路からも行ける。てか普通に陸路で行った方が近い説ある。この国家、国土のほとんどが平野だし。

 

「はぁ...まぁそう思うわよね普通。領軍を全部対魔戦線に投入しちゃったから陸路の場合護衛を担える勢力がいないのよ....だから待機中の海軍を使うしかないわけ。それで貴方達に依頼したのよ。海上戦闘は得意なんでしょう?」

 

領軍を全員投入したって....アホか?

 

「え、えぇ。パーティー名から察せる通り海上護衛は得意ですが.........その、全勢力を投入せざるを得ないほど対魔戦線は危ういのですか?」

 

おずおずとセシリアが質問をする。

 

「いーやそんなこたぁないよ全然。ただ王都の法衣貴族たちに圧力をかけられててねぇ...何がなんでも戦果を上げないとブルグント家の存続に関わってくるんだよねぇ...」

 

「姫様!彼女らはただの冒険者だと...!」

 

「いーのいーの。私にはもう守るべきプライドなんてないからさ」

諦めの色が滲む苦笑いをし、手を小さく振るアーデルハイト子爵。

 

えぇ...なんかうちの領主色々とやばいんじゃん....政策が色々ちゃんとしてたしまちも最近は栄えるようになったからてっきり国の援助でも受けてんのかとか思ったけど...没落貴族の一歩手前ってわけ?領主さん。

 

「え、と、とりあえず....港まで行きましょう...領主様」

流石にエルマもこれは知らなかったらしく、引いておられる。そりゃそうだろう、自分が住んでいる街を治めている貴族が取り潰し寸前なんだ。万が一本当に没落してしまった場合近隣の領主貴族達が我先にとウィンザー地方の土地を奪いに軍を引き連れてくるだろう。そして確実にマーヴィンを争って戦となる。

 

「えぇそうね、馬車を出しなさい!ほらリリー、早く乗って」

 

彼女が御者に向かって叫ぶと、すぐさま馬車が動き出す。

 

「とりあえず今日中に港町まで行って、明日の夜明けとともに王都へ出航よ。そのつもりでいてね」

 

「はっはい、アーデルハイト様」

セシリアがそう返すと馬車は速度を上げ、石畳の上をガタガタと走り出す。

 

「ちょっ、お兄ちゃん早く!置いてかれちゃうよ!」

 

「お、おう」

 

「うちの領主様ってマイペースだったんだね....」

 

「それも相まって降格処分になったんじゃ....?」

 

「無駄口叩いてないでさっさと走るよ!僕たちは護衛なんだから馬車につきっきりじゃないと」

そう言ってみんなを急かすエルマ。

 

「なぁエルマ、思ったんだがうちの領主って色々とやばいんじゃ.....」

 

「疑うも何も、平民に気さくに話しかけている時点で頭のおかしい貴族だよ...」

 

「もっとなんか、威圧しまくってくる金持ち貴族を予想してたんだがなぁ...」

 

知らないうちに没落して他の貴族の領軍がうちに攻めてきたりしないよね....?

 

 

し、しないよね.....?




活動報告でも言いましたが、週一投稿に変更したいと思います。マジですみません。その分文字数ちょっと多めにするから...
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。