超巨大学園都市キヴォトスにある連邦捜査部「シャーレ」の椅子に若干二十歳の少年心を持った男が一人座っていた。彼の名前はキヴォトス内で知るものは誰もいない。名乗ることもなければどこにいるのかもおおよそ把握することもできない。
「シャーレ」に行ってもあるのは大体処理された書類と山積みのゲームだけ。ただ風のように現れて何時の間にか居なくなる。そんな彼が珍しく椅子の上で項垂れていた。
理由は最近の自分の評価にあった。
「最近、ウチがちびっこクラブとか呼ばれていることについてここにいる全員で会議を行う」
「言われても仕方ないと思うけどね〜」
彼が書類と睨めっこしているにも関わらずソファーでグデ〜と寝転がっている少女が頭を上げて彼を見る。
彼女の名前は小鳥遊ホシノ、アビドスの生徒だ。
「ふざけんな。俺はガキは嫌いなんだよ。この前なんて面白いゲームがあるって聞いたからモモイに着いて行ったら途中でカンナに捕まってよ、何だよロリコン不法所持って。俺はロリコンじゃねぇしロリコンはものじゃねぇっての」
「うへ〜、先生は愛されてるねぇ・・・」
「とりあえず今のシャーレの部員をまとめていこう」
ホシノに先生と呼ばれた男は席から立ち上がるとホワイトボードを持ち出して名前を書き出す。
「先ずアビドスの面々」
「皆んな自分の当番の日を楽しみにしてるねぇ」
「ゲヘナはヒナとチナツとアルとカヨコ、イロハはただサボりに来てるだけだけど一応」
「たまにここで本とか読んでるよね」
「トリニティからはハスミとセリナ、スズミ」
「セリナちゃんはたまに怖いくらいに先生の行動を把握してるね」
「百鬼夜行はイズナとツバキ、なんか知らんがたまにワカモもいるな」
「不法侵入だし見つけたら通報だねぇ」
「ミレニアムはユウカ、アリス、ミドリ、モモイ後はネル」
「先生ゲーム好きだからよくゲーム開発部に行くんだよね」
「たまにバイトでサオリとヴァルキューレからカンナ」
「先生って色んな所と交流あるねぇ。おじさん感心するよ」
「レッドウィンターはチェリノ」
「あの子いったい何歳なのかな?」
「以上二十四人か」
書き出してため息をだす。それを見ながら横にした身体を起き上がらせてホシノは先生に近づいていく。
彼女にだって先生のため息の理由は分からない。疲れたからなのか、はたまた人数を見た感嘆のため息なのか。
どっちにしろホシノには関係がなかった。
「おじさんはずっと先生の側にいるよ」
「ホシノ?」
「先生はどう?ずっとおじさんの側にいてくれる?」
先生はうーんと唸りながらホシノを見る。別段困った様でもなく笑いながら口を開く。
そんな昔のことを思い出しながらホシノは動かなくなった先生を呆然と眺めて涙を流す。声も出ない。
何故先生は動かない?何故こうなった?何故、何故、何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何何故故・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。