シャーレにて秘密の会議が行われて早七時間、先生はトリニティからシャーレへと移送され熾烈な看病の権利を奪いあっていた生徒達とはまったく関係のなかったミレニアムのゲーム開発部の面々が行なっていた。
「ユズ、タオルはこれでいいのでしょうか?」
「うん。疲労で熱もあるからしばらくしたらまた水に濡らしてね」
「パンパカパーン!ユズより新たなクエストを受注しました!」
「お姉ちゃん!?その資料はこっち!ここの計算も間違ってるよ!」
「え!?し、知ってたし!」
何故こうなったのかと言えば先生を看病する権利を奪いあい、最終的にじゃんけんをする事になった結果シャーレに遊びに来たアリスが介入。
アリスの一人勝ちとなったのだ。
「・・・・・ねぇ、先生は大丈夫だよね?」
先生の看病とシャーレの事務仕事が続く中、そう切り出したのはミドリだった。
「ミドリ・・・」
「今回は大丈夫でもまた、こんな事が起こったら・・・」
「だ、大丈夫だよきっと!」
何の根拠もない虚しい慰めをモモイはミドリにかける。姉として妹を思いやる姉心からなのか、ただただ先生はこれからも元気にして、自分達とゲームをしていると信じ込みたいからなのかは言葉を放ったモモイにも分からない。
二人の会話にユズも言葉をかけることはできなかった。部室に来ればモモイと同じか、それ以上にうるさくゲームをしていた先生が倒れたことが信じられなかった。
「・・・・・アリスは」
そんな静寂の中、一人の勇者が声を上げる。
「アリスは大丈夫だと思います」
「アリスちゃん・・・」
「確かに先生はパーティの中で一番弱いです。ゲームでも最初のスライムで苦戦しています」
先生が聞けば泣き出しそうになりそうな内容ではあるがそこを宥めるものは誰もいない。
これがアリスなのだ。
「それでも先生は諦めません。何度ゲームオーバーになっても、何度負けても、何回だって先生は挑戦します。先生は言っていました。大切なのは諦めないド根性と黄金の精神だって」
「アリス・・・。そ、そうだゃね!先生のしぶとさはゴキブリ並だもんね!」
「はい!」
ミレニアムのゲーム開発部はこうして先生の看病へと戻って行った。
対してこちらは補習授業部の部室兼補習が行われる教室。部長のヒフミと部員のハナコが席に座りながら先日行われたまま消されていなかった黒板の授業後を眺めていた。
「ナギサ様は先生は大丈夫っておっしゃってたけどやっぱり心配ですね・・・」
「大丈夫ですよ、ヒフミさん。この件にはティーパーティーだけじゃなくミレニアムのセミナーやC&C、ゲヘナの風紀委員だって動いてますから」
ヒフミの不安を宥める様にハナコは言う。内心ハナコも気が気ではないが現状を鑑みても今は自分達が動いてどうにか出来る事でもない。
「アズサちゃんとコハルちゃんもサオリさんやハスミさんと一緒に先生を助ける為に頑張ってるんですよ?」
「・・・・・じゃあ裸になりましょう!」
「え!?」
「先生だって一人の男の人です!女の子の裸を見ればきっと元気にぬりますよ!」
こうしてヒフミとハナコな先生喜ばせ裸大作戦が開幕した。