ソードアートオンライン《scarlet swordman》   作:インフィニティ

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さて、ここがスカーレットの人生の転機ってやつですね。


緋色の覚醒《Rouse of scarlet》

 

 

詩乃は注文したオレンジジュースをあおると口を開いた

「でもそんな精神状態でよく攻略組に参加できたわね」

 

「まあここからいろいろあったんだ」

 

「大半はオレっちのおかげだナ」

 

「…そう、おれはアルゴに救われた。こいつがいなかったら今、おれは生きてなかったかもしれない。」

 

ふと当の詩織を見るとわずかに赤面しているように見えた

気のせいだろうか。

 

「まあ話すよ、あんときはほんとに助かったんだ。」

 

-------------------

 

「坊や、こんなところで何してるノ?迷子カナ?」

 

「うるせえよ…ほっといてくれよ…」

 

「君ー…βテスターだったよネ?顔は手鏡で戻っちゃってるけどそのインナーの色は昼にあの路地裏の武具屋にいた子だナ」

 

「…お見通しとはな…そうだ、おれはスカーレットだよ。お前は鼠のアルゴだな」

 

「にゃハハハ、オレっちも有名になったもんだナ」

アルゴは笑いながら話す。

 

「…なんで笑ってられるんだ。デスゲームだぞ…」

力ない声で俺が言う。

そうなぜアルゴはこんな状況下で笑えるのか。

 

「んー…まあいいんじゃないカ、デスゲームでも。」

 

「…は?なんでだよ本当に死ぬんだぞ!?」

 

「そーだなー、オレっちはこんな世界で死ねるなら本望カナ?そりゃ死にたくないけどナ」

 

「…本望か…」

確かにそうかもしれない。

現実でしみったれた暮らしをして死ぬより…この世界で化け物と戦って力尽きるならいいかもしれない。

だが…

「たしかにそうかもな、だけど、足が、腕が動かねえんだ…さっきフィールドに出てさっきと同じようにイノシシ共を狩ってやろうとおもった。だけど…足がすくんだ。普通ならよけられるイノシシの突進すら怖くて足が竦んで、動けなかった。ここまで必死に逃げてきた…」

 

 

「ふーん…案外臆病なんだナ。じゃあいい提案があるゾ」

 

アルゴが提案したのは、俺のモンスター恐怖症を荒療治で治すためにしばらく一緒に戦ってくれるというのだ。

 

「βテスターは貴重な戦力だからナ、それにオレっちはお前が気に入った、」

気に入った云々はわからんが

とりあえず、戦えるようにしてくれるのはありがたい。

宿代くらいは稼げるようにならないとまずいからだ。

 

「あぁ…じゃあよろしくたのむ…アルゴ…」

 

「よろしくナ、スー坊」

 

「スー坊?なんだそれ」

 

「あだ名だよあだ名」

 

-------------フィールド はじまりの平野

 

「くっ…!うわっ!」

 

「もー情けないナ」

 

俺が必死の思いでよけたフレンジーボアをアルゴが一発で片付ける。

 

「おいおい、ほんとに臆病だナ。フレンジーボアの攻撃じゃHPなんてろくに減らないゾ」

 

「こ、怖いんだよっ」

剣を杖代わりに立ち上がりリポップした青イノシシを再びターゲット。

 

「こんどこそ…!」

剣を構え、ソードスキルを立ち上げようとするが

迫り来るイノシシにびびりまたもやソードスキルをファンブル。

体がスタンする。

 

「ったくーしょうがないナ」

 

またしてもアルゴが片付ける。

 

「くそ…くそ…!」

悔しさとか怖さとか

いろんなものが混ざり合って涙がでてきた。

 

「…大丈夫だヨ、スー坊。ちゃんと直るから…それまで頑張れヨ。」

アルゴが優しく俺の背中をさすってくれる。

 

「…迷惑かけてばっかだな…すまない…」

いつまでも甘えてはいられない…強くなりたい…。

 

時間は夕暮れ、出てくるモンスターも凶暴なものになってくる時間だ。

 

もう帰ろうかと

アルゴが俺の手を引っ張ったそのとき

背後で狼の遠吠えがした。

 

振り向くとそこには一匹のウルフがいた

ウルフこそ一匹では対したことのない敵だが

遠吠えを使われると5、6体に増え集団戦法を取られるのだ。

 

5体ともなれば

俺たち二人では厳しい

…いやおれは役に立たない状態でアルゴも戦闘特化型ではない…絶対絶命…

 

そのときアルゴが俺の腕を引っ張って走り出した。

 

「は、はやく逃げるヨ!」

敏捷値の限り走るが、ウルフの方がわずかに速い。

 

遠吠えで呼ばれたウルフも合流しその数6体。

街まではまだかなりある。

追いつかれるのは必至。

 

するとアルゴは急に立ち止まり武器を構えた。

「アルゴ…なにを…?」

 

「スー坊は逃げロ。オレっちが時間を稼ぐ、大丈夫。負けないヨ」

 

…無理に決まってる。

アルゴのレベルは3

対してウルフはレベル2だ

それが6体

レベル3のアルゴでは命が危ない。

そうだ、おれを守ろうとしているのだ。

 

おれは、本当は戦わなきゃいけないのに。

アルゴを見捨てちゃいけないのに。

背を向けてしまった。

そして走りだしてしまったんだ。

恐怖のあまり

自分が死にたくないばっかりに。

 

でも少し離れたところでおれは立ち止まって振り返った。

ウルフは一体減っている。

だがアルゴのHPはイエローゾーンの注意域になっている。

このままじゃアルゴはしんでしまう

俺のせいで。

 

ダメだ。アルゴはおれを助けようとしてくれている。

なのに、おれはなにを怯えている。

モンスターが怖い?

アルゴは戦ってるじゃないか。

死なせない。俺の目の前では。

こんなゲームの世界では…死なせない!!!!

 

「うおおおおお!アルゴォォォ!!!」

俺は剣を抜きアルゴの方へ走り出した。

恐怖心はまだあった。だけどそれよりもアルゴを死なせたくないという気持ちが俺に剣を握らせたんだ。

 

俺はソニックリープでアルゴの前のウルフ二体を串刺しにしてHPを吹き飛ばす。

 

「せああああああ!」

そしてバーチカルでアルゴに飛びかかっていたウルフを空中で叩き斬る。

 

残りの二体を倒すと俺はへたり込んでしまった。

「…あ、アルゴ!大丈夫か!?」

 

 

「大丈夫だヨ、すごかったゾ、スー坊」

ポーションを飲みながらアルゴが言う。

 

「よかった…よかった…アルゴ…」

不意に涙が出てしまった。

 

「オイオイ、泣くなヨ。」

 

「ごめん…怖かった…アルゴが死んだらどうしようって…でも…よかった…」

俺は嗚咽混じりに言った。

 

「にゃはは…ありがとうスー坊。オネーサン、君みたいな子嫌いじゃないヨ。」

そう言い、俺の頭を優しく撫でてくれた。

 

-------------

 

無事助かった俺たちはホルンカの村にいた

 

「じゃあ、直ったからオネーサンの役割はここまでだナ。フレンド登録しとこうカ。またいつか、会おうネ。」

 

そう言いアルゴは俺にフレンド申請をしてくる。

もちろんOKし、

「あぁ、本当にありがとう。俺、この層のボス戦に参加しようと思う。アルゴの期待に添えるようにな」

 

「期待してるヨ、じゃあこれはサービスだ、これはガイドブック、βの情報が書かれてる。参考にするといい。あとこの村ではクエスト報酬にいい片手剣が手に入るカラ。まあ知ってるだろうけどネ。」

 

「あぁ、まあ一応な、でもありがとう。また、いつか。」

 

「あぁ、いつかナ。」

 

アルゴは背を向け夜のとばりに溶けていった。

 

 

《Rouse of scarlet》 終





はい、第二話。
アルゴのキャラがいまいちわかんないんですよねー
少ししかでてないしなー…
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