~陰実世界に転生したらアレクシア王女だった件~(改稿中) 作:アクト(act)
五話
私は知らなかった、てか平成令和時代の常識でこの世界でも生きていたから考える事すらしなかった。
自由に生きろと言われてた時代の子供が転生して、進路を決められていたら?まあそれでも頑張る人間の常識は簡単に変わる物なのだ。
てかそもそも、俺は国を継ぐとか考えてなった。
...ただ聖教を燃やすしか考えてなかった俺は、王侯貴族としての教育というものを知らなかったし想像もしてなかった。
ただ産業革命を起こして阿呆みたいな量の金貨を稼いだから死ぬまで食いっぱぐれないな!!としか将来を考えてなかったのである...
でも現実を知ってしまった俺は頑張りましたよ...
音楽とか文学は嗜みましたよ、5歳児として相応の御伽噺とかお歌は簡単にできますよ?でも小学生中学生相当の部分となると駄目駄目でした。
俺はこの世界の音楽の良さが分からぬ、雰囲気で楽しいモノという事は分かるし嫌いでもない。
だが何でもかんでも順序立てしたい病魔が巣食っている俺には、未発達で発展途上である音楽が...例えるなら解が1ズレた九九を聞かされている気分なのである。
前世で聞いた音楽は好きだ、モーツァルトベートーベンその他諸々大好きだ。
だがこの異世界で彼らがの様な人間は生まれてきていないのだ、何度も言うがこの世界の音楽は...耳の肥えた俺には解が1ズレた九九を聞かされてる気分なのである。
1×1=2
1×2=3
〜〜
9×8=73
9×9=82
こんな感じである、だから頑張ってこの時代の音楽を矯正しようとした。
でも学校でもリコーダーを吹いたフリをしていた、合唱会でも口パクをして成績表に堂々の1を刻んでいた俺にはどうしようもなかった。
聡明なアレクシア殿下の事だ、音楽や文学方面でも良い影響を与えられる...俺はと期待されていた。
...だが現実は音楽と文学を嗜み始めてから色々と拗れた子供である、ミドガルの怪人はソッチ方面ではただの子供なのです。
だからこの世界でもメトロノームを作り4分の何拍子という概念を作り出した...
そしたら何故か教育係が拗らせて色々とねじ込もうとする、そして俺はこの世界の頭おかしい楽譜という数学式に押し潰されて半ノイローゼになった。
文学では理解できない概念を教え込まれた、宗教色の濃い詩にゲシュタルトを破壊された。
...教育係が拗らせて色々とねじ込もうとする、そして超理系の俺とって分子1つ分子1つにブラックホールのある科学式の様なモノである詩の圧に押し潰されて4分の3ノイローゼになった。
そしてトドメは茶会と社交会と舞踏会である、そもそも俺は自分を魅せるのがヘタクソである。
座ったら常に貧乏揺すりをするし脳内に余裕ができたら簡単な図解を作り出し、その脳内での図面に沿って指が勝手に動き出すのである。
まだそれならいい、ただの子供だから...だが俺は度を越していたらしくて俺は一ヶ月程で出禁となった。
手癖足癖が悪すぎる為お茶会に呼ばれる事はなくなり、前世の日本の女性に優しくしなさいという教育方針からの結果が出てたか知らんが...貴族のご令嬢を惚れさせまくる事態を起こしてこれまた手癖足癖関係なく出禁となった。
お兄さんムーブと王子様ムーブはモテるのに最高の手段である、俺はそう学んだ...16分の15ノイローゼになった。
ならダンスだ!!と陛下と姉上、でも俺のダンス下手要素と歌の音痴さがご令嬢にとってのギャップとなり...結果ご令嬢を垂らしまくる俺とその周りは歌もダンスもする機会がなくなった。
俺は史上最悪の音痴であり、身体で魅せるのがヘタクソである...そんな俺がダンスをしないで済む方法を見つけたらそこに意地でもしがみつく。
結果、ダンスをしない俺はダンス会場から出禁となった。
64分の63ノイローゼになった...
技術者や学者にはミドガルの怪人と呼ばれる事になり、ご令嬢からはミドガルの王子様と呼ばれるのがこの私ミドガル王国第二王女アレクシア・ミドガルです。
この狭く話題に飢えている王侯貴族ネットワークでこんな奇天烈な人間が玩具にされない訳がない、行く先々で所以を聞かれたのはまだ良かった。
でも誰が書いたのか分からない、男装の王女様という小説が貴族の令嬢の間で流行った事を知り...俺は128分の127ノイローゼになった。
こんな俺でも褒められた事があった、食事会である。
食事の時だけは貧乏揺すりもしないし手癖も一切なかったらしい、その為俺が堕としてきた御令嬢の親にも食事の所作だけ美しいと褒められた。
常識外れであり云々かんぬんって酷評された後に、手放しで褒められた...256分の255ノイローゼになった。
「令嬢のオペラ座の王子様に...音楽家のロマン派に巣食う魔人(古典派)に...学者のミドガル王都に巣食う怪人に...聖職者の魔人(貴族)を誑かす悪魔憑き(学者)って...」
「アレクシア...どうしたら社交界に出るだけでそんな沢山の二つ名が生まれるんだ?」
「私が知る訳ないじゃないですか...」
自分の頭を掻き毟る、フケがパラパラと落ちる...普通に臭いから体を洗いたいけど城に入り浸ってる御令嬢が怖くて外に出たくない。
当然である、どんな嫌がらせ行為でもスラッ...と流す俺の専属メイドは俺の窶れた姿を見て体調を崩した。
...世話係が居なくなった為、陛下の世話係が並行して私の世話を始めた。
でも全員ダウンした、元母様の世話係も送り込んだが令嬢から送られてくる怪文書や聖教の嫌がらせに全員ダウンした。
「...教育係曰くもう教える事はないらしいからな、翌日から市井に混じり自らの想像力を養うといい。」
翌日、彼はスキップしながら城の外へ向かった。
あえて言おう、教育は成功したのである。
...常識含むその他諸々は叩き込む事に成功した、手癖足癖の悪さも一応解決できた。
後世ミドガル姓のお爺さんが言った...
アレクシア・ミドガルは世界一優秀で世界一食事の所作は淑やかであった、そう遠い目をしながら言ったらしい。