推しの子〜ラピスラズリ〜   作:巫碧

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開いていただきありがとうございます。

前回誤字報告してくださった方ありがとうございました。

誤字報告の中にあからさまに言葉を変えている箇所があったので、書いてるのに聞いてみたところ、あまりにも原作のセリフばかりなのはダメらしいので、似た意味合いの言葉に態と変えたりしているそうです。

今後そう言う箇所は確認の上修正しない場合もある事をご理解下さい。



第六話 成長

 

ストーカーに襲われた事件から2年後、私たちは小学校に入学した。

入学式には相変わらず変装したアイも来ている。

ここでは蘭さんもいると目立つため車で待機しており、代わりにミヤコさんが付き添っているが、ミヤコさんも美人だから意外と目立ってた。

 

小学校生活の間は少し役者の仕事の方は減らしてもらい、学校生活に集中できた。

 

正直、中身が大人の私やアクア、それに10代半ばくらいだろうルビーはこの6年間がある意味1番きつい時期だろう…と思っていたのだが…

 

他の子供に混じって駆け回るルビーの姿があった。

前にお遊戯会で踊りの時ルビーだけ拒絶反応があったが、もしかして前世ではずっと体が弱かったとか…?

まあ見た目の年相応で可愛かった。

 

 

小学一年生 運動会

 

ルビーが借り物競走で引いた札が家族だった時のこと

係の先生がそれぞれの札を読み上げていたが、私は次の競技の準備中でアクアは前のレースで転んだ子の手当てを手伝っており近くにいなかった。

そんな時、なんと変装(帽子にグラサン)したアイが参戦してきたのだった。

遠くからルビー大丈夫かな?って思ってみていた私も、札を見たままその場で立ち止まっているルビーを見たアクアも吹いた。

無論ルビーも口をあんぐりと開けていたが途端に笑顔になり2人でゴールへと一直線に走った。 その途中に帽子が脱げるのもお構いなしで。

 

もちろんアイだってバレたが

 

「同じ事務所に所属してるし、私がストーカー被害にあってた時この子達の家に避難してたこともあったからさぁ〜」

「同じ釜のメシを食べたら実質家族!」

 

と言って事なきを得た。

ルビーはとても嬉しそうにしており、満面の笑みを浮かべていた。

 

その後のアイはバレちゃったらしょうがない、と開き直って応援してくれた。

私達白組は無事紅組に勝利を収める事ができた。

 

途中どこから聞きつけたのか雑誌の取材が来ていたが、私達兄妹がストーカーからアイを守ろう!と言って他の子達と一緒にアイを囲んだため取材できずに終わっていた。

 

ガチのストーカーと勘違いした一部の保護者の通報で警察までやってきて不法侵入で連れて行かれていたのはちょっとだけ悪いと思ったが、みんなでアイを守ったぞー!って感じで盛り上がり、最後にみんなで記念撮影もした。

 

 

そして四年生の時、同じクラスの男子から告白された。 

最近の小学生はませてるわね…

申し訳ないけど付き合えないと断ろうとした時に、アクアとルビーがやって来て絶対付き合ったりしないと鬼の形相で詰め寄ったため相手の子はそのまま逃げてしまった。

後日しっかりと伝えたら、オマエの弟達怖いと言われた。

 

あの一件以降、アクアとルビーは無駄に過保護になってしまった…私おねぇちゃんなのに!

 

告白された日、家に帰ってからアクアとルビーがアイと蘭さんに今日のことを話し、2人は苦笑いを浮かべていたが、ラピスはどんな子となら付き合うの?と聞かれ、アクアよりカッコよくて優しい人と言ったらアクアは赤面していた。

 

ルビーは難しい顔をしていたが、まあお兄ちゃんならいいか…と言っていた。

 

翌日学校でルビーがその事を話してから告白されることは減っていった。

 

 

アイは私たちが四年生に上がる頃にアイドルを引退して、今は女優業に勤しんでいる。

伝説のアイドルの引退ライブは再びドームで行い、大盛況だった。

 

 

小学六年生 卒業式

 

意外と楽しかった6年間も今日で卒業式を迎えた。

式にはアイも来てくれて、学校側で枠を取り卒業ソングと応援ソングを歌ってくれた。

 

式が終わった後、学校のイベントのたびにちょくちょく顔を出していたため、みんなと仲良く写真を撮っていた。

スケベで有名な体育教師がツーショットを申し込んできた時は同じクラスの大柄な男子(神崎愛斗くん)に女装させよう!そしたらある意味あいちゃん!とみんなで悪ノリして一緒に撮らせた。

この頃になるとアイもグラマラスな体つきになっていて、アイのことをいやらしい目で見ていたのでいい気味だ。

その代わりに私と愛斗くんでツーショットを撮ることになったが、小3の頃から仲が良かったので普通に撮った。

周りからは揶揄われたが、愛斗くんも喜んでくれたし、いい思い出だ。

 

ちなみに、愛斗くんは身長170センチ 黒目黒髪の細マッチョのイケメンだ。

 

翌年、件の体育教師が盗撮で捕まった。

 

 

中学生になる頃には、みんな少しずつ体が成長してきた。

 

私はアイがスカウトされた頃とそっくりになり、若干目つき鋭いクール系のアイ、とアクアとルビーは評していた。

 

 

中学一年生 部活

 

私達も中学一年生だ。

部活動を決める時は勧誘が激しく、特に野球部とサッカー部の先輩がマネージャーとして入るようしつこく言ってきたが、アクアの意外と迫力のある一睨みと愛斗くんの鉄壁の守護に気圧されて帰っていった。

 

ルビーはすぐにダンス部に入ると決めていたが、私は何をするか迷っていた。

しかし、アクアから演劇部に誘われて入ることにした。

何を迷っていたかって?

演劇部も良かったけど、仕事と同じようなことをするのは少し躊躇いがあったのだ。

しかし、入ってみると仕事とは違う感じで伸び伸びとやることができたので楽しかった。

 

 

中学一年生 2月 バレンタイン

 

小学校はイベント時もお菓子禁止だったが、中学校はその辺が緩く、皆んなチョコを持ってきていた。

 

私もクラスメートや部活の仲間に配るため持ってきていたのだが、例の如くサッカー部や野球部の連中がクラスに押しかけてきて困っていた時、空手部に入っていた同じクラスの愛斗くん(175センチ)が前に立ちはだかって守ってくれた。

取り敢えず愛斗君にはチョコ(友チョコ豪華版)をそいつらの前で渡しておいた。

愛斗くんには空気読め、とおでこを小突かれたが喜んでくれた様で良かった。

 

その後、同じ苗字だったためクラスが分かれていたアクアとルビーがどういうこと!?って話を聞きにきたが、愛斗くんがよく守ってくれてる事を話すと納得していた。

っていうかルビー、やるじゃないなんて言いながら愛斗くんの背中をバシバシ叩くのやめなさい。

 

アクアは無言で愛斗くんにサムズアップしていた。

 

 

 

中学二年生 春

 

私は初めてドラマ(2時間枠)でヒロインを務めることになった。

原作者の他のマンガが映画化して反響を呼んだため、短編ながらもファン達からの評価の高い作品をドラマ化する事になったそうだ。

内容は田舎の港町が舞台で、病気で入院している女の子と怪我で入院してきた男の子が出会うところから始まる青春ラブストーリーだ。

 

人気のマンガが原作で注目度も高く、主題歌はなんとアイの新曲のラブソングで、監督は顔見知りの五反田監督だった。

 

そして撮影初日、元気よく挨拶しながらスタジオに入っていくと、何故か皆んなが大慌て…

話を聞くと、どうやら主演の男の子が寝坊して信号無視した挙句事故に遭い、大怪我をして本当に入院してしまったらしい。 リハビリ含め全治4〜5ヶ月

 

oh...

 

改めて代役を探すことになったが、見た目高校生くらいで爽やかスポーティ男子、背が高め… なかなか見つからず、当てはまる役者さんもみんな他の撮影でダメだった。

 

取り敢えずその日から3日間は主演の映らないシーンの撮影をしていたが、新人で代役が見つかったと連絡が入った。

今日はその顔合わせの日だが…何故か愛斗くんと、後ろでほくそ笑んでいるアクアとルビーがいた。

 

どうやらアクアとルビーが一回だけでも!と勧誘して一時的に苺プロに入り、今回急遽主演をやることになったのだ。

 

監督達も最初は難色を示していたが、学校の演劇部で時々足りない役をやってくれていて、その映像を見てGOサインを出したらしい。

 

確かに素人にしてはとても上手く、目を惹くものがあった。

 

ただ一つだけ問題があったとすれば、予定していた役者が170センチだったため衣装が合わず調整に時間が掛かったことだ。

 

最初は愛斗くんも緊張のためかぎこちない演技もあったが、撮影が進むにつれぎごちなさは無くなり、時にはアドリブを入れて来る事もあった。

 

内容が医療の面もあり、所々アクアがそこはおかしいと意見を出していて、いつのまにかドクター、とか先生って呼ばれていた。

 

 

そしてドラマの最後の撮影  …以下あらすじ

 

この町には高台があり、海と朝日が見える絶景スポットがあるそうだが、都内から来ていたヒロインの病室は西側病棟で海を見ることすら殆ど出来なかった。

 

そこで病院で仲良くなった男の子から、いつか退院したらその高台で一緒に朝日を見ようと誘われ、いつか行く事を約束した。

 

しかしその翌日一気に体調が悪くなる。

一度は峠を乗り越えたがギリギリの闘病の日々が続く…

ある日、臨床中の新薬が奇跡的に身体に合い病状が回復、完治するに至った。

 

退院したヒロインと約束の海の見える場所で告白し、朝日に照らされながらキスをする。

そんな物語だ。

 

 

撮影は実際に物語のモデルになった港町の海に面した高台だった。

原作の作者さんの数少ない意向で、実際にここで撮ることになった。

今日はアイや蘭さん、アクアとルビーも来ていた。

今日の撮影が上手くいけばクランクアップだが、キスと日の出が同時になるように合わせないといけないシビアな撮影だ。

 

 

漫画の作者 猫又とむ先生もいる。

黒髪パッツンのボブでタレ目の女性だ。

 

 

前世ではキスシーンなんて結構あった事だし

映画の役では大事な所は見えないようになっているが濡れ場の撮影もあった。

今回は実際にはキスはしないので、正直余裕だと思っていたが…

 

何故か凄く緊張していた。

元々仲のいい友達だからだろうか?

確かに彼は顔立ちも良く、とても紳士的で…とても頼もしくて…学校帰りにストーカーから痴漢を受けた時も助けてくれた…

 

…アレ? ヤバイ… なんだか顔が熱い…

 

 

さて、問題のキスシーン…

 

愛斗くんが私を抱きしめながら告白する最後のシーンが始まる。

 

愛斗くんに抱きしめられた…

まただ…顔が熱い…絶対赤くなってる…

「君が好きだ、この先もずっと君と一緒にいたい」

胸が弾む…それと同時に温かな気持ちが広がっていく…

「うれしい…私も好き、大好き…!」

そして愛斗くんが顔を近づけて来る…

後数センチ…高鳴る胸…急に吹き付ける強い海風…私たちの間から昇る朝日…

 

次の瞬間、突風に押されて一歩近づいた愛斗くんと私の唇が重なっていた。

 

風が止み…口を離す私たち…

 

私は愛斗くんから目が離せなかった。

 

愛斗くんも同じくジッと私を見て来る。

 

自然と、再びお互いの距離が0になった…

 

それから一拍置いて「カァット!」という声が聞こえ、家族やスタッフ達の歓声が聞こえる

 

我に返って周りを見ると皆んなニヤニヤしてこちらを見ていた。

恥ずかしくなった私は愛斗くんの胸に顔を埋めた。

 

 あのキスは本来一回で、本当にキスする事は無かったのだが、監督達や猫又とむ先生がこれで行こう!と決めてしまいクランクアップとなった。

 

ドラマは大成功を収めた…のだが、最後のキスシーンを見たファンを始め世間がとても演技には見えないとか、原作ファン曰く、最後のメス顔をしっかりと出来ていたが、アレは演技じゃない!と変な感じでお祝いムードになってしまった。

 

 

私は愛斗くんと付き合い始めた。

あの後、愛斗くんかからドラマの最後の言葉は本心であることを伝えられ、改めて告白を受けた。

 

私のファンの何割かと世間の一部も当初は怒っていたが、ドラマが放送された後の記者会見で話した馴れ初めやクラスメイトへのインタビューが追い風になった。

 曰く、愛斗くんは前から私のことが好きだったのを隠して、私が来れない日のノートを2冊分取ったり、何かあった時には守っていた事、他にも知らない所でフォローしてくれていたようだ。

 

更に漫画の作者、猫又とむ先生曰く

「実は、神崎さんの台本だけ最後のセリフのところに本当の気持ちを伝えて下さいって書いてあったんですよ。」

「ラピスさんの弟のアクアくん曰く、ラピスさんが気がついていないだけでどう見ても両想いだと聞いて、監督とか交えて相談した結果、感情が乗った方が絶対良くなると結論が出たわけです!」

「途中の撮影中も初々しくて良かったんですが…いやぁ〜最後は良かった。 絵だけだと表現にも限界がありますからね…最高にいいシーンでした。 一回離れてから確かめる様に2回目のキス… 私公認の原作超えです!」

「それよりも! 恋心を隠し日常生活を影から支えて、仕舞いには同じ世界に足を踏み入れそこで漸く思いを告げる! これだけで一本できますねぇ!」

 

否定的だった人達の意見も一変した。

特に男性ファンからはハナから勝ち目がない…だと…!? とか、幸せならOKです!とかの声が多く上がった。

 

私と愛斗くんの関係はまるで物語の様だと業界の大御所達にも意外と受けが良かった。

 

 

社長やミヤコさん、家族と愛斗くんを交えて話したが、まだ中学生だからせめて自分で責任が取れる年齢になるまではハメを外す事なく健全に付き合えば世間も味方してるし構わないとのことだった。

アイは1人だけならない口笛を吹きながら目を逸らしていたが…

 

愛斗くんにはアイの事も話したが、やっぱりそうだったのか…って言っていた。

どうやら年月が経つ程に私がアイに似ていく事や、余りに距離が近かった事でそうなんじゃないかと考えていたようだ。

 

後日聞いた話で、社長と一対一で話をしたが、まるで厳しい祖父の様だったことと、あの子を任せると言われたそうだ。

 

 

中学二年生 秋 修学旅行 京都

 

修学旅行の間は仕事を休むことができた。 

と言っても一泊二日の日程だし、前から仕事を入れていなかっただけなのだが…

 

班分けは愛斗くんと一緒になる事が出来たが、結局アクアとルビーのグループと共に回ることになった。

 

1日目は金閣など定番の観光地を巡った。

どこもシーズンという事で人で溢れておりドラマを見たファン達に囲まれたりしたが、愛斗くんやアクア、時には私より小柄なルビーや自称見守り隊の班員達が総出で守ってくれた。 …アレ? 私お姉ちゃんだよね?

 

その夜、泊まった場所は川が近くを流れてる旅館だった。

 

夕食後、愛斗くんと川の近くで涼んでいると愛斗くんが切り出して来た。。

「ラピスって七咲咲耶の生まれ変わりだったりする?」と…

なんでも、私が小学生には思えない程大人びていた事や親の影響で見ていた映画に映っていた七咲咲耶を見て、何故か既視感を覚えた事、既に彼女が死んでいる事から、まさかとは思いつつも聞いてみたらしい。

 

この際だから私のことだけ正直に話した。

前世を含めて初めて好きになった人に嘘をつきたくはなかったから…

 

愛斗くんは黙って聞いていてくれたが、私が話終えると抱きしめて…

「話してくれてありがとう。 ずっと大切にする。」と言ってくれた。

 

ひとしきり泣いた後、愛斗くんから私に本つげ櫛をプレゼントしてくれた。

 

 

尚、話している所に出くわしたアクアがルビーや見守り隊と協力して、声が聞こえない位置で規制線を張ってくれていたそうだ。

 

 

2日目は昼くらいまで自由時間の後、帰りの新幹線に乗るため集合となった。

帰りの新幹線では愛斗くんに寄りかかって爆睡してしまった。

後にルビーから眠った私と私を見て微笑んでる愛斗くんのツーショットが送られてきた。

 

 

 

一気に時は飛び高校入試

 

面接後、アクアとルビーを待っていると向こうからかなちゃん(有馬かな)が歩いてきた。

時々会ってお茶とかしてはいたが、最近忙しく会うのは1年ぶりだ。

 

「かなちゃん久しぶり!」

 

「ラピス! 久しぶりね…御成婚おめでとう!」

 

「ちょっと!? まだ愛斗くんとは結婚してないよ!?」

 

「まだ、なのね… 決まったら1番に連絡しなさいよ?」

 

「かなちゃん… 絶対最初に連絡するね!」

 

「うわぁ〜、こんな真っ直ぐに返されると何も言えないわ…」

 

「かなちゃん!?」

 

そんなことを話しているとアクアとルビーがやってきた。

 

「アレ? 確か…そう! 重曹を舐める天才子役!」

 

「10秒で泣ける天才子役!」

「アンタはホント変わらないわね…」

 

「公認キャラの重曹ちゃんに言われたくないわ〜」

 

「アレはアンタが元凶でしょ!?」

 

そう、かなちゃんはとある会社の重曹商品で公認キャラクターになっているのだ。

 

なんでそうなったかというと、とあるクイズ番組でCMタレント枠にルビーが呼ばれた時、なかなか答えられず、サービス問題として最近の若手について問題が出された。

 

その時にかなちゃんの写真と〇〇の天才子役と穴埋めの問題が出てきて、ルビーは重曹を舐める天才子役!と言ってしまったのだ…

 

それを面白がった視聴者がSNSで拡散し、悪ノリした大手メーカーから公認キャラクターの打診があり、断れるはずも無かった。

 

「アンタがあんな事を言ったせいでこのザマよ!? 詫びくらい入れなさい!」

 

「え〜、仕事だって停滞期だったんでしょ? だったらいいじゃん 新しい仕事も入ってるみたいだし…」

 

「それはそうだけど! アクアもなんか言ってやりなさい!」

 

「重曹って美味しいのか?」

 

「うわ〜ん! 2人がいじめる! ラピスなんとかしてよ〜」

 

「2人とも重曹ちゃんをいじめちゃダメでしょ? 意外と繊細なんだから…」

 

「アンタも!? って、意外って何よ!?」

 

そんなやりとりをしつつ一緒に五反田監督のもとへ向かった。

 

後日3人とも合格通知が届いたのだった。

 

 

中学三年生 卒業式

 

私達も無事卒業式を迎えることができた。

 

卒業式恒例の第二ボタン騒ぎもあったがその日は肌寒く、震えていた私に愛斗くんが学ランをかけてずっと寄り添っていてくれた。

 

アクアは後輩達にせがまれていて、ルビーは卒業生側から渡されそうになり双方めんどくさがって、結局2人は自分のボタン(ルビーはブレザーの1番上)を私に渡して来た。

 

卒業式はアイは仕事でどうしても来られなかったが後日、愛斗くんも自宅に招いてパーティーを開いてくれた。

 

 

 

そして今日、私たちは高校生になる。

行くのは芸能科のある陽東高校という学校だ。

私とルビーは芸能科でアクアは普通科にした。

私もアクアも偏差値が70以上と高く、 少し驚かれたが私は芸能科ということもありまだ納得された。

しかしアクアは普通科だったため面接は先生方が固まっていたそうだ。

ちなみに、選んだ理由は校風に惹かれたと言ったそう…

芸能科があること以外どこにでもある学校でその言い分はきついでしょうに…

何はともあれ3人で合格することができた。

 

アクアが医者を志望でありながらここを選んだ理由は、あの事件の真犯人が芸能界にいる事と、今度は私達も襲撃の恐れがあるためだ。

私たちを守るためにここに来させてしまった事は申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、妹達を守るのは兄の仕事と言われたのは納得出来なかった。

 

…ワタシオネーチャンダヨネ?

 

 

真犯人の存在については蘭さん含む家族と社長、ミヤコさん、後に愛斗くんで共有した。

真犯人と思しき父親の名前もアイが教えてくれた。

 

あの後事件の前にアイが父親と連絡を取り合っていたことを話し、自分のせいで私を傷つけたと話し謝って来たが、そもそも頭がおかしいのは父親なんだからママは悪くないと伝えると泣きながらも抱きしめてくれた。 

それ以降アイは父親とは一切の連絡を断っている。

 

警察に相談する話も出たが、その事を警察に話しても証拠は不十分でこちらが火傷する可能性が高いと意見がまとまった。

 

あの時私を斬った犯人は心が壊れてしまったようで会話すら成り立たず、協力者の話も聞けないまま施設で死んだそうだ。

 

今後の方針としてこちらからは関わらない事、有事の際は1人で動かない事 これらを絶対条件とした。

 

アイは今年で私たちが16歳…自分が子供を産んだ年になることを感慨深そうにしている。

そんなアイは現在女優としてCMからドラマに映画と沢山活躍しており、テレビでアイを見ない日はない程だ。

 

蘭さんも特に結婚とかせずに、変わらずウチにいてくれている。

寧ろもう1人の母の様な感じ、作ってくれるご飯も美味しいし…

今ではアイのマネージャーを兼任している。

 

そうそう、あの事件以降アイと私たち三つ子は護身術を蘭さんに習っている。

最初は私がやる時、アイやアクア、ルビーに自分達が守ると言われてて中々出来ないでいたが、最後は根負けして今では一緒に習っており、あのドラマ以降は愛斗くんも参加している。

 

「ルビー! 初日から遅刻しちゃうよ〜!」

 

「ママ、ちょっと待って! この制服可愛いんだけど複雑で…」

 

「ほら、ルビー こっち向いて?」

 

「あ、ありがとうお姉ちゃん!」

 

ルビーのリボンを結び玄関に行くと蘭さんがお弁当を渡してくれた。

 

「3人とも気をつけて」

 

「ありがとう蘭さん、お母さんも 行ってきます!」

 

「行ってきまーす!」

 

「行ってきます。」

 

 

登校中、周りの目を集めた。

 

アクアはとってもイケメンだし、少し前までは時々ドラマにも出ていた。

ルビーも美少女で時々CM(アイか私との共演のみ)に出ていて、コアなファンがついている。 普段は歌やダンスの練習をしている。

私もドラマや映画にそこそこ出ていて、今度は人気漫画原作の学生が犯罪に巻き込まれるアクション系ドラマの主演めることが決まっている。

ちなみに、アイとだいぶ似てきてしまったため、一応私は前世と同じシニョンにしており、アイは首あたりで一本に纏めている。

 

そりゃ視線を集めるか…っていうかアクア、ルビーもなんで私を挟んでそんなにくっついてくるのよ…ほんと過保護よね…

 

そんなことを考えていると声がかけられた。

 

「おーい! ラピス〜!」

 

「愛斗くん! おはよう!」

 

「おはよう愛斗」

 

「おはよう、お義兄ちゃん!」

 

愛斗くんも私たちと同じ制服を着ている。

実は愛斗くん、苺プロに継続して入っておりあのドラマ以降は私つきのアシスタントマネージャーとして着いてくれている。 まだ他にも知識を身につけたい、と普通科だ。

愛斗くんも偏差値60以上あるんだから他も選べたのにと言ったら、「ずっと一緒って言ったろ?」 と返され、思わず抱きついてしまった。

 

尚、試験日に会わなかったのはサプライズしたかったからアクアとルビーに協力してもらったらしい。

 

「おう、おはよう! 今日もみんな仲良しだな!」

 

「そりゃ〜私たち兄妹の間に土足で入れるのはお義兄ちゃんだけだし?」

 

「おい愛斗、ネクタイ曲がってるぞ?」

 

「あっ サンキュー、ネクタイって少し引っかかるだけですぐ曲がるからな〜」

 

「愛斗くん、こっち向いて?」

 

手早くネクタイを直してあげる。

 

「お? ありがとうな、ラピス」

 

「愛斗くん…」

 

「おいルビー、ブラックコーヒー持ってないか?」

 

「お兄ちゃんこそ、99%カカオとか持ってない?」

 

私達が見つめあっていると後ろからそんなやりとりが聞こえてきた。

私は少し慌ててつくろうが、愛斗くんは落ち着いた様子で

「それなら俺が持ってるぞ? ホレ…」とチョコを差し出した。

 

「「………なんだこの完璧野郎は」」

 

そんなやりとりをしながら学校に向かうのだった。

 

 




お読みいただきありがとうございます。

なんか長い上にぶっ飛んだ内容だと私は思いましたが、オリジナルのキャラをぶっ込んだ上、原作には描かれていない物を描いていたらこうなったそうです。

今日あまねーじゃんってつっこんだら基本ラピス視点で描くから原作まんまではないそうです。

今後もオリジナルキャラに合わせてオリジナル要素をぶっ込む予定らしいので、その辺りご容赦ください。


部活のくだりでサッカー部と野球部についてあの様に書いてあったのはどうかと思いましたが、書き手曰く自分のとこはそういう人が多少なりともいたからその二つにしただけで他意はないそうです。


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