BIOHAZARD RE~狂気の村への潜入~ 作:特殊作戦群
Prologue~その男、自衛官であって自衛官にあらず
ふと思う
人生の転換期とは何処だろうかと・・・・・・・・・・・
俺にとっての転換期は2008年9月30日に起きたラクーン事件だった。アンブレラが流出させた殺人ウィルス[T-ウィルス]によってたった一晩で町の全ての人々が新鮮な人肉を求める生ける屍へと変貌してしまった
その時に俺の信念も共に死んだ。理不尽な現実を突きつけられて
そして俺は悪夢の一晩を[仲間達]と共に生き延びた。国は違えども守るべき、救うべき人々をこの世の地獄と化したあの死の街に置き去りにして
日本に帰国した俺を待っていたのは冷たい世間の目とバッシングだった。とりわけ当時の俺が防衛大生と言う事もアリ反戦団体、反自衛団体、左派系弁護士、等がグルになり俺の事を[殺人罪]で何度も告発されたりと踏んだり蹴ったりだった。
そんな中だった。日本政府の特務機関から[防衛大学校卒業後]の進路についてスカウトを受けたのは、既に自衛隊上層部もその当時から俺を受け入れたがらなかった。何度も裁判沙汰になっている幹部候補生など願い下げだろう。そんな状況下の俺に選択肢など、選択の余地など既に存在しなかった
防衛大学校を卒業し、幹部学校をどうにかこうにか卒業する事の出来た俺を待っていたのは全国の部隊を転々としつつも長く過酷な特殊訓練と過酷な極秘任務の数々だった。
だが俺にとっては望む所でもあった・・・・・・・
思い出すだけでも辛すぎるあの夜を・・・・・・・
そして後悔の数々を・・・・・
ほんの僅かでも忘れられる事が出来るのならば・・・・・・
そして、俺は今度こそ・・・・・救う事が出来るのだろうか・・・・・・
6年後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
神永家
テラス
「・・・・・・・・・・・・・・・」
自宅のテラスから夜景を眺め1人溜息をつく俺、神永優樹に
「夕食出来たよ?」
後ろから俺よりも1歳年上の姉さん女房でもある神永真珠、{旧姓佐伯}が声をかけてくれる。
「ありがとう」
一言言い、ダイニングのテーブルの椅子に座り食事をとる中
「お父さんとお母さんがたまにはかえってきなよってさ」
真珠は言い
「里帰りか、イイんじゃないか?」
「もう、[私達]の実家でしょう?」
真珠は言う。元々養護施設に居た俺を亡き両親の親友だった真珠さんの両親が俺を引き取り面倒を見てくれた。そこで俺は小さい頃以来だった真珠さんや日向そして菖蒲と幼馴染と再会し、ラクーン事件などで色々と辛い時もあったが傍に居てくれた彼女と結婚し本当の意味で家族になった。
「・・・・・・・・・・」
言いずらそうにしてると
「優樹は、ううん優樹だけじゃない。木村も高本も誰も悪くない。裁判でも全て明らかにされたじゃない。全て正当防衛だったって」
まるで心を読むかのように真珠は言い
「ホント、心まで読んでくるのかよ、勘弁してくれ」
「お父さんもお母さんも前に言ったじゃない、アレ程度の事など気にしない、息子の苦しみも分からず騒ぐ輩の言う事など聞こえんって」
「それでもだよ、俺のせいでお義父さんやお義母さんそれに真珠や日向に菖蒲まで迷惑をかけてしまった・・・・・・」
暗い雰囲気になる中
「へぶっ」
顔を両手で抑えられ
「また、[あの時死ねばよかった]って思ってるでしょ。」
妻には何でもお見通しの様だった。
「イイ事、前にも言ったけれどもさそんな自分勝手な事を思わないで」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「優樹も私も互いの事を想いあっていても完全に互いの思考までは分からない、ならさ辛く感じる、不安になる、そんなの当り前じゃない、その傷は互いを家族を想い合う証の傷なんだからさ」
真珠は言い
「{辛く感じるの、傷付くのも当たり前・・・・か}」
頷き
「ゴメン。ネガティブな事を考えて」
「分かってくれればいいよ、旦那様?」
手を離し笑ってくれる・・・・・・が
「♪~~~♪♪~~~~~~♪」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺のプライベート用の電話でなく[仕事用のスマートフォン]が鳴る。真珠も不安そうな顔をしつつも
「でないの?」
言われ
「あ・・ああ」
答え、俺はタップし
「ハイ、[アロー・ホーク1]」
答え
「[アロー・ホーク1]、君を御指名で任務が入った。総理の直々の御指名だ」
「[アロー・ホーク1]了解」
「任務はいつも通りに・・・」
「承知しました」
言い通話を切る。
「ホント、この着信音は好きにはなれそうにない・・・・」
通話を終えたとたんに真珠に唐突に言われ
「辛くない?、あの時から比べればあなたの周囲の評判は手のひら返しかもしれないけれどもいつ辞めてもイイのよ?貴方が苦しんでまで戦う事はないんだからさ?」
真珠は言った。彼女は、妻は世界を股にかけて活躍する画家であり稼ぎもそれは凄い額でもあるが・・・・・
「ハハハハ、妻に稼ぎを依存するヒモ野郎にはなりたくはない・・・・かな。流石に真珠を養う・・・・とまでは言い切れないけれども何かあった時に大切な家族を支える為の稼ぎは欲しいからさ」
苦笑して答えるも
「当時は日本中から叩かれたかもしれないけれども今は違う。世界中に広まったアンブレラの負の遺産に対抗できる日本で数十人しかいないうちの1人だもの。でも貴方に掛かってしまう精神的な負担は相当なモノだって分かるわよ。一番近くで見てるのだから」
言われる。
「確かに俺は良く周りからは[自衛官であって自衛官にあらず]なんて言われるがそこまで気にしていないしそれは俺や高本に木村に加藤も同じだ。」
答える。俺の仕事内容は[幹部自衛官の肩書]と[現役特殊部隊員]の肩書を持ちながらも[調査官]の仕事もこなし関係者からは[ソルジャー&エージェント]と共言われてる日本国内はおろか最小戦闘単位で友好国や要請のあった国に派遣される事もある。当然優先任務内容は[日本国内にウィルス兵器の流入]を防ぐ事が任務である。
「貴方の属する政府直属の組織がハードワークなのも知ってるけれども、組織名までは私も詳しくは知らないかな・・・・・」
「[D.S.S.O.]だ。正式名所[Division Special Security Operations]」
自身の職場の組織名の通称と正式名称を答え
「まぁ、さっきの電話の通りちょっとばかりスペインに[観光旅行]に行ってくるよ。家族旅行ならば俺も嬉しいのだけれどもね」
夫婦の間で決めた[合言葉]が[観光旅行]だ。任務に発つときにそう言うようにと彼女と決めた。
「・・・・・・・・・・・・」
数秒間の間真珠は無言になるも
「分かった。また純華や妹達を呼んでひと騒ぎするわ」
言った。純華先輩は俺達の良き理解者であり、俺がかつて何度も国内左派系の反戦団体、反自衛隊団体、左派系弁護士に告訴された際に何度もその圧倒的な巨額の財産をバックに強力な弁護士団を派遣し助けてくれた恩人でもある。こうして今首が繋がってるのも純華先輩のお陰なのだ。
「純華先輩によろしくお願いします」
「ええ、最高のおもてなしをするわよ当然」
任務前の時間を俺達は過ごすのだった。
次回~捜索・救出指令~を予定しております。