悩ましきOL生活~もしもCNPプリンスが会社員だったら~   作:ふゆきんぐ☆

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2023年4月30日発売 ボイス入りジェネNFT CNPプリンスのファン小説です。
本来のキャラクター設定は学生で生徒会のメンバーなのですが、こちらは大人の女性向けに会社員の設定で二次創作をさせていただいております。

4月29日に行われたメタバライブの様子はこちら↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=SjFllj1L7GU

公式サイトはこちら↓↓
https://cnp-prince.com/

5/31(水)プリンスたちによる『プリンスペース』アーカイブはこちら↓↓
https://twitter.com/cnp_prince/status/1659106555323727874?s=20

6/28(水)『プリンスペース』第二回はこちら↓↓
https://twitter.com/cnp_prince/status/1666405292043796481

登場人物紹介はこちら↓↓↓
画像付き登場人物紹介


HappyEND リー・ハオラン

「うう~~~ん……。」

「き、いちくん、しっかりして……!あ、っぶないってば……!」

 

あの打ち上げの後。皆で二次会に向かうと、覚醒した鬼一君は凄い勢いでお酒を飲み、そして潰れてしまった。

私は日野さんと一緒にお酒を飲んだり、他のメンバーたちと交流を深め、そしてお開きに。

 

もう終電はなく、各々タクシーを拾ったり、家族が迎えに着たりして家路に着いている。

 

「鬼一くん、起きて……!」

 

私は一生懸命鬼一くんを起こすが、なかなか起きてくれない。やっとのことで席から立ってくれたものの、足取りが覚束ず、私は肩を貸しているもののなかなか前に進めずにいた。

酔っぱらっている人ってどうしてこう重いのだろう。

 

「おい、大丈夫か!?鬼一、鬼一起きろ!!」

「うぅ~~ん、ボクもう飲めないよぅ……。」

「ったく、ほら、肩貸せ。いつまで女性に肩を借りてるんだ!」

 

小鳥遊主任が私の方から鬼一くんをヒョイと担ぐと、そのまま半分持ち上げるようにしながらタクシー乗り場まで連れていく。後部座席に何とか押し込もうとしているようだ。

 

「何ぼーっとしてんのよ、ほら、帰るわよ。」

 

どこかに隠れてこちらの様子を伺っていたらしい日野さんが、私の腕を引いた。

 

「日野さん!鬼一くん乗せるの大変そうだから、手伝った方がいいんじゃないですか?」

「え?あ、ホントだ!」

 

日野さんがタクシーに駆け寄っていき、鬼一くんを乗せる主任をサポートしている。

何とか乗せ終わり、日野さんがこちらを向いて手招きしたが、私は一礼して別の方向へと向かった。

 

ずっと主任を好きだった日野さんが、少しでも主任と一緒に過ごせるといいなと思いながら家の方へと歩いていく。とはいえここから家まではとても歩ける距離じゃない。道中のどこかでタクシーを見つけなければ。

 

「あら、ニヤニヤして今度はどこへ行くつもり?」

「!北条さん……!」

 

運の悪い事に、私は三次会に向かおうとしているらしい集団に追いついてしまった。どうやらどこの店に行くかどうかで揉めていたらしい。

 

「ねぇ、あなた三次会行く?」

「え!?いやいや、帰ります。」

「行きましょう?仲を深めましょうよ。」

「え、いや、私、帰りますので……。」

 

なぜかやたらと三次会に連れて行こうとする北条さんに困って辺りをきょろきょろ見回してみる。

すると、他の営業部女子に囲まれているハオランさんを見つけた。

なるほど、人数をとにかく集めてハオランさんも参加させようという魂胆らしい。

けれど、正直本当に帰りたい。私は北条さんに「すみません、帰ります」と手短に告げると、来た道を走って引き返した。そのままバス停の影に一度身を隠し、タクシーが近くに来ていないか道を確認する。

 

すると、タイミングよく「空車」のランプが光るタクシーが走って来るのが見えた。

手を挙げてタクシーを止め、乗り込む。ほっと一息ついて運転手に行先を告げた瞬間、後部座席のドアが開けられ、誰かが乗り込んできた。

 

「え、ちょ、ちょっと……!」

「運転手さん、ごめん、出して!」

「はいよ。」

 

タクシーはそのまま走り出す。隣に滑り込んできたのはハオランさんだった。

 

「えぇ……!?」

「ごめんごめん、助かったよ。君がタクシー停めたのが見えたからさ。走って来たんだ。」

 

とかいう割には息も乱れていないハオランさん。しかしその額にはうっすら汗が光っている。

 

「営業部の皆さんに怒られるの私だと思うんですけど……。」

「だからごめんって。」

「それを謝っていたんですか?」

「いや?違うけど。」

 

相変わらず飄々としているハオランさんに、私は諦めの溜息を吐いた。

 

「おうち、どのあたりですか?」

「会社の近く。」

「あ、じゃぁ私の方が手前なので先に降りてもいいですか?」

「いいよ。」

「では運転手さん、プリンススクエア駅にお願いします。」

 

私はタクシーの車窓から外をボーッと眺めていた。街の灯りがビュンビュンと通り過ぎていく。何となく、夜の街の、明るいけれどどこかアンニュイな雰囲気が好きだ。

 

やがて、タクシーは静かに目的地へと到着した。

 

「えっと、運転手さん、今の金額って……?」

「いいから。何、ここまでの半分出そうとしてるとかそういう感じ?」

「え、あ、はい。そうですけど。」

「で、この駅から家までどこくらいなの?」

「近いです。徒歩5分くらい。」

「へえ。いいとこ住んでんだね。運転手さん、会計、カードで。」

 

ハオランさんはさっさとお会計を済ませると、タクシーから降りてしまった。

 

「え、あの。お家、会社の方なんですよね?流石にここからだと遠いですよ?」

「はぁ?何言ってんの。ほら、行くよ。家どこ。」

「え、ちょっと、まさか送ってくださるつもりですか!?タクシーまた拾ったらまたお金……!」

「うわぁ、ケチくさ。いいから早く。家どこなの。」

 

いつもニコニコして愛想のいいハオランさんはどこへやら。あまりにつっけんどんな態度に、私もつい悪態をつきたくなってしまう。

 

「別に送ってくださいなんてお願いしてないんですけど。」

「あのさ、こんな夜中に女の子一人で帰すような男だと思う?」

「知りませんよ。今まで家まで送ってもらったことなんてないですもん。」

「……は?」

 

ハオランさんがあまりにポカンとした顔をするので、私は思わず吹き出してしまった。

 

「なんて顔してるんですか。」

「いや、だって、え?飲み会行ったことないの?」

「飲み会くらいありますよ。」

「彼氏いたことないの?」

「失礼な。一応いたことあります。結構前ですけど。」

「なのに家まで送ってもらったことないの?」

「ないですね。フツーにタクシーで帰ってました。お金かかるので、普段は電車がまだある時間までしか飲まないんですけど、今回はプロジェクトが無事に終わって嬉しくて、ついつい長居しちゃったので。」

 

それからしばらく、ハオランさんは黙ったままだった。最初はその奇妙な沈黙が気持ち悪かったけれど、だんだん「まぁいいか」という気持ちになってくる。

 

ただ、黙って肩を並べて、夜更けの街を歩くだけ。それだけなのに、何だか妙にくすぐったくて、安心感があって、そして、ドキドキした。

 

「あの……家ここなので。えっと、送ってくださってありがとうございました。」

「コンビニ。」

「え?」

「ここから一番近いコンビニまでどのくらい?」

「さっきの駅まで戻らないとないですね。」

「……ごめん、トイレ借りてもいい?」

 

ものすごくもじもじしながらそんなことを言い出したので、私は思わず笑ってしまった。

 

「さっきから全然喋らないと思ったら、トイレ我慢してたんですか!?掃除も片づけも大して出来てないですけど、どうぞ。」

 

私は笑いながら玄関のドアを開ける。トイレの場所を教えると、彼は「ごめん、ありがとう!」と言いながら靴もそろえずに用を足しに行った。

 

恐らく二次会が終わってから、ずっと北条さんたちに拘束されていたのだろう。私は部屋の中を簡単に片づけると、お湯を沸かしてお茶を淹れた。

 

「ありがとう、助かった。こんな夜中にお邪魔してごめん。」

「いえいえ、どういたしまして。」

「じゃぁ、おやすみ。」

「あ、お茶淹れたんですけど。良かったら一杯飲んでいきませんか?」

「……キミさ、男を誘い慣れてたりする?」

「……何を言ってるんですか?」

「だよね。わかった、ありがとう。じゃ、一杯だけ。」

 

ハオランさんは宣言通り、その一杯を飲み終わるとすぐに立ち上がって玄関へ向かった。

 

「じゃ、ほんとありがとう。お茶ご馳走様。」

「いえいえ、わざわざ送ってくださってありがとうございました。」

「……ホントきみはブレないよね。」

「え?」

 

よく聞き取れなかったので聞き返したのだが、なかなか返事が返ってこない。

 

「……あのさ。」

「はい。」

「明日、休みだよね。」

「はい、休みです。」

「予定は?」

「別にありませんけど……。」

「じゃ、明日、10時に迎えに来るから。」

「……はい?」

「明日!10時!迎えに来るから。……ちょっと、付き合って。お願い。」

「……分かりました。」

 

よくわからないが、明日は特に予定もない。何があるのか知らないが、なんだが必死に見えて、私はついOKを出してしまっていた。

それを聞いた彼が、思わずといった様子で破顔する。その笑顔の威力たるや。ここに北条さんたちが居たら叫ぶこと間違いなしだろう。

 

「じゃぁおやすみ」と言って、そのまま彼は帰っていった。

 

そして、翌日。

 

本当に午前10時ぴったりにチャイムが鳴る。

私は一応ちょっとだけいつもより着飾って、玄関のドアを開けた。

 

「おはよ。」

「おはよう、ございます。」

「朝ごはん、食べた?」

「はい、食べました。」

「そっか。じゃぁカフェでも行こうか。あ、天気いいからテイクアウトがいいかな。」

 

そう言いながら、ハオランさんは歩き出す。私は訳も分からないまま家の鍵を閉めると、後を追った。

 

しばらく歩いて、電車に乗って、案内された先は公園に併設された眺めの良いカフェだった。

そこで、コーヒーをテイクアウトして、公園の敷地内へ入る。

川沿いの公園は風が吹き抜け、晴天も相まってとても綺麗だった。

 

「あ、ベンチ空いてる。」

 

二つコーヒーを持ったハオランさんは、ベンチに腰を下ろすと、こちらにコーヒーを差し出してきた。

 

「はい。」

「あ、ありがとうございます。」

「ベンチ、座れる?ハンカチ敷こうか?」

「いえ、大丈夫です。失礼します。」

 

とても手慣れたエスコートに、思わずドギマギしてしまう。

とりあえずベンチに腰を下ろして、コーヒーを啜った。

 

良い香りが鼻に抜けていく。川のせせらぎ、鳥の声、風の音。日常的な風景のはずなのに、非日常を感じるのが不思議だ。

 

「……こういうエスコートも、されたこと、ない?」

「……ないですねぇ。」

「キミさ、もっと大事にされるべきだよ。」

「うーん……どうなんでしょう。別に蔑ろにされてきたわけじゃないんですけどね。」

「さっきだってコーヒー代割り勘しようとするしさ。」

「いや、だから普通ですって。なんでなんでもかんでも奢ってもらわなきゃいけないんですか。」

「ぶふっ……あのさ、普通奢ってくれないって怒るものなんじゃないの?女の子ってさ。」

「はぁ!?自分の飲み物くらい自分で買えます。」

 

まるで奢ってもらうことを当たり前とするのが普通だと言われている気がして、私は思わずムッとしてしまった。

私は「私」という一個人として自立した存在だ。自分のコーヒーくらい、自分で買える。

 

「はぁ、ほんとキミは、オレの知ってる女の子達と違うなぁ。」

「まるでどんな女の子のことでも知ってるみたいな口ぶりですね。」

「すぐそうやって揚げ足撮ったり憎まれ口叩いたりしてさ。可愛くないなぁ。」

「……知ってます。」

「ちょっと!今のは怒るところで傷つくところじゃないって!ごめん、俺の言い方が悪かった……!」

 

慌てて謝るハオランさんが、なんだか可愛い。どうしてこの人はすぐに動揺して、慌てて、こちらの顔色を伺うのだろう。

 

「ハオランさん、もしかして、私の事好きなんですか?」

「……は?」

「あ、いえ、違ったらすみません。なんかやたらと気を遣って下さるので、割と好かれているのかな、って。」

「なんだ、そういう意味か、焦った……。はぁ、ってかなんなのキミ、実は小悪魔系とかそういうやつ?」

「ちょっと何言ってるかわかんないです。」

「もおおおおおおおお!!!」

 

ハオランさんは急に立ち上がると、私の目の前に来てしゃがみこみ、下から顔を覗き込んできた。思わず後ずさりそうになるが、ベンチの背もたれが邪魔で後ろに下がれない。

 

「あのさ、俺、キミのこと好きみたい。」

「はぇっ!?」

 

思わず変な声が出た。

 

「素直じゃなくて、意地っ張りで、仕事に一生懸命で、エスコートされ慣れて無くて。そのくせすごい人に気ぃ遣うよね?そういうとこ。好き。」

「ちょ、ちょっと、待ってください。急すぎません?っていうか、冗談にしてはきつくないですか……?」

「はー、なるほど。冗談、ね。冗談だと思う?俺、結構本気なんだけど。」

 

真剣な顔をして上目遣いでこちらをじっと見てくるのを本当に今すぐやめてほしい。顔が真っ赤になっていくのが分かる。暑い。とにかく暑い。

彼はなぜか勝ち誇ったようにニヤリと笑った。

 

「それだけ顔真っ赤にしておいて、NOはないよね。」

「な、な、な、なしです!そんな、無理です!急すぎて話についていけません!!」

「大丈夫、俺が君を好きになって、キミも俺の事嫌いじゃないよね?今日から恋人同士。仲良くしよ。」

 

そのまま頬にちゅっ、とキスをされた。

 

「ははははは、顔真っ赤!」

「だ、誰のせいだと思ってるんですか!?なしです!無理です!付き合えません!!」

「そんなこと言わないでよ。可愛くないなぁ。」

「可愛くないんですって!!いいの、可愛いなんて言われたことないんだから!!」

「え、何言ってんの。簡単じゃん。」

「何が!?」

「俺の事、好きって言ってくれたら可愛いってことだよ。」

 

女の子よりもよほどかわいい顔をして、そんなことを言ってくるこの人が本当に憎たらしい。だけど、さっきからずっと、私の心臓は高鳴りっぱなしで。

ずっとしてやられているのが悔しくて、私は意を決してハオランさんの顔を両手でガシッと掴むと、耳元に口を寄せて囁いた。

 

「私も、ホントはすきです。」

 

それからハオランさんの顔が見たこともない程真っ赤に染まり、しばらく私に盛大に馬鹿にされる事になる。

 

私たちの憎まれ口のたたき合いは、それから日が暮れるまで続いた。

お互いの頬が赤いのは、きっと、あの美しい夕日のせいだと言いながら。

 

~fin.~

 




お読みいただきありがとうございました!
ハオランは誰にでもニコニコ愛想よくできる分、きっと周りにはちやほやされ慣れている女子が多いのではないかと想像して、ヒロインにはちょっとツンとしてもらいました。
いかがでしたでしょうか??
次回はついに最後の一人、独歩様のエンドです!引き続きお付き合いの程よろしくお願いいたします!
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