悩ましきOL生活~もしもCNPプリンスが会社員だったら~ 作:ふゆきんぐ☆
本来のキャラクター設定は学生で生徒会のメンバーなのですが、こちらは大人の女性向けに会社員の設定で二次創作をさせていただいております。
4月29日に行われたメタバライブの様子はこちら↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=SjFllj1L7GU
公式サイトはこちら↓↓
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5/31(水)プリンスたちによる『プリンスペース』リンクはこちら↓↓
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登場人物紹介はこちら↓↓↓
画像付き登場人物紹介
あれから私は、プロジェクト本部、技術開発室、営業部を行ったり来たりしながら仕事に奔走していた。
ローンチ日が近づき、細かな調整やリスケジュール、更なる営業活動と皆多忙を極めている。
人手があまり足りていないので、営業に同行させてらうこともあった。
後から聞いた話なのだけれど、ハオランさんはあれだけの女性人気がありながら、営業先ではハッキリと線引きをしていて、ハオランさんにお近づきになりたい他社の女性達の手をするりとすり抜けて、自分自身の力だけで営業をかけることで有名らしい。
そういうところが社内外で高く評価されているのだとか。ちょっと意地悪な人だと思っていたけれど、まだまだ私の知らない顔があるようだ。
それは、鬼一くんも、小鳥遊主任もそうで。今のところイメージ通りなのはなんだかんだ課長なのかなぁ、なんて思ったりもする。
真面目で、優しくて、気遣いが出来るジェントルマン。
プロジェクト室に戻ると、来客があるようだった。蛇神課長が自らお話をしている、となると、恐らく偉い方なのだろう。
お邪魔しないようそっと脇を通り抜けようとした時、課長とバッチリ目が合ってしまった。
「あ、お帰りなさい。営業行ってはったんですか?」
「あ、はい、ただいま戻りました!」
「丁度良かった、同席していただいてもよろしいですか。」
「あ、はい、私でよろしければ……。あの、一旦荷物を置いて参ります。」
「えぇ、ゆっくりで構いませんので。」
私はお客様にペコリと会釈をしてから、急いで荷物をデスクに置きに行った。
上着を掛けて、荷物を仕舞って、外に持って行っていた資料と筆記用具を手に、私は応接スペースへ戻った。
「お待たせして申し訳ございません。失礼いたします。」
「急がせてしまって申し訳ない。では早速。ムカイさん、彼女は弊社のプロジェクト担当者の一人でして、各部署の連携を担っています。今は営業のサポートもしていますので、私が席を外している時は窓口としていただけますと幸いです。」
課長の紹介に合わせて、「よろしくお願いいたします」と頭を下げる。顔を上げると、そこにはワイルドな風貌のイケメンが長い脚を組んで座り、こちらを興味ありげに見ていた。
「こちらのムカイさんは、T社の社長さんです。」
「T社、ってあの?先日ハオランさんが営業に行かれた、今業績をどんどん伸ばしていらっしゃるという……?」
「えぇ、そうです。ハオランの話を聞いて下さってから、わざわざ足を運んでくださって。この度はほんまにおおきに。」
「いやいや、この大きな会社でどんな風にプロジェクトが進行しているか気になりましてね。なるほど、中継ぎをあえて『人』を通しているわけですか。なるほど。」
ムカイさんはニヤリと笑みを浮かべると、胸元から名刺入れを取り出した。一枚ピッと抜き取ると、そのまま差し出してくる。私は両手でそれを受け取ると、慌てて自分の名刺を取り出した。
「も、申し遅れました、私……。」
「あぁ、いいよ、マナーとかあまり気にしないで。あれ、名刺の連絡先、会社の番号になってない?」
「あ、はい。そうです。」
「できれば直通の番号欲しいんだけど、いいかい?」
「はい、もちろんです。すみません、一度お借りいたします!」
私は差し出した名刺を一度返してもらうと、会社から貸与されている私の携帯電話の番号を書いた。ムカイさんは満足気にそれをポケットに収めると、席を立つ。
「ありがとう。次からは君に連絡させてもらうよ。じゃ、蛇神さん、また。」
「はい、この度はご足労頂きありがとうございました。」
「リーくんにもよろしく。」
ムカイさんはひらひらと手を振って帰っていった。名刺を渡しただけで終わってしまったけれど、良かったのだろうか。
「あの、課長……。」
「あぁ、すみません、突然で戸惑わせてしまいましたね。ムカイさんの会社はうちの会社に比べて歴史こそ浅いものの、業績がうなぎ登りで新進気鋭のベンチャーなんですよ。提携できたら強いんですがね……。」
「……もしかして、ライバルになる可能性もある、とかですか……?」
「否定しきれないのが難しいところですね。」
課長がなんとも言えない笑みを浮かべる。それほどの人だったらしい。私も、いつの間にか肩に力が入っていたようだ。ふぅ、と息をついてから、課長の許可をもらいデスクへと戻った。
仕事は順調に進んでいる。プロジェクトも大詰めだ。これでローンチを迎え、イベントが終わればこのチームは解散となる。
私は寂しさや、やる気や、一抹の不安なんかを抱えながら、両手で頬をパチンと挟み気合を入れなおすと、またパソコンに向かったのだった。
いつも通りの一日が終わり、ほんの少しの残業程度で終業となった。まだ残って仕事をしている課長に声を掛けに行く。
「課長、お先に失礼します。」
「あぁ、お疲れさまでした。いよいよ大詰め、残りも頑張っていきましょうね。」
「はい!では、失礼します!」
いつも一人一人を気にかけてくれる課長の笑顔に癒される。先程までの不安や寂しさがすぅっと消えていくような気がした。
エレベーターの下ボタンを押し、ドアが開くのを待つ。チン、という音がしてドアが開くと、中から一人の女性が飛び出してきた。
「ごめんなさい!急いでいて……!」
「あ、いえ、こちらこそ。あの、ぶつかりませんでしたか?」
「大丈夫です!本当にごめんなさい!」
頭を下げたその美女は、サラサラの髪をなびかせて、向こうへと去っていく。年齢は、まだだいぶ若いように見えるが、信じられない美人だった。美少女と、美女の間くらい、という感じ。
どこか課長に雰囲気が似ている気がする。ミニスカート丈のワンピースが可憐だったなぁ。もし課長が女性だったら、あんな感じだろうか。
そんな妄想をしながら、エントランスへと降りた。
「あれ?君、さっきの?」
会社を出ようとしたところで、声を掛けられる。そこに居たのは先程のムカイさんだった。
「あ……!先程はありがとうございました。あの、何かご用件でも……?」
「いやぁ、蛇神さんにね、ちょっと話たいことがあって来たんだけど。今お取込み中らしいから、どうしようかと思ってね。」
軽くクイっと顎をしゃくって上を示すムカイさん。視線を上げると、廊下のフリースペースで話す課長と先程の美女の姿が見えた。
「あれって……。」
「いやぁ、蛇神さんもやるよね。まさかあんな美女がカノジョだなんてさ。」
「!課長の、彼女、さん……。」
「いや、知らないけどね。多分そうなんじゃないか?頭撫でたりしてたし。」
胸に、何か重いものがずっしりと沈んでいくような感覚がする。私、どうしてこんなにショックを受けているんだろう。
「あれ、あぁ、そうだよな。みんな憧れのイケメンなんだろ?」
「あ、いえ、そんな、あの、課長のプライベートのことは、私たち社員の知らないところですので……。」
「んー、そうかぁ?それにしては結構ショック受けてる、って顔してるけど。」
ニヤっと心底愉しそうに笑うムカイさんに何も言えなくなった私は、そんなことありません、失礼します、とだけ絞り出し、くるりと背を向けた。
一歩踏み出したところでクイっと袖を引かれる。
「近々連絡させてもらうから。
低い声でそう囁いて、彼はひらひらと手を振り去っていく。なぜか頬が熱い。これは、恥ずかしさから来ているのだろうか。それともただただ混乱しているだけなのだろうか。
私は妙に煩い心臓の音に蓋をするように、慌てて家路に着いたのだった。
~Side 蛇神~
「お兄ちゃん!」
「オロチ!?」
ぱたぱたと会社に駆け込んできたのは、妹のオロチだった。
「こんな時間に、どうしたんです?まさか一人で来たのではないでしょうね!?」
「ちゃんと爺やに送ってもらったもん!ねぇ、今日も遅くなるの?連絡が入ったって聞いたから来たのよ!」
「仕事がまだ終わらないんですよ。というか、どうやってここまで入って来たんです。」
「受付のおねぇさんに蛇神の妹です、って言ったら通してくれたけど?」
オロチは「GUEST」と書かれた札をひらひらと振る。
「全く……。部外者は立ち入り禁止なんですよ。」
「えー?妹は関係者じゃないの?」
ぷぅ、と頬を膨らませる妹に苦笑して、廊下のフリースペースに案内する。流石に社外秘の資料なんかが置いてあるプロジェクト室で話をしているのは、身内と言えどまずいだろう。
「わぁ!ここってエントランスが全部見渡せるのね!」
「オープンにしているというのは大切なことですからね。で、オロチ。わざわざ会社まで来たということは、何か届け物でも?」
「あ、そうそう!お気に入りのパン屋さんに行ったから、お兄ちゃんに差し入れ!」
ガサガサと袋からパンを取り出すオロチ。その気遣いが純粋に嬉しくて、独歩は妹の頭を撫でた。
「あ!さっきのお姉さん!」
「ん?」
「あの人、さっきぶつかりそうになっちゃったの。お兄ちゃん、知ってる人?」
オロチが指す方を何気なく見て、思わずギョッとした。そこには、彼女と、ムカイさんの姿がある。
「なんで、二人で……?」
「え?」
「あぁ、いや、なんでもありません。彼女は私の部下ですよ。明日言っておきますね。」
「うん、ごめんなさいって言っておいて!」
なぜだろう、妙な胸騒ぎがする。
ムカイさんに彼女を窓口としてほしいと言ったのは自分の方だ。その時は、ただ信頼できる人間を通してもらうことでトラブルを最小限に抑えたいと、ただそれだけの思いだったはずだ。
けれど、二人で立ち話をしている姿を見ると、焦るような、妙な気持ちが溢れ出してくる。
二人が話していた時間はそう長くなかった。一瞬彼女と目が合った気がしたが、気のせいかもしれない。
帰ろうとする彼女の袖を、ムカイさんが引いたように見えたのだが、一体何を話していたのだろう。
心なしか頬を染めて彼女は走り去ったように見える。
「お兄ちゃん?おにいちゃーーーん!聞いてる?」
「え?あぁ、聞いてますよ。」
「もう!ちゃんと選んでよー!」
「じゃぁ、この明太フランスと……。」
オロチが買ってきてくれたパンを選びながらも、先程の光景が頭に焼き付いて離れない。と、まさかの当の本人が廊下の向こうからやって来るではないか。
「やぁ、蛇神さん、何度も悪いね。」
「……ムカイさん、何か、御用でしたか……?」
「おいおい、彼女との逢瀬を邪魔されたからってそんなに邪険にしないでくれよ。」
ハハハッと豪快に笑う彼は、悔しいことに、自分から見ても非常に魅力的だ。
悔しい?いやいや、そんなはずはない。あくまでも他社の社長だ。自分と比べるなど、どうかしている。
「お兄ちゃん、会社の方?」
「いや、取引先の方です。」
「へぇ!妹だったのか!そりゃ悪い事したな。」
「?悪い事とは?」
「いや、こっちの話さ。」
ニヤリと意味ありげな笑みを浮かべて、「お、美味そうなパンだな、どこのだ?」なんてテーブルをのぞき込んでくる。
パンを褒められたオロチも嬉しそうにしているから、タチが悪い。とにかく人に好かれるのだ、この人は。
「オロチ、私は仕事に戻らなければならないので、ここで。パン、ありがとうございます。」
「いいじゃないか、一緒に食べながら話そうぜ?」
「そうだよぉ!みんなで分けましょ?」
「いやいや、というかムカイさん、ご用件は……?」
結局、こちらの話は聞き届けられないままで、パンの試食会が始まってしまった。
はぁ、と溜息を吐いた独歩は、先程のツーショットの真相を聞き出すべく、気合を入れなおして席に着いたのだった。
その決意が、どんな気持ちから来ているのか、彼自身もまだ知らないままで。
はい、今回は今大人気のNFTコレクション、TMAsより、幹部のムカイさんにご登場いただきました。これ、怒られないかな、大丈夫かな……。
ヒロインと各プリンスたちの絡み編はこれにて終了、ここから各エンドへと進んでいきます。
引き続きお付き合いいただけますと幸いです!