悩ましきOL生活~もしもCNPプリンスが会社員だったら~ 作:ふゆきんぐ☆
本来のキャラクター設定は学生で生徒会のメンバーなのですが、こちらは大人の女性向けに会社員の設定で二次創作をさせていただいております。
4月29日に行われたメタバライブの様子はこちら↓↓
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公式サイトはこちら↓↓
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5/31(水)プリンスたちによる『プリンスペース』リンクはこちら↓↓
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「うう~~~ん……。」
「き、いちくん、しっかりして……!あ、っぶないってば……!」
あの打ち上げの後。皆で二次会に向かうと、鬼一君は最初から最後まで寝通していた。
私は日野さんと一緒にお酒を飲んだり、他のメンバーたちと交流を深め、そしてお開きに。
もう終電はなく、各々タクシーを拾ったり、家族が迎えに着たりして家路に着いている。
そんな中、私はというと、眠ってしまった鬼一くんをひたすら起こそうとしていた。
てっきり小鳥遊主任が連れ帰ってくれると思っていたのだけれど、日野さんに捕まったらしい。
というか、二次会でもあまり話せていないようだったから、少しお話する時間くらいあってもいいんじゃないかなと思ったりする。
で、結局その場に残されたのは私と鬼一くんだけだった、というわけだ。
何とか席から立ってはくれたものの、足取りがおぼつかない。そんなにお酒を飲んだわけではないと思うけれど、実はすごくお酒に弱いのだろうか。
「きいち、くんっ、おうち、どっち……?」
「ん~~~、あっちぃ。」
「タクシー、拾うからね……!」
私は通りに出ると、鬼一君を植え込みに座らせタクシーを一台拾った。
「ほら、乗って!」
「わかった、乗るよぉ。ほら、君も乗って!」
「きゃぁっ!」
鬼一君に腕を引かれて、私までタクシーに乗ってしまった。
「お客さん、どちらまで?」
「あ、えぇと、鬼一くん、最寄り駅どこ?」
「んー?しらなぁい。先に君の家に行けばぁ?」
ということで、仕方なく自宅の最寄り駅を伝える。それにしても方向が同じかどうかっも分からないのに、大丈夫だろうか。タクシー代が跳ねあがったら申し訳ない。
結局、タクシーは私のアパートのすぐ近くに停車した。それまでの運賃をとりあえず置いて、鬼一くんを見届けようと思ったのだけれど、支払いが終わって車外へ出ると、鬼一くんまで降りてしまっている。
「ちょ、ちょっと!鬼一くん……!」
「んーーー、着いたぁ!」
「いや、着いたじゃなくて、ここ私の家……あ、タクシー!待って……!」
無常にもタクシーはドアを閉めて走り去ってしまった。どうしよう、またタクシーを拾うにも、ここは大通りから少し離れている。
「眠い……。家、どこ……。」
眠れる場所を求めて彷徨い始めた鬼一くんを慌てて引き留めると、私は意を決して言った。
「鬼一くん、あの、うちに寄っていきますか……?」
「眠い……。家、どこ……。」
こちらの覚悟など意にも介さず、鬼一くんはまた寝床を探して歩きだそうとするので、私は慌てて彼の腕を引いた。。
「ちょ、ちょっと、こっち!こっちだから……!」
私はもう何も考えず、家に向かって一直線に歩き出す。家が片付いているかとかはどうでもいい。鬼一くんを安全な場所で寝かせてあげないと!!
何とか家のドアを開け、玄関先に倒れ込むようにして中に入った。
「痛っつぅ……。」
「ごめん、大丈夫!?怪我してない!?」
背中に鬼一くんの温もりを感じるが、思い切り膝をついた時の痛みでそれどころじゃない。座って両膝を曲げると、膝の頭が赤くなっていた。
「ごめん、怪我させるつもりはなくて……!」
「大丈夫、怪我してないよ。鬼一くん、もう大丈夫そう?タクシー乗れる?」
「んーーー、水、もらっていい?」
イマイチ覚醒しているのかよくわからない鬼一くんを、とりあえず部屋に通すと、私はコップに一杯の水を汲んで持って行った。
「鬼一くん、水……もしかして……寝てる……?」
こちらの事などお構いなしに、鬼一くんはソファでぐぅぐぅと寝息を立て始めた。
私はコップをテーブルに置くと、ちょっとだけ溜息をついてから部屋着に着替える。
多分鬼一くんはこのまま朝まで寝るだろう。申し訳ないけれど、私は自分の支度をさせてもらうことにした。
メイクを落として、シャワーを浴びて、歯磨きをして。朝起きた時鬼一くんにすっぴんを見られるのは嫌なので、早めにアラームをセットしておく。
大体の準備が整ったので、鬼一くんの様子をチラリと確認してから眠ることにした。
鬼一くんはソファで身体を丸めて眠っている。少し寒いのかもしれない。
私は寝室から薄手の毛布を持って来ると、鬼一くんにそっとかけた。
「おやすみ。」
そっと囁いてその場を離れようとした時、腕をグッと引かれた。
ビックリして振り向くと、鬼一くんが体を半分起こしてこちらを見ている。
「ねぇ、少し話さない?」
「え……?」
「そんなに長い時間は取らせないから。……お願い。」
鬼一くんの真っすぐな眼差しに、私は首を縦に振るしかなかった。手持無沙汰なのもどうかと思い、とりあえずお茶を淹れて、ソファに座る。
さっきまで鬼一くんが寝ていたソファは温かくて、それだけでまるで自分の家のソファではないようだった。
「さて、と。……どうしようかな。」
「どう、っていうのは……?」
「あぁ、いや、こっちの話。えっと、とりあえず、ボクをここまで連れてきてくれてありがとう。」
「どういたしまして……っていうか、私連れてくるつもりなかったんだけど……。」
「危ないなぁ。ボクじゃなかったら本当に身の危険だよ?気を付けてよね。」
「ご、ごめんなさい……。」
私は今一体何を怒られているのだろうか。鬼一くんの言いたいことがよくわからず、首を傾げた。
「あのさ、今酔ってる?」
「え、そんなには酔ってないと思うよ。どうして?」
「大事な話、したいからさ。ちゃんと、聞いて欲しくて。」
「それは、聞くけど……鬼一くん、酔って眠かったんじゃないの?」
鬼一くんは苦笑いをしながら頬をポリポリと掻いた。そして、にやっと悪戯な笑みを浮かべる。
「ちゃんと寝てから来たから、今は絶好調なんだよね。」
「……わざと寝てたってこと!?」
「お、ご名答!一次会から寝てたのも、寝るだけなのに二次会に行ったのも、二次会終わってから寝てたのも、ね。」
「な、なんでわざわざそんなこと……!」
ここまで来る間の苦労は何だったのか。文句を言おうと鬼一くんを睨んでみたが、彼はとても真剣な顔でこちらを見つめてくる。
「き、いち、くん……?」
「なんでわざわざそんなこと?って、本当に分からない?」
「え……。」
「ボクが、わざわざそんなことした理由。大事な話、もう分かってるでしょ?」
「わ、分からないよ、何?どういうこと??」
私はただただ混乱していた。体中の血液が顔に集まってくる気がする。鬼一くんの視線を痛いほど感じて、私は顔を上げられなくなっていた。
「キミさ、肝心なところでネガティブに捉えたりするから、誤解がないようにハッキリ言うね。」
「な、なに、を……?」
鬼一くんが、少しだけ体をこちらに寄せたのが、気配で分かった。
伸ばされた手が、私の両頬に触れる。
細い体躯の割に手が大きくて、そして熱くて。その手が私の顔を少し上に向けた。鬼一くんの視線と真っすぐにぶつかって、気恥ずかしさから顔をそらそうとするのに、その手が優しく頬を包み込んで離してはくれない。
「プロジェクト、最初から最後まで支えてくれてありがとう。同期がキミでよかった。……キミと一緒じゃなきゃ、やり遂げられなかった。」
「そんな、こと……。」
「ボクはさ、誰とでも仲良くなれるわけじゃないし、人付き合いとかも面倒だからあんまり誰かと一緒に居ようとは思わないんだよね。だからずっと一緒なのはあの三人くらい。」
少し寂しそうな鬼一くんに、私は言葉を失ってしまう。なんだか今にも泣きだしそうな鬼一くんに、手を伸ばした。触れた頬は、少しひんやりしている。
私の頬に添えられていた手が離れ、彼の頬に触れる私の手をそっと包んだ。
「キミには、側に、いてほしい。」
そう言いながら、彼の手は少し震えている。
「ボクは、独歩さんみたいに気が利くわけじゃないし、ホークさんみたいに男気があるわけでも、ハオランみたいに愛嬌があるわけでもないし……って、ごめん、まどろっこしいよね。」
私は、早くなる鼓動を感じながら、ただ鬼一くんの言葉を待った。それは、たった数秒かもしれないし、何分も、何十分も経ってからだったかもしれない。
「好きだよ。キミのことが、好き。」
カッと、頬に朱が指すのを感じた。真っすぐ向けられた視線から、目をそらせない。
いつの間にか降ろされた手は私の両手をしっかりと包み込んでいる。そこに、ぽたぽたと雫が垂れた。
「……返事もなしに泣かれると、困るんだけどな。」
困ったような笑みを浮かべて、鬼一くんがまた私の両頬を包む。
とめどなく溢れてくる涙を、彼の長い指が掬い取っていった。
「ねぇ、泣いてるだけじゃ、分からないんだけど。……返事は?」
「へ、んじ……?」
「そ、返事。キミは、ボクの事、その……どう、思って、る……?」
鬼一くんにしては妙に自信なさげな表情だ。その様子がなんだか可愛くて、私はつい笑ってしまう。
「ふふっ。」
「笑わないでよ、ほんとに恥ずかしいんだから。」
「うん、そうだね、私もなんか恥ずかしい。」
「で、返事は?」
急かす鬼一くんにきちんと正面から向き合う。
会社に入ったばかりの時は、なんて綺麗な人なんだろう、と思った。
同期として、一緒に研修を受けたり、同じプロジェクトに携わったり。
私よりもずっと才能があって、だけど気まぐれで。
そんな彼に、本当はいつだって助けられていたし、そして、惹かれていたと思う。
一緒に資料を完成させたあの日、きっと私の心は決まっていた。
これからも、ずっと、一緒に居たい。
隣で支えられる人になりたい。
そして、たまにその目に私だけを映してほしい、と。
「私も。私も鬼一くんのことが、好き。」
自然と、声が震えた。意を決して告げたその言葉に、鬼一くんからの返事はない。
ただ、驚いたように目を見開いて、こちらを見つめている。
「き、鬼一くん、何か言って……?」
「え、あ、ごめん、なんか、信じられなくて。」
「嘘!分かっていて家まで来たんでしょう?」
「そんなこと何も考えてなかった。だって、自分の気持ちだけ、伝えられたらいいなって、そう、思ってただけなのに……。」
「だけなのに?」
「……やっぱそれだけじゃ満足できなかったみたい。」
へへへ、と照れて笑う姿に、私まで嬉しくなる。
「私、ちゃんと自分の気持ちに気づいてなかったみたい。」
「そうだろうね。」
「えぇ!?何それ!」
「キミ意外と自分のことに鈍そうだもん。……そこが可愛いんだけどさ。」
告げられた一言に、また顔が熱くなる。鬼一くんって、平気でそういう事言うタイプだったっけ……?
くしゃっと頭を撫でながら、彼は更に口を開いた。
「あのさ、告白してすぐだし、何もしないから。しないけど……抱きしめてもいい?」
「う、えぇ!?抱き……わっ!」
いいとも何も言っていないのに、鬼一くんに抱き寄せられた。
背中に回された腕に力が入り、潰れそうなほど強く抱きしめられる。
私は、鬼一くんの、意外としっかりした背中に腕を回すと、その温もりに体を預けた。
幸せな気持ちが溢れて、涙が止まらなくなる。
なぜかずっと前から知っていたような、そんな温かさに、私は安心しきって……そのまま眠りに落ちていった。
~フィナーレ Side 鬼一~
腕の中ですぅすぅと寝息を立て始めた彼女に気づいた僕は、そのまま彼女を担ぎ上げ、ベッドへ運んだ。
「うぅん、鬼一くん……。」
そんな寝言を呟くキミは、ボクの夢を見てくれているのだろうか。
「今はアイスじゃダメだってば……!」
……一体どんな夢を見ているんだろう。思わず吹き出してしまう。
居酒屋で思う存分寝てきたから、全然眠くない。
だけど、今寝ておかなければ明日の朝を一緒に迎えられないだろうから。
ボクはソファに戻ると、彼女が持ってきてくれた毛布に包まった。
まだ少し温もりの残るそれが、いつもどこか寂しかったボクの心を埋めていく。
きっと、この隙間は彼女のためにとってあったに違いない。
明日の朝、キミはどんな顔をしてボクにおはようと告げるだろう。
照れながら?それとも案外普通に?
色々なキミの姿を瞼の裏に見ながら、ボクはまた夢の世界へと落ちていった。
明日から始まる、キミと一緒の日々を想って。
~fin.~
最後までお読みいただきありがとうございました!
これでもか!と甘々に甘々を詰め込んでみましたが、いかがでしたでしょうか??
このようなエンドがあと3人分続きます(笑)
どうぞ連載終了までお付き合いいただけますと幸いです。
最後に、CNPプリンスローンチ1か月記念おめでとうございます!!!
これからもずっと応援しています!!!