作者はにわか知識しかないので、全方位ガバガバなのは許してください
ガバガバの実のガバガバ人間なんです…
(なんだ…?)
アクアこと、星野
社長の出迎えに伯母が向かってから、少しして自分たち双子の母…アイが呼ばれた。
そこまではいいのだが、扉から顔を出したアイのセリフが引っかかる。
(お客さんだって…?マスコミやファンにバレないようにって、新居に引っ越したばかりなのに)
不思議な話である。すでに同階の人たちには挨拶を済ませており、新居の住所に関しては社長夫妻と星野一家以外には漏れないよう、社長が手を回している。
しかも今日はドーム公演当日。ファンならもう会場にいるはずだ……マスコミはわからないが。
胸騒ぎがしたアクアは、アイが締め切らなかった扉の隙間から様子を見ることにした。
「お兄ちゃんなにしてるの~?」
寝ぼけたルビーが自分の後ろにやってきた。
「いいから、ちょっと静かにしててくれ」
「?わかったー…」
(あれは…花束か…?ファンからの贈り物を苺プロの社員が持ってきたのか…って、そんなわけあるか!今日はドーム公演当日だぞ!?社員やスタッフが自宅までわざわざ届け物なんてするか!)
しかも社長が来る時間には30分は早い。仮に、急遽代わりの迎えを送るにしても、事前に連絡があるはずだ。
視線の先では、突然、花束を持ってきた男と伯母がドアの外に飛び出してしまった。
…その時、アクアの背が幼児ゆえに低かったからか、一瞬だけ、フードに隠れた男の素顔が見えた。
(あ、あいつ…!?前世で俺を殺した奴だ!間違いない!)
前世で見た時より身だしなみがよく、服装は微妙に違うが…顔は間違いなく前世の自身を殺した男と同じだった。
警察に電話しているアイの様子を見ながら、アクアは思考を巡らせた。
(まさか、アイを殺しに来たのか!?前回病院の近くまで来ていたのも、やっぱり狙いはアイ……って人が刺された!?伯母さんが刺されたのか!?)
警察に事情を話し終えたアイが、その場に携帯を放置して玄関に向かってしまったのである。
(なんで怪我人いるのに救急車呼ばないんだ…!…いやいや、アイも焦ってたんだろう、仕方ない…推しをフォローするのも
アイが放置した携帯を持って部屋まで戻り、そわそわ落ち着かない様子のルビーを横目に見ながら救急車を呼んだ。
「これでよし…」
「ね、ねぇ、何かあったの?」
「ん…?」
「だって今救急車呼んでたじゃない、ママも伯母さんもいないし…」
「…」
今、伯母さんとアイが危険な状況なのはわかってる
だが、今の自分たちは幼児にすぎない。出て行ったところで足手まといにしかならないだろう。
それに…
(ああ見えて伯母さんは強い)
―――以前、まだ前の住所の社長宅で暮らしていた頃。
アイと社長が仕事でいない日に、双子と伯母、社長夫人の斉藤ミヤコの4人で何度か買い物に出かけたことがあった。
あの日のことはよく覚えている。
いつも通り買い物して、さぁ家に帰ろう…というタイミングだった。
ひったくりに遭遇したのだ。
犯人は自転車に乗っていて、歩いていたおばあさんが身に着けていたカバンを奪っていた。
…まぁ、バランス崩してこけたから、走って逃げていたが。
問題は、その犯人が走っている先に買い物帰りの自分たちがいたことである。
ミヤコさんは突然の事態に驚き、咄嗟に双子を庇おうとしたのだが…
伯母さんは違った。
犯人の正面に立ちふさがり、無理やり通り抜けようとする犯人の腕をすれ違いざまに掴みとり、そのままあっという間に組み伏せてしまったのだ。
犯人は必死に抜け出そうと抵抗していたが、伯母さんは警察が来るまでビクともしなかった。
(あの人、驚いて咄嗟に動いたら偶然ああなった…とか言ってたけど、どう考えても何かしら習ってただろ)
(それに、前世の俺を殺したあの男は決して体格がいいとは言えないし、俺だって不意打ちじゃなきゃ簡単にはやられなかったはずだ…たぶん)
とはいえ、アイは『人が刺された』と言っていた。何かしらの凶器を持って来ているとみるべきだろう。
伯母さんが強いとはいえ、凶器を持った男を無傷で無力化できるかはわからない。
(よし…)
「ルビー、ちょっと必要なものがあるんだ。集めるのを手伝ってくれ」
「必要なものって…なにするの?」
「今は何も言わずに…頼むよ、万が一に備えてさ」
「仕方ないわねぇ…よくわかんないけどわかった!」
◇◆◇
姉の目が閉じてしまった。
「あ…」
私は、どうすればよかったのだろう……どうしてこんなことになってしまったのだろうか…?
…あの時。
姉を行かせず、私が先に玄関へ向かっていれば…
きっと、私は殺されただろう。しかし、あの男の目的は私だった。
私さえ殺せれば、満足して帰っていったかもしれない。
姉は強いから、抵抗することが出来てしまった。
そのせいで、ナイフで何度も切られ、刺され、最後には致命傷を受けてしまった。
(痛かったよね…苦しかったよね…)
姉の腹部に刺さったナイフに視線を向ける。
見ているだけで痛々しい。
かわいそうに思って、ナイフを抜こうと手を伸ばした時―――
「抜いちゃダメだ!!」
「っ!アクア…?」
そこにいたのは、愛しい双子の片割れ…兄のアクアだった。
駆けよってきたアクアは、なにやら慣れた様子で胸に耳を当てたり、首に指を当てたりしている。
「アクア…?」
今度はナイフによる刺し傷や切り傷、そして腹部の傷を確認している。
「腹部以外の傷は、見た目はひどいが深い傷じゃない。腹部は…危ない場所だが、思ったよりも出血が少ない。致命的じゃないはずだ…ルビー!」
「!!」
「さっき用意したもの、全部持ってきてくれ!」
「うん!」
「アクア、なにして…」
こちらを向いた息子の
「このまま放置すれば危険だが、幸い、手当の用意はしてある。腹部の傷は今は手は出せないが…それ以外の傷なら何とかなるはずだ」
綺麗な、星の光が宿っていた。
「アクア…でも、今から救急車を呼んでも…」
「救急車はとっくに呼んである…アイが警察に電話した、すぐあとだ。」
この時、アクアは理解したのだ。
どうして自分が医者としての前世を持ったまま、推しの子に生まれ変わったのか。
「あと数分もすれば到着するはずだ。それまでは、俺達で応急処置をするんだ…力を貸してくれ…アイ!」
(推しの子の幸せを…家族を救うこと…それが俺の、
◇◆◇
「せんせい……?」
◇◆◇
……うーん…うん…?
(…お?)
背中に感じる柔らかな感触…これは……
(ベッド…か?あれ、体の感覚があるってことは、俺生きてるのか?)
どういうことだ…俺の記憶がたしかなら、腹をナイフで刺されて…
そうだ!
(アイの曇り顔は最高だったなぁ…!)
(施設に来たばかりの頃はたくさん見ることが出来たけど、1年くらいでほとんど見れなくなっちゃったんだよなぁ)
明るい笑顔も嫌いじゃないんだが、そればっかりだとフラストレーションが溜まる。
まぁ、だからこそ、12年という長い時間をかけた末の曇り顔は最高だったわけだが。
ほぼイキかけたよね。
(しっかし、これからどうすっかなぁ…生き残るのは予定にないよ)
あれだけ切られて刺されて血を流し、最後は腹に一発だ。たぶん死んだと思ったんだが…運がいいやら悪いやら。
(体は…多少怠いが、手足は動くな…うん?なんだ?)
左手に奇妙な感触がある。
…どうやら、誰かが手を握っているようだ。
(起きてるのがバレたかな…仕方ない。起きるか)
ゆっくりと目を開けると……
目と目が合った。
「…」
(アイ?これアイだよね!?てか近い…近くない…?)
「アイ…?」
思わず名前を呼ぶ。
「おはよう…お姉ちゃん」
笑みを浮かべてこちらを見つめるアイの両目には
漆黒の星が、怪しい輝きを放っていた。
・オリ主
アイキドーの使い手(合気道ではない)。
本人は演技の才能を持っていると思っているが、より正確には完璧な『肉体のコントロール能力』。その気になれば肉体のリミッターをいつでも外せるし、漫画のキャラの動きを再現することも可能。
ただし、本人の身体能力はそこそこ程度なので、許容限界を超えると肉体が壊れる。
打撃技より投げ技や寝技が得意で、そんじょそこらの相手なら無傷で倒せる。
渋川剛気よりは弱い。
・星野愛久愛海
キラキラネームを授かった原作主人公。通称『アクア』。
たぶん役者にならない。原作よりも雨宮吾郎寄りの性格になるので、明るいし結構はっちゃける。
将来的には大手と呼べるまで成長した苺プロダクション専属の医者になる予定。
オリ主には文字通り赤ん坊のころから世話になってる。
歪ながらも家庭がかなりうまくいっているのは、オリ主の影響が大きいことを察して、大きな恩を感じている。
推しの幸せが第一。
成長するたびに妹のスキンシップが激しくなっているのが少し気になる。
・星野瑠美衣
双子の妹の方。名前のキラキラ具合は兄よりマシ。通称『ルビー』。
アイドルを目指しているのは原作と同じだが、おそらく中学の段階でアイドルデビューを果たす予定。
今回の件で何かを察し、医者を目指す兄の姿を見て日に日に思いは強くなる。
兄との会話でさりげなく前世の情報を混ぜ、兄の反応を見ることで疑惑は確信に変わっていった。
厳しい道にはなるが、お母さんならきっと愛娘の初恋を応援してくれるはず…
・星野アイ
親ばか。
子供に対しての愛情は原作とほとんど変わらない。
今回でアクアがやったことに関しては、『うちの子すごい!超天才!可愛い!』ぐらいしか思っていない。
ルビーのことは全力で応援してくれる。倫理観とは…
ところで、星野アイの命日に産まれた星野アイそっくりな女の子(tsでも可)が原作キャラ(主にアクアとルビー)の脳を破壊する系の作品を読みたいです。
誰か書いてくれませんか…