魔法世界の碧き猛獣   作:ヒキニックニク

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 神龍に願いを言ってから家に帰ってきた俺をシグナムたちが待っていた。

 

「兄上、何かあったのですか?」

 

「ああ、はやてとお前たちのことでな。詳しくは明日話すからもう寝なさい」

 

「わかりました」

 

シグナムたちが部屋に行くのを見送り俺は自分の部屋に行き眠りについた。

 

次の日、はやてを検査のために病院に送った後にシグナムたちと話し合う。

闇の書がはやてを蝕んでいること。

本当の名が夜天の魔導書と言う事。

俺が知る限りのことをすべて包み隠さず話した。

話を聞いたシグナムたちは最初は信じていなかったが自分たちが今までの主の記憶がないこととはやての足が動かない原因が闇の書であることがわかったので俺の話を信じたのだった。

 

「さて、このままいくとはやてが死んでしまう。それはなんとしても阻止しなくてはいけない」

 

「どうすんだよ兄貴!」

 

「策はある。確認だが闇の書の管理人格にアクセスするには闇の書を半分埋めなくてはいけないのだな?」

 

「はい。そうすれば主は管理人格とアクセスできます」

 

「なら当面の目的は闇の書を半分埋めることだ。蒐集は無人世界にいる魔力を持つ生物から。人からは絶対に蒐集するな!管理局に見つかったら厄介だ。それとこれを渡しておく」

 

俺は昨晩作り上げた服と仮面をわたす。

 

「これは?」

 

「お前たちは管理局に面が割れている恐れがある。それで顔を隠せばはやてが闇の書の主だと気づかれない」

 

きっと蒐集を始めたら管理局が出張ってくるだろう。

その時になのはちゃんがいたら速攻でバレる。

だからこの仮面と服が必要なのだ。

シグナムたちにわたした仮面はオビトが使っていた物の色違いで服は暁が着ていた赤い雲が書いてあるやつ。

 

「はやてに怪しまれないようにするのと護衛のために二人一組で行動してもらう。俺も行きたいが学校があるため休みにしか参加できない」

 

「我らにお任せください兄上!」

 

「そうだぜ兄貴!私達に任せとけ!」

 

シグナムとビータはやる気満々。

 

「はやてちゃんの護衛は任せて!」

 

「主には髪の毛一本も触れさせん」

 

はやての護衛はシャマルとザフィーラに決まった。

 

「俺も可能な限り手を貸す。それとお前たちはもう俺とはやての家族だ!絶対に生きて帰ってこい!いいな?」

 

「「「「はい!!」」」

 

それから始まった蒐集活動。

学校が休みだったある日、はやてはすずかちゃんの家に遊びに行っているのでシグナムと一緒に無人世界で蒐集をしていた時のこと。

いきなり結界が張られて警戒していると黒いパリアジャケットをまとった少年が魔道士を数人引き連れて現れた。

 

「時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。魔法生物乱獲の容疑で話を聞きたい」

 

「武装した大人数で囲んでおきながら話し合いとは矛盾してないかい?執務官殿?」

 

俺は仮面に仕込んだ変声機で声を変えて言う。

 

「黙れ犯罪者!!執務官!攻撃の許可を!!」

 

「待て!むやみに刺激するな!」

 

一人の隊員は今にも攻撃してきそうな雰囲気だった。

 

「部下が失礼した。話を聞きたいから我々に付いてきてもらいたい」

 

「お断りするよ」

 

俺はそう言って瞬身の術でクロノの正面に移動して顎を蹴り上げる。

クロノは数メートル宙に浮く。

俺は背後に回り込みガッシリとクロノを抱きしめながら重力に従って回転しながら落下していく。

 

「表蓮華!!」

 

頭から落下したのでクロノは砂漠に上半身が埋まっている状態になっている。

 

「貴様!!我々管理局に手を出したな!!」

 

「撃て!全員撃て!!」

 

俺達を囲んでいた武装隊員たちはいっせいに魔法を撃ち始めた。

俺とシグナムは軽々と避けていくと何人かが味方の流れ弾でダウンしていく。

残りを体術で気絶させた。

 

「S、コイツラから蒐集しておけ」

 

「よろしいので?」

 

「こいつらのせいで今日の目標を達成できてない。こいつらに責任を取ってもらうのと元気で返したらまた邪魔されてしまうからな」

 

「かしこまりました。主」

 

姿を隠していても名前でバレる恐れがあるのでコードネームを決めていた俺達。

シグナムたちは俺を主とは呼びたくはないだろうがはやての存在を隠すために協力してもらっている。

クロノと武装隊員たちの蒐集が終わり帰ろうとした時、黄色い閃光が空から降ってきた。

 

「時空管理局嘱託魔道士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンです。大人しく投降してください。そうすればこれ以上罪は重くなりません」

 

ここでまさかフェイトちゃんと会うなんて思わなかった。

どうする、ここでフェイトちゃんからも蒐集してしまうか?

そう思っていた時、携帯のアラームが鳴る。

このアラームは!

 

「S!!急いで転移を開始しろ!!時間だ!!」

 

「ッ!!かしこまりました!」

 

やばいヤバいヤバい!!!はやてを迎えに行く時間になってしまった!!!

 

「待ちなさい!!」

 

「申し訳ないがこれで失礼させてもらうよ。小さな魔道士さん」

 

そう言って俺は煙玉を数個投げて煙幕を作りシグナムの転移魔法で家がバレないように帰っていった。

家について急いで支度をしてすずかちゃんの家に迎えに行く。

資産家なのででかい家に住んでいるすずかちゃん。

バカでかい門にある呼び鈴を押す。

 

『はい』

 

「あっどうも八神です。はやてを迎えに来ました」

 

『仁太様ですね。今門を開けますのでそのままお入りください』

 

「わかりました」

 

門が開いたので中に入る。

玄関にはメイドのノエルさんが待っていた。

 

「こんにちはノエルさん」

 

「こんにちは仁太様。はやて様がいるお部屋にご案内いたします」

 

「よろしくお願いします」

 

ノエルさんの後を歩いていくとはやてがたくさんの猫と戯れていた。

俺はすぐさま携帯を取り出して激写する。

クソッ!なんでスマホはまだできてないんだこの世界は!!

こんな画質でははやての可愛いところがキレイに映らないだろう!!

やはり常日頃から一眼レフカメラを持ち歩かなくてはいけないだろうか。

携帯のシャッター音に気づいたはやてがこっちを見た。

 

「あっ兄ちゃん!」

 

あああああああああああああぁぁぁぁっ!!!!

なんではやてはこんなにも天使なんだああぁぁぁぁぁっ!!!!

 

「迎えに来たよはやて」

 

「おおきに~。それじゃすずかちゃんまたなぁ」

 

「うん。またねはやてちゃん」

 

「すずかちゃん、今日はありがとう。またはやてと遊んであげてくれ」

 

「はい!」

 

はやての車椅子を押しながら家に帰る。

 

「みんなはもう帰ってきてるん?」

 

「多分な。鐘もなったからヴィータも帰ってきてるだろう」

 

ヴィータは最近公園で老人たちとゲートボールをしている。

 

「なら皆でご飯食べられるんやな!」

 

「そうだな」

 

最近は誰かしら蒐集作業でかけていたからはやては皆でご飯が食べられると喜んでいた。

 

「ただいまー」

 

玄関を開けて家の中に入るとザフィーラが狼の姿で倒れていた。

 

「ザフィーラ!どうしたんだ!!敵襲か!」

 

「にっ逃げてっください」

 

それだけ言うとザフィーラは気を失ってしまった。

一体何がおこっているんだ!

 

「はやてはここにいなさい」

 

「にっ兄ちゃん!」

 

はやてを玄関に待機させて俺はリビンクにむかう。

ゆっくりとリビンクの扉を開くと中から異臭が漂ってきた。

 

「なっ何だこの匂いは!!俺はこの匂いを知っている」

 

そうこの匂いを俺は知っている。

何度も嗅いだことがあるこの匂い。

俺は異臭の根源であるキッチンにむかった。

そこではシャマルが笑顔で暗黒物質を生成してるではないか。

やはり思ったとおりだ!

この匂いは高町の暗黒物質と同じ匂いた!!

 

「あっおかえりなさい!もうすぐご飯ができますからね」

 

笑顔でそう言ってくるシャマルに「お前のそれは食い物ではない!」なんて言えない!!

どうする!このままでははやてが危ない!

というかシグナムは何処に行った!!

 

「さあ、できましたよ〜」

 

できてしまたあああああっ!!!

お鍋のなかでグツグツ煮立っている物体はなんとも言えない異臭と瘴気を放っている。

 

「ただいまー。あれ?はやて、玄関でなにしてんの?」

 

ナイスタイミングだヴィータ!!!

 

「ヴィータ!はやてを守れ!!俺は暗黒物質(こいつ)を処理する!!」

 

「えっ!兄貴!!?」

 

こんなものはやてに食わせられるわけ無いだろう!!

大丈夫だ!俺は幾度となく高町の暗黒物質を食べてきたんだ!耐性ができているはず!!

俺はシャマル作の暗黒物質を食す。

 

ギャアアアァァァッ!!!痛いっ!苦いっ!!生臭いっ!!!

何だこれは!高町の暗黒物質より酷いぞ!!

ああああっ!!飲み込みたくない!!体がそれだけはいけないと拒否している!

 

「まあぁ!そんなにおなかすいてたんですね!」

 

シャマルが笑顔でそう言ってくる。

違う!そんなわけない!!!

そう言いたいが口が麻痺してきたのか動かない。

 

「兄貴!!!」

 

「兄ちゃん!!」

 

ああ、はやて。兄ちゃん頑張るよ。

俺は口の中にあるものを無理やり飲み込んで鍋にある残りの暗黒物質をたいらげる。

 

「ふうぅ。シャマル」

 

「はい」

 

「お前は金輪際キッチンへの立ち入りを禁止する」

 

「えええええっ!!!」

 

「はやて」

 

「兄ちゃん!!」

 

「皆のご飯をよろしく」

 

俺はそう言って力尽きてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

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