沢芽喰種〜ザワメグール〜   作:神武音ミィタ

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少し原作に沿った感じにしていきたいと思います。
今回の話は、クリスマスゲームの直前の話という設定です。


第3話 印象

ビートライダーズホットライン。DJサガラと呼ばれる男がパーソナリティを務める、ビートライダーズの為の情報番組だ。市街地のモニターや、スマホなどで見ることができ、ビートライダーズに人気である。

 

『ハッロ〜ゥ、ビートライダーズ諸君〜‼︎ ななななななんとも大変なことが起きちまった‼︎ こいつを見てくれよ‼︎』

 

昨日の、バロンとその対戦相手との戦闘の映像が流れる。

 

『はぐれビートライダーの少女がバロンに挑戦‼︎ なななんと、そいつはアーマードライダーに変身‼︎ あのアーマードライダーバロンをいとも簡単にノックアウト‼︎ 見た目の美しさからは想像出来ない残酷な攻撃は、まさに乱れ咲く桜‼︎ アーマードライダー、櫻音(サクラネ)といこうじゃないか‼︎くぅ〜ッ‼︎ 白熱必須なアーマードライダーバトル‼︎目が離せないぜッ‼︎』

 

 

 

スマホをポケットにしまい、コーヒーを口に含む。私…紅宮 深雪はドルーパーズに来ていた。そして、目の前には……

 

「とんでもないデビューを飾っちまったな…まさかバロンの戒斗をいとも簡単にやっちまうとは…」

 

錠前ディーラー・シドがいた。

 

「どうだい?戦極ドライバーは。」

 

「素晴らしい力を貰った……礼は言う。」

 

「それで? 他のチームの脅威になっていたバロンはやっちまったし……次はどうすんだい?」

 

「バロンより上のチームを叩く。」

 

シドはタブレット端末を取り出した。そして、ランキングを見せる。

 

「となると……鎧武になるかねぇ……。」

 

チーム鎧武。現在トップのチームか。

 

「俺たちがなんだって?」

 

そこにやってきたのは、チーム鎧武の葛葉 紘汰と呉島 光実。

 

「おやおや、噂をすればなんとやら。」

 

「あなたですよね? バロンに大怪我を負わせたアーマードライダー櫻音は。」

 

櫻音……サガラが付けた名前だが、悪くない。今後も名乗らせてもらうか。

 

「えぇ、だったら何?」

 

葛葉がテーブルに手を置き、私を見る。

 

「あんたに話がある。」

 

「………。」

 

私は葛葉と共に店を出た。

 

 

 

2人が出た後のドルーパーズにて、呉島 光実とシドが互いに向き合って座る。

最初に口を開いたのは光実だった。

 

「………何を考えているの?」

 

「単に、ゲームを面白くしようとしただけだがねぇ…?」

 

「……あのロックシードも?」

 

「いや、俺が渡したのは戦極ドライバーだけだ。あのロックシードは、嬢ちゃんの自前さ。」

 

「……あのロックシード、何なの?」

 

その一言に、シドの表情は少し固くなる。

 

「あのロックシードは俺も見たことがなくてねぇ……分かってるのは、亜種……稀に現れる突然変異種ってやつかね……?」

 

「そんなモノが……?」

 

「まぁ、A級のロックシードより強いってのは確かだ。バロンを倒すくらいの力だしな。」

 

「そう……分かったよ。ありがとうシドさん。」

 

光実は、暗い表情から一転、明るい笑顔を見せ、その場を後にした。

 

「やれやれ……おっかない坊ちゃんだこった。」

 

 

 

私は葛葉と、チーム鎧武のガレージの外に来ていた。

 

「あんた、何で戦ってんだ?」

 

到着するや、そんな質問を投げかけられた。

 

「……私は、私の居場所を見つけるため…自分の存在意義を探すために戦っている。」

 

「? 存在意義……?」

 

「私は今まで、死と鉢合わせが日常茶飯事の場所に産まれて育った。生きるために、命をかけて戦わなければならない…そんな世界にいた。けど、私は力が無かった。だから逃げ出した。自分の存在意義のわからない者に、生き残ることは出来ない。」

 

私は拳を固めた。

 

「だから私は、この町で自分の存在意義を見つけ、産まれた町で生き残れるほどの力を手に入れ、生き残ってみせる。」

 

「あんた…………」

 

「丁度いいわ………あなたも、倒す。あなたを倒せば、私はビートライダーズの頂点に君臨するんでしょ?」

 

私は戦極ドライバーを装着した。

 

「………なるほどな。あんたの戦いにかける思いは十分に分かった。だがな……俺は負けられないんだ。大切なものを…この手で守るために‼︎」

 

葛葉も戦極ドライバーを装着。

 

「変身‼︎」

「変身…。」

 

ロックシードを解錠。

 

『オレンジ‼︎』

『ワイルドストロベリー‼︎』

 

ロックシードをドライバーにセットしてロック。

 

『ロック、オン‼︎』

 

ブレードを倒す。

 

『ソイヤッ‼︎』

 

『オレンジアームズ‼︎花道・オンステージ‼︎』

『ワイルドストロベリーアームズ‼︎惨劇・バーサーク‼︎』

 

鎧武は大橙丸と無双セイバーを構える。私…櫻音も、乱丸と無双セイバーを構えた。

 

互いに睨み合う。

 

「うおおおおっ‼︎」

 

鎧武が駆け出し、両手の刃を振り下ろす。私はそれを受け止め、振り払う。距離を離し、私は駆けながら乱丸を振るう。斬撃は鎧武に炸裂する。

 

「ぐあっ⁉︎」

 

鎧武は怯む。

 

「強い……伊達に戒斗を倒した訳じゃないってか‼︎」

 

鎧武は立ち上がり、ベルトのロックシードを外した。

 

「こいつでいくぜ‼︎」

 

『イチゴ‼︎』

 

鎧武の頭上にイチゴが現れた。

 

『ロック、オン‼︎ ソイヤッ‼︎』

『イチゴアームズ‼︎シュシュっと、スパーク‼︎』

 

「喰らえっ‼︎」

 

鎧武はクナイを投げつける。

 

「っ‼︎」

 

私はクナイを弾き落とす…が、しかし。

 

「うおらぁっ‼︎」

 

弾いたところにクナイが飛んでくる。私は武器を落とし、クナイをくらって跪く。

 

「っ‼︎」

 

私はロックシードを取り出した。先日のインベスゲームで手に入れたものだ。

 

『イチジク‼︎』

 

ベルトにセットする。

 

『ロック、オン‼︎ ソイヤッ‼︎』

『イチジクアームズ‼︎乱弾・ツインブラスト‼︎』

 

鎧が変わり、両手に小型銃…イチジクマシンガンが現れた。

 

「このっ‼︎」

 

鎧武がクナイを投げつける。私はマシンガンでクナイを撃ち落とす。

 

「なっ⁉︎」

 

「そこっ‼︎」

 

鎧武にマシンガンを放つ。弾丸は鎧武に着弾する。

 

「ぐあっ⁉︎」

 

鎧武は怯む。

私は一回、ブレードを倒す。

 

『ソイヤッ‼︎イチジクスカッシュ‼︎』

 

マシンガンにエネルギーを溜め、無数のエネルギー弾を放つ。

 

「くっ‼︎」

 

鎧武は無双セイバーにロックシードをセット。

 

『ロック、オン‼︎イチ、ジュウ、ヒャク、セン‼︎イチゴチャージ‼︎』

 

「セイハーッ‼︎」

 

無双セイバーから無数のクナイを放ち、エネルギー弾を相殺する。

なるほど。確かにバロンよりは骨がありそうだ。

 

「はぁ……はぁ………っ‼︎」

 

鎧武は膝をついた。私はゆっくり歩み寄り、ワイルドストロベリーアームズにチェンジし、乱丸の刃先を突きつける。

 

「終わり……ね。」

 

「くっ………‼︎」

 

乱丸を振り上げた……その時だった。

 

「そこまでにした方がいいんじゃないかな?」

 

私の背後で銃口を向けていたのは…チーム鎧武のアーマードライダー、龍玄だった。

 

「み、ミッチ‼︎」

 

「邪魔しないで。相手を倒すまで…動けなくなるようにするまでが、勝負。」

 

「もう紘汰さんは動けない。動けない相手を攻撃したって、君の印象が悪くなるだけじゃないかな?」

 

「………何が言いたいの?」

 

龍玄は、手に持ったブドウ龍砲の銃口を下ろし、変身を解除した。私と鎧武も、それに続いて変身を解除した。

 

チーム鎧武の呉島 光実は腕を組んで私を見る。

 

「他のチームのインベスゲームに乱入するのは構わないけど、少し空気を読むべきじゃないかな?君は今、恐れられ、嫌われている。君の居場所を守る為にも、程々にした方がいいんじゃないのかな?」

 

「お、おいミッチ。少し言い過ぎ…」

 

葛葉の言葉を遮るように、私は口を開いた。

 

「確かに、あんたの考えは一理あるよ。けど……私に居場所なんてない。居場所を探す為に…存在意義を見つけるために。だから私は、この町で強くなる。そうすれば、存在意義も居場所も見つかる……そのはずだから。」

 

私はその場を後にした。

 

 

 

深雪が去った後、光実は紘汰に肩を貸し、一緒にガレージに戻ってきた。

 

「こ、紘汰⁉︎」

 

舞たちが2人に歩み寄る。

紘汰は椅子に座る。

 

「戒斗を倒したアーマードライダーと戦ってきた……かなり強かった……‼︎」

 

「紘汰さん、無理しちゃダメっすよ。クリスマスステージも近いんだし。」

 

「そうですよ‼︎あんまし無茶しちゃダメですよ‼︎」

 

「皆……ありがとうな。」

 

 

 

この一週間後、クリスマスのアーマードライダーバトル……ロックシード争奪戦が行われた。

 

 

 

「………。」

 

いつも通り、食事を済ませて私は裏路地を歩いていた。

 

「………⁉︎」

 

門を曲がった先に……ロックシードを解錠した時に現れる裂け目が出来ていた。

 

「何故……?」

 

この先に何が……?

私はその裂け目に足を踏み入れた……。




次回はクリスマスステージ終了後、斬月・真初登場回辺りの時間軸のお話になります。
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