音割れポッターBBの知識だけでドラコ・マルフォイになってしまった   作:樫田

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賢者の石
第二話 ダイアゴン横丁


 

 

 

 この世界で自我を取り戻してから、十年を越える月日が流れた。異国だったということを加味せずとも、魔法に溢れた「ハリーポッター」の世界はカルチャーショックでいっぱいだ。初めのうちは戸惑うことばかりだったが、周囲の環境に恵まれたのは幸いだった。父母に大いに甘やかされながら、僕はなんとか十一歳になることができた。……いや、ついに十一歳になってしまった、と言うべきだろうか。

 

 そう、今年はホグワーツ入学の年だ。

 

 この年……つまり、同学年である主人公、ハリー・ポッターと初めて会う年を迎えるまで、僕は考えられるだけの準備をしてきた。

 中でも真面目に取り組んだのは知識の収集だ。何事も、前提を知らなければ始まらない。魔法の勉強を始め、主要な登場人物になりそうな人間の調査や、物語の鍵となりそうな魔法道具の探索などなど。手に入れるべき情報は山ほどあった。

 正直、両親に怪しまれないかヒヤヒヤしていたが……これについては完璧に杞憂だった。父母は勉学に励む僕を称え、誉めそやし、幼い我が子が自分用の杖を持てないことに苛立ち、下らないルールで僕に杖を扱わせないなど魔法界の損失だと魔法省に詰めかけたらしい。とんだモンスター・ペアレントである。

 

 結局、イギリス唯一にして最高の魔法学校であるところのホグワーツ魔法魔術学校のお偉いさんから諭され、断念したらしい。

 まあ、それはいいのだが……そのダンブルドア校長とやらに、父は並々ならぬ敵愾心を持っているらしいことが分かってしまった。その名に(albus)を冠するダンブルドアは所謂「光」側の頭目だそうだ。そんな人に対して、ここまで表立って火花を散らして大丈夫なのだろうか。ますます父のことが心配になってしまう。

 

 父母の憤慨をよそに、僕自身は杖を使えないことをそこまで気にしていなかった。……というより、幼少期の数年間、僕はそもそも自分が魔法を使えるかどうかも確信できてはいなかった。結果として順調に魔力の兆候が現れたものの、それは運が良かっただけだと言える。自分に才能があるかどうかもわからない実践的な魔法の練習よりも、現状を正確に把握し今後の方針を決める知識の収集を優先するのが確実、というが当初からの姿勢だった。

 この点において、マルフォイ家嫡男という立場は素晴らしく有用だった。どうやらとんでもない有力者らしい父のおかげで、非魔法界でいうところの政府や議員の方々とは嫌でもお付き合いすることになったし、さらにそのツテで過去の裁判記録や収監記録を自由に見られたのだ。これのおかげで、僕は入学前に過去の大戦について、公にされている情報の多くを仕入れることができた。

 その中で大量に伯父、伯母、母の従兄弟などの名前をアズカバン──魔法界の牢獄──に収監されている人間のリストに見つけたり、人脈と当時の動向から考えて、父がどう考えても「あの人」のシンパだっただろうという事実にぶち当たったりもした。なかなか落ち込む現実ではあるが、どれも自分の名前から薄々予想はしていたことだ。この立場になってしまった以上、もはやそういうものだと考えるしかない。

 

 また、魔法の知識という点でも僕の生まれは役に立った。それは父だけでなく、母方の家系についても言えることだった。

 母の生家はブラック家というのだが──ありふれていながらも不吉な名前だ──ブリテン魔法界一の名家らしく、素晴らしい魔法書や魔法道具の数々を所有していたのだった。どう見ても法に触れそうなものがゴロゴロ転がっていたが、これでも「あの人」が消えた後、家宅捜索があったというのだから驚きだ。

 ブラック家の男子はアズカバンで終身刑の身であるものが一人いるだけで、後は亡くなってしまっている。血縁の中で最も若い男子であるために、僕は祖父母や曽祖父母にいたく可愛がられた。そのおかげで、大手を振って知識の収集に勤しむことができたというのもある。散々利用しておいてなんだが、こんな甘やかし方をしていたら、普通の子供はろくな育ち方をしないだろう。

 

 もちろん「あの人」の敵対陣営、いわゆる光側のことについても知ろうとしたが、こちらはあまり上手くいかなかった。ダンブルドア周辺についてもなかなか情報は出てきなかったが……何より、肝心要の主人公が問題だった。赤子の身でありながら闇の帝王を倒したらしいハリー・ポッターについて、分からないことが多すぎたのだ。

 

 赤子だったハリー・ポッター自身が重要な事実を知っているとも思えないし、どこかで健やかに生きていてくれればそれでいいのだが……僕が何かでうっかり起こしたバタフライ・エフェクトによって主人公が死んでましたとなったらとんでもない、という危惧は常にあった。そんなことになれば、彼が乗り越えていくはずだった物語全てが水泡に帰して、望まない方に世界が崩れ落ちていくことになる。それだけは避けなければならない。

 

 ハリー・ポッターの身の安全を確認するためにも、どうにか居所を知ろうと試みたが、これはもう何に当たっても得られるものはなかった。彼の身柄はよっぽど厳密に秘匿されているらしかったし。ハリー・ポッターが闇の帝王を上回る力を持っているかもしれないと考えた父も、その権力欲を遺憾無く発揮して抱き込みを図っていたようだが、僕と同様徒労に終わったらしい。

 最終的に、父は直接「生き残った男の子」を自らの手で引き寄せるのを諦め、僕に対してホグワーツに入ったらハリー・ポッターと仲良くしなさいと耳にタコができるほど言い聞かせた。我が子を権力闘争の道具として利用するのに躊躇がないタイプかとも思ったが……父としては、本気で愛する息子のためを思っての諫言のようだった。複雑である。

 

 父の思惑とは裏腹に、物語の先のことまで考えなければならない身として、僕は主人公と仲良くするかどうか決めかねていた。ハリー・ポッターから見た僕の立ち位置は、両親の仇のお仲間の息子である。不穏なネーミング(mal foy)のこともあるし、明らかに学校で仲良しこよしをするキャラクターの立場じゃない。

 かといって、彼を完全に放置して何か取り返しのつかないことになっても困るし、これから順調に物語が進めば──ハリー・ポッターがバッドエンドで終わる物語でなければ!──滅ぶであろう陣営の側に付いて、家族もろとも厄介なことになるのも遠慮したいところだ。派手に動きすぎて、おそらくはハッピーエンドの運命が変われば、僕の身の回りも凄惨なことになりかねないし、かといって傍観が正解かもわからない。

 

 動きたくても、動くための足場が分からない。手を出したくても、伸ばす先は完全な闇だ。……つまるところ情報が少なすぎるのだった。

 結局、学校に入ってしばらく様子を見るのが最善なのだろう。自分が関与しないところや、やむなく関与してしまったところでどう動くのかの筋を見て、そこから対応を考えるしかない。問題を先送りしただけな様な気もするが、この場合は臨機応変の構えが正解だ。……そう信じるしかなかった。

 

 

 考えなければならないことは山積みでも、入学の日は刻一刻と近づいていた。今日は両親と学用品の買い出しだ。魔法使いにとって最も大事な杖は、いの一番に息子に与えたいと考えていた父が既に買ってきてくれており、ホグワーツの入学許可証が届いた日にプレゼントしてもらった。他のものについては、いつもは家に外商がやって来るのだが、学校指定の制服はダイアゴン横丁で指定のものを見繕わねばならないらしい。僕としては薬問屋や本屋を冷やかせるからありがたいし、ホグワーツに旅立つ前に親子で出かける良い機会ということで、三人で揃ってショッピングをすることになった。

 とはいえダイアゴン横丁は新学期直前で混み合っている。結局、先にそれぞれ時間のかかる必須の用事を済ませ、その後揃って買い物をしようという話になった。多くの魔法使いが忙しなく行き交うマダム・マルキンの洋装店の前で両親と別れ、僕は一人店の中へと足を踏み入れた。

 

 表の様子とは裏腹に、店内はこの時期としては意外なことに客が少なくがらんとしている。少し暇な様子だった店員は、こちらの顔を見てさっさと台の上に案内して採寸をはじめた。

 巻き尺が体を飛び回っているので動き回るわけにも行かず、話し相手もおらず暇を持て余してしまう。手持ち無沙汰になって、ぼんやりと窓から混み合う通りの様子を眺めていると、一人の少年が扉を開けて店に入ってきた。そのボサボサの黒髪の男の子は、僕と同じように店員に案内されて、そのまま僕の隣の採寸台に立った。

 不慣れそうな様子を見るに、彼もホグワーツの新入生なのだろうか? おどおどとした様子のその子は、一見しただけで生育環境が心配になる様相を呈している。セロハンテープか何かで折れたフレームを補強した眼鏡をかけ、シャツもズボンもくたびれきっている上にサイズは太った大人用のようだ。グリンゴッツにでも行ったのか、髪は強烈な扇風機に晒されたあとのようで、少し伸びすぎた癖の強い前髪が目元にかかっている。ただでさえ細身な上に、服装のせいで古いバスタオルを無造作に被せられた子犬のような印象を受けた。

 

 着ている服の傾向からして非魔法界育ちらしいが、近くに保護者と思わしき人もいない。心細そうにキョロキョロと辺りを見回しながら一人でいる様子がどうにも気になった。こちらの両親に、(まことに失礼ながら)身なりがきちんとしていない、すなわち魔法族的ではない少年と仲良くしているところを見つかったら面倒なことになりそうだが……前世からの価値観で無視してしまうのは躊躇われる。

 手のかかる幼馴染二人のせいか、随分おせっかいになっているのかも知れないと内心自嘲しつつ、できるだけ怖がらせない様にそっと声をかけた。

 「こんにちは。君は新しいホグワーツ一年生?」

 「うん。あの、君も?」

 声をかけられた少年は少しびくつきながらも、嬉しそうに頷いた。思ったより臆病な性格ではないようだ。これはいちいちお節介を焼く必要もなかったかもしれない。しかし、自分から話しかけておいて切り上げるような無礼はしない。僕は努めて友好的に話を続けた。

 「そうだよ。ダイアゴン横丁は初めて?」

 僕の言葉に彼は少し目を丸くして少し首を傾げた。

 「なんで分かったの? 僕、どこか変だった?」

 「あんまり慣れてる感じじゃなかったし、格好が魔法界の人っぽくなかったからね」

 

 途端に少年は恥ずかしそうな顔になる。彼も自分の服装が不恰好だということや、初めて訪れた世界だということに不安を感じていたのだろう。

 「僕、やっぱり変かな? つい昨日まで、自分が魔法使いだって知らなかったんだ」

 話の向きが、マルフォイ家にとっては少し不穏なものになる。こっそりと通りに両親がいないことを確かめながら、なんでもない顔をして僕は確認しておきたかったことを彼に尋ねた。

 「君のご両親は魔法使いじゃないの?」

 「いいや、二人とも魔法使いだったんだって。でも小さいときに死んじゃって、魔法使いじゃない人──えっと、マグルの親戚のとこで育てられたんだ」

 

 それは……服装とその言葉から、彼がどんな環境で生きてきたのか推測できてしまった。頼るものもなく、子供をこのような様相でいさせることに躊躇のないマグルの家庭で育つとは、壮絶な人生だったことだろう。不躾な質問をしてしまった。しかし、不謹慎だが少し安心した。これで父から「穢れた血」と話していることで咎められることはなくなった。

 僕は安堵を隠し、「ご愁傷様様です」と言うに相応しい悲しげな顔を作った。

 「辛いことを聞いてしまって悪かったね」

 「いや、全然いいんだよ。それより、魔法界のこと全然知らないから心配で……」

 少年は大きすぎるシャツの裾をいじりながら答えた。

 正直、気持ちはとてもよくわかる。転生したばかりの頃は、僕も魔法界に関する色々なことが不安で眠れなかった覚えがある。

 それに、彼はマグル育ちだ。昔はその辺りの非魔法界で育った子たちの教育格差がどうなっているのか不思議に思って、乳母代わりの屋敷しもべ妖精や家庭教師に色々と質問をしたものだ。父母は「穢れた血」のことについて興味を持つ僕に良い気がしなかった様だが、「非魔法界で教育を受けた魔法族の根本的な教育格差と教育課程の分離の提案」つまり、純血とそれ以外の子は別の教育機関で教えるべきだと思った、などと嘯いたら納得してくれた。チョロいもんである。

 

 その時仕入れた知識を思い返しながら、僕は少年の不安を解消するために言葉を紡いだ。

 「毎年君と同じようにマグルに育てられた子もたくさん入学しているし、お家にいらっしゃったホグワーツの先生に教えてもらったことだけでも十分らしいね。学校に行けばみんな一斉に同じ内容を学び始めることになっているし、そんなに心配いらないと思うよ」

しかし、黒髪の少年はその言葉では安心できなかったようだった。

 「先生? 普通は学校の先生が来て何か説明するのかな。……僕のところは森番の人が来たんだ。それで、えっと……けっこう慌ただしくしてたから、ここまであんまりゆっくり話す時間もなかったんだよ」

 

 その言葉には思わず首を傾げた。なんせ七年間の全寮制学校の入学案内だ。普通(マグル)の学校でだって大ごとなのに、ホグワーツなんてみょうちきりんなものが非魔法族にたやすく受け入れられるわけがない。魔法に親しみのないご家族を説得するための説明がなかったと言うのは、かなり異例なことなんじゃないだろうか?

 ……しかも、ホグワーツの森番は良い噂をまったく聞いたことがない。いや、もちろん、僕の周りが大いにアンチダンブルドアであることを加味する必要はあるが……伝聞から知れる範囲では、そういった生徒に関する重要な説明業務を任せられるような人間という印象はなかった。人手が足りなかったのだろうか? ネグレクト家庭で育っているから、養い親との面談すら必要ないと判断されたとか?

 どうやら学校の問題の皺寄せを食らったらしい目の前の少年が、さらに不憫に思えてきた。

 

「魔法界のこと、一通り教えてもらえた?」

 僕の問いに、彼は首を傾げて考え込んだ。

「……どうだろう? ガリオンとかシックルみたいなお金のこととか、魔法省のこととか、グリンゴッツのこととかは教えてもらったよ」

 今日ダイアゴン横丁で買い物をするために、最低限のことは教えてもらっているようだ。しかし、他のことについてはこれかららしい。これは、僕が蓄えてきた知識を活かせるところなんじゃないだろうか? 頭の中で、彼がこれから魔法界で生きていくために参考になりそうなものを探しながら、僕は口を開いた。

 

「うーん、そうか……僕も魔法界以外のところに詳しいわけじゃないけど、ここは君のいたところとは色々違う文化を持つ場所だとは思う。もし心配なのであれば……まだ教科書は買ってないかな? そうなら、本屋に行ったときに簡単な本を読んでみると良いよ。

 そもそも魔法界は狭く小さいところで、子供向けの本の数自体が少ないけど……『マグルへの対応』という本を読むといいかもしれない。マグルと魔法使いのどこが違うのか、魔法使い目線で書かれてるから。あと、教科書リストはもう貰ってるかな? 魔法史の教科書はいい本なんだけどホグワーツ七年分の内容だからちょっと重たいかもね。出版年も古いし……『魔法の物語』っていう入門書を軽く読んでおくと、魔法界がどんな成り立ちで、どんなところなのか分かりやすいと思うよ」

 

 自分の脳内を口から出力するのにいっぱいいっぱいになっていた僕は、少年が本の題名を懸命に誦じようとしているのに今更ながら気づいた。これは失礼なことをした。彼が伝えた本を見つけられるよう、ポケットに入っていた手帳を取り出してメモを書き、破って手渡した。

「お節介かもしれないけど、よかったら持っていって。ホグワーツに行ってみてしまえば友達に教えてもらえると思うけど……」

 ベラベラ喋りすぎてしまった自覚はある。本当にお節介かもしれないと思ったが、彼はメモを受け取るとパッと顔を輝かせた。

「ありがとう! 助かるよ、本当に。ちゃんと読んでみるね」

 

 少年はメモを入学許可証の封筒の中へと丁寧にしまい、ポケットにそっと入れた。ちょうどその時、マダム・マルキンが少年に採寸の終わりを告げた。邪魔になると思ったのか、少年は大急ぎで台から降りる。彼は出口を少し窺った後、僕の方へと振り返った。

「あの……僕、本当に何にも知らないんだけど……学校でうまくやれるかな?」

 ここまで話してきて、彼は素直な性格なのが見てとれた。僕はにっこり笑って頷く。

「大丈夫、きっと友達もたくさんできるよ」

 実際、話していて好感のもてる少年だった。どこか……何か引っ掛かるところはあるが。それが何なのか、思い出せないけれど。

 

 少年は名残惜しそうに入り口の方を見て、またこちらに振り返る。

 「ハグリッドが待ってくれているから、もう行かなきゃ」

 別れる時間のようだ。僕は笑って彼に手を振った。

 「じゃあ、またホグワーツでね!」

 少年も頷いて手を振り、店の外に出て行った。

 

 程なくして僕も採寸を終えて通りに戻り、しばらく歩いてようやく、自分が何に引っかかっていたのか分かった。

 両親が魔法使いの孤児、黒髪、眼鏡。額に傷があるらしいが、それは見えなかったとはいえ、……かなりハリー・ポッターの特徴に一致してしまっているのではないか? 正直転生してからもう何年も経っていて、幼い日のハリー・ポッターを見分ける自信は全然ない。

 ──いや、でも、まさか魔法界の英雄が、あんな虐待されてますと顔に書いてある様な見窄らしい状態で、十年もの間放置されているわけがないだろう。ないよな? ないと言ってくれ。

 

 自分の迂闊な行動と不穏な予感に、僕は背筋に悪寒が走るのを感じた。

 

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 「ねえハグリッド。ホグワーツの一年生は何クラスあるの?」

 マダム・マルキンの店を出た後、ハグリッドが買ってきてくれたアイスクリームを食べながら、ハリーは隣を歩くハグリッドにそれとなく尋ねた。

 「クラス? いんや、ホグワーツは四つの寮に分かれとって、それぞれで授業を受けるんだ。他の寮と一緒に授業を受けることもあるが──そうか、お前さんはなーんも知らんのだったな」

 ハグリッドの言葉に少し気落ちしながら、ハリーはそれでも話を続けた。

 「そうなんだ。さっき、採寸をしたときに隣にいた男の子が色々教えてくれたんだけど、その子と同じクラス、じゃなくて寮になることはあるのかなって思って」

 「ほう、もう友達ができたのか。そりゃあよかった。お前さんはきっとグリフィンドールだぞ、ハリー。ジェームズとリリーもそうだった……」

 さっきの親切な男の子と同じ寮だったらいい。ダドリーもいない場所で、あの子と同じ寮だったら、きっと今までとはまったく違う、ビクビクすることもない学校生活を送れるだろう……。

 ハグリッドの話を聞きながら、ハリーはこれから来るホグワーツでの生活が、より待ち遠しくなっていることを感じた。

 

 

 


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