アマちゃんな魔法少女の世界にクモオーグをぶち込んだ件   作:関西人オーグ

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クモオーグ様が好きすぎる…なんか主役で書きたかった…っ!!


それか私の幸福。

 

昔から疑問に思ってた…

 

『貴方は出来損ない…住む所や食事を与えてるだけでも感謝しなさい』

 

父の連れ子である私を義母は嫌った…自分の産んだ子でないから愛を与えない…はっきりとそう言われた事もあった…。

 

 

 

『…なあ…父さんは…お前の味方だからな…?だ、大丈夫だ…母さんもきっと…いつか…』

 

父はそう言うが義母の前では一切無視…助けてくれたことなどなかった…二人っきりの時だけ都合のいい事ばかり言う…自分が良い人であろうとする為…良い父親であろうとする為…子供心ながら私はこの偽善者を酷く嫌った…。

 

 

 

『兄ちゃん!あのね!聞いて!僕、今日テストで100点取れたんだ!兄ちゃんが勉強教えてくれたからだよ!ありがとう!』

 

 

弟は…違った…純粋で私を兄として尊敬してくれて…私もそれに応えたいと思えた…。

 

だけど…私は…

 

…ふと思う…幸せとは…一体なんだろうか…

 

あの様な…私の事を罵る両親と共に暮らす中で弟は掛け替えのない存在のはずだ…家族の中で唯一私を愛してくれる家族…そのはずが…

 

私は…弟の事を嫌っていた…邪魔者とすら思っていた…

 

お前さえ居なければ…私は愛されてたかもしれない…なぜお前が愛されて私が虐げられているのだ…

 

酷く濁った感情が私の中に渦巻いていた…。

 

そんな私にもささやかなな楽しみがあった…それは映画…話題になった映画やマイナーな映画…どれを見てても良い気持ちになれる…映画を観ている間だけは頭を空っぽにし…心からその作品を楽しんだ…。

 

 

そして…最近とても印象に残った作品がある…それがシン・仮面ライダー

 

 

最初はシン・ゴジラ、シン・ウルトラマンの様に過去の作品のリメイクと思い両作ともとても見応えのある素晴らしい作品だったので観に行くのが楽しみで仕方なかった…そして上映開始して序盤…とあるキャラクターが頭から離れなかった…

 

そのキャラクターはクモオーグ…原作の仮面ライダーの蜘蛛男を現代風にアレンジした怪人だ。

 

 

身軽な身のこなしに冷静沈着…その後に気になって真の安らぎはこの世になくを読んでその圧倒的な強さ…家にいる時も学校に行く時もバイトの時も彼のことを考えてしまう…。

 

 

そして劇中彼の言ったセリフ…

 

『私は人間が嫌いです…その人間を捨てたオーグメントの為に…人間をこの手で殺すっ…それが私の幸福…』

 

 

そこで気づいた…そうだ…私も同じだ…人間が嫌いなんだ…

 

 

私を愛してくれない両親…そしてその間に産まれただけの弟も…そして…

 

この世界にいる人間が嫌いなのだ…

 

だけど私はまだマシな方なのかもしれない…暴力を振るわれてる訳ではない…それなりに生活はさせてもらえている…自分の部屋だって…元々物置だった地下室を与えられている…少し狭いが生活できない程ではない…高校卒業後は出て聞くことを条件にバイトだってさせてもらえている…まあ給料の半分は持っていかれている訳だが…

 

そんなある日の事…夜中妙な臭いで目が覚めた…焦げ臭い変な臭いだ…

 

 

上に上がるとそこは真っ赤な炎が辺りを照らしていた。

 

 

「っ…これは…火事…!?」

 

 

かなりの炎が辺りを囲んでいる…なぜ!?どこからこの火は…!?

 

そこで他の家族のことが頭をよぎった…あそこまで嫌っていた家族を…自分を虐げてきた家族を…私は何故か心配した…焦った…助けなければ!

 

私にもまだそう言った気持ちが心の奥底にあった事に驚いたが、炎など気にも止めず2階の寝室へと駆け抜けた。

 

勢いよく扉を開ける。

 

「父さん!母さ……はっ?」

 

 

そこにあったのは誰もいない寝室…そして窓の外からチラッとだが見えてしまった…。

 

 

父、母、弟がもうすでに外へ逃げていた…。

 

 

周りには消防車や救急車、人垣ができており…自分は見捨てられた事を理解した。

 

 

そりゃそうだ…邪魔者である私を助ける通りなんてない…だが私は何故か今の自分の状況を見て笑ってしまった。

 

 

「ははっ…あっはっはっ!そうですか!そうですか!!わかりました!!これがあなた方が望む事!!邪魔者には消えてもらおう!!そう言う事だったのですね!!あぁ!!私は自分が馬鹿らしくておかしくなりそうだ!!少しでも貴方達の事を考えてしまった自分が!とてつもなく情け無い!!!あっはっはっは!!」

 

その声は辺り一面に響き渡り私の身体がどんどん熱を帯びてくる…

 

 

「うっ…ぐぅっっっ!!」

 

 

熱さと一酸化炭素で意識がどんどん遠のく…呆気なさすぎる…

 

 

「しまりました…って…何故クモオーグと同じセリフを…」

 

そのまま床に倒れてしまう…最期に少しだけあの日観た映画のキャラの事を思い出してしまった…私が憧れを抱いたキャラクターの事を…

 

 

私の意識が途切れる瞬間、天井が崩れ…私目掛けて落ちてくる…嗚呼…本当に…

 

 

「私も…人間(おとな)が嫌いです…」

 

 

こうして私の意識は消え、18年の人生が終わった…。

 

 

 

 

 

のだが…

 

 

 

「ここは…一体…??」

 

 

辺りを見渡すと虚無と呼ぶに相応しいほど何もなく白い床に果てしなく広がる無限の闇が広がっていた。

 

そしてもう一つ…目の前にある謎の板である。

 

 

大きさは大体3メートルほど…鋼の様な見た目や色合いをしており、酷く不気味に思えた。

 

 

「私は…先ほど火事で…あぁ…そうでした…死んだ…のですね…」

 

【お疲れ様でした。】

 

「!?」

 

どこからともなく機械的な声が聞こえてくる…辺りを見渡しても誰もいない…そして鋼の板の方を見ると青い文字が浮き上がっておりお疲れ様でしたと書いてあった。

 

まさか…これが…??

 

 

【おめでとうございます…貴方は数々の死んだ魂の中から新たな生を得る権利を獲得しました…これより転生を行います、望む特典などはございますか?】

 

 

機械的な声と共に文字が書かれていく…これは…あれですか?バイトをしている時によく耳にいていた異世界転生…まさか本当に起こるとは…

 

しかし…いきなりそう言われても正直わからない…と言うのが正直なところである…。

 

「特典とはどう言った事ができるのですか?」

 

なので少しずつ質問をしてみる事にした…帰ってくる保証はないが…

 

【伝説上の武器、創作上のアイテム、能力でも問題ありません…これから貴方が向かう世界は何かしらの力がなければ生きていくのが困難となる可能性があり、送り出す以上考えて選んでいただきたい。】

 

 

帰ってきた…そうか…なんでも良いのか…

 

 

「その世界はどの様な世界なのですか?」

 

 

【魔獣や魔人が蔓延り、人々に危害を加える…そしてそれに立ち向かう魔法少女達…と言う主軸となった世界でございます。】

 

 

なるほど…異世界といってもファンタジーという訳ではない……あっ…ならば…

 

 

「では…こういった…特典などは可能でしょうか…?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魔獣…それはこの世のどこかにある魔界の怪物…

 

魔人…それは魔界からやってきた侵略者…

 

そして魔人は時として人間の心の闇を利用して契約を行う。

 

契約者は半魔人となり自らの欲望の限りを尽くす…

 

その魔人、半魔人、魔獣と戦う少女…魔法少女達が存在していた。

 

 

「ま、魔法少女がこんなに強いだなんて…!!」

 

豚の半魔人が膝をつきながら少女達に目を向ける。

 

「さあ!もう降参しなさい!貴方に勝ち目はないわ!契約を破棄して!自首しなさい!」

 

赤色のドレスの様な衣装の少女が半魔人に指を刺す。

 

「ってコラ!レッド!人に指は刺さないの!」

 

「あっ!ご、ごめんなさいブルー!」

 

青い衣装の少女が注意をする…

 

「えっと…で、でもでも相手は敵さんな訳ですよぉ?」

 

黄色の少女ももじもじしながらだが二人の間に入る。

 

三人は戦いに対しての緊張感が少し緩かった。

 

「ぶ、ブヒィ!このままで終わらないっ!!俺様は俺様の欲望の限りを尽くす!!女どもを俺様の奴隷にしてやるぅ!!まずはテメェらから犯し殺し「少し黙っててもらえませんか?」っ!?き、貴様!何者!?」

 

 

闇の中から突如として謎の人物が姿を見せた。

 

 

ガスマスクのような形状のマスクを被っており、マスクには蜘蛛の足を模したドレッドヘア状の装飾パーツが生え、赤と黒のジャケットに何かのエンブレムの入ったズボンの怪しげな男だった…マスクの裏には[KUMO-AUGMENT-01]と書かれていた。

 

 

「き、貴様一体どこから…ま、まさか魔人か!?それとも俺様と同じ半魔人?」

 

「なんですって!?」

 

「レッド!落ち着きなさい!でも焦る気持ち…わかるわ…っ!」

 

「こ、この妙な空気…あたし嫌いなのですぅ…!」

 

重たい空気が流れ出し突如と現れた男に両者共に警戒していた。

 

「お初にお目に掛かります…私はクモオーグと申します…以後お見知り置きを…」

 

彼は律儀に名を名乗りお辞儀をし出した。

 

「え、えっと…初めまして…」

ついレッドは挨拶を返してしまう。

「レッド!」

「あ、ごめんブルー!な、何いってんだろう私ったらっ」

 

「ははっ…大丈夫ですよ挨拶は基本的な事…何も恥ずべきことではありません。」

 

穏やかな口調で魔法少女達に話しかける…そんな彼を見てイエローは

 

「も、もしかして…味方さん…なのです?」

 

「なんだと!?貴様!魔法少女の味方なのか!?」

 

その言葉に1番に反応したのは半魔人だ。

 

その後にイエローの問いにクモオーグは

 

「皆さん…皆さんの幸せはなんでしょう…?」

 

と問に問いで返してきた。

 

「えっ…し、幸せ…か…あっ!私はご飯とか!」

 

レッドがすぐに答えてしまう。

 

「ちょっとレッド!緊張感なさすぎ!」

 

「でもブルー?なんか向こうは私達と戦うつもりないみたいだよ?」

 

「だとしても!」

 

「あ、あのクモさん!あ、あたしは映画とかお昼寝が好きなのです!」

 

「「イエロー!?」」

イエローは二人の話を無視して1人クモオーグに近づく

 

 

「それが貴方の幸せなのですね?」

 

「はいです!クモさんの幸せも教えてください!」

 

満面の笑みでクモオーグにそう聞くイエロー

 

「…私の…幸せ…ですか…」

 

すると彼は夜空を見上げ少し考えてる様だった。

そして半魔人は痺れを切らし

 

「貴様!さっきから何やっている!?良い加減にしろ!!」

 

「…私は人間が嫌いです…」

 

その後に聞こえた彼のその言葉…

 

「えっ?」

 

イエローの気の抜けた声の後続けて言い放つ

 

「…その人間を捨てたこの力で…この手で人間を殺すっ!それが私の幸福っ…」

 

 

「え…何…じゃあ…」

 

「敵って…こと?」

 

「なのです…?」

 

三人の魔法少女は全身に力を込める…いつ戦闘が始まっても良い様に…

 

 

「ブヒィ!なぁぁんだお仲間さんか!まどろっこしいことしやがって!人間を捨てたってことはお前も半魔人か?ならよ!このクソガキどもをぶち殺して俺らでこの街を牛耳ろうじゃねぇか!」

 

気色の悪い笑みをしながらクモオーグに近づく豚の半魔人…。

 

「豚がほざかないでください…」

 

「は?」

 

クモオーグから帰ってきた言葉は思いもよらないことだった。

 

「確かに私は彼女達の味方ではありません…ですが貴方の味方でもない…私は人間が嫌いです…ですが全員が全員殺して良い訳ではない…もしかしたら救いを求めている人もいるかもしれない…例えば子供などそうです…穢れを知らずに大人になれば救いがある…だが…貴方にはもう救いなどない…つまり…」

 

シュッ

 

目にも止まらぬ速さで豚に蹴りを放つ…豚はギリギリ避けた…と思っていたが

 

「ブヒィッ!?お、俺様の腕が!?」

 

腕がぐちゃぐちゃに変形していたのだ、一体どれほどの力で蹴れば丈夫な身体である半魔人の腕を変形させれるのだろうか。

 

「救いなき者に死を…それが私の仕事ですので…。」

 

彼は歪んでいるのだ…悪人ならどれだけ殺そうが問題は無いと…

 

悪人だろうと契約を破棄し、浄化させる魔法少女達とは違い、徹底的に痛めつけ殺す…それが自分の幸福であると。

 

 

あの日を境に歪んでしまったのだ。

 

 

行き過ぎた力を手に無差別に殺すのではなく、無造作に悪人を殺す事を選んだのだ。

 

そうすれば世のためになるだろ?という考えのもと。

 

自らの幸せのため…殺人を正当化させるため…

 

彼は怪人となったのだ…。

 

豚の半魔人は内臓を引き摺り出され四肢を削ぎ落とされ、所々骨が露出しており生命力の強さが仇となり中々死なない苦しみを味わっていた。

魔法少女達はその圧倒的な力の差に恐怖し動けずにいた。

 

声すら絞り出せなかった。

 

「…して…こ…ろして…」

 

目に光のない半魔人が細々とした声で喋る…

 

「いいでしょう…今楽にしてあげます…やはり良いですね…獲物は自らの手で仕留めるのが1番です…」

 

そっと豚の半魔人の顔に手をかざしそのまま勢いよく押し潰した。

ブシャッ!

ビクビクビクゥ

赤い血しぶきが舞い上がり目玉やはみ出し飛んできた脳が散らばる…。

痙攣する胴体も4、5秒で動かなくなり完全に半魔人は死亡した。

 

「私に幸せをありがとう…貴方も未来永劫…お幸せに…」

 

「なんで!!!??」

 

半魔人が死亡したところで魔法少女のレッドが勇気を振り絞って声を上げる。

 

「確かにあの豚の半魔人は悪い人だった!でも!まだやり直す事もできたのになんで!!」

 

「レッド…」

 

「ヒッグ…グスッ」

 

ブルーはレッドの名を言う事で精一杯で、イエローは目の前の惨劇を見て泣き出してしまった。

 

「これはこれは、まだ幼い貴女達には少し残酷な物をお見せしてしまいました…私も少し…趣味に走り過ぎたのかもしれません…今後は出来る限り早めに仕留めさせていただきます。」

 

わけがわからない…そう思った…目の前の奴は何をいっているんだ?殺し方が問題だった…そう言う事じゃない…レッドはこの異常な思考回路についていけなかった、高校生である彼女達…確かにまだわからない事…知らない事もある…だがこの現状はおかしい。

 

「殺し方とか…っそんなんじゃない…なんで殺すの…?」

 

必死に頭の中の疑問をクモオーグに問う。

 

もしかしたら殺されるかもしれない、ブルーもイエローもみんなまとめて先ほどの半魔人の様に殺されるかもしれない…そう思った。

 

「…なるほど…同じく人間以上の力を持つ者同士仲良くしたかったのですが…仕方ありません…名残惜しいですがここいらで私は失礼します…では」

 

「あ!待って!!」

 

レッドの言葉も虚しくクモオーグは口から糸を吐きそれを使ってどこかへ消えてしまった。

 

森の中に残るは三人の魔法少女と半魔人の死体のみ

 

「おかしいよ…殺すなんて…絶対…っ…うっ…ううっ!グスッ」

 

緊張が解け涙が溢れ出る

 

「レッド…あ、アカリィ!」

 

ブルーことシズクはレッドであるアカリに抱きつき安堵の涙を流す

 

「アカリちゃぁん!シズクちゃぁん!」

 

イエローことキラリは2人に寄り三人寄り添いながら涙を流す…悪意のある殺意の恐怖…今までの魔人、半魔人、魔獣とは比べ物にならないほどの恐怖を抱いたのだ…。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「救いなき者に…死を…それが私の幸福…何も間違えてなどおりません…ですが…今後は彼女達に関わらずに活動していきたいものです…やはり本物のクモオーグの様には行きませんね…ショッカーの洗脳を受けてなどいない…悲しい記憶が存在している私に…ですが殺すのになんの躊躇もなかった…これほどまでに私が狂人とは…」

 

暗闇の中で一匹のクモがぼやく…

 

「だが、これで良いのです…これが私の望んだ幸福……そのはず…」

 

マスクで顔は見えない…彼はどんな表情をしているのか…それは誰にもわからない…

 

この物語はクモと魔法少女達の残酷な幸福探しの物語。

 

幸せとはなんなのか…それはまだわからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




続くかどうかはわからんっす
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