とあるオタク女の受難(裏世界ピクニック編)。   作:SUN'S

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第1話

○月%日

 

かつての旧友の片割れを見下ろし、私はまた小さくなったのか?と訊ねると脛を蹴られた。おいおい、スリッパなんかで蹴ると怪我するぞ。

 

まあ、遅かったみたいだけど。彼女は右足を押さえるように蹲り、目じりに涙を溜め込みながら「うっせぇよ、ばか!無駄にでかくなりやがって私への当て付けか!?」なんて怒鳴る。

 

そういうところは変わっていないんだなと告げ、あいつはいないのか?と問う。すると、彼女は困ったような表情で「サツキがいなくなった」と苦しそうに言葉を吐き出した。

 

ああ、あいつは行ってしまったのかと私は悲しさより先に納得してしまった。私達の旧友である閏間冴月は不思議な女だ。

 

ここじゃない何処かに並々ならぬ期待と好奇心を抱き、私や彼女を連れて探索にいこうとしたが、今回の件で私を頼ってきた小桜によって探索は断念したと思っていたがそうではないらしい。

 

閏間冴月は私と小桜の代わり(・・・)を見つけ、その人を連れて向こうの探索に何度か連れて行っていたりしたそうだ。

 

尤もそれは二ヶ月ほど前の出来事だそうで、私と疎遠になっている間も向こうとこちらを行き交い、向こうの「モノ」を持ち帰る等のことをやっていたらしい。

 

○月#日

 

小桜の説明によればエレベーターだけでなく民家や境内の社を使っていたのは聞いていたものの。こうも簡単に出入りできるというのは些か危険すぎるだろうと思いながらも向こうに入る。

 

今回で私は二度目だが閏間は何十回と来ている。あいつの胆力というか好奇心というのか必要以上に知りたがる悪癖は直らなかったんだな。

 

そんなことを考えながら閏間の姿を双眼鏡を使って探す。こんなもので見つけられたら苦労しないだろうけど。私は彼女の姿を見つけようと双眼鏡を構えたまま頭を左右に動かしていく。

 

ふと怪しげなものを見つけた。

 

あれは人なのだろうか?と目を凝らす。すごい身体をくねらせている。あれは、なんだっけ?すごい既視観はあるんだが思い出せない。

 

そう、あれは……ふんどしだ。

 

おじいちゃんの畑に刺さってた案山子についてたふんどしだ。良かった、いや良くないな。なんで、こんなところにふんどしがあるんだ?

 

○月≧日

 

私のスマホとカメラが壊れた。

 

そう小桜に愚痴をこぼす。また閏間の痕跡や彼女の服や道具は見当たらなかった事を伝えると安堵したように溜め息を吐き出した。

 

本当に相変わらず小桜は閏間が好きね。

 

そう言うとフォークが飛んできた。

 

折角、私が作ったナポリタンが床に落ちたら勿体ないだろうと文句を言うと「お前が変なこと言うからだろうが!」と叫びながらフォークを引ったくるように取られた。

 

ふてぶてしくナポリタンを食べる小桜にまだ向こうの探索を続けると告げ、閏間が見つかるのかはまだ分からないというのも教える。

 

まったく旧友は心配ばかりさせる人でなしだ。そんなことをお互いに愚痴りながら閏間の行きそうなところを候補に挙げてもらう。

 

私は数年ほど疎遠になっていた。なにより小桜ほど閏間を理解しているやつもいないだろうという事実をなんとなく確信しているからだ。

 

 

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