とあるオタク女の受難(裏世界ピクニック編)。 作:SUN'S
√月∨日
私の放った魔封波によって小瓶に封じ込められた「くねくね」を持ち上げ、そのままズボンのポケットに仕舞う。
この作業にもなれてきたなと思いながら閏間の使っていたという掘っ立て小屋を物色していると拳銃やらライフルやら物騒なものが出てきた。
そっとシートを被せて隠す。
いくら私でも拳銃は無理だ。
まず私は使い方も知らないし、こんな物騒なものを使いたいとも思わない。やっぱり拳が楽でいい。なにも考えずに殴れば大体の事は解決できる。
そんなことを考えていると掘っ立て小屋の出入り口に閏間がいた。ここにいたのかと言おうとした瞬間、私は吐き気に襲われた。
私は訳もわからず薄れていく閏間に抱きつき、彼女を引き止めようとするが「違う、貴女じゃない」と言われ私の意識はそこで途切れた。
》月’日
なぜか小桜の家にいた。
裏側から弾き出されたのか?私じゃないって言っていたけれど。閏間のやつは誰を探しているんだ?と考えながら部屋を出ると小桜とぶつかった。
また叩かれた。
そこまですることないだろうと文句を言えばショットガンを持ち出そうとするので謝った。さすがに銃弾は無理だ。
なんだか小桜には叩かれてばっかりだな。
なんて考えながら向こうで閏間冴月を見つけたこと。彼女はすでに人間ではない「なにか」になっていたことを伝える。
小桜は困惑しているものの「やっぱり、そうなのか」とだけつぶやき、そのまま寝室に籠ってしまった。私も小桜に閏間冴月のことを説明するために時間がほしかった。
だが、どうしても悔しかった。
≦月∞日
閏間について小桜と話し合う。
少なくとも私達の知っている閏間冴月は存在しておらず、彼女の皮を被っている「なにか」によって彼女その物は裏側と完全に繋がっている。
なんとなく小桜は諦めていたのかもしれない。
私の言葉を聞いても反論も否定もなく静かに泣いていた。もう彼女のなかに私達は残っていないのだろう。
所詮、偽りの友人か。
そんなことを考えながら小桜を見る。彼女もまた閏間冴月の被害者だ。あいつに引き込まれて裏側を知ってしまい、その研究に携わるようになった。
彼女はただの物音にも驚き、きょろきょろと辺りを警戒するほどに怖がりだ。それなのに閏間冴月のために仕事を手伝っている。
おそらく小桜は恋愛的な意味で閏間冴月と一緒にいたんだろうと考えて、その考えをすぐに否定する。彼女たちとぐっと一緒にいたのだ。それを間違うなんてことはありえない。
だが、ああ、ほんとうに。
ほんとうに羨ましい。
このお話で終わりです。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
いわゆる、オタク女の嫉妬ENDです。