邪神に転生させられたポケモンオタクとチャンピオン(予定)の二人旅 作:電脳図書館
※長老は本来祖母なのですが、祖父だと間違えて覚えていました!昔の記憶って当てになりませんね
異世界転生、皆さんはアニメやラノベでよく見聞き言葉だろう。かくいう俺もそれらで見聞きしたもんだ。異世界に転生出来たらなと思ったこともあるはずだ。しかしそんなことは荒唐無稽の笑い話、よしんば本当に転生したとしても異世界によっては生き残れる気がしないなんてこともある。そこまで考えてしまえばそんな空想をするのが馬鹿らしいと思う者もいるだろう。俺も大学生になってその手の作品を楽しむことはあっても空想する機会は随分と減ってしまった。それはそれで寂しいなと下校時にふと思ってしまい少しブルーな心持ちになってしまったが新アニポケやポケモンゲームのスカバイのDLCを楽しみにすることで気分を変えたのだが・・・今思えばそれがある意味フラグだったのかも知れない。
「で、時空の歪みを解決すればいいんですよねアルセウスさん」
『漸く落ち着いたか』
謎空間の中俺以外にいる存在は目の前にいる神々しいオーラを纏ったポケモン、そうぞうポケモンアルセウスさんである。どういうことだとかと言えばレジェンズアルセウスの主人公の様な立場になっていると言えばお判り頂けるだろう。まぁ割かし冷静にこの状況を受け止められているのは先ほどまで「うお、本物のアルセウスさんだ!すっげ!」とかひとしきり騒いだからなのだけど。
『騒ぎまくっていたがこちらの話は聞いてくれていた様で何よりだ。人為的か偶然そうなったかは分からないが私が管理している世界線の一つで時空の異常が発生している。君にはそれを解決して欲しい』
「はぁなるほど・・・でも何で俺なんです?ポケモンを知ってたりゲームをプレイしているだけなら他に候補なんて幾らでもいますよね?」
『確かに純粋なポケモントレーナーとしての腕は所謂廃人と呼ばれる者達の方が腕が立つんだが・・・』
「・・・もしかしてもう既に試したんですか?」
『別の世界線の別件でちょっと頼んで見たのだが、いやその問題はキッチリ解決してくれたからいいのだが送った世界線の住人達との人間関係で少し・・・かなり問題が起こってな』
「何やらかしたんですかそいつ」
『メタモン タマゴ 厳選 大量放棄』
「リアルで何やってんだ馬鹿野郎!?そんなん見たら周りと軋轢出来るわボケ!!」
まさかのゲーム感覚勿論廃人全員そんなことするとは思えないが、「次の奴なら大丈夫っしょ!」とかいうのも無責任なので廃人程の練度じゃないけど一般トレーナーより練度が高いポケモンオタクの自分が選ばれたということか。しかしな・・・
「選定理由は分かりました。でも自分の腕はあくまでゲームの腕ですよ?リアルポケモン育成とは話が違うような」
『其処ら辺は任せて置くといい!私の力で君のポケモントレーナーの才能を今まで君がゲームで培った経験と釣り合う分だけ付与しよう』
「マジで!?なら行けるかも知れない!」
『うむ、では任せよう。何かあればこちらから夢を通して連絡しよう』
「了解、アルセウスフォンじゃないんだ?」
『やってもいいがこれから送る所は現代のシンオウ地方だぞ?私に似せたスマホなどもっていれば目ざとい者達から怪しまれてしまうだろう』
「ああ、なるほど!」
主にシロナさんやアカギさんのことですね分かります。前者は兎も角ポケモンが十分に育てられていない内に後者に目を付けられたら最悪だ。夜に見る夢なら早々バレないし、寝言を聞かれても所詮は夢と誤魔化せる訳だな!
「ギンガ団とかには気を付けないとな。それじゃアルセウスさんよろしくお願いします!」
『よろしい、ではこれより"転生"の儀を行う!』
「はい!・・・え、転生?」
あれ、レジェンズアルセウスだと転移じゃなかったっけ!?
「アルセウスさん転生ってどういうことですか!?」
『いや、転移だと我らの世界をゲームの延長としか見れない者も居るのでな。さっき話した廃人の件からの対策として転生をデフォルトにしたのだ。一から生まれ直すから記憶の混乱も起こらないから得だぞ?』
「ま、待って下さい!俺転移だと思ってたんですけど!まだ新アニポケやスカバイのDLCをまだ見てない!!それまで死ねないって!」
『・・・すまんが既に儀式は終わった。諦めてくれ』
「嘘だろ!?転生は事前承諾取ってからして下さいよ!!」
あ、何か足元が発光して来た!?転生がマジで始まっちゃうー!
『それにこの空間に来た以上元々の肉体から魂は離れてるから転生するか、元の世界の輪廻に帰れるかだからどの道元の世界では死んでるぞ?』
「おいおいおいだから承諾なしでそんなことするなって糞邪神!!!!」
先程までの目上への対応を辞め思わずぶちぎれる程の所業だったのだが・・・所詮ただの人間の魂がアルセウスをどうこう出来る訳も無く無慈悲にも転生が行われたのだった。
「新アニポケーー!!DLCーー!!」
最後の断末魔がポケモンで終わる辺り根っからのポケモンオタクである・・・因みに今だに俺はあの邪神を許していないことは主張させて頂こう。
「・・・懐かしい夢を見たな」
よりによってこの日に転生時の夢を見るとは・・・頭が痛い。かれこれ転生して九年経つが初めて見たぞ全く。結局あれからあの邪神とは夢でも会っていない。恐らく何かしらのイベントが起こるまで接触しないつもりなのかも知れない。頭を押さえながら自分の部屋がある二階から一階に降りると今世の両親と母さんのパチリスが既に起きていた。
「あらハル、起きて来たのね」
「おはよう朝ごはんは出来ているぞ、今日は幼馴染の誕生日だろ。プレゼントは用意出来ているか?」
「パチパチ!」
「おはよう、勿論ちゃんと用意しているよ。いただきます!」
アルセウスが手を回してくれたのか今世の両親は前世同様いい親だったのはありがたかった。因みにハルは渾名で今世の本名はハルユキだったりする。パチリスを撫でながら両親の言葉に従い朝飯を済ませる・・・一部ポケモンを食材にしたものが出ているが年単位で食っているのでいい加減慣れたが、どんなポケモンを使っているかはノーコメントとさせて頂く。朝飯を食べ終わった後歯磨きや着替えをして出かける支度を済ませると丁度いいタイミングでインターホンが鳴る。
「ハルー、来たわよ!」
「はーい、にしてもいつも丁度いいタイミングで来やがる」
母さんの呼びかけに答えると机の小箱をショルダーバッグに入れて行ってきますの挨拶と共に外に出て、来たであろう幼馴染を出迎える。
「おはよう、悪いシロナ待たせたな」
「おはようハル。気にしないで、それ程待ってないから」
こちらの挨拶を笑顔で返してくれるのは幼馴染であり、今日誕生日を迎えたシンオウチャンピオン・・・になる予定のシロナさん改めてシロナである。もっとも俺とほぼタメなのでアニポケで見た幼女の姿をしている。
そう俺が転生し生を受けたのはカンナギタウン、しかも原作の時間軸より十年以上前の時代だったのだ。
「それから誕生日おめでとう!今夜は予定通りシロナの家(長老の家)で誕生日会をするからな」
「えぇ楽しみに待っているわ!」
やはり今日が誕生日ということでいつもよりもテンションが上がっている。シロナとの付き合いは2歳くらいの頃からの付き合いだ。俺が自我を取り戻したのが生まれてから半年ほど経ったときに一ヶ月先に生まれた赤子がいることは聞いていたが、まさかシロナだったとはな。漸く歩けるようになったばかりの頃だから正確な時間軸が掴めていなかったので当時は驚いたもんだ。
「にしてももうシロナも旅に出られる十歳か、時が経つのは早いな」
「急に染み染みとしてどうしたの?一ヶ月後はハルも十歳よ?」
「いいじゃないか。長い付き合いなんだし染み染みと感慨を覚えても」
「まぁこの町はシンオウ地方じゃ田舎だから・・・同年代も私たちしかいないしね」
「シロナの妹ちゃんはまだ四歳だからな。所で今日は何処に行く?誕生日会があるから遠出は出来ないけど」
「そうね・・・」
町を歩きながら今日の予定を決めていく。おしゃべりしてて改めて思うがこいつ本当に十歳か?と思うほど性格が出来てるな。最初転生者だから上手くコミュニケーション出来るか不安だったが、寧ろ丁度よかったんだよな。結局その後は211番道路で野生のポケモン達と遊ぶことにした。210番道路でも言えるが草むらに入ると危険だが、カンナギタウンにほど近い所までなら生息しているポケモン達は長らくこの町と交流がある為温厚などで良く一緒に遊んでいるのだ。追いかけっこやかくれんぼなどをして時間を過ごしていったのだが、シロナが普段より集中出来ていないのか負けまくってしまっている。「折角の誕生日なのに!」と少し涙目になってしまっていたが自業自得である。
「はいはい、泣かない泣かない。ワンリキー達が困っちゃうだろ?」
「うう、分かってるけど」
「そもそも集中し切れていないお前が悪い。まぁ十歳の誕生日は特別なものだから分からなくはないが」
「・・・ハルも今回の誕生日プレゼントはポケモンだと思うの?」
「時期的に丁度いいしな。シロナも旅に出たがってたし」
「そうよね、ポケモンはどんなものかしら?」
「ふむ、初めてのポケモンだからあまり癖が強いポケモンではないと思うけど」
まぁ十中八九フカマルのタマゴだと思うけどな。アニポケで言ってたし!
「どんなポケモンなんだろう気になるわ!あ、勿論ハルからのプレゼントも期待しているから!」
「少しは遠慮しなさい!」
原作ではポケモンバトルと考古学関係を除き大人のお姉さん感溢れていたシロナだが俺に対しては唯一の幼馴染だからか遠慮が無い。とはいえ遠慮されまくるも健全では無い気がするので難しい所だ。
「いいじゃない、その代わり私が贈る一か月後のハルの誕生日プレゼントも期待してくれていいわよ!」
「ほう、言いおったな?自らハードルを上げて後悔すんなよ!」
「コダック?」
「ズバズバ・・・」
コダックに首を傾げられ、ズバットに呆れられていることに気が付くまで言い合いを続けた後は、丁度いい時間になったのでそのままシロナの家こと長老の家に向かった。決して二人揃ってポケモン達の生暖かい視線に恥ずかしがったとか居た堪れなくなっという訳ではないのだ・・・本当だぞ?
「む、来たか二人共。飾りつけなどは済ませたぞ」
「お料理の準備もの。飾りつけはクロナちゃんとパチリスちゃんも手伝ってくれたのじゃ」
「むふー!」
「パッチー!!」
「おーえらいなクロナ」
「もー言ってくれれば私も手伝ったのに」
「はは、シロナちゃんは主役だからな。そこまでやらせられないさ」
「そうそう、主役はどっしり待っていればいいのよ」
リビングでは父さん、母さん、パチリス、シロナの祖父祖母である長老とその夫のおじいさん、妹のクロナが既に準備を終えていた様だ。原作では語られていないが、この世界線では妹はシロナに似た容姿でクロナという名前で、両親は仕事で世界中を巡っていて滅多に帰ってこない。ただプレゼントは毎年届いていて同封されたバースデーのメッセージカードには親バカな内容が書かれているので愛されてはいるようだ。
「あれ?食器が一人分多くないか?」
「あ、本当ね。お爺様誰かお客様が来ているの?」
テーブルを上にはローストビーフなどの豪華な食事と食器達が並んでいるがその食器の数が一人分多い。サプライズゲストなのだろうか?シロナの両親かもと考えたが一人分だしな。俺とシロナは揃って首を傾げていると後ろの玄関から俺にとっては初対面だが非常に馴染みのある人物が訪ねて来た。
「失礼するよ。今夜は招待に感謝する」
「貴方は・・・ナナカマド博士!?」
「博士?」
「ほう、私を知っているのか。ここに呼ばれているということは君はシロナ君の友人かな?」
シロナが首を傾げているが目の前の白髪の男性こそがこのシンオウ地方のポケモン博士であるナナカマド博士だ。原作よりも若々しいな。そうか、シロナは博士からタマゴを貰うのか!
「あ、はい。ハルユキという言います。シロナの幼馴染をやってます」
「ハルユキ・・・長老とおじいさんとは長い付き合いだが聞き覚えはないな」
「え・・・ああ、自分は普段はハルと呼ばれていて「いや、その渾名も聞き覚えがないが」???」
あれ、ほぼ毎日一緒にいるはずの俺が話されてない?ぶっちゃけ俺の存在を話さないとシロナの一日の動向とか穴だらけになると思うのだが・・・。
「因みにシロナのことは長老とおじいさんからどう聞いてます?」
「ふむ、長老と言うよりもおじいさんからよく話を聞いてたのだが」
「活発な子で」
『うんうん』
「ポケモンが大好きで」
『そうそう』
「思慮深く頭も良い」
『うん?う、うん』
「ポケモンの知識や学問は一人でも即座に理解して」
『・・・あれ?』
「炊事洗濯掃除なんでも出来る生活能力が高い」
『はぁ?(ハルとシロナの祖母、クロナが特に語気強く)』
「・・・何か違ったかな?」
博士の発言で俺達は空いた口が塞がらない。普通にしている奴などシロナ本人と後ろで二階に退散しようとしている爺一人だけである。
「おい爺」
「な、なんじゃ!?いやそのち、ちょっと二階に忘れ物がの・・・あと曲りなりにも年長者を爺というのは「黙れ糞爺、今から聞く質問に答えろ」・・・はい」
「ポケモンの知識と学問って俺と一緒に学んだよな?」
「はい」
「何なら一部教科やポケモンの知識、特にタイプ相性の関係とか寧ろ俺が教えた気がするんだが?」
「はい」
「で、誰が定期的にシロナの壊滅的な生活能力をフォローする為に炊事洗濯掃除を手伝いに来ているんだ?」
「目の前に居るハルじゃな」
「おうそうだな。それじゃなんでそのことを知ってるのに見え張ったの?」
「それは・・・目の前の男子より孫娘のシロナの方が可愛くての!」
「そっかまぁ確かに俺より可愛いのは事実だし、孫娘は特に可愛いよな!ハハ」
「はは、そうじゃろうそうじゃろう分かってくれるか!」
「「はは/ハハ!」」
「だとしても人一人の存在を消したお前の罪は重い。パチリス、でんじは」
「パッチーーー!!」
「ぎやーーーーーー!?」
「容赦なくポケモンをけし掛けた!?」
「スパークとかのダメージを与える技じゃないだけありがたいと思え」
状態異常のマヒとなった爺を床に転がし置いてけぼり気味の博士を連れて皆で席に着き、料理を頂く。うーん流石誕生日会どの料理も美味い!炊事洗濯掃除が出来ると言っても所詮綺麗好きの大学生が一人暮らしに不自由しないレベル程度だから勉強になる。
途中で爺・・・おじいさんも復活し、等々誕生日ケーキの場面まで来た。ポケモンの世界風にアレンジされている誕生日ソングを歌い終え蝋燭を消すとケーキを食べながらプレゼントの贈与が始まった。皆は服やバック、アクセ、似顔絵といった女の子らしいプレゼントを贈っている。そして博士がシロナに送ったのはやはりというかポケモンのタマゴだった。
「わ、わ!ポケモンのタマゴよ!!」
「長老に頼まれていたものだ。旅に出たいのだろう?このタマゴを孵すことが出来たらポケモン図鑑を持って旅に出ると言い」
「タマゴを孵したら図鑑が貰えて旅に出て良いってことですね。絶対に孵します!それに私もどんなポケモンが生まれて来るか気になるもの!」
すっかりハイテンションになってしまったシロナに俺も含め微笑ましいものを見るような目で見る・・・俺が前世での初めてのポケモンはダイヤモンドの御三家のヒコザルだったっけ。昔画面越しとはいえシロナみたくハイテンションになったことを思い出す。ましてやこの世界はリアルなのだ!その喜びもひとしおだろう。
「最後はハルお兄ちゃんだよね。お姉ちゃんも凄い楽しみにしてたけどどんなプレゼントなの?」
「あいつまたハードル上げおって、俺はもっと実用的なものだ。というか少し甘やかし過ぎだぞ皆?後一方的に期待しまくるのではなくちょっと自重しなさい」
「えー、それじゃハルのプレゼントは何よ」
シロナが少し剥れている。全くそんな少し甘やかし過ぎたか?もうちょい躾はしないとダメだな。と溜息を吐いて頭を振りながらショルダーバッグの中から小箱を取り出し、シロナに見せる。
「ひかりのいし」
『おい!』
シロナ以外の全員に突っ込まれてしまった。何故だ?
「そんなもの何処で見つけて来たのだ?」
「・・・もしやパチリスのものひろいか?」
「流石博士、ちょっと大量のきのみを採取してパチリスと俺達と仲のいい210番、211番道路の野生ポケモン達にあげる代わりに模擬戦やってもらったんですよ。パチリスのレベルも少し上がりましたね、肝心のひかりのいしはらんゲフンゲフン不運で中々拾えずに半年かかりましたけど」
『自重とは?』
将来シロナが手持ちに加えるトゲキッス、ロズレイドへの進化に必要な進化の石だ。確実に必要になるのだからこれは鉛筆と変わらない実用品である!何かシロナ以外首傾げてるけど気にしない!
「綺麗な石、ありがとう大切にするわ!」
「でも使う時は遠慮なく使えよ!」
「ええ・・・お返しの誕生日プレゼントはちょっと考え直さないといけないわね」
そんなこんなで楽しい誕生日会夜が更けていく・・・一ヶ月後も楽しみだな。
読了ありがとうございます!女神転生の第一話よりはマシな出来な筈ですが・・・書き終わって思ったけど、主人公の最初のポケモンの指示(厳密には違うけど)が母親のポケモンにシロナの祖父を攻撃させるってどういうことやねん。字面だけだと意味が分からないぞ(白目)。こんな作品ですが女神転生の作品共々よろしくお願いします!