邪神に転生させられたポケモンオタクとチャンピオン(予定)の二人旅   作:電脳図書館

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第五話となります!ポケモンバトルは基本的に描写はアニポケを参考にしていますが上手く書けているか不安ですね。技は四種類しかないので女神転生の戦闘描写よりは楽なのですけど。


初めてのポケモンバトル

言い訳が失敗し、強制イベントのポケモンバトルが発生してしまった。しかもこの狭い町では噂の広がりが早い、近々旅立つ俺達が初めてのポケモンバトルをするということで町の広場では近所の人たちが俺達を囲んで観戦している。目の前のシロナは一見するとただの真顔に見えるが俺や俺とシロナの身内ならご機嫌が斜めになっているが故の真顔だと分かるだろう。そんな事情を知らない周りの皆は「どっちも頑張れよー」「シロナちゃん、フカマルちゃん気を付けてね!」「ハル、良い所見せてやれ!」とか何とか野次を飛ばすがこちらはそれどころではないんだけどな・・・。

 

「あーごほん、皆も知っていようが近々この二人は自身のポケモンと共に旅に出る。今回のポケモンバトルはその旅の前の記念すべき最初のポケモンバトルじゃ、双方ともに悔いのない戦いをするように!審判は長老の私が勤める。レギュレーションは1対1のシングルバトル、どちらかのポケモンが戦闘不能になった時点で勝敗を決するものとする。双方ポケモンを出すのじゃ!」

 

「出でよ勇敢なる幼竜!フカマル!」

 

「フガ―!」

 

「え、何それ」

 

審判の長老の合図と共に厨二感あふれる台詞と共にフカマルがモンスターボールから飛び出して来た。あいつ最初からこんなこっぱずかしい台詞を言っていたのか。

 

「どうしたの?」

 

「その台詞は?」

 

「お婆様と一緒に考えたのよ」

 

「折角のポケモンの名乗りはやはりこうでなくてはな」

 

「長老の影響かよ!?」

 

あの厨二病は長老譲りか!?さては長老、現役時代で言ってたなこれ!

 

「ほれ、ハルも出さんか。かっこいい前口上や名乗りも言うのじゃぞ?ポケモンの為にもの」

 

「え゛!?」

 

ちょっと待って、俺前世大学生。今世も合わせると30代よ?それなのにシロナみたいな厨二病台詞を言わないといけないの?この衆人環視の中?・・・普通に死ねるんですけど?うわ、言いたくねぇ!!!

 

「う・・・あ」

 

「ええい、早くやらねばシロナの不戦勝にするぞ!」

 

「が、がああああああ!!失われし古代の叡智を示せ!現出せよアンノーン!!あああああああ!?」

 

「ノーン!!・・・ノーン!?」

 

フカマルと同様にモンスターボールからアンノーンが飛び出すが、俺が羞恥心のあまり膝から崩れ落ちている俺を見て驚いている。黒歴史や厨二病台詞の強要は犯罪だぞ!

 

「・・・大丈夫?」

 

「安心しろ致命傷だ(白目)」

 

「大丈夫じゃなかった!」

 

俺達に対して不機嫌を隠そうとしなかったシロナからも心配させてしまった。だが今はポケモンバトル中!しかも俺達の初めてのポケモンバトルなのだ。胃が痛いが立ち上がらなければ!

 

「まだだ、まだ倒れる訳にはいかない!ポケモンバトルは始まってすらいないんだ!」

 

「ハル・・・!」

 

俺が決死の覚悟で立ち上がるとシロナが感極まった表情をしている。不機嫌な癖してやっぱ良い奴だよな。

 

「・・・のうこれただの初めてポケモンをゲットした記念のポケモンバトルだったはずじゃろ。なんでこんな鬼気迫ってるんじゃ?」

 

「さ、さぁ?」

 

「ではバトル開始!」

 

爺さんと父さんとの会話をスルーして長老がバトル開始の宣言を行うと先手はシロナが取った。

 

「フカマルたいあたり!」

 

「フガ!!」

 

シロナとの初バトル。経緯は想定外だったが、バトルがあること自体は予想済みだ。つまり対策は考えている。

 

「アンノーン引き付けて躱せ」

 

「ノーン!」

 

「フガ!?」

 

「躱された!?」

 

「連続技や広範囲技なら兎も角単発技ならよく見て適正の距離を保って回避すればいい」

 

もっともこの手も素早さに差があり過ぎると使えない手だ。フカマルならアンノーンでも種族値で勝っているのでこの手は使えるがガバイト、ガブリアスと進化していけば距離を一瞬で詰められ反応出来ず殴り倒されるだけだろう。

 

「連続でたいあたり!」

 

「連続回避」

 

「フガフガ!!」

 

「ノーン♪」

 

連続技では無い以上連続で繰り出しても技から技に移行するときに出来る僅かな隙がある。その隙があれば回避行動に集中していれば問題なく回避可能だ。そしてそんな連続に技を繰り出していれば・・・。

 

「フガ・・・フガ」

 

「どうしたのフカマル?」

 

「むやみに連続で技を出し過ぎだ。スタミナ切れだな、という訳でアンノーンめざめるパワー!」

 

「ノーン!」

 

「フガー!?」

 

「フカマル!?」

 

「この個体のめざパは格闘か。弱点じゃないがいまひとつじゃないだけマシ!」

 

スタミナが切れて来たフカマルに遠距離からアンノーンが唯一使える技であるめざめるパワーでダメージを与えていく。戦闘経験のないフカマルが現状使える技は二つ。たいあたりとすなじこくだがすなじこく方は動きを拘束され砂あらしの影響でダメージを受けてしまうから注意が必要なので常にある程度交戦距離を空け回避出来るようにしている。もっともシロナも俺が露骨に距離を空けているのを見て、たいあたりの二の前にならないように慎重になって撃ってこないのだが。

 

「むぅ、ハル何か戦い慣れしてない?」

 

「そりゃそうだ。なんせ半年間野生のポケモン達とバトって来たんだからな!」

 

「え・・・あ、ひかりのいし!?」

 

そう、俺がシロナとは違い他人から貰ったり買ったりしなかった理由の一つがこのリアルポケモンバトルの経験を積むことである!そもそもの話幾らアルセウスから才能をブーストされていても誰にでも勝てるチート能力という訳ではなく、ゲームでの実績に則した形でブーストされているので限度はある。まぁ歴代の主人公の功績を集めたら相当なものになり、バトルスタイルがはっきりしているジムリーダーや四天王くらいなら何とか俺でも何とか行ける気がするがチャンピオンクラスとなると通用するか疑問符が付く。中でもシロナの腕はトップクラスと言えるが一度くらいは勝ちたいのが幼馴染というもの。頭を捻って考えたのが!

 

「その名も「相手がどんだけ才能が凄くてもバトルの経験が無くてレベル1のポケモンを使うなら技の対策とバトルの経験を積めばほぼ勝てる!」大作戦だ!」

 

一番弱いであろうポケモンバトルの初戦で大幅有利な条件を持って全力で倒す!

 

『ひ、卑怯だ!こいつ物凄い堂々と卑怯な作戦を語りやがった!?』

 

「卑怯じゃない!トレーナー同士のポケモンバトルはちゃんと初めてだしな!」

 

周りからドン引きされたが、目標の為には仕方ないのである。一度くらい勝ちたいのだ。え、シロナが不機嫌?ポケモンバトルとそれは別物でしょ?あともうちょっとで勝てる!

 

「フカマルたいあたり!」

 

「引き付けて躱して止めのめざめる「フカマルたいあたり中断、その場ですなじごく!」何!?その場となると・・・まさか自爆戦法か!?」

 

「ノ、ノーン!?」

 

「フ、ガーーー!!」

 

初戦で自爆戦法を使ってくるだと!?確かにじめん技なのでフカマルなら耐えられ、すなあらしの継続ダメージも受けないが・・・全く原作じゃ天才じゃないとか言っていたが努力を重ねる前からセンスは冴えてるなおい!

 

「堪えろアンノーン!ダメージは受けなくても拘束されているのはフカマルも同じだ!めざめるパワー!」

 

「確かに動きは制限されるけど、この距離ならまだ届く!フカマルたいあたり!」

 

「ノーン!」

 

「フガ!」

 

アンノーン、フカマルの両者共苦しそうにはしているが何とか技を繰り出す。めざめるパワーはフカマルに着弾するがダメージを気合いで押し殺し、何とかたいあたりを決める。たいあたりの勢いでアンノーンは地に落ちフカマルもアンノーンに倒れ込む形で動かなくなった。

 

「これは・・・引き分け?」

 

「いや」

 

シロナが引き分けかと考えたが審判の長老がそれを否定する。そしてその言葉を肯定するように勝者であるポケモンが立ち上がる。

 

「ノ、ノーン・・・」

 

「お疲れアンノーン。しかしここまで有利な条件でようやっと辛勝かよ・・・未来が怖いな」

 

「うむ、勝者はアンノーン!よってこのバトルはハルの勝ちじゃ!」

 

『おおお!!』

 

周りの歓声に包まれる。先程まで卑怯だなんだと言っていたがそこは狭い町のおっさんおばさんだ。ほぼ身内と言っていい子供の俺達は良く悪くも可愛がられているので本格的な批判などはしてこないのだ・・・旅に出たら気を付けよう。

 

「・・・負けたか」

 

「フ、ガ」

 

「ありがとうフカマル。もうちょっと早くあのすなじこくの使い方を思い付いていたらよかったのだけど」

 

「いや、初戦でそれは怖いわ」

 

「ノーン」

 

「ハル、アンノーン」

 

戦いが終わっても経緯が経緯なので若干気まずい空気が流れるが、ここは本来なら年上である転生者として俺が先に切り出すか。

 

「さっきも言ったがアンノーンのことを黙ってて済まなかったな」

 

「・・・うん、私もムキになってごめんなさい。そのアンノーンのことを相棒ってハルが言ってから何かイライラしちゃって」

 

「イライラ?」

 

首を傾げていると長老が割って入って来る。

 

「それは嫉妬という奴じゃな。大方アンノーンに自分のポジションを取って代わられるととか思ったんじゃろうて」

 

「え、そうなの?俺ってそこまでの存在なのか?」

 

「別に珍しいことでは無いわ。ましてや同年代がお主しかおらず昔からずっと一緒に過ごして来たのじゃ少なからず執着は生まれるし、関係性の変化に怯えもするわい」

 

「そういうものなのか」

 

俺は前世の記憶があるからあまりピンと来ないが生まれてからずっと一緒に居る相手というのは俺の想像以上に強い執着を産む存在なのかもな。後周りの連中も俺達が喧嘩・・・喧嘩?していたことに気が付いていたようだ。とはいえ別にシロナとの喧嘩は珍しいものでもないのだけど。

 

「えっと後はその・・・実は化石を復元するクロガネシティまでは私が一緒に行ってあげようと思って・・・そしてそのまま済し崩し的にそのまま二人で旅が出来ればって。でもアンノーンをゲットしたからこのまま一人で旅に出ちゃうと思って、どうしていいか分からなくなっちゃって」

 

「いや、そうはならねぇよ」

 

「え?」

 

モジモジしながら告白してくれた心配事を俺は一蹴する。長老も隣で頷いているようにそんな心配は杞憂も良いところである。なぜなら

 

 

「生活能力0のお前を一人で旅に出させる訳ねぇだろ。よく考えろよ」

 

 

「うむ、無謀じゃ無謀。身の程を弁えるのじゃな」

 

『ああ、確かに』

 

「ノーン?」

 

「フガフガ」

 

「え」

 

俺と長老の言葉に周りの町人達も同意し、そうなの?とアンノーンに聞かれたフカマルも深く頷いている。その様子にシロナは俺が一蹴したときに首を傾げたポーズのまま顔を赤くして固まってしまうのだった。




読了ありがとうございます!初戦は準備の差でハルがギリギリ勝利を収めましたが・・・まぁこの作品のタグにある通り純粋なトレーナーの才能ではシロナが勝つのでこれほど有利な条件付けても辛勝なのでこれからシロナ、フカマル双方が経験値を積み重ねて行けば勝つのは相当難しくなるでしょう。ここまで有利な状況も作れないでしょうしね。あとシロナの生活能力は原作より更に低下しています。何故でしょうね?という訳で今話はここまでです次回もお楽しみに!
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