邪神に転生させられたポケモンオタクとチャンピオン(予定)の二人旅   作:電脳図書館

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第六話になります!・・・漸く旅立ちまでいけたぜ。スローペースな本作ですが引き続きよろしくお願いします!


二人の旅立ち

ポケモンバトルで和解するという青春ドラマばりの展開を終えたその後数日を掛けて旅に出る準備をシロナと一緒に進めることにした。とはいえ着替えや小物などは互いに既に準備を始めていたのでこの数日で準備するのは使用期限のある消耗品やキャンプ用品くらいなものだけどな。

 

「キズぐすりはこれくらいでいいか。モンスターボールはナナカマド博士から多めに貰ったし、しばらくは大丈夫だろう。消耗品だとあとはどくけし、まひなおしが欲しいな」

 

「消耗品以外だとつりざおとタウンマップね。うーんタウンマップは兎も角つりざおの値段が中々するわね、お金はある程度残して置きたいから最初は中古の物を買おうかしら?でもどうせだったら新品が良いわよね」

 

フレンドリィショップで話し合いながら必要な品を揃えていく。二人で旅に出るのでそれぞれでおこづかいを貯めていた貯金を出し合っていて、普通だったらお金の話は色々拗れたりするのが御約束だがシロナ相手にトラブルが起こるはずもなくせいぜい予算をオーバーする品をどうするかという所でちょっと詰まるくらいだ。この世界のフレンドリィショップではゲームでも買えるポケモンの商品の他にも前世のコンビニの様に多種多様な商品が置かれている。そして中にはキャンプ用品や長旅の保存食、ポケモンフーズも含まれている。フーズに関しては素材が良い奴やタイプごとの好みにあったブレンドがされたものもあるが総じて高いので、大概のポケモンが食べることが出来るレギュラーバージョンを購入している。いずれこれらも拘りたいものだ。

 

「そうすると一部削らないとな。目星付けてたキャンプ用品から削るか?」

 

「単価が高いのが多いのはそれらよね、でもあまり削り過ぎると私達やポケモン達の健康も心配になっちゃうわ・・・あ、これならいいんじゃない!」

 

シロナが指差した商品は二人用の大きめのテントだった。元々小さめのテントを二つ買う予定だったのだが確かに値段を見て見ると二つ買うよりも安くなっている。

 

「確かに節約出来るが俺と同じテントで寝ることになるんだが良いのか?」

 

「え、何か問題があるの?」

 

「ア、ハイ・・・寝袋は別だからもういいや」

 

それからは半分諦めて幾つかの物を二人で共有することで費用を確保し新品のいいつりざおを二人分購入することが出来た・・・中古はお察しの通りボロのつりざおである。名前的に売れるのだろうか?因みにすごいつりざおは置いて無かったが恐らく小数しか生産されない特別なモデルなのだろう。原作通り釣り人の人に貰う必要がある様だ。まぁこれは直ぐじゃ無くてもいいかと買い物を終えフレンドリィショップ出て帰路に着こうとするが、シロナに呼び止められた。

 

「帰る前に寄りたい所があるの。付き合ってくれない?」

 

「別に構わないぞ」

 

シロナに付いていくとそこはアンノーンと出会ったこの町の遺跡だった。

 

「フカマル出て来て!旅立つ前にここをフカマル達と見て置きたくて」

 

「フガ!」

 

「そういうことなら。アンノーン!」

 

「ノーン!」

 

フカマルとアンノーンを出して遺跡内部を観察しつつシロナと遺跡の話や昔話などのおしゃべりをしながら時を過ごしていく。一緒に喧嘩したり、勉強したり、遊んだり、ご飯食べたりと我ながらこの町で過ごした十年間は童心に帰ったもんだな、今生の別れでは無いにしろ少し寂しさも覚える。転生者の俺でもこうなのだシロナも内心少し寂しがっているはずだ。そういう所は俺がちゃんとしないとな!・・・あと生活面も。

 

「旅に出てからもよろしくねハル」

 

「こちらこそだシロナ」

 

「フガガ!」

 

「ノーンノーン!」

 

 

 

私のハイタッチにハルは何も言わず合わせてくれる。それを真似してかフカマルとアンノーンもハイタッチをしていて可愛い・・・アンノーンの方は手なのか分からないけど。私から見たハルは親友兼相棒兼幼馴染だ・・・ちょっと盛りすぎな気がしないでもないけどこの町で同年代はハルだけなので仕方がない。彼は色々物知りで知り合って間もない頃は年上かな?とも思ったのだけど実際は私の方が一ヶ月お姉ちゃんと知って驚いたっけ。でも長い間接していると子供っぽい所もあって、時々やんちゃし過ぎて大人に怒られたこともあったし、この前の初めてのポケモンバトルでは私を倒すことにあそこまで準備していたら負けても「悔しさはあれどしょうがない」と割り切りやすい、それにちょっとあの時は暴走してた自覚はある。私もフカマルを相棒と思っているんだからハルがアンノーンを相棒と言っても普通なのにね。

 

「そろそろ夕飯だ。戻ろうぜ?」

 

「ノーン!」

 

「フガ!」

 

遺跡の入り口から漏れる外の光が暖かな紅に変わっている。フカマルもお腹が減っている様でお腹を押さえていて、早く帰った方がいいだろう。今日は確かハルがカルボナーラを作ってくれるそうだ!「どうせ旅に出たら節約を常に考えたメニューを作らないといけないんだ。今日はチーズを沢山使って豪勢に行くぜ!」とか言っていたのでいつもより更に期待が持てる。そんな気持ちで彼が伸ばした手を掴むときふと昨夜お婆様にここに呼び出されたときのことを思い出す。

 

『シロナ、お主に伝えなければならないことがある。ハルのことじゃ』

 

『お主の幼馴染は・・・今の両親が産んだ子ではないのじゃ』

 

『今から十年前この遺跡の内部から光が漏れ出した。幸い深夜の時間帯ということもあり異変に気が付いたのは長老である私と爺さん、当時家に居ったお主の両親と比較的遺跡の近くに住んでいた今のハルの両親だけじゃった。シロナは赤子じゃったから覚えてないであろうがの』

 

『光が収まった後当然私らで遺跡の中を確認しに言ったのじゃが・・・その顔流石察しがええの。そこに居ったのじゃよ、ゆりかごに入れられたまだ赤子であったハル、いやハルユキがの』

 

『状況が状況だった故ただの捨て子とも思えん。色々話し合った結果子供に恵まれていなかった現在の両親が育てることになったのじゃが・・・私はもしかすると遺跡にあるシンオウ神話のポケモン達が遣わせた者なのでは?と当時は考えていた程じゃ。まぁ成長して見ればちょっと賢しいだけのガキじゃったからつい最近までほぼ無いわと思っておったのじゃがな』

 

『だがハルはあのポケモン、アンノーンに出会いおった。シンオウ神話の神々との繋がりを示唆される珍しいポケモンを相棒にしたのじゃ・・・ふむ、確かにお主の言う通り遺跡にアンノーンが生息して居ることはある。しかしそれは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に限られておる。有名なのはズイの遺跡じゃな、稀に遺跡でも何でもない所で遭遇するあるらしいが生息しておると言うより偶々通っただけだったりする場合がほとんどじゃしの』

 

『この意味が分かるかシロナ。確かにこの遺跡はシンオウ神話との繋がりはある。しかしアンノーンに似た古代文字は何処にも書かれてはいないのじゃ・・・つまりハルとアンノーンがこの遺跡で偶然出会うことなどほぼありえんのじゃ。何らかの必然があったのだろうの』

 

『ハル自身は何も知らないはずじゃがシンオウ神話のポケモン達があやつを寄こしたのは何か理由があるはず、恐らく波乱な旅になるじゃろう。しかし生活能力0のお主を一人旅させる方が不安じゃし選択肢が無いのが現状じゃ。とはいえ曲がりなりにもお主達は親友の仲じゃ、なら互いに支え合ってみんしゃい!』

 

・・・一部否定したい部分もあるけど心配しないでお婆様。ハルが何者だろうと私には関係ないわ!ハルはハルだもの!

 

「ハル、貴方は私が支えて上げるから!」

 

「いや、支えるのは俺の方じゃね?お主に生活面で」

 

「フガフガ」

 

「ノーン」

 

「ちょっと!?」

 

今良い所だったのに!というかフカマル、アンノーンも深く頷かないで!

 

「た、確かに今までは生活面はハルに多少頼って「多少?」・・・か、かなり頼っていたけど!私だって旅に出るのよ。生活面もキチンとこなせるわ!」

 

私だって女の子。いつまでハルに頼りっきりじゃないんだから!

 

 

 

 

 

 

「で、そんなこと言っていた被告人。旅立ち当日になっても部屋の片づけが終わらず弁護人のフカマルが我が家に走って来て応援要請をしたのはどういう了見かね?」

 

「ゴメンナサイ」

 

「「朝食を食べたら朝一で出発よ!」とか言ってたのにお陰で出発が一時間くらい遅れているのだが?」

 

「カエスコトバモゴザイマセン」

 

「弁護人フカマル。何か申し開きはあるかな?」

 

「フガ・・・(沈痛な面持ちで裁判長兼検察のハルに向けて首を横に振るう)」

 

「何もないらしいぞ。今回の判決は執行猶予付けてやるから生活面ではあんま調子良い事言うなよ?」

 

「ハイ」

 

「ノーン・・・(見届け人)」

 

先程終わらせたシロナの部屋の掃除の沙汰を頭を下げているシロナに下した俺(シロナも)だが現在カンナギタウンの入り口に来ている。ドタバタしながら旅立とうする俺達に見送りに来ていた町の皆も思わず笑ってしまっていた。お恥ずかしい!!

 

「お陰で長老、爺さん、クロナちゃん果ては俺の両親にも「シロナのことを頼む」と改めて念押しされたんだぞ。もうちょっとキチンとしなさい」

 

「うう・・・気を付けます」

 

「全く美的センスは普通なのになんでこういう所は大雑把なんだよな。新調した綺麗なリボンが泣くぞ」

 

「つい後回しにしちゃって」

 

「はぁ・・・こんなドタバタが旅の始まりと言うんだから実に俺ららしい」

 

「はは・・・」

 

互いに苦笑いを浮かべながら手を繋ぐと、先程まで寸劇の様な裁判擬きを一緒にやっていたフカマル、アンノーンも俺達に寄りそう。

 

「まぁ色々あったが、これからの期待とワクワク、希望を込めて・・・!」

 

「そして記念すべき旅立ちの・・・!」

 

「「初めのいーーっぽ!!」」

 

「「フガ!/ノーン!」」

 

ぶっちゃけ町の入り口の外何て何度も出たことがある。だがそれでも旅の始まりを示すシロナ達との始まりの一歩で踏み出したこの外に繋がる道と風景はとても特別なものに見えたのだった。




読了ありがとうございます!旅立ったハルとシロナ。しかし本編にある通りハルの事情を若干勘違いされつつ伝えられたシロナ、この勘違いが解消されるというかハルが気づくのは大分後になるのですが・・・まぁ大体合ってるけど微妙に違う勘違いって現実でも発覚するのに時間掛かったりするので仕方ない部分もるのですが。次回からはいよいよ!ようやっとタイトル回収の二人旅が始まります!良ければ今後も付き合い下さいということで次回もお楽しみに!
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