転生ハンターぐだぐだ狩猟記〜猫と祖龍を添えて〜   作:犬社長

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主人公出て来ません。

ツッコミ禁止。




米津玄師と走れメロス〜モンスターハンター ver〜

 

 

メロスは激怒した。

 

 

 必ずや、かの邪智暴虐なるクンチュウ(糞虫)をこの世から除かねばと決意した。

 

 メロスには狩猟がわからぬ。メロスは、村の牧人である。狩猟笛を吹き、ムーファと遊んで暮して来た。けれども甲虫種に対しては、人一倍に敏感であった。

 

 きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、無茶苦茶離れたこの古代林にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。

 

 この娘は、村の或る律気な一牧人を、近々花婿として迎える事になっていた。

 結婚式も間近かなのである。メロスはそれゆえ、祝宴の御馳走に使う草食竜の卵を求め、はるばる古代林にやってきたのだ。

 

 しかし、折角手に入れた美しい卵は、運んでいる間にクンチュウによる背後からの一撃に、無惨にも砕け散ってしまったのである。

 

 故にメロスは激怒し、今この世から甲虫種を1匹残らず殲滅せんと古代林を駆けずり回っているのだ。

 

「おのれ!!意地汚い甲虫種ども!!!我が狩猟笛の錆となるが良い!!!!」

 

 しかし、メロスはハンターでは無い。つまり、コレは密猟である。しかし、メロスはソレを知らなかった。

 

そんなメロスの前に、ある物が現れた。

 

ソレは地面に突き刺さっている様に見える。

 

 なんだコレはと思い、メロスが近づいてみると、ソレはなんと人間であった。

 

「なんと…こんな所に人間が刺さっている!!助けねば!!(使命感)」

 

近付いて、えいや、と引き抜くと、ソレはハンターであった。

 

 腕だけ無茶苦茶鍛えたのか、著しく筋肉が付いている。メロスは、ラージャンの剛腕の幻視をその男に見た。

 

 

「ハッピー!ラッキー!!」

 

 

 メロスに助け出された男は、両腕を振って喜んだ。そして、メロスに気付くと、頭を下げて挨拶をした。

 

「こんにちは、ベイビー♪」

「おぉ。こちらこそ、こんにちは。」

 

メロスも頭を下げる。

 男は、メロスが何者なのか知りたがっているらしく、しきりに名前を聞いてきた。

 

「誰だ♪誰だ♪」

「我はメロス。お主は?」

 

ーーーーすっ、とメロスにギルドカードが差し出される。

 

そこには、『米津玄師』と書いてあった。

 

「ヨネヅ殿か。こんな所で会ったのも、何かの縁。よろしくな。」

 

 

 メロスと米津玄師は、古代林の真ん中で硬い握手を交わした。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「ーーーーして、ヨネヅ殿は、どうして古代林に?」

 

 メロスが尋ねると、米津玄師は真剣な顔をして空を指差した。

 

「遥か 空の星が 酷く輝いて見えたから♪僕は 震えながら その光を 追いかけた♪」

「成る程。不思議な赫い流星を追いかけて、この地にやって来たのだな。」

「誰も見当たらない 夜がまた一つ♪」

「そしたら、夜の古代林で迷ってしまったと。」

「迷い込んだニャンニャンニャン♪」

「それは災難であったな。」

 

 夜の古代林は暗くて、道も分かりにくいだろう。しかし、メロスは古代林の事についてそれなりに知っていた。もしかしたら、彼を村まで送り届ける事が出来るかもしれないと、その時考えたのだ。

 

「ならばヨネヅ殿。ーーーー我が、貴殿を村まで案内し………む?」

 

 メロスがそう言って振り返った時、米津玄師は何か焦った様な表情で、腰のポーチを弄っていた。

ーーーー何かを探しているのだろうか?

 

「ヨ…ヨネヅ殿?何か探しておられるのか??」

 

「ここいらで 落とした財布 誰か見ませんでした(焦り)♪」

「なんと!…財布を落としたのか?!」

 

コレは一大事である。

 

 今時、財布の中にはいろんな物が入っている。クレジットカードに、保険証。マイナンバーカードを入れている人も、居るかもしれぬ。

 

米津玄師は目に見えて落ち込んだ。

 

「馬鹿みたいに ツイてないね♪」

「ーーーーま、まだ探せばあるかも知れぬぞ、ヨネヅ殿??」

「茶化してくれ ハイウェイスター♪」

 

メロスは首を振った。

 

「…我は、人の失敗を茶化す様な生き方をしてきては無い。共に財布を探そう!……落とした場所に、心当たりは無いのか??」

 

 メロスの声に、米津玄師は暫く頭を抱えていたが、不意に手を打った。

 

「お!何か心当たりが!?」

 

頷く米津玄師。

 

「明後日を 探し回るのも 悪くは無いでしょ♪」

「成る程!!財布は、明後日に落ちているのかもしれないと言う事だな!!」

 

メロスは理解した。

 

そして、太陽を指差して米津玄師に手を伸ばしたのだ。

 

「ならば行こうヨネヅ殿!明後日へ急ぐのだ!!」

 

米津玄師は強く頷いた。

 

「まだ行こう 誰も追い付けない くらいのスピードで♪」

 

 

こうして、2人は明後日に向かって駆け出した。

 

 

 

 

2人は走った。

 

 

 

 遺跡平原を越え、 遺群嶺を越え、バルファルクを追い抜き、光より疾く奔った。

 

 

それは過酷な旅路であった。

 

 

 

 しかし、何故か苦痛よりも、清々しい爽快感の方が身体を満たしていた。

 

 

 

(何だこれは…!走れば走るだけ、心地良くなっていく!!汗が飛ぶ快楽!!風を切って走る快感!足の痛みなど気になりやしない!!むしろ気持ちいッッッ!!!今の私は何処までも、何処までも、走れそうだぞヨネヅ殿!!!!)

 

(なんかスッゲェ良い感じ♪)

 

 

 

 

こうして2人はドMになった。

 

 

 

 

そして、遂に2人は明後日に辿り着いたのだ。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

辿り着いた『明後日』があった場所は、古代林であった。

 

 

 どうやら、一周して戻って来たらしい。探し求めていた物は、いつもすぐ傍にあったのだ。

 

 人は探し求め始めて、やっと気付くのだ。………大切な物は、いつも側にあったのだと。それに、気が付かなかっただけなのだと。

 

それは米津玄師にも、メロスにとっても同じだった。

 

 

『明後日』に辿り着いた瞬間、米津玄師は財布を、メロスは草食竜の卵を手に入れていた。

 

 

「おお!!…ヨネヅ殿!!財布が戻って来ているでは無いか!!」

 

2人は顔を見合わせて喜ぶ。

 

「ラッキー♪ハッピー♪」

「ああ!!まさに最ッ高に、ハイッてヤツだぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

ーーーーこうして、ひとしきり喜びに盛りあった2人は、互いに礼を言い合って別れた。

 

 

「実に素晴らしい1日だった!…いや、今日は今『明後日』だから3日か!ーーーーまぁ、どうでも良い!私は遂に、草食竜の卵を手に入れたのだから!!」

 

 これで妹の結婚式に、巨大なオムレツが作れると喜び勇んでいたメロス。

 

 

そんなメロスの後ろから、何かが転がって来る。

 

 

「いやぁ、それにしても、ヨネヅ殿は良い人であった。」

 

ーーーー転がってくる。

 

「また会えると良いなぁ。」

 

ーーーー転がってくる。

 

「ん?……後ろから何か音がーーーーーーーー」

 

ペチッ。

 

 メロスは、背後からクンチュウに体当たりをされて、卵を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ。」

 

 

 

 

 

 

 

メロスは激怒した。

 

 

 

 

ーーーー完







 因みに、メロスと米津玄師は勝手に『明後日』に駆けた罪で、時の神さまに元の時間軸に返されたので、無限ループが始まります。



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